エミヤ死ね(掌ドリル)
確かにランサーを(巻きぞいで)落としてくれたのは感謝するよ?でもお前の爆発のせいでイノケンティウスのルーンまで吹っ飛んだんですけど。どう責任とってくれんの?まだ戦わせてすらないんだけど?これじゃぁ出落ちもいいとこじゃん、せっかく出した俺が馬鹿みたいじゃん?ルーン張るためピョンピョンしてた部下達がまるっきり無駄になったじゃねぇか。解る?この罪の重さ?はぁ……つっかえ………辞めたら?正義の味方?
と本人が聞いていたら「辞められるなら辞めてる!!」と激怒しそうな事を考えている赤ジャンヌだが敵は思考時間の間待ってくれたりなどしない。
「■■■■■■■■■■■■■■ッ■■■■■■」
雄叫びを上げながらヘラクレスが突っ込んでくる。それに対して赤ジャンヌは『流水制空圏』を発動し突進するヘラクレスに突っ込んでいった。
それを見たアヴェンジャーズは独自の判断で一旦散開し、様々な方向からヒロインXの本体狙いで戦闘を開始。
メデューサは潤沢に供給されてる魔力に物を言わせもう一度ペガサスを呼び出し、仕返しと言わんばかりにエミヤの方に飛びたった。
☆☆☆
『流水制空圏』により薄皮一枚でヘラクレスの攻撃を避け続ける赤ジャンヌは、時おり隙を無理矢理作り出しては薄い線や小さな点を狙って攻撃を放っていた。
「『北斗
「■■■■■■■■■ッ!!」
ヘラクレスは『心眼(偽)』というスキルをBクラスで所有している。このスキルは直感や第六感による危機回避能力であるため、理性を失おうと正常に働くスキルである。
このスキルにより、ヘラクレスは攻撃の当たる場所を直感的に線や点では無い場所で受け止める。そうなればランクB以下の攻撃を無効化する肉体に
「■■■■■■■■■■■■!!」
「遅い!!」
裏拳によるカウンターを『縮地』にて確実に避け、先程と変わらずヘラクレスの追撃をまたしても薄皮一枚で避けたまに線や点狙いで攻勢の繰返しであった。つまるところ先程から赤ジャンヌの防戦一方であり、"疲労"の貯まる赤ジャンヌと"疲労"の無いヘラクレスとでは、このまま防戦一方ではどちらが勝つかなど明瞭であった。
当然赤ジャンヌのもこのままでは負けるとは理解している。だが赤ジャンヌにはヘラクレスに通る宝具が無いのだ。
赤ジャンヌは生前に様々な事や当時では偉業と呼べる事を沢山成したが、赤ジャンヌは自分の知識や技術を惜しげなく教え、残し、託していった。故に彼女が出来ることの殆どは弟子達を筆頭に、弟子の弟子といった後世の人達も出来たため、宝具となっても可笑しくなかった技の殆どが宝具とならず、宝具となったものは旗等の様に、直接的な攻撃宝具が殆ど無いのである。
そう、赤ジャンヌにとってはヘラクレスが居る時点でほぼ詰みに近く、むしろメディアと小次郎、更に結果的にクーフーリンまで落とせた時点で大戦果なのだ。後はどれだけ時間を稼げるかのみであり、既にヘラクレスと戦闘を開始してから40分は経過、マスター達が船で逃げてから既に50分近くが経過していた。
黒髭の宝具である船は、乗員が強ければ強いほど船自体も強くなる効果を持っている。そして船の"強さ"とは具体的に言えば、船自体の耐久力といった防御面、船に乗ってある大砲の威力や、有効距離の延長といった火力面、そして船の速力である。つまりサーヴァント6騎、デミサーヴァント1人、最近一般人から逸般人にジョブチェンジしかけてるマスター、多数のローマ兵やネロ皇帝の乗った船が、消費魔力を無視した場合、海というホームグラウンドで叩き出す最高速度は80ノットを越える(時速に換算すれば約148km/h)。島に行くのに約4日かかったのはあくまでもマスターの消費魔力を押さえるためであり、そこまで距離は無い。約140km程であったため、1時間少し前には陸に着くのだ。
既に部下達は1人だけ。しかもそのヒロインXが分身含めて全力で倒そうとしてるから持って3分。時間的にそろそろかとは立香達は陸に着く頃だと思う。
エミヤの方に行ったメデューサは戻ってこない、かといって矢が飛んでくる訳でもなく。
ヘラクレスとは千日手なのは時間稼ぎだからまだ良いとしてヒロインXが合流してきたらどうしようか………。魔力は残り2割といった所だしもう一度呼び出そうにも魔力が足りない。
