桂井との戦闘から3週間後、寝ていた葵が目を覚ます。
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露木の元へと紅魔館へ行き、感動(?)の再会を果たした (今ココ!)
葵「フンッ!!」
『ベッキャアッ!!』
露木「(そういえば…祐彦の所へ行った時もハプニングに巻き込まれたっけ…。あれ、何で今俺はそれを思い出しているんだ…?ダメだ、もう意識がもたねぇ…。祐彦、お前がいてくれれば俺は助かったのか…?)」
女性にボカスカと殴られ続ける男性はゆっくりと意識を手放した。
ある1人の男性の姿を頭に浮かべて…。
とある男は夢を見ていた。
―――アナタが外来人?そう、ちょっと私の所に来てくれない?
―――前にも糸を操る男性と戦ったけど…まさかお友達?
―――あの糸を操ってた男の名前は?…そう、信寺 露木っていうのね。ありがとう。もし、私の事を覚えていたら御免なさいね。
真っ白な世界で響く女性の声。だがその世界はほんの数十秒で消えるのであった。
祐彦「――――ッ?!(な、何だ夢は…?真っ白な世界で―――ってあれ…?思い出せない…。)」
妖夢「祐彦さん、朝ですよ――――ってどうしました?!顔が真っ白ですよ?!」
祐彦「え…?妖夢さん…??どうして此処に…。」
妖夢「ど、どうしてって、ここは白玉楼ですよ…?昨日、私が此処へ運んだじゃないですか…。」
祐彦「…ああ、そうだったな…。ゴメン、寝ぼけてた…。」
???「あっ!?妖夢、離れなさい!!」
祐彦と妖夢の間に、何者かがすごい勢いで割り込んできた。
妖夢「ふぇっ?!ゆ、幽々子様?!」
そう、その者はこの白玉楼の主、幽々子であった。
幽々子「私の妖夢を奪った罪は重いわよ…!!」
祐彦「…ええっと…西行寺さんでしたっけ…。俺、何かしました…??」
幽々子「何をしたもなにも、私の妖夢を奪ったじゃない!!料理かと思ったら男がでてきて…。アナタを一目見た時から×してやろうかと思ったのよ!!」
祐彦「な、なぁ妖夢さん…西行寺さんはどうしたんだ?」
妖夢「きっとお腹が空いているから不機嫌なのでしょう。ちょっと待っててください、ご飯を作ってまいりますから。」
祐彦「じゃあ俺はこの屋敷の周りを走ろうかな…。」
幽々子「フーッ!!!」
祐彦「西行寺さん…猫みたいな威嚇をしなくても…。」
幽々子と呼ばれた女性は祐彦を睨んで威嚇する。
祐彦は「はぁ…」とため息をつきながら、朝のランニングへと向かう。
『フワフワ…』
祐彦「…ん?…―――…お、鬼火…?!」
しかしその途中で冥界で管理されている魂と対面する。
『…ペコリ。』
祐彦「えっ、あっ…どうも…。」
その魂がお辞儀をしてきたので祐彦もお辞儀で返す。人魂は祐彦をすり抜けて奥へと進んでいった。
祐彦「…そっか、ここは幻想郷だもんな…。ここは俺達の住んでいた石山峰町じゃないんだよな…。」
祐彦は自分の状況を再確認した所で、再びランニングをしに外へと向かう。
祐彦「…あぁそういえば長い階段があったっけ…。よし、あそこでランニングするか…。」
門を出ると奥に階段が見えた。
祐彦は、階段の上り下りを何回も繰り返して走ろうか、と考える。
祐彦「朝食を食べた後、妖夢さんに露木の所へ連れて行ってもらおうかな…。いや、妖夢さんはここの家事やなんやで忙しいみたいだし…。」
露木「俺がどうしたって?」
祐彦「いや、暇だからアイツをいじろうと―――ってお前なんでいる?!」
露木「…。まぁ驚いてくれたから【いじろう】という発言は見逃してあげよう。それよりも、遊びに来たぜ!!」
祐彦「いやいやいや、お前空を飛べないだろ?!一体どうやってここまで…?!」
露木「いやほら、ワ○ピースのドフラミ○ゴって雲に糸を引っ掛けて飛んでいたんだろ?試に出来るかな~ってやって見たら出来たぜ。」
祐彦「…幻想郷ってお前の知識であれば大抵乗り越えれるんじゃね?」
露木「ははは、それは言い過ぎ。それにしてもよぉ、俺が寝泊まりしている所の主が吸血鬼なんだぜ?」
