現代――――夏を迎え日差しの強い毎日。ある者は勉学を、ある者は仕事を。
そんないつも通りの生活を繰り返していた、とある1日の夜。彼女達はやってきた――――
―――とある役場で…。
男性「――――って言うんですけど、どう思いますか…?」
男性の話を聞いていた、1人の女性。頷きながら口を開く。
女性「確かにそれは苦しかったでしょう。ですが考え方を変えてみてはどうでしょうか?」
男性「考え…ですか?」
女性「はい。貴方が頑張ると、何人もの人が助かると。人は、何かしらの行動を起こせば、必ず助かる人がでてくるのです。」
男性「そう、か…。わかりました、考え方を変えてみます。相談に乗ってくれて有難うございました!」
女性「これが私の仕事ですから。これからも頑張ってください!」
男性は笑顔になって、役場から出て行った。
女性は近くに置いてあるコーヒーを口へ運び、「ふぅ」と一息つく。
すると其処に同僚らしき女性が、その人の元へやってくる。
同僚「草壁さん、凄いですね!皆、草壁さんと話をすると笑顔になっていきますね!」
女性「それは言い過ぎですよ。でも、それだけ私には力があるって事を自覚できるので、私自身を支えてくれるんです。」
同僚「私も草壁さんと同じようにいろんな人を笑顔にさせたいなぁ…!―――って、イケメン君来ましたね!」
女性「ん?あ…また弁当忘れちゃってた…。」
同僚の視線の先には、身長170cmを悠々と超えた男性の姿があった。
その男性の手には手拭いで包まれた箱があった。
男性「あ、いたいた…。姉貴ったらまた弁当を忘れてるぞ。」
女性「ゴメンゴメン!有難う、ケン。」
そう、弁当を持ってやって来た男性は『草壁 健汰』であった。
そしてその弁当を受け取る女性は『草壁 葵』であった。
葵「あれ?アンタ、今日は高校の部活だったんじゃないの?」
健汰「何か風邪が流行っていて、半数以上の部員が倒れたから中止になった。」
葵「風邪かぁ…。ケンも気を付けなよ?気を緩めると一瞬でうつっちゃうからね。」
健汰「ああ、わかった。それじゃあ仕事頑張れよ。」
健汰はくるっと体を半回転させると、そのまま建物から出て行った。
同僚「ねぇ草壁さん、今度弟さんを紹介してくださいよ!」
葵「ケンを?いやぁ~…それは難しいかな?」
同僚「草壁さんのケチ~…!!」
―――――とある中学校では…
男性「え~っと…。じゃあ○○、お前読め。」
生徒「はい。―――――」
教師であろう男性が、教科書を生徒に読ませる。
生徒が読み終わると、教卓の位置へと戻る。
男性「今読まれた内容からこういう事が分かるだろう。だが本当にそれだけか?という事で、時間やるから適当に探してみろや。」
授業を進めていた時、ドア越しに別の教師がやって来た。
教師「信寺先生、信寺先生っ!お電話です!」
信寺「そうですか、今行きます。じゃあ俺が帰ってくるまでに考えておけよー。」
信寺と呼ばれた男。そう、彼は『信寺 露木』であった。
信寺「誰からですか?」
教師「××さんの保護者さんからで…。」
信寺「そうですか、わかりました。(今日××が休みだか、その内容に関係しているのか?)」
彼は急ぎ足で職員室へと向かった。
―――――とある料理店で…。
『ジュワアアアッ!!』
丁度お昼時、客の数もピークに達する時だ。
店長「おおい、誰か料理を持っていってくれぇ!!」
店員「ナポリタン、とんかつ定食オーダー来ました!!」
店長「ぐ、ぬぬぬ…!?」
誰もが手を離せず、どうしようもなくなった時だった。
ある1人の男が、人間とは思えない早さで作業をこなしていった。
男性「お待たせしました、注文されたカレーライスです。――――いらっしゃいませ、4名様ですね。禁煙席か喫煙席、どちらにしますか?」
店員「は、早い…?!」
男性「――――店長、焼き魚定食・オムライス・ざる蕎麦・ラーメンBセットをお願いします!」
店長「~ッ!!わかった、引き続き対応を頼む、古森君ッ…!!」
厨房で人際目立つその古森と呼ばれた男性、その者は『古森 祐彦』であった。
