南国から出港し、日本を目指す。
↓
しかし、道中で桂井が襲い掛かって来た。(今ココ!)
桂井「死ねェ草壁健汰ァ!!」
『カチッ!』
健汰「お姉ちゃん、来ちゃダ―――――」
『バンッ!!』
祐彦・露木・妖夢・葵「健汰ァァァァ!!!!」
桂井がボタンを押した途端、健汰が消えた。
そして――――――葵の中の大切な何かが斬れた。
葵「…さない。―――『コ ロ ス ッ』!!」
桂井「おぉおぉ、怖いなぁ~。獰猛な猛獣を前にしている気分だよ…!!どれ、猛獣使いにでもなっておこうかなァ!!」
露木「待て、葵!!今つっこんだら―――」
葵「ぅぅアアアッ!!!」
『ダンッ!!』
祐彦「何だ、あの跳躍力は?!」
葵は高さ5m程の位置にいる桂井に向かって思いっきりジャンプすると、7m程ジャンプして見せた。
桂井「んん~力は凄いがノロいノロい!もっと俺を恨み、もっと強くなれッ!!」
葵「ゔっ?!」
桂井「腹部にパンチを決めてからのォ~…もう片方の手で喉を思いっきりパンチッ!!」
葵「ごっ?!」
『ズガンッ!!』
葵は桂井の渾身の一撃を喉に当てられる。葵は船へと打ち付けられる。
桂井「フハハハッ!!みじめだなぁ、草壁葵ィ!!だが恨みのぶつけあいにする為には、まだ犠牲が足りんようだな―――」
『パッ!』
祐彦「なっ?!」
桂井が一瞬にして姿を消す。
気付けば祐彦の目の前に立っていた。
桂井「次はお前だーーッ!!」
祐彦「くっ!!」
『サッ!』
祐彦は桂井の奇襲を何とか躱す。だが、桂井はさらに詰め寄った。
桂井「まだまだァ!!一体いつまで避けていられるかなァ?!」
『ヒュッヒュッヒュッヒュッ!!!』
祐彦「グッ…!!(コイツ、拳が鋭い!!頬をかすめただけで皮膚が切れた…!!)」
桂井「ムッ!今、余所見したなァ~!!!オラァッ!!」
祐彦「しまっ―――グッ?!」
『ドムッ!!』
桂井「ウオオオオーーッ!!死ねい、古森祐彦!!」
桂井の渾身のパンチが祐彦の胸部に当たる。祐彦はあまりの痛さに顔をゆがめている。
祐彦「(この勢い…。殴り潰す気か?!)」
桂井「この後の俺の行動が読めたようだなぁ。では恐怖を抱いて逝くがいい!!」
桂井の拳が祐彦の胸部を貫く直前祐彦は動いた。両手で桂井の腕を掴み、力で後ろへと後退する。
そしてすぐさま桂井の懐に潜り込む。まるで木の上にいる猿の様になめらかな動きで懐へと入っていった。
桂井「何ッ――――」
祐彦「ウオオオッ!!」
そして祐彦は、ずっと隠し持っていた木刀を手に持ち、連撃を叩きこむ。
祐彦「面ッ、小手ェッ、胴ォッ!!!」
桂井「グハッ?!(は、速いぃ…?!)」
祐彦「『
『ズンッ!!』
桂井「グハアッ?!」
祐彦は上半身をしならせて、全力の突きを放つ。
その突きは見事桂井に命中し、後方へと吹っ飛ばす。
露木「ここから繋げていく!!『
『ズバァンッ!!』
吹っ飛んで行く桂井を後ろから追撃する。
妖夢「燕返し、斬り上げ!!」
『ザンッザシュッ!!』
桂井「―――ァッ?!」
そして妖夢が踏込み、桂井に斬撃を浴びせる。
露木「糸で固定!!」
『ギシィッ!!』
桂井「ぐっ…宙に―――」
斬り上げられた桂井を、露木が糸で宙に固定させる。
妖夢「行きますよ、祐彦さん。」
祐彦「ああ。全力を叩き込むッ!!」
妖夢・祐彦「『斬り下ろし!!』『乱れ突き!!』『薙ぎ払い!!』――――『居合切り!!』」
『ズババババンッ、ザシュッ!!』
2人は渾身の技を叩き込み、桂井を斬りまくる。
葵「…!!」
葵はようやく体を動かせるようになり、目の前で倒れかかる桂井の姿を見る。
葵「(喉が潰れてる…。だけど―――)ア゙ァ゙ッ!!」
『バキッ!!』
桂井「グアアアーーーッ?!!」