祐彦「俺の所は幽霊らしい。幻想郷って本当に幻想のような場所だな…。」
露木「まっ、俺は能力を使いこなすから大丈夫だけどな!ただの人間の祐彦君、可哀想~!!」
祐彦「ただの人間でも、少しは相手をいたぶる事が出来るようみたいだぞ?」
『ギリギリギリギリ…!!!』
プププと笑う露木を一喝するため、祐彦は露木の腕を思いっきり捻った。
露木「イダダダダッ?!わかった、わかった!?お前は捻り技を相手に繰り出す『特異な奴』だよ?!」
祐彦「特異な奴?…俺が馬鹿だって事を言いたいんだな。お前は?」
露木「どーしてそんな感じに変換されるの?!この状況で相手を煽ったってより苦しい状況になるだけじゃねぇか?!」
祐彦「冗談だ。それよりもお前はどうするんだ?ここへ来たのは良いが俺はこのあと朝食だぞ?」
露木「だーいじょーぶだって。何故なら俺は吸血鬼と朝食を食べて来たッ!!」
祐彦「あージョジョらなくていい、ジョジョらなくて…。」
露木「それよりも、俺よぉ…。こんな世界に来たら俺の理想の『静かで平穏な生活』が送れないような気がするんだよなァ…。」
祐彦「お前自体が平穏じゃないからな。それにこんな世界だったら普通に人さらいとか起こるんじゃないか?」
露木「プフッ、そりゃねーだろ!大体俺らは別に目を付けられるような事はしてないぜ?」
〔動くな。〕
祐彦・露木「…ん!?」
[貴方達、私達について来てもらうわよ。ちなみに拒否権はなし。]
突然後ろから聞こえてきた女性の声。
後ろを振り向こうにも、露木は鎌をきりつけられ、祐彦は首を手で握られている。
露木「…おい、祐彦。実現しそうだぞ、人さらい。」
〔喋るな。黙ってついて来い。〕
祐彦「ああ、そうだな。どっかの馬鹿野郎がフラグをたてなかったら良かった物をなぁ…!!」
[お前も黙っていろ。無駄な抵抗はするな。]
露木「あぁ…?!元はといえばお前が言いだしたんだろうが?!」
〔ちょ、ちょっとやめ―――〕
祐彦「まぁな。だがな、目の前にある爆弾に火を付ける奴がいるか??そのまま見過ごせば良かった物をしっかりと受け止めやがって…!!」
[こ、こら喧嘩しない?!]
祐彦と露木は脅されている事なんか気にせず、2人で口論し始める。
露木「ふざけんじゃねーぞ!!そんな事を言うんだったら俺はお前を護らねぇからなぁ?!」
〔い、いい加減に――――〕
祐彦「ああ上等だ。お前は自分を止められない、イノシシのような奴さ。気付けば自滅しているだろうな。」
[いいからもう行くぞ!!]
露木「はっ、自滅しないように一瞬で終わらせればいいんだよ!!」
〔ね、ねぇエリー…これどうすればいいの…??〕
[幽香様の命令は絶対よ…。とりあえず力ずくで黙らせるしか―――]
祐彦・露木「(意識が外れた!!今だッ!!)ハアッ!!〔フンッ!!〕」
[〔えっ?!〕]
祐彦と露木は、自分達を拘束している者の意識が自分達から離れた瞬間に、高速に動いて危機から脱出した。
露木「よし、祐彦掴まれ!!アッチの墓石かなんか分からん奴に糸を引っ掛けたから、一気に移動する!!」
祐彦「わかった!!」
〔ま、待ちなさい!!〕
[やられた…!!あの2人はわざと口論をして、私達の意識が離れるのを待ったんだわ…!!]
祐彦達は一気に白玉楼の方へと近づいた。露木の糸が一気に縮んだのである。
しかし、予想外の悲劇を彼らを襲った。
『ボゴッ!!』
露木「ん?急に糸の引きが軽く―――うえっ?!」
祐彦「どうした露木―――ってうわああ?!!」
『ズガンッ!!!』
糸を引っ掛けていた墓石が抜けて露木たちの方へと吹っ飛んで来たのだった。
2人は避けれる訳でもなく、墓石と衝突し地面に倒れる。
〔…す、すごい勢いで石とぶつかったけど生きてる…?〕
[し、死んでいるだなんてやめてよね…?私達も死にたくないんだから…。]
露木「う…ぐぅ…?!!」
祐彦「くっ…頭がグワングワンして気持ちわりぃ…!?」
〔よ、良かった…生きてる…!〕
[それじゃあ早く幽香様の所へ連れて行きましょう。遅くても『死』、失敗しても『死』よ…!!]