古森「ご来店有難うございました、またのお越しを!―――いらっしゃいませ、何名様ですか??」
―――――???にて…。
??「準備はいいかしら?」
とある女性の声が、謎の空間に響く。
??「はい、大丈夫です!」
??「今回はそれ程長い間滞在するわけでもないですので大丈夫だと思います。」
??「皆さんは元気でしょうか…?」
??「きっと社会を活躍しているのでしょうね…。」
そしてその女性の問いに対して、数人の女性の声が空間に響く。
女性「そう。じゃあ開くわよ――――」
『クパァ…』
女性が手を翳すと、空間に裂け目が現れる。
裂け目の先には、既に夜となった町の景色が広がっていた。
??「おや、既に夜になっていたとは…。」
??「早くいきましょう、藍様!」
??「ああ、行こうか。それでは紫様、行って参ります。」
女性「はいは~い♪あなた達も楽しんできなさいよ?」
??「はい!いっぱい話をして楽しんできます!」
??「あれから10年ぐらい経つのね…。私は能力を使わないとただのおばさんね…。」
??「い、いく前からそんな気持ちになってたら元も子もないですよ?!」
??「ご、ごめんなさい…。私も今日はうんと楽しむわ!」
彼女たちは一言告げると、空間の裂け目へ飛び込んでいった。
『ズププププ…』
女性「久々に休んできなさい。そしたら疲れも取れるでしょうしね。」
~石山峰町~
健汰「ふぅ…。結構遅くまで時間がかかったな…。親父、怒ってなきゃいいんだけどなぁ~…。」
街灯に照らされた道を小走りで移動する男がいた。
彼の顔には焦り、そして恐怖の感情が入り混じっていた。
健汰「―――ん?(家の前に人だまり…?)」
自宅が目視可能な距離まで来た時、玄関前に何人かが立っているのが見えた。
健汰「すいませーん、家に何か用ですかー?」
人々「ッ?!」
健汰がその人達に大声で、ちょっと離れた場所から問いかけると、その人達はビクッとした。
健汰「あっ…すいません、驚かせちゃいましたか…?」
健汰が近くまで行くと、女性の声が聞こえた。
女性「あっ…。」
健汰「ん…?(この声、どこかで聞いた事のあるような…。)」
健汰はそんな事を思いながら、家に入るため、その人達の元へ近づく。
街灯が当たらない所だったため、少々顔が認識しづらかった。
女性「あの…。」
健汰「何でしょうか?」
女性「ここは草壁さんのお宅で合っているのでしょうか…?」
健汰「ああ、はい。合ってますよ。親父に何か用事でも?それとも姉貴に用ですか?」
女性「姉貴…?」
健汰「ああ、葵って言うのですけど…。」
健汰がその名を口にした時、少女が声を荒げて「やっぱり此処ですよ!」といった。
そしてその少女の姿を見た瞬間、健汰の目が大きく開いた。
健汰「ちぇ、橙ちゃん…なのか…?!」
少女「ふぇっ?!ど、どうして私の名前を?!」
女性「…え?もしかして―――」
女性「やっぱりケン、お前だったのか!!」
健汰「あ、え…?!いや、でも…えっ?!ど、どうして橙ちゃん達が此処に?!」
橙の存在が分かった時、丁度車が通過して、車のライトで他の人の姿もはっきりと見えた。
そう、草壁家の家の前に居たのは、かつて現代入りして来た藍・咲夜・妖夢・橙の4人であった。
咲夜「け、ケンがこんなに大きく…?!」
妖夢「お、大きくなり過ぎじゃありませんか?!」
健汰「あ、あの時は小学生でしたし…。あっ、立ち話も何ですから、どうぞあがってください!」
藍「そうか、有難う。久しぶりにお邪魔させてもらうとするよ。」
健汰は藍達を家の中へと入れる。
家に入ると、奥から話し声が聞こえてくる。どうやら来客が既にいるようだ。
健汰「あ、ちょっと待っててください。既に誰か来ているみたいだから見てきます。」
健汰はそう言って、奥へと進んでいった。
数秒経つと、ドアから上半身だけを出して、来てもいいよと合図する。
藍「どうやら大丈夫みたいだな。」
橙「葵さんと会うのは久しぶりです!」
