従者現代録   作:銀の鰹節

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前回のあらすじ
葵達は日常用品を買うべく、デパートへと向かう。
 ↓
しかし、そのデパートで事件に巻き込まれるも葵の友達が助けたのだった。(今ココ!)


#3 危機、襲来…!!

 

 

【現代入り・3日目】

 

藍達が葵の元へやって来てから3日目。にぎやかな雰囲気がリビングを包んでいる…と思ったら違った。

 

葵「…」

 

男性「…」

 

とある1人の男性がソファーに座っており、その前に葵がちょこんと座っているのだ。

 

藍「(ケン、ケン…?あの男性は一体誰なんだ?葵の顔に生気が残っていないのだが…)」

 

健汰「(藍さん達には、この家にお父さんがあまり帰って来ないから僕達2人で住んでいるって言っているよね?)」

 

藍「(ま、まさか?!)」

 

健汰「(そう、あれが僕達のお父さん)」

 

藍「(私達を追い出しに来たのか…?)」

 

健汰「(さぁ?それは僕にもわからない)」

 

藍と健汰の会話が切れると同時に男性は口を開いた。

 

男性「…で、葵。これはどういう事だ?」

 

葵「…」

 

男性は葵にカードを見せながら言った。

 

葵「いや、ねぇ…?ちょっと料理に挑戦しようかと思って食材を大量に買っただけだよ…?」

 

男性「ほう…食材を買うために約100万程入っている金額のおよそ3分の1を使ったのか…」

 

葵「う、うん…」

 

葵と男性の中で、ギクシャクした会話が流れる。すると健汰が前に出て男性に向かって行った。

 

健汰「…で、父さんは何に怒っているの?久々に帰って来たのに…」

 

男性「金の消費量の問題だ。あと知らない人がなぜこの家に住み着いているか。だな」

 

健汰「そう…(ダメだ。全然言い訳する内容が思いつかない…)」

 

男性「そうだ、貴女達にも聞きておこう。何故この家に居るのですか?葵の友達か何かでしょうか?」

 

男性は藍達の方へ振りむく。そして藍は男性の質問に答える。

 

藍「私達は葵さんの友達…と言えるでしょうね」

 

男性「『言えるでしょうね』?何なんですか、その言い方は?まるでまだはっきりとしていないような…」

 

葵「あ、うん。私の友達、友だよ友!」

 

男性「…そうか。じゃあ質問を変えよう。金は本当に食材を買うためだけにあれほど使ったのか?」

 

葵「うっ…いや、その…」

 

男性「…我が家は他人にお金を貸してあげれるような御人好しじゃないからな。友達には帰ってもらいなさい」

 

葵「えっ?!ちょっと待ってよ!!」

 

男性「すまないが、出て行ってはもらえないだろうか?どうやら葵に悪影響を及ぼしているようなんだ」

 

葵の静止を無視する姿を見て、男性が完全に意思を変えないとその場に居る者全員が確信した。同時に諦めにもなった。

男性の言う通りに藍達が玄関の方へと向かおうとした時だった。

 

 

『バリンッ!!!』

 

 

辺りにガラスが砕けたかのような音が響く。音が発生した方を見てみると宙に『穴』が空いていた。

男性が穴を覗いて見ると、夥しい程の眼球がこっちを見ていた。

 

男性「――――ッ?!!!」

 

男性は思わずその場で倒れ込み、後ずさる。するといきなり穴の方から声が聞こえた。

 

???「…?誰かが今覗いたか?」

 

声が低い事から男性である事がわかる。そして声の主であろう者の足が穴からニュッ、と飛び出る。

 

葵「ヒッ?!」

 

健汰「…!?」

 

???「よっと…」

 

藍・咲夜・妖夢『?!』

 

藍達は穴からでてきた者の姿を見て驚いた。何故なら出てくるであろう者ではなかったからだ。

 

藍・咲夜・妖夢『ま、優…?!』

 

優?「…どうやらとんでもない所に落ちたみたいだな…(一般人に見られたか…。紫さんの言う通りであれば記憶を消さなければならないんだっけか?)」

 

男性「なっ――――?!(その顔は――)」

 

葵「し、知り合いなの…?」

 

葵が藍達に質問すると、先に優と呼ばれた男性が答えた。

 

優?「はい。名を『博麗 優』と申します。…藍さん達も無事なようですし安心しました」

 

藍「ど、どういう事だ?そして何故紫様が出てこない?!」

 

優「いや、何か紫さんがスキマの座標をずれてしまったらしく、藍さん達が何処に居るか不明だったのですよ」

 

妖夢「じゃあ優さんがやって来た理由って…」

 

