従者現代録   作:銀の鰹節

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~前回のあらすじ~
南の島へ行く為の準備として買い物をしていた。
 ↓
遊園地が地獄となった時であった…(今ココ!)


#12 トラブル多発です!!

 

【現代入り・12日目】

 

早朝、葵達は大量の荷物を抱えて駅にいた。その傍には祐彦と露木もいる。

 

葵「ふぁあ~~…。さすがに6時起きはキツイよ…。夏休みなんだからもうちょっと寝たい…。」

 

健汰「…お姉ちゃんは休みの日、起きるのが遅すぎるんだよ…。」

 

咲夜「それにしても現代ってこんな朝から外に人がいっぱいいるのね…。」

 

妖夢「現代の仕事は何かとても窮屈そうです…。」

 

藍「確かにそうだな。長時間座って仕事をする所もあるらしいし、その所為で病のリスクがあがるなど問題もあるらしい。」

 

橙「何か…可哀想ですね…。」

 

露木「まぁそれが世の中なんだよな―――って何で南国行く前にこんな暗い話をしているの?!」

 

祐彦「そうだな。もうちょっと楽しみだなぁとかないのか?」

 

葵「やっぱり海!あぁ、透き通った水中…早く泳ぎたいっ!!」

 

咲夜「私も海ね。今までで一度も見た事がなかったから楽しみだわ♪」

 

妖夢「あ、私もです!」

 

藍「私は料理だな。現地の料理は日本とはかなり違うものだろう。」

 

橙「私もです!」

 

そんな感じの会話を数分していると、列車がやってきた。葵達はササッと列車に乗り込んだ。

最初はまだ人と人との間に空間があったが、一駅…また一駅と通過していくにつれ、空間はなくなり密接状態となっていく。

 

 

葵(う、うひゃぁ…通勤ラッシュ半端ない?!)

 

健汰(…身長が欲しい。)

 

妖夢・咲夜・藍・橙(く、苦しい…。)

 

祐彦(頑張れ、あと3駅超えたら俺達も降りれるさ。)

 

露木(だ、だけどさすがに今日は多くねぇか?!)

 

妖夢(…?なぜお二人は両手を上へあげているのですか?)

 

妖夢は露木と祐彦が手を上に挙げているのを見て、疑問に思う。

 

祐彦(痴漢対策さ。最初から触りようがなければ冤罪も生まれる事はない。)

 

露木(俺なんかは過去にそういった経験があるからそうしているんだぜ。でも腕が疲れるからキッツ…。)

 

咲夜(ち、痴漢してしまったんですか?!)

 

露木(ちょ、んな訳ないだろ!?疑いをかけられたんだよ…。)

 

藍(そ、その後どうしたんだ?)

 

露木(あー、全速力で逃げた。結果、何とか逃げ切れて、その道は1年くらい行こうとしなかったな。)

 

橙(け、警察とか追ってこなかったんですか?)

 

露木(ああ。その時丁度夏祭り帰りで顔にお面つけていたし、写真も撮られていなかったから幸いな。)

 

葵(まさかノブっちにそんな過去があるとは…。)

 

健汰(でもよくその状況で逃げれましたね。普通なら「やっていない」って言うと思うんだけど…。)

 

露木(あー、俺もそうしようと思ったんだけど、本能がヤバいって言っていたから逃げた。)

 

葵(さすがノブっちの本能…しっかりと生きてゆく術が備わっているね!)

 

橙(で、でも確かにこの込み具合だとありそうですね…。)

 

妖夢(す、すいません、皆さん…わ、私今触られているかもしれないのです…。)

 

葵(へぇ…――えっ?!今何て言った?!)

 

妖夢(さ、触られているかもしれない…です…。ど、どどどうすれば?!)

 

露木(落ち着け妖夢さん。おいケン、そこから妖夢さん周辺の状況を目視できるか?)

 

健汰(う、うん…できるけど…。)

 

露木(俺のスマホを渡すからちょっと写真撮ってみてくれ。)

 

妖夢(ろ、露木さん?!)

 

露木(大丈夫だ。ケンにその内容を判断してもらう。もし黒だった場合は声を俺があげてやる。白だった場合は取りあえず声ぐらいはかけておく。)

 

健汰(と、撮れたよ…。)

 

露木(どうだ?バッチリ黒。動画でも撮ったけど、撫でまわしてるね。)

 

妖夢(そ、そんな風に解説しないでくださいぃ…。)

 

露木(よし、次は俺の手を、その犯罪者の手へ導いてくれ。)

 

健汰(わ、わかった…!!)