妖夢「人間の成長はあっという間なので、置いてけぼりにされていないか心配です…。」
咲夜「わ、私は突き放されてないか心配ね…。」
奥の部屋へと、藍達が向かうと懐かしいやり取りの会話が聞こえる。
『いやぁ~、久しぶりだねぇ!3人で飲めるなんて!』
『やっと予定があったからな。ったく、合わせるの大変だったんだぞ…。』
『何だ、昔ははじけていたのに今は一番渋い奴になったじゃないか。』
健汰「もー…。酒の飲み過ぎには気を付けろよ…。親父が五月蠅くなるし、お客さんも来てるんだから…。」
『お客さん…?こんな時間帯に?』
健汰「ああ。姉貴なら絶対に「これは夢だ」とか言いだすと思うぞ。」
『またまたぁ~!!』
健汰「入ってきていいよ、皆!」
先程、健汰が合図を送ったが、タイミングが掴めなかったので呼びかけてもらった。
そして4人は部屋へと入って来る。
葵「~~!!?」
男性「…おいおい、何だコレは…?」
男性「ハッハッハッハッ―――――…飲み過ぎたか…?!」
藍「時間をもらえたから、会いに来たぞ!葵!!」
橙「うわっ?!すごい色っぽくなってる…!!」
咲夜「あら、そちらの男性お二方って…。」
妖夢「もしかして露木さんと祐彦さんですか?!」
そう、葵と別に男性2人が部屋にいた。
彼らは祐彦と露木だと、4人は理解した。
露木「な、何でお前らが此処に…?!」
祐彦「―――よし、夢じゃないようだな。引っ張った頬が痛い。」
橙「露木さんが随分と落ち着いています…!!」
葵「なっ何で皆がこの世界にいるの…?!」
藍「紫様のご厚意だ。定期的な休暇もこれまでにあったんだが、今回は現代へ行かせてくれたんだ。」
祐彦「軽々と世界を越えてくるなよ…。まず来るなら言ってくれ、準備が出来ないじゃないか。」
妖夢「この世界で言う『さぷらいず』です!ケンには入る前にばれちゃいましたけど…。」
咲夜「それにしてもケン、あんた身長どれくらい伸びたのよ…?!」
健汰「ん~…。小学生から高校生までだから―――50cm位は伸びたかな…?」
藍「最初見た時は他人かと思っていた…。成長したな、ケン。」
健汰「ああ。それにしても今日はどうするの?夜遅くに来ちゃったし…。」
葵「何を言ってるの!皆、泊まっていきな!!ついでに祐彦と露木もいいから!」
露木「だけど、お前の親父さんが怒るんじゃないのか?」
『ガチャ…』
露木が言葉を発すると同時に扉が開き、見た目50~60代程の男性が入って来る。
??「何だ騒がしい…。ただ飲むだけじゃなかったのか?…ん?」
そしてその男性は藍達の姿に気付く。
??「誰だ、君達は…?葵の同僚さんかね?」
藍「お久しぶりです、英克さん。私達の事、覚えていませんか?」
英克「何故私の名を…。以前にもあった事があるのか…?」
葵「お父さん忘れたの?私達を水難事故から助けてくれた藍さん達だよ?」
英克「藍…―――ッ!!き、君達はもしやあの時の…!!」
英克は藍の一言で思い出した。
咲夜「お久しぶりです。連絡もなくいきなり来てしまってすいません…。」
英克「いや、別にいい…。それよりも葵達を助けてくれて有難う…!!」
妖夢「いっいえ?!むしろ私達が一方的に巻き込ませてしまっただけなので…!!」
英克「過程がどうであれ結果は結果だ…。君たちは私の子供達を護ってくれた命の恩人、それだけで十分なんだ…!!」
英克は深く、長く頭を下げた。そして、頭を上げたと同時に再び口を開く。
英克「寝床を確保できていないのなら是非此処に泊まりたまえ。歓迎しよう。」
橙「あ、有難うございます!!」
英克「健汰、皆さんに最上級のもてなしをしてやってくれ。経費など考えるな。」
健汰「ん、わかった。姉貴、20分くらい席外すから。」
葵「わかった~!気を付けて行ってきてね~。」
健汰は再び家から出て行った。どうやら買い物に行ったらしい。
妖夢「わ、私達もケンさんのお手伝いをした方が良かったでしょうか…?」
英克「別にいい。君達は客人として寛ぎたまえ。」
葵「そうだよ~。あ、お酒飲む?」