『ズガーンッ!!』
葵は桂井を見た瞬間にバッと飛び起き、殴りかかる。
葵の拳は桂井の顎に当たり、そのまま桂井を殴り飛ばした。
露木「葵、大丈夫か…。」
葵「の゙どが…。」
祐彦「さっき思いっきり喉を殴られていたもんな。」
桂井「フッ…フハハハハ!!!」
4人『…ッ!!』
倒された筈の桂井。だか、傷という傷はすでに癒えており、笑いながらこちらへ歩いてくる。
露木「おいおい…マジでかよ…。アイツ、不死身か?」
妖夢「あの再生力…本当に厄介です…。ちょっと殺す気でやったんですけどね…。」
祐彦「アイツは…もう人間じゃないのかもしれないな。」
桂井「ククククッ…。ずいぶんとやってくれたなァ、クソカス共…!!次は俺の番だ…!!」
桂井はその場にしゃがみ、船へ手を付ける。
『パッ!』
4人「えっ―――」
『バシャーンッ!』
突如、船が消え葵達は海へと落下する。4人は状況を読み込めず、ただただ混乱する。
露木「ッ?!何が起こっているんだ?!」
祐彦「グッ?!傷が海水にしみる…!?」
妖夢「あぁっ?!藍さん達が…!!」
葵「橙ぢゃん…気゙をじっかり…!!」
露木たちは気を失っている咲夜達を助けに向かう。
桂井「フフフフ…無様、その一言に尽きるな…。どれ、終わらせてやろう…。」
『ギュィーン…!!』
桂井は上空に手をかざす。すると上空にどんどん濃密な霊力が集まってゆく。
妖夢「そんな…あれほどの力…。もうどうする事も出来ない…!!」
祐彦「俺達は、頑張って抗えた方だよな…。」
露木「くっ…!!ストレイキャット、海じゃ危険だろ、頭に乗れ!!」
『ニャウン。(乗ったはいいが…絶体絶命のピンチだぜ。)』
露木「何か、何か策はないのか?!」
諦める者、抗う者が出始めたその時、空の色が変わる。
雨を降らせていた黒い雨雲が消えて、何もない真っ黒な空となる。
桂井「ッ!?な、何だこの空は…?!」
???「くらえっ!恋符『マスタースパーク』!!」
『ズゴゴゴゴゴ!!!!』
桂井「―――な、何ィ?!霊力が…打ち消されただと?!」
???「霊符『夢想封印』!!」
桂井「ぐっ?!(な、何て威力の霊力弾…!!)」
空が変わると同時に、巨大なビームが桂井の霊力を打ち消す。そして次の瞬間、大量の弾幕が桂井に向けて放たれた。
祐彦「な、何だ…?!」
露木「…!! そうか、アッチの世界も消えちまうならアッチの世界の住民もじってしてる訳が無いか…。」
妖夢「あ、あれはスぺカ!!そしてそのスペカの持ち主は…!!」
魔理沙「うひゃぁ~…何か物凄い怖そうなヤツだなぁ~…。」
霊夢「本当、恐ろしいわね…。絶望に堕ち、復讐に溺れた者…。」
桂井「何だ、お前らは…!!」
???「あらあら…私の可愛い妖夢をよくもやってくれたわねぇ…!!ちょっとお仕置きが必要かしら?」
桂井「んっ?!(何だ、この蝶は…?!)何なのかよく知らんが俺には通用しないッ!!」
『パッ!!』
桂井の周りに桜色に輝く蝶が舞う。桂井はその蝶を、船と同じように消していく。
妖夢「そしてこの美しい蝶は…幽々子様…ッ!!」
幽々子「妖夢~大丈夫~?」
幽々子が空からゆっくりと降りてくる。
妖夢「大丈夫ですけど…それよりも咲夜さんや葵さん達を!!」
幽々子「それは大丈夫よ~♪だってもうそろそろ兎さん達が来るわ~♪」
祐彦「な、何だコレは…女性がいっぱいいて空を飛んでるぞ…?!」
露木「祐彦…これみんな、幻想郷の住民だ…!!」
祐彦「幻想郷の…?!」
空を眺めていると、ブレザーをきたウサ耳少女がこちらにやってくるのが見えた。
ウサ耳「皆さん大丈夫?!」
妖夢「あっ鈴仙さん!こちらの男性方とあちらの女性の手当てを…!!」