 

露木は手を健汰の方へと伸ばし、健汰に引っ張ってもらう。すると、何者かの手首をがっしりと掴んだ。

 

露木(お、もがき始めたかぁ?!けど、コッチにこいやぁ!!)

 

露木は満員状態のなか、掴んでいる腕を思いっきり引っ張り、コッチへ引き寄せた。

 

 

男「うあっ?!」

 

 

露木(ほぉ、お前が痴漢犯か?)

 

男(な、何を言っている?!私はやっていない!!だからその手を離せ!!)

 

露木(へぇ…。)

 

男(んなっ?!)

 

露木はにやにやしながら、男に健汰が撮った写真を見せる。すると男の顔色がどんどん悪くなっていった。

 

男(あ、う…!?)

 

妖夢(この人が…!!早くやっちゃってください!!)

 

露木(まぁ待て。なあ、オジサン。これから2つの選択肢をあげよう。)

 

男(す、すまない!!ゆ、許してくれぇ!?)

 

露木(1つ、このままバレルか。そして2つ目は―――)

 

男(み、見逃して―――)

 

露木(この汚れた手をへし折るか、だ…!!)

 

 

『メリメリメリ…!!』

 

 

男「ッッッ~!!?」

 

露木(おっと叫ぶなよぉ…。それじゃあばれちまう。さぁ、どっちがいいか選びな。)

 

男(ぁ、ぁぁぁ…?!!)

 

露木(…黙る、か。だったらその手、へし折るのみ―――)

 

男「わ、私がしましたぁっ!!私がその子に痴漢をしましたぁっ!!!」

 

 

『ガヤガヤ…ドヨドヨ…』

 

 

露木「んあ?すまん、聞いていなかったわ…もう一度大きな声で頼むよ…。」

 

男「わっ私が痴漢をしましたぁ!!!私は犯罪者ですぅ!!?」

 

露木「おーよくできました。さ、これでこの先の人生は真っ黒、頑張って生きなよ…。」

 

この露木の姿を見て、全員が思ったのだ―――

 

全員『(この人、絶対的正義の名の元に犯罪者にはいろいろな事をしちゃう人だ…!!)』

 

―――と。

 

 

その後、次の駅で男性は駅員に連れられて降りる事になった。

 

 

『プシュー…』

 

 

男「くっ…ぐっ…!!」

 

駅員「ほら、お前はコッチだ!!」

 

露木「…!」

 

電車のドアが閉まると同時だった。露木がいきなり腕を突き上げたのだ!!

 

露木「フンッ…!!」

 

 

『あぎゃあああぁぁーーー?!!!!』

 

 

そして、外からは悲鳴が聞こえた。何かが折れる音と同時に。

 

露木「ふぅ…悪を罰するというのは清々しい、実に清々しい…!!」

 

祐彦「おい露木…さすがにやりすぎじゃないか…?能力までこんな事に使うとは―――」

 

露木「何を言っているんだ、祐彦?能力なんてつかっていない、元から持っていた『糸』を使っただけだよ。」

 

葵「だとしてもだよ…!!たとえ相手が犯罪者だからって何でもかんでもやっていい訳じゃないんだからね…!!」

 

露木「…。…ああ、すまなかった。ちょっと頭に来ていたからつい、ね…。」

 

妖夢「でも有難うございます、露木さん。」

 

露木「いや、お礼なんていらないよ。」

 

空港までの間、重い空気に包まれていた。露木もそれをひしひしと感じており、申し訳なさそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、飛行機のフライト時間が迫った時だった。

 

葵「ええ~~~!!?離陸時間が遅れるのぉ?!」

 

祐彦「ああ。どうやらアッチの空港は暴風雨で荒れているらしい。しかも予報だと半日以上そうみたいだ。」

 

妖夢「それは残念ですね…。」

 

咲夜「まぁでも、空港に居るだけでもあんまり退屈はしなさそうよ。」

 

藍「そうだな。色んな店がある…。」

 

健汰「あ…!あっちでなんかイベントをやってるみたい。」

 

葵「へぇ!何のイベントかなぁ…?」

 

葵達の視線の先には、人々が集まって何かを見ているようだった。

 

葵「よし、みんな行くよ!!」

 

健汰「…?祐彦さん、いくよ?」

 

祐彦「あ、ああ…。(露木は何処に行ったんだ…?いつの間にかに消えているし…。トイレでも行ったのか?)」

 

