オルレアンの覇王   作:球磨川べネット

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いったい誰の事でしょうね(目反らし)


酒癖のデパート

立香side

 ネロ皇帝の話を纏めると、どうやら現在ローマ帝国に対し、連合ローマ帝国と名乗る敵が現れ、更にその連合ローマ帝国には死んだ筈のかつてのローマ皇帝等が甦り、しかもその甦った者達が非常に強い。

 具体的にはネロ皇帝なら相手にもよるが2人同時までならなんとか勝てて、精鋭兵なら10人で1人を倒せるそうだ。

 どう考えてもその甦った強者ってサーヴァントの事だろうけどネロ皇帝は2人までなら相手出来るんだ…………そして精鋭兵なら10人がかりだけど倒せるんだ……ローマって強いんだな(再確認)。

 たが、問題があり、敵サーヴァントが、倒しても2.3日後には再び甦ってしまうそうだ。

 しかし例外があり、ネロ皇帝が倒せば甦らなくなるらしい。先程のカリギュラを含めて既にネロ皇帝が倒したサーヴァントの数は、二桁を越えたそうだ。

 更に恐らくサーヴァントと思われる味方が居て、それらを客将として招き入れたりもしたが、それでも戦況は悪く、そろそろうってでなければ少々マズイな、と言うときに僕達が来た様です。

 そんな理由があり、僕達はすんなりと客将として受け入れられた。

 ついでにこの特異点で何をすれば良いのかも大体解った。

 さて、じゃぁさっそく出撃を。とはならずに、ネロ皇帝が「先ずは客として歓迎するぞ」と言った瞬間に次々と料理やお酒等を持った侍女の人(と言うのかな?)が入ってきて、あっという間に僕達の前には沢山の料理がならんだ。

 

「今は戦時中であるためこのくらいしか用意出来なかった。しかし勝利の暁にはこれ以上の持て成しを約束しよう」

「俺らにとっては既に十二分だから大丈夫です」

「む?そうであるか?他の客将も似たような事を言っておったし、そなたらは随分少食なのだな」

「ローマが豊か過ぎるだけだと思うぞ」

「む、確かにローマ程豊かな国は無いか、言われればそうであるな。

では思う存分ローマの食を楽しむがよい!!」

「いただきます」

「い、いただきます」

 

 元日本人の赤ジャンヌと僕はいただきますを言ってからその豪華な食事に手をつけた。

 

 

 

 結果食べきれなかったです。

 流石に3人前位食べたしギブだよ、お腹が重い…………。

 あ、お酒は飲んでないよ。僕は一応まだ未成年だから自分から断りました。ネロ皇帝は残念そうな顔をしていたけど事情を話したらけっこう簡単に折れてくれた。

 因みにマシュと赤ジャンヌも呑んでない。

 サーヴァントの皆は本来食事を必要としないから、逆に言うといくらでも食べられるし、いくらでも呑めるみたいだ。

 しかし皆の食事を見るとけっこう違うものだと解る。

 黒髭は海賊だからかとりあえず一通り食べてから好きな物を好きなだけ食べてる。お酒もガバガバ呑んでる。

 スカサハもケルト勢の人だなって再確認出来るくらい肉中心で食べてる。こちらもお酒はけっこうな量呑んでる。でも食べ方はランスロット並に綺麗だ。

 そしてそのランスロットは綺麗にバランス良く食べてる。因みにマシュもだ。お酒は嗜む程度だ。

 白ジャンヌと黒ジャンヌはパンやスープ中心に他の食べ物は全く一緒の物を同じ量だけ、とはなら無いが、好みが似通ってるのは確認できる。こちらもお酒は嗜む程度だ。

 赤ジャンヌは凄い速度で次々と完食していってるのであまり見すぎるとこっちが胸焼けしそうなので見続けたくない。そもそもあいつに関しては受肉してるからいくらでも食える訳じゃ無いはずなんだが………。

 

 そんな風に観察していたら黒髭とスカサハが近付いていて

 

「立香氏、ちょっとジャンヌ殿酔った所見たくないでござるか?」

 

 と言ってきた。

 正直見たいかもしれない。赤ジャンヌが酔うとどうなるか全く想像できないからこそ見たい。

 

「カルデアで拙者やスカサハ氏が飲みに誘っても断られちゃうから、今日こそはマスターの令呪で無理矢理にでも飲んで貰うでござるよ!なんせ海賊にとって一緒に酒を飲むのはスキンシップの一つでござるから!」

「という訳だマスター」

 

 まぁ確かに黒髭にとっては一緒に飲むのは友情の証なのだろう。

 ぶっちゃけ令呪なんて寝れば1画回復するんだし、今使っても問題無いと言えば無いのだ。

 僕も興味あるし………

 

「令呪によって命ずる、赤ジャンヌよ、黒髭とスカサハの酒に付き合え。」

「ファッ!?」

 