優「紫さんはちょっと幻想郷から出れない関係で俺が来ました。…このやり取りを見られてしまったからこの者達は記憶抹消でいいのかな?」

 

葵・健汰・男性『!?』

 

優の一言に、3人は驚く。葵に関しては反撃できるよう身構え、警戒していた。

 

優「あ、物事には順序があるか…。すいません、いきなり変な事を言ってしまって…まずあなた達は藍さん達とどのような関係で?」

 

葵「こ、この家の居候を受け入れたと同時に友達でもあります…」

 

優「居候…そうか、じゃあもう既に生活の起点となる場所を確保できていたんですね!」

 

健汰「でもお父さんが怒って今追い出そうとしていたんだ…」

 

健汰はそう言って、腰を抜かしている男性を見る。すると優はその男性の方へと近づく。

 

優「あなたが…この家の主、ですね?」

 

男性「そ、そうだが…何だ、お前は…!?記憶抹消とはどういう事だ…?!」

 

優「落ち着いてください。ここは1つ、取引でもしませんか?」

 

男性「取引…?」

 

優「はい。この世界で藍さん達が消費するお金は俺が払いましょう。そして宿泊代として望む金額をこちらで用意し、1ヶ月ごとに払います」

 

男性「つ、つまりこちらは、この者達を住ませるだけで特に何もしなくていいのか?」

 

優「その通りです。どうでしょうか?」

 

男性はその場で黙り込む。少したって、ようやく男性の口が開く。

 

男性「その取引、呑みましょう…。宿泊代は1週間で15万。それでいいか…」

 

優「わかりました。では今日からよろしくお願いします」

 

優は男性に深くお辞儀をする。そして顔をあげたと同時に藍達の方へと振り向く。

 

優「一応皆さんの荷物を持ってきましたので、使うとなればどうぞ…」

 

そう言い、何処からか大きなカバンのような物をだし、ドスンと置く。

 

優「それでは俺は失礼します」

 

藍「待て!!一体何処に行くんだ?幻想郷に帰るのではないのか?」

 

優が家の玄関へと向かおうとした時に、藍が問いかける。

 

優「いえ…。藍さん達を見つけるのと同時に、もう1つやらなければならない事もあるので…」

 

咲夜「やらなきゃいけない事…?」

 

優「はい(実は紫さん達の他にも現代と幻想郷を行き来する者が居るらしくて、その者の調査をしに来たのです)」

 

妖夢「(?!結界を通り抜けるって事ですか…?)」

 

優「(ええ。ですから現代に少しだけ知識のある俺が調査をするんです)それではお邪魔しました。藍さん達をよろしくお願いします」

 

優はもう一度お辞儀をして、家から出て行った。

 

 

『ガチャ…バタンッ!』

 

 

優「さて、と…(博麗大結界を通り抜けできる者はおそらく能力者と断定してもいいだろうな…)世の中、不思議な事がたくさんあるものだ…」

 

優は何処かを目指してゆっくりと歩いて行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

男性「…今日から共に暮らす事になるのだろう。自己紹介はしておくか。私は『草壁 英克』だ。」

 

藍「私は『八雲 藍』という者です。この家に泊めて頂く事を了承して頂き感謝します」

 

橙「『橙』です」

 

咲夜「『十六夜 咲夜』です。家事全般は出来るので私にお任せを…」

 

妖夢「『魂魄 妖夢』です。料理ならある程度は出来ます…!」

 

英克「考えてみれば葵達をいつも2人にしていたからこのような環境は適しているのかもしれないな…」

 

葵「お父さん…!!」

 

英克「さてと…葵にはまだ話があるぞ」

 

葵「え゙っ?!」

 

英克「金の消費の問題だ。今回はあちらが保証してくれるからとはいえ、少しは躊躇というものを見せたらどうだ?」

 

健汰「(あぁ~あ…これは話が長そうだなぁ…)皆、一度部屋からでよう…」

 

咲夜「いえしかし…」

 

健汰「行くよ?」

 

咲夜「ッ?!わ、わかりました…(何なの今の感じは…?!まるで猛獣を相手にしているような、感じだったわ…)」

 

藍達は健汰に続いて部屋から出て行った。

 

 

 

~1時間後~

 

葵「はぁ~~~~~~…」

 

健汰「お疲れ、お姉ちゃん」

 

藍「すまない…原因は私達にあるのに…」

 

葵「いや、大丈夫だよ…。よし、お父さんの許可をもらえた事だし、気楽に行こう!」

 

 

『ピッ!』

 

 

葵はそう言って、リモコンを手に取りテレビの電源をつける。

 