露木「な、何て最悪な日なんだ…?!こんなのは…あってはならない…ッ!!俺の求める…『静かで平穏な生活』にあってはならない…ッ!!」
〔な、何か言ってるわよ…?!〕
〔大丈夫な筈よ。もし不安なら気絶させればいいのだから。〕
露木「ハァッ…ハァッ…!!そうだ…『バイツァ・ダスト』…!!おい、貴様ら…このボタンを押すとどうなるか知っているか…??」
露木は一瞬で何かの装置のボタンを糸で作り出す。
露木「いいか、このボタンはなぁ…押すと爆弾が作動する仕組みになっている…ッ!!その爆弾の名を『バイツァ・ダスト』!!」
〔バイツァ…〕
[ダスト…?!]
露木「そうだ…!バイツァ・ダストとは時間を巻き戻す爆弾ッ!!それに加え幻想郷では新たな能力も付属している…ッ!!」
〔時間をまき戻す…?!〕
[新たな能力…?!]
露木「(た、試しにハッタリをかけてみたのが幸運だったな…。思ったよりも本気に捉えてくれている…!)そ、そうさァ!!その新たな能力とは服を消すッ!!」
〔服を消すゥ?!〕
[た、ただの変態能力じゃない?!]
露木「おっと…これだけじゃあない…。この爆弾は切り札でねぇ…これで終わりな訳がないんだよ!!」
〔ほ、他にもまだ能力があるっていうの?!〕
〔す、スイッチは押させないわよーーー!!!〕
露木「全く、せっかちな子達だ…。(もうちょっと続けたかったけど仕方ない…。)いいや!限界だッ!押すねッ!!(さぁ慌ててこっちへ来い…!!カウンターをいれて形勢を――」
〔ハアッ!!〕
露木「ハプンッ?!」
露木がボタンを押そうとした時、1人の女性が急加速して露木を襲った。
露木はその衝撃で気絶してしまった。
[ナイスよ、くるみ。じゃあ急ぎましょう、もう時間がない。]
2人の女性は祐彦、露木を背負い冥界を出て行った。
〔やばっ?!エリー、あと数分で時間切れよ?!〕
[大丈夫よ、くるみ。ここへ来るのにかかった時間を考えれば30秒ぐらい余る筈だわ。振り落とさないよう、特急で行くわよ!!]
『ゴゴゴゴゴゴッ!!』
祐彦は運ばれている最中に目が覚める。そしてすぐに自分の現状を理解した。
祐彦「(はぁ…空の上で抵抗するわけにもいかないか…。)なぁ…ただ聞きたい事があるんだがいいか?」
祐彦は女性たちに話しかける。
[…何かしら?]
〔できるだけ飛行の邪魔はしないようにね。〕
祐彦「俺は古森 祐彦。あんた等の名は?」
〔…わたしは『くるみ』よ。〕
[…『エリー』よ。目的地につくまでジッとしといてもらうわ。]
祐彦「わかった…。」
祐彦はこれ以上喋らず、ただただ彼女たちが言う目的地に着くのを待った。
○
●
○
『スタッ!』
〔ま、間に合ったぁ…!!〕
[幽香様、お連れして参りました。]
祐彦「ここが目的地、か…。(洋風の家の前に広がる一面の向日葵畑…。まるで天国にいるみたいだな。)」
??「ちょっと手荒い真似をして悪かったわね…。くるみ、エリー下がっていいわ。」
[〔ハッ!〕]
エリーとくるみを名乗る女性はその場から一瞬で消えた。
祐彦「…。(この声…どこかで聞いた事がある…。どこでだ…??)」
??「私は『
祐彦「ちょっと待ってくれ。何故アナタは俺達を此処へ連れて来させたんだ?」
幽香「この男の子とは前に会っていてね…。前からずっと気になっていたのよ。」
祐彦「…つまり好奇心ってことか?」
幽香「そう…。とはいっても気絶しちゃっているみたいだし、手当もしながら話でもしましょう。」
祐彦「…わかった。」
祐彦は露木を背負って、幽香の家の中へと入っていった。
★
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露木「―――う、ううん…。な、何かすげー夢を見たぜ…。」
祐彦「起きたか。」
