オルレアンの覇王   作:球磨川べネット

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タイトルのまんまです。

カルデアに帰ってから3日程経ってます


間話 第二特異点反省会

「たかが第二特異点ごときで死にかけた奴おりゅwwww?俺だよ」

「自分からネタにしていくのか(困惑)」

 

 第二特異点、永続狂気帝国セプテムでの反省会での第一声がこれであった。勿論発言者は赤ジャンヌである。

 確かに今回の特異点で一番反省すべき事ではあるのだろうが切り込み方をもう少しなんとか出来ないのかという視線と共に立香からツッコミが入る。

 

「まぁ死ななきゃ安い安い。MUGENでは瀕死からの10割KOとか日常だから」

「申し訳ないが格ゲーの皮を被った核ゲーと比べるのはNG」

「全画面……永タゲ……即死ブッパ……耐性の塊……仕事しないライフバー…うっ頭が」

「神ランクはもっとNG」

 

 MUGENにおいてライフバーが飾りとなるのは神ランクからである。しかし何故黒髭はそれを知ってるのかが疑問である。そして立香は地味にMUGENも嗜んでいる事が判明したが些細な事だろう。

 

「ヘラクレス君バーサーカーな時点でかなり手加減してるゾ。狂最上位クラスが狂下位位までは性能落ちてる。『やつはヘラクレスの中でも最弱』『ふん。ヘラクレスの面汚しよ』みたいな感じだから」

「やめてくれよ(懇願)」

 

 ヘラクレスは基本の7クラスの内キャスター以外の全てに適性を持っているが、バーサーカーのクラスが一番弱い。バーサーカーだと大半の武具が没収されるため、本来なら火力をアップするためのクラスが他のクラスと比べるとむしろ火力が落ちるという謎現象をおこすうえに、下手に武具が無い分魔力消費も抑えてるかもしれない始末である。

 そして何より致命的なのが狂化により理性が無くなった事だ。ヘラクレスは武勇にも優れているが深い叡知も持っている(有効活用出来てるとは言ってない)。原作では第三特異点にてバサクレスを罠に嵌めていたが、他のクラスのヘラクレス相手ならあのような作戦は絶対に成功しなかっただろう。

 つまり結論は

 

「聖杯作ったアインツベルンぐぅ有能。ヘラクレスをバーサーカーで召喚したアインツベルンぐぅ無能」

「手のひらドリル過ぎない!?アインツベルンに何か恨みでもあるのかい?」

「恨みは無いけど……ねぇ?ロマン、考えても見ろって。ほら、例えるなら『反射神経頼りなFPSは飽きた。じっくり考え戦略をちゃんと練るプレイヤーが有利になるFPSが有っても良い筈だ』という理念を元にネットで資金を集めてソフト開発してる様な物じゃん。確かにその行動力やら実際にソフト開発したのは普通に有能だよ。ただその結果最終的にタクティカルwwwwでハードコア(笑)な、通称『赤サブレ』と言われるクソゲー産み出したら無能呼ばわりは不可避な訳であって」

「あの、その例えでいくと赤ジャンヌさんはそのクソゲーに殺されかけたという事になるのでは……」

「たわらばっ!?」

「フェイタルケーオーウィーンマシューパーフェクツ」

 

 アインツベルンは無能でファイナルアンサーだが結果的に赤ジャンヌが自分で糞でかブーメラン投げる様な発言であり、ものの見事に自分にぶっ刺さった。

 

「えっあの、私が何か!?」

「無意識とかうっそでござろうwwww」

「良いぞマシュもっと言ってやれ。僕からの忠告だと受け流すけどマシュからの説教なら赤ジャンヌでも効くから」

「ヤメロォ!!終わり!この話終わりだから!そうだ、今回の特異点で孔明の触媒と(一応)エミヤの触媒貰ったから!」

 

 無意識に赤ジャンヌの心にボディブローを放ったマシュからの追撃を防ぐため無理矢理にでも話題を変えに来た赤ジャンヌ。

 ただ、実際の所触媒をもって帰ったのは今回が初めてであり、議題としては悪くないだろう。

 

「なら僕か「私から説明しよう」…僕が言うんじゃないの!?」

「黙ってなさいよもやし。焼き尽くすわよ」

「酷い!?」

 

 実に雑ゥな扱いをされてるロマンだが他のサーヴァントからの扱いも割と適当だったりするので今さらではある。

 

「ばか野郎おまえロマン先生になんて態度だ!大丈夫先生、おっぱい揉む?そして今度戦国姫2(健全番)のRTAしてくれる?」

「うん、す…………しないよ!?」

 

 精神的に弱っていた所に(見た目だけなら)魅惑的なプロポーションの胸を触らせる事を餌に仕掛けたクソゲーオブザイヤー大賞作品RTA(卑劣な罠)を見事に回避したロマンであった。

 

「俺がやろうとするとガバ運(幸運E)のせいでブラックホール城があり得ない頻度で起きるからそもそも普通にクリアすら難しくてやってらんないんだよ~頼むよ~」

「そもそもなんでちゃんとした製品にデータ消去以外対処法の無いバグが残ってるんですか(正論)」

「説明するけど良いよね?」

(「「「アッハイ」」」)

 

 所長代理の立場なのにすぐに話を脱線させる奴が居るらしい

 

