オルレアンの覇王   作:球磨川べネット

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ウェイバー君の歓迎会です(白目)
まずこれ迄の資料というプレゼントを渡してあげましょう。とても喜びます()




間話 新入社員歓迎会(と言う名の重役会議)

「…………………はぁ、頭の痛い事のオンパレードだな。爆破テロによるほぼ全てのマスター及び多数の職員達の死亡、又は重症によるコールドスリープ。更に死亡した魔術師(マスター)達の肉体を寄せ集めてアラヤから召喚された異世界のジャンヌ・ダルク。事故によるレイシフト。英霊と融合したデザインベイビーのデミ・サーヴァントと、一般公募から数合わせとして呼ばれたド素人マスター、赤ジャンヌによる、無許可な特異点でのサーヴァント召喚。……………これだけでも既に魔術協会が混乱するレベルなのにまだ最初の特異点で、その中でもまだ序盤も良いところだと?ふざけるな!どうすれば良いのだ!!」

 

 反省会が終わり次第即行で触媒召喚したロード・エルメロイⅡ世を交えての重役会議は、まずロードにこれ迄の資料を渡し、ロードにこれ迄の事を認識してもらう所から始まった。

 そしてその結果時計塔が無くなったためロードから(強制的に)解雇されたウェイバー君が無職になったことに嘆き(違う)、頭を抱えてテーブルに突っ伏していた。

 

「サーヴァントである私達には魔術師協会が混乱しようが時計塔が爆破されようがどうでも良いからね。それは君が頑張ってくれ」

「私はそもそも人理焼却が修復されれば自動的に影の国へ帰る。それまでは徹底的に鍛えてやるだけだ」

 

 頼れる()職場の先輩であるダヴィンチちゃんやスカサハ師匠等は部署が違うからそっちがどうなろうとなにも出来ないと社会の厳しさを早速新入社員君に教えてあげていた。

 

「『………もう、最悪聖杯を2、3個与えれば魔術協会も政府も黙らせられるかなって思い始めたわ』」

「………いや、2、3個では黙らない。あの狡猾なタヌキ共なら回収した聖杯の殆どを没収しようとするだろうな。」

 

 肉体を労災(故意)により失っても尚会社で働く社畜の鏡たるオルガマリー所長が賄賂を渡せば会社の幹部達と政治家達も黙ってくれるんじゃないか?と提案するが、ウェイバー君は奴等は貪欲であるから札束で頬を叩かれても黙ったりはしない。札束で叩いた奴の財産を根こそぎ奪うだろうと一蹴した。

 

「まぁそこら辺を出来るだけカルデア側の被害を押さえながら黙らせる為に君を雇ったんだよ。幸いなことに君には労働基準法が適用されないうえに睡眠も、食事も、排泄も必要ないんだ。素晴らしきかな月月火水木金金の一日24時間労働」

「」

「うわ~。ま、頑張ってくれロード・エルメロイ君」

「ダヴィンチちゃんもサーヴァントだから同じ労働で働けるよね?ハサンの尽力によりダヴィンチちゃん余裕出来たよね?とりあえず石の量産と受肉してないサーヴァントの強化、特異点から回収したワイバーンの爪やらゴーレムの核やらの有効活用方法の模索、人理焼却した馬鹿からカルデアを守るため防衛システム構築、所長の体の作成をやってもらおうか」

「」

 

 やりがいの有る仕事を割り振り、完全(に)週休(が存在しない)制度の採用、食事も睡眠も排泄もしない優秀な社員を雇用するなど(ブラック)企業経営者の鑑たる赤ジャンヌの激励に嬉し涙を流すウェイバー君とダヴィンチちゃんだった。

 

「とりあえずロマンは特異点見つけるまでゆっくりしてて。好きな事をしてていいよ。何か食べたいものが有ったら出来るだけ要望に答えてあげよう」

「待って。何でそんなに僕は厚待遇なの!?しかも何でそんな冷たい目で言ってくるの!?」

 

 赤ジャンヌの目はまるで養豚場の豚を見るかの様だった。「可哀想だけど最後で居なくなっちゃうんだよね」という目だった。

 

「そんなことより「そんなことより!?」…火力は俺とスカサハとランスロットで足りてると言ったな。あれは嘘だ。ゴメン特異点舐めてた。まるで火力足りなかった…いや、未だに回復特化や機動力特化は来て欲しいが火力も必要だよね!なお流石に火力特化過ぎるといくら立香でもミイラとなるのでバランス調整は必須な模様」

「確かに今回の特異点では敵が……あのロムルスが本気だったら常に火力負けしてたね」

「当然だろう。彼には本気でローマを潰すやる気を感じなかったからな。それに私と我が王とレオニダス王、ヘラスレスをあのように使い潰す使い方をする奴が足を引っ張っていたのも大きいな」

「それでもオルレアンと比べたら難易度跳ね上がってるんだよなぁ」

 

 無能(レフ教授)が居たためサーヴァントの効率的で有効な運用が行われなかった結果、敵として超級、及び大英雄級、A級サーヴァントが複数立ちはだかったが、火力負けすることは無かった。

 だがそれでも冬木、オルレアンと比べれば難易度は一気に上昇している。これからを考えればもっと火力を上げるべきなのは明らかだった。

 

「まぁとりあえず修行は内容を3倍にしよう」

「む?もっと厳しく修行をつけても良いのだな?」

「あぁ!」

 

 さらりと修行が3倍になったが些細な事だろう。

 

「自分達の火力を上げるのか(困惑)」

「えと、非常に言いにくいんだけど……職員達にローテーションで少し長めの休息を取らせたいから次の特異点を見つけたとしてもレイシフトするのは時間を開けてからでいいかな?」

「……まぁ士気も有るしなにより疲労で取り返しのつかないミスされるより良いだろう。うん、いっそとことん休みな」

「いや、流石にガッツリは休ませないけど」

 

 職員を気遣いながらもガッツリは休ませないロマンは地味にブラック経営者の資質が見え隠れしている。

 訳ではなく職員を気遣ってもガッツリ休ませられない程には人類は切羽詰まっているだけである。そもそも明確にタイムリミットが存在していて、尚且つそのタイリミットを過ぎると人類が滅びるという極限のプレッシャーがあるのだから、職員たちも心の底から休むことは無いだろう。

 

「………休むならこんなものを預かってあるのだが……」

 

 そういってロード・エルメロイⅡ世が懐から出した物――――――封筒には

 

『ネロ祭開幕!!~カルデアご一行への招待状。ローマより愛を込めて~』

 

 という文面が踊っていた。因に何故か日本語である。

 

「…………えっ何これ」

「召喚される際に座でロムルスから無理矢理渡された」

「嫌な予感しかしないんですがそれは」

「し、失礼します!!あ、新しい特異点……の様な物が観測されました!!」

「あっ(察し)。仕事増やしてんじゃねぇぞローマァァァァァァァ!!」

 

 

 会議室に職員が飛び込んできた。どうやらイベントが開催される模様だ。そして職員達の休みが削減される事が確定した瞬間である。

 

 

 

 

 




なおネロ祭のストーリーは知らないので捏造なうえにダイジェストになる模様。

時空神殿でイベント鯖が助けに来て貰うため必ずイベントは通過しなきゃいけないの。ぶっちゃけイベントだとメタ発言やらネタ、ギャグがてんこ盛りなせいでまさか本編に関わってくるとは思わなかった。
なので必然的にこの小説ではイベントもやります。

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