鈴仙「わかったわ!ほら、捕まって!」
露木「は、はい!」
祐彦「お、おいちょっと待ってくれ…!?ここで空を飛んだり、能力を使ったりしたら世界が消滅するんじゃないのか?!」
鈴仙「それは問題ありません。ここは即席で作った魔法空間、つまり幻想郷にも外の世界にもなんら影響はないんです。ですのでご安心を。」
祐彦「そ、そうか…良かった…。」
妖夢「そうだったのですか…。だったら私も早く飛行しとけばよかったです…。」
妖夢はザバァと水面から出て宙に浮き始める。
【大地を生成するから、早く水に入っている人を出しなさい!】
祐彦「なっ、何だ?!空間に声が…!?」
突如この辺りに女性の声が響く。
鈴仙「この空間を維持している人からです。」
優「大丈夫ですか、葵さん、橙さん!!」
葵「あ゙り゙がどゔ…!!」
優「喉が…!!(それにしても引き上げる人が多すぎる…!!)すいません、能力を使います!【俺から半径70mは俺の空間だ】空間内を無重力に…!!」
『ブゥゥ~ン…!!』
葵「え゙っ゙…?!(う、浮いている…?!)」
橙「キュ~…。」
優「藍さんに至っては傷が深すぎる…!!咲夜さんも急所にナイフを…!!パチュリーさん、水に入っていた人達、全員救い上げました!!」
【やっと終わったわね…!!】
『ビューン…!!』
祐彦「海が…陸になった?!」
全員が海から脱出すると、海が陸地へと一瞬で変わったのだ。
鈴仙「この世界は、魔法空間であり、術者本人がちょこっと工夫すれば地形を変える事も可能らしいです。」
祐彦「幻想郷はずいぶんと常識が通用しない所らしいな…。」
鈴仙「はい…もう毎日が大変です…。」
桂井「こんな事が…こんな事があってたまるかァァァ!!!いい気になるなよ、貴様らッ!!俺の能力の真骨頂はここからだ…!!」
霊夢「ッ…?!消えた?!」
魔理沙「これ、河童の光学迷彩以上にヤバい奴だぜ…!!」
桂井の姿が消え、確認できなくなる。だが、この状況を打破する者がこの場に存在していた。
???「そうなの…。でもフランの前では無意味みたいね。フラン、一発お願い。」
???「わかった、お姉様!キュッとして―――ドカーン!!」
『バッキャァッ!!』
桂井「グアアアアアーーーッ!!!?」
姿を消していた桂井が、腕から血を噴き出しながら現れる。
フラン「ゴメン、お姉様!ちょっとずれちゃった…。」
???「別にいいわ、フラン。私も一発やらないと気が済まないのよ…!!そこのアンタァ、私の大事な大事な家族に…よくも傷をつけてくれたわね!!神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」
桂井「ぐううっ?!(調子に―――)乗るなァァァーーーッ!!!」
『ピキュインッ!!』
???「グングニルを消した…?!」
紅く光った槍は桂井へと一直線に向かって行く。だが桂井は、その槍を消した。
その桂井の様子を見ていた祐彦は考えがまとまった。
祐彦「…。―――成程、桂井の能力が分かった…!!」
鈴仙「えっ?!能力を特定したんですか?!」
露木「すげぇな、祐彦!!やっぱり頼りになるぜ!!」
祐彦「ありがとう、露木。で、アイツの能力なんだが時間飛ばしなんていうちゃっちいものじゃない…。『ありとあらゆるものを消す程度の能力』をもっているかもしれん。」
鈴仙「ありとあらゆるものを消す…?」
祐彦「ああ…!!時間を消し飛ばし、体のダメージを消し、船を消し、姿を消し…。その能力なら全てに合点がいくはずだ…!!」
魔理沙「ひゃぁ~たまげたなぁ!!外の世界の人間が能力を予測しやがったぜ…!」
霊夢「それだけ頭が冴えているのでしょう。」