露木「お。祐彦か、聞いてくれよ…。夢でな、金髪の少女が俺達をさらったんだ…。そこでハッタリかけていたんだが、そこで夢が終わっちまって…。」
露木はまだ現実と夢の区別がうまくいっていないようだ。
幽香「おはよう、怪我とかは大丈夫かしら?」
露木「怪我?別になんも―――あらら?夢と同じ場所を怪我シテイルヨ??」
祐彦「お前のいう夢は正夢だったな。」
露木「マジか…。ああそれよりも手当してくれてありがと―――ってお前はァッ?!」
露木は幽香の姿を見て、思い出す。
祐彦「騒がしい奴だなぁ…。もっと静かに生きる事はできないのか?」
露木「それは無理。っていうかそれよりもあの時のビーム女じゃねえか?!祐彦、コイツは危険だぞ?!」
祐彦「危険?むしろ優しくて、とてもいい人だぞ?」
露木「ば、馬鹿言え!?女ってのはな…顔を幾つも持っていてさらに使い分けるんだ…!!」
幽香「クッキーを焼いたのだけれど食べるかしら、露木?」
露木「御免なさい訂正します、めっちゃいい人でした。」
露木がさっき言った事は何だったのかというぐらいにあっさりと投げ捨てられ、幽香に近寄りクッキーを食べる。
祐彦「お前、餌付けされてるぞ?」
露木「おっウメェなコレ!!花の甘い香りが口の中に広がって、紅茶とかに合いそうだ!」
幽香「ああ、紅茶もあったんだわ。はい、どうぞ。」
露木「マジで?!じゃあ遠慮なく…。――――プハァッ!うまいっ!!」
祐彦の言葉は届いておらず、そのまま露木は食べていた。
ある程度食べた所で、幽香が露木へあるお願いを申し入れる。
幽香「ところで露木、お願いしたい事があるの。」
露木「ん?クッキーと紅茶をくれたからきいてやるよ?」
幽香「本当っ?!じゃあ外に行きましょう!」
祐彦・露木「…外?」
露木は幽香の言う事になんの躊躇もせず、外へと共に出た。
祐彦も付き添いで露木と一緒に出た。
幽香「それでお願いなのだけど、私と全力で勝負してくれない?」
露木「――ほれ見ろぉ、女ってのは顔を幾つももっていやがるんだァ!!」
祐彦「その事をわかっていながらも引っ掛かったのがお前だぞ?」
露木「俺って女難の手相が出てるって言われたんだよなァ…。」
幽香「1回だけでいいの…。それでもダメっていうなら…諦めるわ。」
露木「うっ…!?(も、もしここで断ったらずっと罪悪感を募らせて生活しなくちゃいけない気がする…!?だったら断るわけには…いや、でも俺の体が持つか…。)」
祐彦「…はぁ。やってやれよ、1回ぐらい。」
露木「祐彦…?」
祐彦「何をそんなに躊躇っているのかは知らないが、女性の誘いを断るのは男がする事じゃないぞ?」
露木「そ、そうか…!!よしわかった!!戦おう!!」
幽香「やったぁ、有難う!!―――――じゃあ行くわよ!!」
露木「うひっ?!(と、虎?!いや、化け物…?!)ゆ、祐彦ぉ…?!」
突如、幽香から放たれる強者の覇気。露木はその覇気に圧倒され、祐彦の方を思わず向いてしまった。
祐彦「ん?お前、顔色悪いけどどうした…?」
しかし祐彦はこの覇気を物ともせず、平然としている。
幽香「…驚いたわ…?!並大抵の妖怪なら逃げ出すのに彼をそれにビクともしない…?!」
露木「お前は人間か?」
祐彦「ああそうだが…。なんだ、幽香さんが何かしたのか?」
幽香「…祐彦さん、アナタも一緒に戦いましょう!!」
祐彦「…え?」
幽香「私は妖怪、あなた達は人間!考えてみれば正面からの力で勝てないのは当たり前。だったら数で戦いなさい!」
祐彦「(さっき露木にああ言っちゃったし断れないな…。)ああ、わかった。俺も参戦しよう。」
幽香「じゃあ行くわよ―――」
『バンッ!!』
露木「こ、光弾…?!(確か弾幕だっけか?!)おい、祐彦―――」
祐彦「ほっ、ふっ、はっ!」
『ズバッズバッバンッ!』
露木「…えぇ?」