橙「あ、あの葵さん…あの人って…。」

 

葵「何なに?!何か見えた――――へ?」

 

健汰「人溜まりの中央にいる人物って――?!」

 

咲夜・妖夢「…?!」

 

藍「な、何をやっているんだ、アイツは?!!」

 

祐彦「ろ、露木…?!」

 

そう、人が集まっていたのはイベントではなかったのだ。人々が何を見ているのかというと―――

 

 

露木「(暇だな~…)しょっと…。」

 

 

露木が退屈凌ぎに、能力で糸を出して遊んでいたのだ。

露木から放出されている光り輝く糸は、神秘的。その一言だった。

 

祐彦「おい露木…!!お前は一体何をやっているんだ…!!」

 

露木「ん?ああ祐彦…。ちょっと暇だから遊んでた。意外と楽しいぜ?ほら、糸で作った刀やるよ。」

 

祐彦「んなっ?!こんな人の目が多い所で能力を使うなよ?!」

 

露木「…あぁそうだったな…。暇だったもので…つい、な…。」

 

健汰「今日なんか調子悪そうだし少しだけ寝ていたら?ちゃんと声掛けるから…。」

 

露木「あぁ、そうさせてもらうよ、ケン。いいか、絶対においていくなよ?」

 

健汰「うん。ちゃんと起こすから。」

 

露木「ああ頼む。……。なぁ、本当において行かないでくれよ?」

 

健汰「(この人しつこいなぁ…。)大丈夫ですって。いざとなればバットを顔に叩き込んで起こすんで。」

 

露木「あ…うん。普通にお願いね…。おやすみぃ…。」

 

露木は椅子に座って眠りだす。するとほんの数分で鼾をかき始めたのであった。

 

 

『ぐがががが、が…ぐがががが、が…!!!』

 

 

葵「き、気持ち悪ぃ?!」

 

健汰「お姉ちゃん、言っていい事と悪い事があるからね…。」

 

祐彦「まぁ今回は仕方ないだろう。座りながら寝てるからな…。」

 

咲夜「皆さん、あちらの店で興味が湧くような商品を見つけましたよ。」

 

葵「そーなの?どこどこ?」

 

祐彦「ケン、露木は俺が見ているから葵達と行ってくるといい。」

 

健汰「有難うございます、祐彦さん。ちょっと待ってよ、お姉ちゃん!」

 

健汰は早足に、葵の方へと向かっていった。そして祐彦は露木に渡された糸でできた刀を眺めていた。

 

祐彦「(軽いな…。…ためしにボールペンでも切ってみるか…。)」

 

 

『スパンッ!!』

 

 

祐彦「…?!(こ、この刀を5cm程度軽く振っただけでペンが切れただと?!) ッ?!」

 

祐彦は驚いていた。本来ならば切れる筈のない、自分の指に切り傷が出来ていたのだ。

 

祐彦「…おい、露木。これの鞘を作ってくれ。」

 

露木「…ん?ああ、ほれ。」

 

祐彦「ありがとう。(この刀…どうすれば良いんだ?)」

 

 

 

 

~一方、葵達~

 

妖夢「この『しふぉんけーき』っていうお菓子、おいしいですね!」

 

咲夜「ホントね。紅茶と相性抜群って直ぐにわかるわ…。」

 

健汰「僕としては牛乳が欲しいね。」

 

葵「ふぁあぁぁ~~!!う~ま~い~~…!!」

 

橙「アハハ、葵さん口の周りにカスがついていますよ!」

 

葵「おや、これはお恥ずかしい…。」

 

藍「うん、これは是非紫様へのお土産にしたいな…!でもいつ帰るか分からないからなぁ…。」

 

葵「ん?ほら、誰だっけ…優、さん?に渡せばいいんじゃない?」

 

咲夜「優ならもう幻想郷に帰ったわ。目的は達成したから現代に留まる理由がない、だってさ。」

 

妖夢「優さんも私達と一緒に住めれば良かったんですけどね…。」

 

健汰「僕はそうして欲しかったかな?話を聞いた時、いままでにない興奮を体験できたからね…。」

 

葵「えぇ?!ちょ、興奮って…。」

 

健汰「お姉ちゃん、意味深な受け取り方していない?」

 

葵「いっいや全然!!優さんの話は確かにすごかったなー!」

 

健汰「(…はぁ。)」

 

妖夢「…あ!占いができる屋台がありますよ!一回700円みたいですね。」

 