優「さすが祐彦君だ…!!物事を冷静に捉え、確実に真実を見極めていっている。さて傷を癒そう…!『空間内の時よ戻れ』…!!」
『ギューン…!!』
葵「あれ…?喉が治ってる…?!」
祐彦「痛みが引いていく…。それに咲夜さん達の傷も無くなって…!?」
咲夜「…。どうやら、間に合ったようね…。」
藍「ぐっ…!!意識が飛んでいたか…。」
葵「藍さん…。」
藍「葵…。」
葵は気を失っている橙を抱いて、藍の元へと行く。
葵「橙ちゃんが藍さんの姿をみて気を失っちゃったんです…。」
藍「そうか…。私達を護ってくれたんだな、ありがとう…!」
葵「…護れてなんか…いません…ッ!!」
藍「あ、葵…?!」
葵「私は…ケンを…助けてあげられませんでした…!!」
藍「…ッ!?……すまない…本当にすまない…!!」
葵「謝らないでください…!!私は…桂井を…!!ケンの仇をとります!!」
藍「…。」
葵「姉として、護ってあげられなかった…!!だったらせめて仇ぐらいは取りたいんです…!!」
藍「…。」
葵「だから…私に…協力、してください…!!」
葵は今にも崩れ落ちそうな声で藍に頼む。
藍は葵の手を取り、力強く握る。
藍「…もちろんだ…!!」
葵「あり…がとう、ございます…!!」
露木「…?!お、おいあれなんだ?!」
露木の視線の先。そこには白い何かがうごめいていた…。
祐彦「あれは…骨、か?」
『パキキキ…!!』
優「骨…?!一体、どういう事だ…?!」
優は自分の空間をその骨までに狭める。
『パキキキ…!!』
するとほんの数十秒で全体の骨格が完成し、次に肉体が生成され始める。
『ズズズズ…!!』
優「この身長…まさか?!」
肉体が完成すると、今度は皮膚が生成される。
葵「――――ケン…。」
優「健汰君…!!」
祐彦「まさか、生き返らせるのか…?!」
優「残念だけど…生き返らせる事は出来ない…。俺が出来る事は…ただ体を元に戻すだけだ…!!」
葵「それでも…嬉しいです。ちゃんとした形で戻って来るなんて…嬉しいです…!!優さん…ありがとうございます…!!」
優「俺に出来るのはこれくらいだ…!!だから、何も言わないでくれ…!!」
『クパァ…!』
祐彦「うおっ?!な、ななな何だぁ?!」
祐彦の真後ろにいきなり不思議な空間が開かれる。そこから出てきたのは金髪の女性だった。
露木「あっ…!!えーと…紫さん!!」
紫「葵さん、はやく健汰の体をこっちに渡しなさい!!」
葵「えっ…?」
紫「今、生と死の境界をあやふやにしていて、彼の魂も此処にあるの!!だから早くこっちに渡しなさい、生き返るかもしれないのよ!!」
葵「ケンが…生き返る…!?」
桂井「何だとォ…!?(くっ、再生が遅い…!!だが、あの小娘どもを阻止する算段はある…!!)それは絶対にさせねぇぇぞぉぉぉ!!!!」
霊夢「行かせない!!」
桂井「時間消去ォ!!」
『パッ!!』
霊夢は桂井の前に立ちはばかり結界を張るが、桂井が結界にぶつかる時間を消去して、既に通過していた。
霊夢「嘘っ?!結界を―――?!」
葵「すいません、ケンをお願いします…。」
葵は健汰を紫に渡す。葵は紫という人物がよくわかっていないが、弟を助けたいという思いで預けるのには一切の抵抗がなかった。
紫「ええわかったわ…!! …ッ?! 貴女、早く横に避けなさい!!」
桂井「殺す、草壁葵ッ!!」
葵「フンッ!!!」
『バッキヤァ!!』
桂井「ウゴアァァッ?!!」
葵は桂井を振り向き様に、殴る。そしてその光景をみた紫は安心し、健汰をつれてすぐさまスキマの中へと消えていった。
葵「今の私に…立ち向かわない方がいいわよ?正直言って…貴方に誠意をもって倒せるかわからない…!!」