祐彦は露木の前に立ち、常用している木刀で幽香の弾幕を斬ったり弾き返したりして見せた。
幽香「へぇ…!!じゃあ次は威力がちょっと高いわよ!!」
『バヒュヒュヒュヒュ!!!』
祐彦「(弾速が速くなって、弾の濃度も上がった…!これはより丁寧に受け止めた方がいいな。)ハァーー…!!!」
『ヒュヒュヒュヒュッ!!』
祐彦は大きく、ゆっくりと息を吐く。そして一瞬で息を吸うと同時に匠業に等しい芸当を見せつける。
露木「んなっ?!(祐彦のやつ、弾幕を刀で撫でて軌道を反らしやがった?!)」
幽香「(弾だと無意味、ね…。)じゃあこれはどうかしら?」
『ポンッ!』
露木「こ、今度は弾幕じゃねぇ、大きな玉だ!?」
祐彦「(あの形…おそらく―――)
『ムグムグ…――パァンッ!!』
祐彦「そして今、破裂したものはサイズがデカいため威力も大きい。だが弾幕よりも存在判定がはっきりとしているため、叩っ切るのが先決だ!」
『ガキャ、ガキッ、カンッ!!』
露木「…お前急に強くなってない?」
祐彦「慣れただけだ…。」
幽香「…!!いいっ、イイわよっ!!もっと私を楽しませなさい!じゃあ弾丸はやめて一撃必殺を狙おうかしら?!」
『スチャッ!キュィィー…!!』
幽香は露木たちの方へ傘の先端を向ける。なにやらエネルギーらしきものがどんどん凝縮していっているようだ。
露木「うげっ?!ゆ、祐彦、この刀で今から幽香が放つものをぶった切ってくれ?!」
祐彦「うおっと…。刀?空港で渡されたヤツと似たような奴だな。」
露木は一瞬で糸の刀を作り上げ、祐彦に渡す。
幽香「行くわよ…!!」
露木「くっ来るゥ~~?!!その刀には前回と違ってより力を込めた特殊な糸だ!!」
祐彦「そうか。じゃあ一か八かでやるしかないな!!」
露木「(お前…本当にどうした?!前までそんなイキイキしていなかっただろ?!)」
幽香「―――――ハアッ!!」
『ズギューーンッ!!!!』
祐彦「ッ!!」
幽香の傘が光った瞬間に、祐彦は露木からもらった刀を縦に振る。
『バチィンッ!!』
だが、音が辺りに響いただけであとは何も起きなかった。
露木「…?あれ、あのビームは?」
幽香「う、嘘…?!まさか斬撃を飛ばしたというの…?!」
『パキンッ!』
幽香の持っている傘が、金属の弾ける音を発すると同時に、2つに分かれた。
露木「おぉ…?!すげーよ祐彦、お前斬撃を飛ばしたのか?!おい?!」
祐彦「…ッ!!」
露木「…祐彦?――ハッ?!ど、どうしたその腕…?!」
刀を持っていた祐彦の腕は赤くなっていて、パンパンに張れていた。
祐彦「ぐっ…?!ど、どうやら刀とビームが接触して力比べとなったらしい。一瞬だったから良くわからん…。」
幽香「…もうちょっとやりたかったけどもう限界そうね…。有難う、楽しかったわ!詫びといってはあれなんだけど、腕を治してあげるわ。」
『ギュルルルル…!!』
幽香が地面に向けて手を払うと、ゆっくりとツタが出てきて祐彦の腕に巻き付いた。
露木「だ、大丈夫か?!」
祐彦「…不思議だ…。力強く巻き付かれている筈なのに痛くなく、むしろ痛みが消えていってる…?」
幽香「植物の再生力で治癒を極限にまで高めて治療しているの。きっとあと数十秒も経てば完全に治るわ。」
露木たちは幽香の言う通り、数十秒ほど待った。
ツタが腕から離れていくと、腕の腫れは治っていて、むしろ先程よりも頑丈になっていたぐらいだった。
露木「マジか…。」
祐彦「この世界なら病院いらずじゃないのか?」
幽香「人里に住んでいる人にとっては重要なのよ。妖怪だったらゴキブリ並の生命力を持ってるし、力も強いし♪」
祐彦「…末恐ろしい世界だ、ここは。」
『祐彦さーん!!』
この世界の凄さをまじまじと実感していると、空から祐彦を呼ぶ声が聞こえる。
祐彦「…!妖夢さんか。」