「ゴホン………改めて説明するけど召喚されるサーヴァントは基本的にランダムなのは知ってるね?だが、一度召喚して、カルデアでその霊気パターンやその他もろもろをきっちり計測、記録すれば、そのサーヴァントを狙って召喚できるのも知ってるね?」

「はい。だから特異点でサーヴァントがやられてもカルデアで再召喚出来るんですよね?」

「その通り。でもやられたサーヴァントを特異点にまた送るには、一番安全なのは特異点でサークルを設置してもらって、物資と一緒にもう一度っていうものだけど、緊急時にはそうはいかないだろ?だから緊急時にはレイシフトで出来るだけ立香君に近いところに送る手筈になってるけど、どちらにしてもやられてもすぐに送れる訳じゃないからやられないのが一番だ。それに緊急時のレイシフトは恐らく後になればなるほど正確なレイシフトが難しくなるだろうしね」

「一応補足だけどハサンさん達のおかげで職員たちも最近まともに休息をとれるようになってきて、全体的にパフォーマンスが上がって比較的にシバの安定性やらは増したけどそれでも今第三特異点の発見に四苦八苦してる状態だ。これから先どんどん難しくなって、緊急時が増えると予測されるのにそれに比例して正確にレイシフトさせられる可能性が低くなるという事になってしまう。僕達職員も最大限頑張ってはいるけど……本当に申し訳ない」

「一応本当の本当に緊急時には強制的にレイシフトで立香君を戻すけどこれに関しては実行するとしたら、常に意味消失などのリスクとの賭けになるからギリギリまではしない方向性だ。…………………だからこそ酷な様だけど立香君にはしっかりと命の優先順位をつけて貰いたい。この戦いは君が死ねば人類の負けなんだ……………………。

さて、話を戻すけど、実は召喚の際触媒を用意すればその触媒に関連したサーヴァントが呼ばれるのは当たり前だけど、実は特異点で遭遇したサーヴァント、それも敵味方問わずカルデアで出来うる限り観測したから、確定では無いけど呼びやすくはなるよ。言ってしまえばピックアップみたいなものさ。」

「あ、今回は必ず孔明召喚してもらうから。エミヤ?知らん」

 

 赤ジャンヌから必ず孔明を召喚する宣言を受け困惑する一同であった。それもそのはず、はっきり言って孔明をわざわざ呼ぶメリットが薄いからである。召喚とてそうそうポンポン出来るものでは無い。石を3つ砕いて召喚する必要があり、その石が現在20個しか無いのだ。召喚の回数が限られているなら確定では無くとも、高い確率で呼べる優秀な戦力として、クーフーリン、メデューサ、メディア、ロムルス、ヘラクレス、イスカンダル、レオニダス、アルトリ………謎のヒロインXらがピックアップ中なのだから、それらと比べれば確定で呼べたとしても孔明は見劣りするだろうし、何より同じく確定で呼べるエミヤの方をむしろ優先すべきだと思うだろう。

 故にダヴィンチちゃんから「なぜわざわざ孔明を呼ぼうとするんだい?」と質問が飛ぶのも当たり前といえた。

 

「精密に言うと孔明に用が有るんじゃなくてロード・エルメロイⅡ世(ウェイバー君)に用がある。ダヴィンチちゃんやロマンは知らないだろうけど。『孔明はマシュと似たようなデミ・サーヴァントなのよ。そしてかの孔明は肉体や精神の殆どを肉体の主に譲ったみたいでね。ほぼ彼………時計塔始まって以来異例の魔術の才能の無いロード、ウェイバー・ベルべットさんなのよ。』だからこそ、早い内にカルデアに招待しておきたいのさ。本来ならレイシフトとか国連と魔術協会のお偉いさん達がいちいち協議して裁決をするのだけど、非常事態だし今はそんなことどうでもいいさ。だが、人理焼却したド阿呆ぶっ飛ばしたら間違いなく問題になる。だからこそ時計塔のトップの一人を共犯者として抱え込む(ゲス顔)」

 

 それは、カルデアから出たことの無い万能の天才ではそもそも知らない故に気付かなかった事であり、今に必死でひたすらに頑張ってきたロマンにはかつてチラッと会ったかもしれない人でしかなく、ましてや立香やマシュ、サーヴァント達にとっては「孔明ってあんな人なんだ」程度にしか思わなかった事だが、彼は現在の時計塔のお偉いさんであり、彼さえ巻き込めば人理焼却を防いだ後のゴタゴタを丸投げ出来る、ある意味ほかのサーヴァントでは決して出来ない重要な役割を担ってくれる存在なのだ。

 

 

 ようこそウェイバー君、ブラック(カルデア)勤務は初めてか?力抜けよ。歓迎してやるよ、盛大にな(暗黒微笑)。

 エミヤ?触媒貰ったからって召喚しなきゃいけないルールも無いでしょ。

 

 

 

 




クズの集まりである魔術師の中でも比較的まともであり、人脈チートであり、時計塔側からみれば今でも存命中なのでサーヴァントだからってぞんざいな扱いすると時計塔のウェイバー君にも喧嘩を売る事になるという最強の対時計塔サーヴァント。

ピックアップ(ピックアップしか出ないとは言ってない。)

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