桂井「この程度の傷…!!すぐに治る!!能力がバレた以上、もう隠す必要もない!!」
露木「咲夜さん、時を止めて!!」
咲夜「ええ!『咲夜の世界』――――」
『ググググ…ピタァ…。』
世界は止まった。この場で動けるのは十六夜咲夜ただ1人――――――ではなかった。
露木「やっぱりな。俺の能力、応用性が高いぜ…!!」
咲夜「凄いわね…まさか本当に時を止めた中動けるなんて…。」
露木「自分と相手を糸で繋げた時、その人の能力の影響下に置かないんだ。むしろ共有できる。そしてさらに俺からまた糸を伸ばし、第三者に繋げると―――」
露木は葵に自分の糸をつなげる。すると葵も動き出す。
葵「――ん?あれ?どうなってんの?!」
露木「今、俺の能力で咲夜さんの能力の影響を受けないようになっている。」
咲夜「ごめんなさい、体力が戻ってなくて今はこれぐらいで限界だわ…!!」
露木「ああ。ありがとう、咲夜さん。」
咲夜「1分も経てば能力が使えるから葵さん、その事を頭にいれておいてください。」
葵「分かった、咲夜ちゃん…!!ありがとう。」
咲夜「そして時は動き出す…―――」
『ググググ…!!』
桂井「草壁葵ィィーーーッ!!!お前の存在ごと消してやろうッ!!」
葵「さっきはよく見てなかったから拳が入らなかった。だけど、今度は入れる…!!」
桂井「フンッ!!」
葵「…ッ!」
『サッ!』
葵「ヤアッ!!」
桂井「おっと、俺の手に触れるのか?!」
葵「そっちはフェイント――――」
桂井「何――――グゴアァッ?!!」
葵は桂井の手を躱した後、カウンターを入れる。
桂井はもう片方の手でガードしようとしたがそのカウンターはフェイントで、気を取られた桂井に葵の拳がめり込んだ。
露木「うひゃぁ…。葵のパンチはマジで痛いんだよなぁ…。」
祐彦「お前…よく殴られて平気で戻ってくるよな…。」
桂井「く、クソォ?!(顎を殴られた所為で脳が――――?!)」
葵「脳が大きく揺れて、すごい気持ち悪いの?だとしても残念、私は治るのを待つほど御人好しじゃないから…!!」
桂井「クッ…!!(落ち着け、落ち着くんだ…!!奴は今、自分の方が強いと思っている…。強者にありがちな事は油断だ!例え気を付けていたとしても必ず生まれてしまう!!そこを逃さずに仕留めるんだ…!!)」
葵「これで最後にしましょう…!!私の全力の拳、受け取りなさいッ――――」
桂井「――――ッ!!(そこだ!!)油断したな、死ねェェーーーッ!!」
葵「えっ?!(急に動けるようになってる?!まさか、時間を消し飛ばした…?!まずい、もう避けられない―――)」
桂井の手は、葵の首元に触れた。桂井はそのまま葵を押し飛ばす。
桂井「ヌゥゥアアアッ!!!!」
葵「うぐっ?!(そ、そんな…?!私、終わるの…?!)」
露木「あ、葵?!」
咲夜「くっ…!!あと、あと1秒待ってくれれば時を止める事は出来たのに…!!」
祐彦「葵…!!」
桂井「さて、今度はお前らだァ…!!」
桂井は露木たちの方へ向き直り、ゆっくりと歩み寄ってくる。
露木は周りの状態を考え、ある作戦を考案する。
露木「よし、作戦を思いついたぜ!!空にいる皆さん、俺の糸を自分の腕に縛って、がっちりと張ってください!!」
『シュルルル…!!』
魔理沙「糸…。すげぇな、露木の奴。もう能力を使いこなしてるぜ!」
霊夢「魔理沙、口を動かす前に手を動かしなさい、手を…。」
露木から手から放たれた無数の糸は、上空に居る霊夢達の元へと届く。
そして最終的には、桂井を囲むようにされていた。
桂井「フフフフ…!!俺を糸で囲んだか…。けどなぁ…俺の能力だったら全てが無意味なんだよなぁ…!!」
桂井は薄気味悪い笑顔を浮かべる。だが、露木はそんな桂井に反論する。