妖夢「やけに遅いから、ランニングをすると教えてくれた所を見に行くと姿はなく、ただそこに血痕が…!?幽香さん、返してもらいますからねッ!!」
幽香「丁度私も満たされたし、連れて帰ってもいいわよ。」
妖夢「みっ満たされたァッ?!それって―――――はぅぅ…!!?」
妖夢は幽香の一言に過剰に反応し、顔を紅潮させている。
妖夢「ど、どういうことですかぁ…祐彦ざぁん…っ!!」
祐彦「俺はただ幽香さんの願いを聞いていただけだぞ?そして何で泣いているんだ、妖夢さん?」
妖夢「~~もう知りませんッ!!」
祐彦「あっおい?!」
妖夢はプイッとそっぽを向いて空へ旅立ってしまった。
祐彦はその光景を見ていてただ茫然としていた。
祐彦「妖夢さん…どうしたんだ?」
露木「何か急に泣き出してどっかにいっちまったなぁ…。」
幽香「フフフ、可愛い反応ね庭師さんは♪」
男2人は頭の上に?マークを浮かべ、幽香はクスクスと笑っていた。
祐彦「…はぁ。とにかく俺は妖夢さんを追いかけるよ。またな、露木。」
祐彦はそう言って妖夢の飛んで行った方向に向かって走って行った。
露木「見つからなかったらどうするんだ、アイツ?まぁいいや、俺も帰ろ――――」
『ガシッ!』
露木「うぃっ?!」
露木は後ろから伸びた手に掴まれ、だんだんと恐怖心が生まれ始めて来た。
幽香「次はアナタの番よ、露木♪」
露木「いや、さっき戦った――――」
幽香「あれは殆ど祐彦の力でしょう?私の目的はあなたと死闘を繰り広げる事、ただそれだけ…!!お互い武器もなく、本当の力というものでぶつけあいましょう!!」
露木「えっ?!いやっ、いやだぁ!?俺は生きるんだ!?植物のような、平穏で静かな生活を送りたいんだァ?!」
露木は某殺人鬼のセリフを真似て言った。だがその発言は幽香の逆鱗にふれてしまったのだった。
幽香「植物の生活が『平穏で静か』…?!ふざけるんじゃないわよ!!毎日虫に食われ、他の草に負けないように根と根の張り合いをして一生懸命に生きているのよ?!」
露木「ひ、ヒィィィ?!!」
幽香「じゃあいいわ…。植物のような生活を送りたいのならば、送らせてあげるわ―――」
露木「うわぁぁああぁぁぁ?!!!」
―――――――露木の記憶はそこで途絶えた。
×
×
×
露木「――――ハァッ?!ゲホッ、ゴホッ!?…ゆ、夢…なのか?!」
露木はベットから飛び起きる。どうやら紅魔館の一室のようだ。
窓を覗くと、もう陽が沈みかけていた。
露木「(な、何か悪夢を見ていたような気がする…。さっきは覚えていたのにもう忘れちまった…!!)」
葵「あっ、起きたんだノブっち!おはよう!」
露木「あ、葵…。俺は生きているか…?」
葵「はえ?生きてるかって…そりゃ生きているしょ、こうやって会話しているもん。」
露木「そ、そうか…。そうだな、うん、生きているな。」
葵「私ね、今日はここに泊まるの!レミリアさんが是非泊まっていってくれって!」
露木「…なぁ葵。」
葵「ん?なに?」
露木「今日の夜、一緒に寝よう?」
葵「…変態。」
露木「…?!(――ウアアアアッ、俺は今なんて言った?!くぁぁ~~…!!!?)」
この日、露木はずっと部屋にこもって出てこなかったらしい。
フラン「ノックしてもしもぉ~し!!」バァーン!!
露木「うぎゃぁぁぁ!??!」
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は露木君の走馬灯のお蔭で、葵が寝ている間何があったかわかりましたね。
祐彦君に至っては幽香のマスパを受け止めて、さらには発射元の傘まで破壊しているし…。
それに対し露木君は幻想郷で結構『変態』と呼ばれていますね。前回と今回で何回変態と言われたか数えてみるのも面白いかもしれませんね。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!