にしても令呪ブースト有りでもヘラクレスに攻撃通らないとか泣ける。しかも20分位前に令呪ブーストも切れたし、鍛えてるから同格や多少の格上位なら長老みたいに3日間程度戦い続けられるけども相手がヘラクレスとなるとキツイ。一撃一撃が必殺クラスだから流水制空権解除する訳にはいかないが、流水制空権はタイマンで真価を発揮するものだからヒロインXが乱入しだしたらマズイ。
………………
戦場の流れが変わったのは、何度目になるかも解らない赤ジャンヌの直死チャレンジの後であった。
またしても線を捉えられず攻撃を防がれて、カウンターを縮地にて回避 出来なかった。
狂化とは、あくまでも理性を無くす物であり、本能はむしろむき出しになっていると言っても良い。そしてサーヴァントとは、成長はしなくても学習はするのだ。いくら狂化されているとはいえ、武の達人でもあるヘラクレスの前で何度も縮地で回避しきっていたのは流石と言えるだろう。しかし、遂にヘラクレスがその拳に赤ジャンヌを捉えたのだ。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」
「なに!?ガッッッ」
縮地にてヘラクレスの後ろに回った赤ジャンヌに対して、ヘラクレス体を回転させ、その威力が上乗せされた裏拳が赤ジャンヌを捉えた。赤ジャンヌはボールの様に吹き飛ばされ、何本もの木を薙ぎ倒し、先程まで戦っていた海岸付近の場所より500m程奥の場所で木にぶつかったのを最後に勢いは完全に収まった。
一撃。
ただの、宝具でも無ければ特に技でもない、体事回転しながら放った裏拳の一撃だけで、赤ジャンヌはボロボロになっていた。咄嗟に防御を固めて、インパクトの瞬間波紋の呼吸等で出来るだけ衝撃を逃してもなお重症。肋骨は5.6本折れ、ガードした腕は感覚が無くなり、臓器にも甚大なダメージを負い、吐血。吹き飛ばされる最中に折った木の破片のせいか浅い切り傷も全身に有り、満身創痍と言えるだろう。
「し…な………なきゃ…安…い…死ななきゃ……安い………死ななきゃ……安いッ!」
うわ言の様に呟き、時おり口から血を吐き出しながらも赤ジャンヌは立ち上がった。
そんな赤ジャンヌに止めを刺すべく木々を薙ぎ倒しながら向かってくるヘラクレスと、その後ろに最後の一人をタイミング悪く倒したヒロインXの集団が横一列に並び、下手にヘラクレスの追撃を避けよう物ならヒロインXがカバー出きる様に向かってきていた。
だからこそ、赤ジャンヌは出し惜しみせずに使用に踏み切った。
「はぁ……はぁ………『宝具
その宝具は、誰一人として教えなかった禁術。本来どちらか一つのみである相反する"静"の気と"動"の気を
そしてそれに重ねて、体に8つあるリミッターを無理矢理外す事によって本来出す事の出来ない潜在能力を引き出す技、自己強化型宝具『八門遁甲』の内、3つを解放した。
1秒
赤ジャンヌがその二つを使用してからヘラクレスの線を手刀で切り裂き、ヒロインXの本体の霊格を貫手で貫くまでの時間である。
ヘラクレスの心眼(偽)が発動しても回避する時間を与えず、ヒロインXはヘラクレスが斬られた事すら気付かず霊格を貫かれ、これにて戦闘終了 とはならなかった。
赤ジャンヌの直死の魔眼は、転生特典の1つとして、その才能を神より貰っていた。しかし、敵との戦いで極限まで追い詰められた時に初めて開花する様に制限されていたため、ついぞ生前に赤ジャンヌは極限まで追い詰めらる事なくその生涯を閉じたため、直死の魔眼を得る事は無かった。そして、カルデアにて召喚かれたのを切っ掛けに、生前には発現しなかった直死の魔眼が発現したのだ。
つまり、赤ジャンヌは未だに直死の魔眼の練度、死への理解が足りていなかったのだ。故に、魔眼にて切り裂いたの線は"ヘラクレスの一つ目の死"の線であり、"ヘラクレスそのものの死"では無かったのだ。
「■■■■■■■■■■■■■■!!!!!」
「…………ははは……ゴメン所長、マスター」
――――――
――――――令呪によって命ずる!現れろ、赤ジャンヌ!!
ヘラクレスには勝てなかったよ(レ〇プ目)
今更ですがこの作品は作者の処女作です。色々試行錯誤しながら書いているので生暖かい目でどうかお願いします!!
綺麗な婦長が見れるのは監獄塔イベだけ!!