露木「そんなのわかってるよ。既に対策済みだ…!!俺達の方へくるならご自慢の能力で糸を消してみやがれ!!」
桂井「そうかい…。だったら、お望み通りに消させてもらおうかァ?!」
桂井が、自分を囲っている糸に触れようとした瞬間だった。
露木「弾糸ッ!!」
『ズガガガガガ!!!』
桂井「うぐあっ?!」
糸から、数多くの糸の弾丸が勢いよく発射され、桂井は後ろへ吹き飛ぶ。
桂井「(張り巡らされたただの糸から?!)ど、どういう事だ?!その弾丸は指からしか放てない筈だろう?!」
露木「いつ俺が手からしか撃てないと言った?その糸からも発射出来るんだよ…!!あと、お前の後ろにもその『糸』はある!!」
桂井「なっ―――?!」
『ズガガガガガ!!!!』
桂井「グハァッ?!!(また吹っ飛ばされた?!そして吹っ飛ばされた先には糸が―――)」
露木「くらえ桂井!!半径20mのエメラルドスプラッシュのパクリ、弾糸フェスティバル!!」
霊夢「この前幻想入りして来たあの少年…普通に強いわね…!!」
魔理沙「まぁこの技は、何か引っ掛ける所が無かったら出来ない技だな。」
鈴仙「か、彼は何者なんですか…?!」
祐彦「ただのアニメオタクであり、俺達の友達だよ…。」
妖夢「す、凄い…!!一瞬であの人をハチの巣に…!!」
露木のこの戦闘慣れに皆が驚愕する。
『ズガガガガガ!!!』
桂井「グ…ハッ?!!(か、回復する隙がない?!)クソォォォォ!!!!」
『ブワァ…!!』
露木「ッ?!」
桂井が吠えたその時、桂井の体から黒く禍々しきオーラが漂い出した。
優「アレは…!!露木君、一旦離れろ!!桂井は、何かが変わった!!他の奴もだ!!何かマズイ事が起こる―――!!」
露木「し、仕方ない…!!ここは一旦後退するか…!!」
露木は糸を消し、すぐさまその場から離れる。
祐彦「やはり…葵は…。」
祐彦は葵を助けに行こうと、葵が倒れていた方向を見る。しかし、葵はそこに居ない。
妖夢「祐彦さん、捕まってください…!!」
祐彦「ああ…。」
桂井「コノ…ジョウキョウ ヲ―――ノリ、コエル――オレ、ハ―――スベ…テヲ コロ―――ス―――!!」
全員が桂井から離れていこうとしたその時だった。
『ガシッ!!』
桂井「グ…?――――」
何者かが桂井を掴んだのだ。
優「ッ?!誰だ、そこにいるのは?!そいつから離れろ?!」
??「ハァー…。桂井…!!私は…戻って来たぞ…!!」
露木「ッ?!え―――」
祐彦「あ、葵…なのか?!」
桂井を掴んだ者。それは葵だった。
だが、葵は普通の状態ではなかった。桂井とは相反に、白く輝くオーラを体から発していた。
桂井「ナゼ…イキテイル?!」
葵「南国で買ったネックレス。それに触れたんだよ、アンタの手は。まさか本当にいい事が起こるとはねぇ…。」
『ジュワァァァ…!!』
優「な、何っ?!(葵さんから出ているあのオーラ、桂井のオーラを消している?!)」
葵から放たれている白いオーラは、桂井の黒いオーラを包み込み、どんどん浄化させていた。
桂井「グオオオオッ…!!オレハ 全テヲ オワラスンダッ!!妹ヲ 殺シタ オマエヲ!!俺タチヲ ミステタ世界ヲ!!ダカラァ… ココデオワルワケニワ イカナインダヨォォォ!!!!」
葵「咲夜さん、時を止めて!!」
葵のコールに反応が遅れながらも、咲夜は実行する。
咲夜「えっ?!あっ、はい!!『咲夜の世界』――――」
『ググググ……ピタァ…!!』
露木「と、止まった…!!葵、今だ!!」
葵「ええ…!!私の全力…この一撃にッ…!!」
『ズズズズ…!!』
葵の拳にオーラが凝縮されていく。そして葵の手は真っ白に光り輝き、高熱を放っていた!!