英克「お酒は適量にしておけよ。過度な摂取は毒だからな。」
最後にそう言い残すと、英克は部屋を出て行った。
葵「もぅ~わかってるってば~。ほら、咲夜ちゃん。」
咲夜「あ、有難うございます…?!」
葵は咲夜に缶ビールを渡す。
そのような流れで他の人達にも渡す。
祐彦「…。妖怪だと例え身長が130cm近くでも飲んでいいんだよな?」
橙「大丈夫ですよ。もっとも、マタタビの方が酔いやすいんですけどね。」
露木「缶ビールを片手に持つ、見た目10才前後の少女。この絵柄OUTに近いぞ…。」
橙「っ…っ…っ…―――――プハァ!」
藍「橙、あまり飲みすぎたらいけないよ?」
橙「はい藍様!」
妖夢「っ…――――フゥ…。現代のお酒『びーる』という物は癖になる味ですね…。」
咲夜「酔いが早くも回って来たのかしら…。体が火照って来たわ…。」
露木「皆いい勢いで飲むな…。俺なんて酒に弱いから会話の合間にチビチビと飲まないと直ぐに潰れちまう。」
藍「そういえば露木、昔よりもかなり落ち着いているな。職業病か?」
露木「さぁね。これが職業病っていうのならそうかもしれねぇな…。」
咲夜「露木さんの職業は一体…。」
露木「そこらの中学校教師だよ。最初は高校の教師にでもなろうかと思ったが内容が難しすぎた。」
橙「寺子屋でいう先生ですよね。お疲れ様です。」
露木「少女に言われるっつうのには何か違和感があるな…。」
妖夢「祐彦さんは一体どんなお仕事を?」
祐彦「俺か?俺は飲食店で務めさせてもらってるだけさ。」
藍「そういえば料理が得意だったよな。まさかもう料理長に立っているのか?」
祐彦「いや、俺は料理を運んだりお客さんの接待をしているだけさ。」
葵「皆、しっかりと生活しているね。…さてと、暇だしTVでも付けるか。」
葵はゆっくりと立ち上がり、TVの電源を付ける。
すると最初はバラエティの番組だったのだが、すぐにニュースへと切り替わった。
『えー番組の途中ですが、臨時ニュースをお伝えします。つい先ほど、石幽峰町のショッピングモールにて立てこもり事件が発生しました。現場には数台のパトカーがやって来ており、犯人への説得がいまだ続いております。情報によると犯人は複数いて、建物の中には逃げ遅れた5名程の人が人質となっております。中継がつながるようなので、現場の状況をどうぞ。』
露木「おいおい、物騒だな…。そういえば健汰もその店に買い物をしに行ったんじゃないか?」
葵「ええ?でも全力で走らない限りそんな早くに店にはつかないよ?」
祐彦「お、移った。―――――ケンの姿に限りなく似ている男性が中に居る様に見えるのだが、気のせいか?」
藍「…。気のせいであってほしいな。」
咲夜「あ、あの見た目…。どう見てもケンにしか…。」
葵「…。ケンーーーッ!!?!ちょっ、どうしよ?!ってかこの町犯罪がおきすぎじゃない?!」
妖夢「…?!な、なんか動いていますよ?!」
露木「あれは…準備体操か?って思いっきり犯人に目を付けられてんじゃねぇか?!」
祐彦「本物かどうかはわからないが銃か、あれは?」
葵「あ、押さえつけられた。もうちょっとケンを優しく扱いなさいよ?!」
咲夜「そこですか?!」
祐彦「―――いや、アイツは返り討ちにする気だ?!」
妖夢「え、えぇ?!」
『現場の様子を見る限り、今だ進展が―――おっと?!店内で暴れる者の姿が見えます?!あっ!!1人の犯人がガラスを突き破って吹っ飛ばされたのでしょうか?!もっもう何が起こっているのかわかりません…?!』
祐彦「ほらな。」
TVの画面には、買い物袋を両手に持ち、割れた窓から飛び出してゆく男性の姿が見えた。
他の人質もその窓ガラスから一斉に逃げ出し、人質が逃げた所に警官たちが一気に駆け込んだ。
そして事件は無事、鎮圧されたのだった。
○
★
○
『ガチャ!』
健汰「ただいま~。」
家に健汰の声が響くと、部屋から葵達が走って来た。
葵「怪我はない?!大丈夫?!」
健汰「平気。それよりも今日は腕を振るって料理を作るから、是非楽しみに―――」