葵「へぇ…。ケン、アンタ占ってもらえば?」

 

健汰「な、なんで…。」

 

葵「いやだって、運に関しちゃすごいついてるでしょう?だからこの先も何かいい事あるのかなぁ…って。」

 

健汰「も、もしこの先不運な事があるでしょう、なんて言われたらどうするの?」

 

咲夜「ケン、やってみたら?面白そうよ。」

 

健汰「え、いやでも―――」

 

藍「確かに葵の言う事はわかる。ケンは何気に小さな幸福がたくさん訪れているし、南国へ行けるのだってケンのお蔭だしな。」

 

橙「そうだよ、やっちゃいなよ、ケンタ!」

 

健汰「はぁ…。わかったよ…。(このやり取りが僕にとっては不運だ…!!)」

 

健汰達は占い師の所へと行き、700円を渡す。すると、屋台の人が水晶を取り出す。

 

師「はてさて、どんな未来が待っているのか…。カァッ!!!!」

 

 

『ピカァァァ!!!!』

 

 

葵「うわ、光り出した?!」

 

師「ふむ、ふむふむ…。貴方は凄い運の持ち主ですねぇ!!」

 

健汰「へぇ…ちなみにどうしてですか?」

 

師「まず貴方の守護霊がトリプル7のスロットだからなのと、背後霊に黄金虫がいるから。」

 

健汰「(よ、喜んでいいのか微妙な線きたぁ…。)こ、黄金虫ですか…。」

 

師「でも注意が必要。ラッキーな事が多いかわりに、一度に来るアンラッキーの質がかなり危険。もしかするとこの先、命に関わる事故や事件に巻き込まれるかもしれないね…。」

 

全員『・・・』

 

師「あと、こんな事をいって悪いのだけど、そこの御嬢さん!!」

 

葵「わっ私?!」

 

師「貴方には今、厄が凄い溜まっている…!!本当ならば今すぐにでも災いが起こってもおかしくはない。そんな状況だね。」

 

葵「ど、どどどどうすればッ?!」

 

師「その男の子と一緒にすごしていれば問題はないよ。彼の守護霊、意外と厄を弾いてくれるみたいだし。」

 

健汰「そ、そうなんですか…。有難うございました。」

 

健汰たちはその場から離れ、露木たちの元へと戻っていった。

 

健汰「(い、命に関わる事故や事件…。なんとなくだけど飛行機墜落するんじゃない?)」

 

健汰の脳裏には少しだけ、その考えが過ったが気には留めなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『――…て――き…て――――起きて下さい!!』

 

 

露木「…んぁ?」

 

健汰「やっと起きた…。早くしてください、みんな待ってますよ?」

 

露木「やっと出発か…。んん~~!!体が痛い…。」

 

健汰「まぁ椅子に座りながらずっと寝ていたら痛いですよね…。」

 

葵「おっはよー、ノブっち!なんか涎の痕があるよ?」

 

露木「うぐっ?!熟睡していたんだよ…。」

 

祐彦「さて、もう荷物は飛行機の中だ。俺達もさっさと飛行機に乗り込むぞ。」

 

葵「アイアイサー!!行くよ、みんな!」

 

時間が大幅にずれるも、飛行機へ乗り込み陸から離れた。

咲夜と妖夢は落ち着かないのかずっとソワソワしており、藍と橙は耳鳴りに悩まされていた。

 

そして、酔いやすい葵は…。

 

葵「…!!ぁ…!!」

 

祐彦「お、おい…?!葵、ここに袋あるからな?!」

 

露木「…か、顔が青いぞ?!しっかりとしろよ?!」

 

葵「う、うん…ッ?!うぐっ…!!」

 

露木「ギャーー?!!の、飲み込め、飲み込むんだーッ?!!」

 

葵「…ゴクン。」

 

露木「よ、よし…!」

 

葵「ハグゴヘェアッ?!!!」

 

祐彦「ハァッ!!!」

 

 

『ガササササ!!!』

 

 

露木「な、ナイスだ、祐彦…!!」

 

健汰「(2人には悪いけど、お姉ちゃんの隣じゃなくて良かった…。)」

 

このように地獄のような時間を過ごすのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は南国へ行く手前の回でした。特にこれといった進展はなく、露木が犯罪者をとっちあげた事、健汰は強運の持ち主だという事、葵は地獄の時間を過ごす事ぐらいですね。
そして次回、やっと南国へと足を踏み入れます。(もう既にグダグダ状態な気がしてならない…。)
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!
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