咲夜「…!!葵さん、今よ!!」
葵「これで―――最後ぉぉっ!!!!」
『ズンッ!!!』
葵「…ハァー……ハァー……!!良しっ…!!」
咲夜「解除するわよ…。そして時は動き出す―――」
『ググググ…!!』
桂井「――――グ…?!グアァ、グアアアアアーーーーッ?!!!」
優「!!桂井が吹っ飛んだ?!」
桂井は勢いよく吹っ飛び、地面にバウンドしながら失速していった。
桂井「グァ―――――?!(な、何だ?!体の中が…熱い?!)」
優「(どんどん桂井の霊圧が弱まっていく…。まさか終わったのか…?)」
桂井の体は、内部から白く輝き始めて、煙も出始めている。
桂井「…力も…失って…ゆく…。ま、さか…死、ぬ…のか…?!」
葵「そうみたいね…。じゃあ最後に桂井、アンタに言いたい事があるのよ…。」
桂井「…。(もう力が抜けて喋る事も出来ない、か…。クソッ…!!)」
葵「私達って、本当は似ているのかもしれないね…。」
桂井「…?!」
葵「私もね、弟がいるんだけど、アンタにケンをやられた時はアナタを倒すって事しか考えていなかった…。」
桂井「…!!」
葵「弟を…家族を何としてでも助けたいって、思っちゃうの…。だから…アンタが今までしてきた行為は、納得できない訳じゃないの…。」
桂井「…。」
葵「否定したい、だけどどこかで肯定している。悪い事の筈なのに…仕方ないって思っちゃう…。」
桂井「…。」
葵「でも…やっぱり家族を助ける為に何十人もの命を奪っちゃダメだと思うの…!!」
桂井「―――えは…お前は家族が助かるかもしれないから言えるんだ!!もともと近くに仲間がいるから言えるんだ!!全てをわかったような口で喋ってんじゃねぇよ、クソがァッ!!ハァー…ハァー…!!」
もう喋るほどの力は残っていない筈の桂井。だが、彼は叫んでいた。魂から叫んでいた。叫ばずにはいられなかった…。
桂井は息切れを起こした後、吐血する。そして徐々に体が内側から灰と化しているのがわかった。
桂井「例えお前が何だろうと許さねぇ…!!世界も許さねぇ…!!あばよ、殺…人……鬼……。」
『サァァァ…。』
桂井は葵の目の前で灰となり、崩れ落ちた。
葵は複雑な顔を浮かべていた。
祐彦「…つらいか、葵?」
葵「よく…わからない…。アイツを許したくないのに、どこかで許してる…。アイツを恨んでいる筈なのに、どこがで好いている…。私、自分が何なのかよくわからない…!!」
露木「…。人間って、悲しい生き物だよなぁ…。」
霊夢「…。こういうのはやっぱり苦手ね、私…。」
魔理沙「ああ、私もだぜ…。アイツ、本当に悪い奴だったのかな…?」
レミリア「それはわからないわ。もしかしたら世の中には良い悪いなんて、本当は存在しないのかもね…。」
その場に居る者、全員が灰となった桂井を見ていた。
数十秒ほどたった時、葵達に異変が現れる。
葵「…―――(あれ?体に力が、入ら…な―――)」
『ドサッ!!』
露木「あ、葵?!大丈夫か?!おい?!」
祐彦「…すまん、露木…俺もげんか…い…―――――」
『ドサッ!!』
露木「お、おいーーっ?!お前らどうしたんだよ、おい?!嘘だろ…まさか死んじまったのか?!」
鈴仙「そうじゃないみたいです。どうやら疲労で気を失ってしまったようです…。」
露木「疲労…?そ、そういえば俺も体がだるい――――」
『ドサッ!!』
優「全員倒れちまったな…。」
【もうそろそろ維持するのが限界ね…!!早くその空間から脱出しないと、空間ごと消えるわよ…!!】
霊夢「はぁ、わかったわ。今行くわよ…。」
藍「とりあえずその倒れた3人は永遠亭へ運んでくれ。怪我などないか、診察を頼む。」
鈴仙「わかりました。」
霊夢がこの空間に穴を開け、その穴から皆脱出する。
そして葵達3人は急いで永遠亭へと運ばれたのだった。
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は戦闘回でした。桂井は最後まで自分の執念を曲げませんでしたね…。
桂井の技術があれば妹さんに限らずもっと多くの人をすくえたのに…。
せっかく持ってる知識なんだから有効に使いたいですよね…。
それではここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!