咲夜「ケン、隠したって無駄よ。どうして右足を隠すように歩いているのかしら?」
咲夜は健汰の異変に直ぐに気付いていた。
すると健汰もお手上げのようで、やれやれといいながら話した。
健汰「咲夜さんったらすごいね。貴方の前では隠し事は無理そうだ。」
藍「右足を怪我したのか?」
健汰「ああ。ショッピングモールへ行く時、走っていたんだが足をくじいちゃって…。」
全員『全然事件と関係なかった?!』
健汰の一言に、全員が口をそろえて驚いた。
祐彦「そ、それなのにお前はガラスをぶっ壊す程の勢いで犯人を吹っ飛ばしたのか?!」
健汰「中学校の頃、柔道をちょっとやっていたからね。背負い投げをして、地面には叩き付けず、そのままガラスの方へと吹っ飛ばしたの。」
葵「あ、明らかにその行動、昔の私と同じだよ…。兄弟って似るものなんだね…!!」
健汰「ま、そういう事だから。それよりも料理を作りに行きたいからちょっとどいてくれないか?」
健汰は靴を脱ぎ、そのままキッチンへと向かったのであった。
全員『…まるで昔の自分を見ているようだ(ね)…。』
そして葵達は健汰の姿を見て、再び口をそろえるのであった。
―――――――次の日の朝。
前日は健汰の料理をたらふく食べたあと、皆で葵のいえに泊まってその日を終えた。
そして次の日の朝、長針が9の数を刺す頃に、紫はやってきた。
紫「やっはろ~♪楽しめたかしら?」
藍「はい。久しぶりに話が出来て楽しかったし、無事生活できている姿を見て安心もできました。」
咲夜「ケンの姿を見て時代が移り変わっていくのを感じて何とも言えなくなったわ…。」
妖夢「咲夜さんは能力を使って自分の姿を20代で保てているじゃないですか…。」
咲夜「能力を解いたら一気に老けるのよ…。見た目はごまかせても、中はごまかせる事ができないようね。」
橙「私はあと数百年ぐらいたったら藍様みたいになれるんだろうな~…!!」
葵「アハハハ!いやぁ~私も久しぶりに心の底から笑えたよ!アリガトね♪」
藍「私達も有意義な時間を過ごせたさ。健汰達は用事で此処に立ち会えないのが残念だ…。」
葵「まぁ健汰は学校で、祐彦達は仕事だからね。あっ、ケンにこれを渡せって言われてたんだった!!」
葵はハッと思い出して、家の中へと戻って行く。
数分して、少し大きめな袋を腕に下げて持ってきた。
葵「これ、皆へのプレゼントだって。有難く受け取ってちょーだいっ!」
藍「アハハハ…ケンには頭が上がらないな。」
咲夜「本人がここにいたら良かったのだけどね。じゃあ葵さん、ありがとう、て伝えておいてください。」
葵「うん、わかったよ!また来てね、皆!歓迎するよ!!」
妖夢「有難うございます!では紫様、お願いします。」
紫「ええわかったわ。葵さん、連絡もなくごめんなさいね。」
葵「別に大丈夫です、むしろ歓迎ですよ!今度は紫さんも是非一緒に!」
紫「ふふっ、気持ちだけ受け取っておくわ。じゃあまた会う日まで――――」
『ズプンッ!』
藍達の足元に発生した空間の亀裂は、藍達を巻き込みそのまま姿を消していった。
葵「ふぅ~…。今日も頑張るか!!久々の休暇だぁ、休むぞ~~!!」
『ピリリリリリ!!』
葵「ん?あれ、同僚さんからだ。――――もしもし?…えっ、今日仕事?!
だって今日は●月×★日じゃ…えっ?!今日は●月×☆日?!やっばい、今行く?!」
葵は急いで着替えて、そのまま家を飛び出していった。
忙しい日々が今日も、明日も続いて行く―――――――――
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は後日談として、最初に従者たちが現代入りしてから数年経っております。
のほほんとした日常、これが当たり前で一番の幸せ。
そんな毎日を葵達はゆっくりと送っています。
そしてこれで『従者現代録』は終了となります。前作が長かったので今作は短いものとなりましたが、それでも私は楽しくかけたのでよかったです。
それでは今までのご愛読、有難うございました!