 食べることに集中してた赤ジャンヌが驚いてるけど既に発動したから。

 

「イェーイマスターサイコー!!ほれジャンヌ殿、イッキでござるよイッキ!イッキ!」

「瓶ごと口に突っ込もうとするんじゃねぇよ!?」

「どれ、私がやろう。」

「師匠ォ!?ンゴォォォ!?」

 

 あ、無理矢理口に突っ込まれた上にニヤニヤ笑ってるジャンヌ・オルタから鼻つままれてる。

 

 

 

 後になってから僕は後悔した。この時にでも無理矢理止めればまだ間に合ったと。

 

 

 

 

 

「フヘヘヘヘヘ、それでさぁ黒髭、あの時私が寸止めしてやったらあの糞豚白目剥いて気絶したんだよ。ハッハッハッハ。お、黒髭もっと飲め飲め」

 

 どうやら赤ジャンヌは笑い上戸で黒髭だけじゃなく仲間ほぼ全員に絡んでたし、しかも酒を飲むことを強要してるぞ。俺にはまだ来てないけどマシュには既に絡んでたんだよなぁ。それにさっきから自慢話ばっかり上機嫌に話してる。

 

 

数十分後

 

「うわあああーああ、わらし()らってッ、自分の未来をかえらい(変えたい)かえらい(変えたい)思っれぇぇぇぇへへへへへ頑張ったんれすぅ」

「落ち着け、私が悪かった。だから落ち着け」

「貴女には解らないれしょうね!!」

 

 呂律が回ってない位飲んだら今度は泣き上戸で野〇村するとか訳解んねぇぞこれ(困惑)

 最早元凶の一人(スカサハ)が止めようとするレベルだぞおい。

 てか既に止めようとした黒髭がボコボコにされて地面に倒れ伏してる。

 ネロ皇帝もドン引きだぞ!

 

 

更に数十分後

 

マヒュ(マシュ)のほっぺらマヒュマロ(マシュマロ)みらいれふね、ンーチュ!」

 

 今度はキス魔かよ………マシュが絶対防衛ラインとして僕の前に立ってくれてるけどネロ皇帝や近くに控えていた侍女、更には黒髭含めて僕以外既に何かしらの被害受けてる。

 大変申し訳ない気持ちで一杯だ。今回は自分で撒いた種だから余計に胃が痛い……。

 なんか酔拳と思われる拳法のせいで下手に近寄れない。最早スカサハでも動きが読めなくなってきたレベルだ。

 真面目に令呪を更に1画使って止めるのも視野に入れた方がいいかもしれない。

 と考えていたら

 

「わらし今とぉぉぉっっっても幸せなんれすよ」

 

 と満面の笑みと共に言った途端仰向けに倒れた。

 

「…………………………」

「…………………………」

「…………………………」

「……………寝ているな」

「……………嘘でしょ?」

「…………一応そなたら全員分の部屋は用意してあるが……」

「………はぁ、拙者が運ぶでござるよ。

酔っぱらいの扱いはなれてるでござるよグハァ!?」

 

 抱き抱えて運ぼうとした黒髭の顔面に的確に音速の拳が突き刺さった。

 

「………寝てるんだよね?」

「………どうやら自動的に迎撃するみたいであるな。」

「……あの、それ誰が運ぶんですか?と言うより誰が運べるんですか?」

『……………………………………』

「このアホどんだけめんどくさいのよ!?」

 

 僕が寝てるかスカサハに確認したところ自動で迎撃するらしいという情報が手に入った。知りたくなかった。

 そしてマシュが誰が運ぶか(死ぬか)聞いてるが当然誰も何も言わなかった。

 最後にジャンヌ・オルタが皆の心を代弁してくれた。

 本当にめんどくさいな!?酒癖悪すぎるだろ!?もしかして今まで黒髭とスカサハの誘い断ってた理由これ?いや、間違いなくこれだろ。

 いや本当にどうしよう…………

 

「仕方ないここは私が」

「ランスロットさん?」

「いやまて、流石に私とて酔って寝ている婦人相手に手は出さないぞ!?」

「主の妃には手を出したのに?」

「うぐ、そ、それは………」

 

 とりあえずランスロットは論外としてどうしよう…………

 なんて考えていたら突然赤ジャンヌの目がパチリと開いて

 

「飲み過ぎよ全く、大丈夫私が運ぶわ。……………あぁ、私よ、オルガマリーよ。珍しく熟睡してるから私がこの体を操作出来るのよ。あ、でもあまり近付かないでね。迎撃自体は勝手にしちゃうから。」

 

 救世主が現れた。 




酔い方でその人が本当はどんな人なのか判るらしいです。


最近ネタが薄い……薄くない?

次回は現地の味方サーヴァントとの合流と、いけたらカエサルとの邂逅です(カエサルだけとは言ってない)

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