藍「たしか『テレビ』とかいう物だったな。…ほう、昔よりも画が鮮明だな」

 

妖夢「私はこれを初めて見るのでよくわかりません…」

 

咲夜「これの小さい物ならお嬢様がゲームにはまった時に行っていた、永遠亭で見た事ありますわ」

 

健汰「そっちの世界にもゲームがあったの?」

 

咲夜「はい。確か…『マ○オ』とかいうものをやっていたような…」

 

健汰「どの世界でもマ○オは共通なんだね…」

 

 

TV『えー、次のニュースです。先日、大型デパートで起こった事件ですが、一日たって被害が明らかとなってきました』

 

 

藍「これは…」

 

葵「私達が巻き込まれた時のだね…」

 

 

TV『防犯カメラには客に襲い掛かる犯人が確認できます。ですが同時に犯人を撃退する者の姿も見えますでしょうか?』

 

 

葵「あ、ノブっちとゆづっちだ」

 

健汰「幸いカメラのギリギリに居るみたいだから、バレづらいね」

 

 

TV『あっ!たった今犯人についての情報が入ってまいりました。今回の動機等の情報ですね。えー…「自分はある人から力をもらいうけ、その人の願いを聞きうけただけだ」との事です。警察は複数の人が事件に関与していると見て調査中です。』

 

 

葵「ん~…今日は家でまったりしよっか。たまにはのんびりしないとね!」

 

健汰「ただお姉ちゃんの気が乗らないだけでしょ…さっき怒られたばっかりだし…」

 

妖夢「アハハハ…ですが私も葵さんの意見に賛成です。届いた荷物に剣の手入れをする道具があった筈ですので、手入れをしたいのですよ」

 

藍「む?おい、咲夜縮こまって何をしている?」

 

咲夜「お嬢様…あぁ早く帰りたいです、そちらにッ!!」

 

藍「?!(あの吸血鬼の服だと?!それを嗅いでいるというのか?!)」

 

橙「?あの藍様、咲夜さんは服の匂いを嗅いで何をやっているのですか?」

 

藍「ちぇ、橙?!まだ知らなくていい、いやずっと知らなくていい事だから大丈夫だよ?」

 

橙「は、はぁ…」

 

その後、藍達は家でまったりと過ごすのであった。

 

 

 

 

 

~夜・草壁家物置では~

 

英克「や、やはり…!!『博麗 優』いや、『佐藤 優』…生きていたんだな。あの事件から…」

 

英克はある1つの写真を見つめながらそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一方、優は~

 

優「…はい。藍、咲夜、橙、妖夢の4人は無事です。そしてそれに伴って、宿泊先に代金としてまず39万の支払い。あと1週間で15万の宿泊代として、だそうです…」

 

【え゙っ?!私はそんな事をしてとは頼んでいないわよ?!】

 

優「今回の件に関しては俺も怒っているんです。元々は俺は無関係な筈でしたのに巻き込まれたのですから、当然の報いだと思ってください。紫さん」

 

【はぁ…わかったわ。それで調査の方はどうかしら?】

 

優「とりあえずここら一帯を調査してみましたが何もありませんでした。ですけど、ある噂が流れているらしいです」

 

【ある噂…?】

 

優「はい。この近辺で大規模な実験が行われている、という噂です」

 

【…。何か無関係って感じはしないわね。ちょっとその噂について調べてみて頂戴】

 

優「分かりました。それよりも…紫さんの知り合いの家って何処ですか?ずっと探してるのに見つからないんですよ…」

 

【そうねぇ…。貴方が居る場所から南東へ30mの方ね】

 

優「有難うございます。あと最後に聞いても良いですか?」

 

【何かしら?】

 

優「俺、今回の出来事に関しては妙な胸騒ぎがするんですよ。幻想郷と現代を行き来する者…もしかしたら幻想郷でも異変をおこすとも限らない」

 

【わかってるわよ。幻想郷でも警戒しているわ。それじゃあ引き続き、調査をお願いね】

 

優「切れた、か…。すまないな、霊夢、美華。しばらくそっちには帰れそうにない」

 

優は天高く上った月を見ながら呟く。そして紫が言った方向へと移動するのであった。

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回はいきなり藍達と、葵のお父さんが出会ってしまいましたね。ですが追い出される寸前で、何処からか現れた男『博麗 優』の取引により藍達はそのまま滞在、という事になりましたね。
そして後の英克の言葉…まさか優を知っていた?!
それでは今回はここまでにしたいと思います。
次回もゆっくりしてってね!


~人物紹介~

No,3『草壁 英克(くさかべ ひでかつ)』
40代後半の男性。職業は医者。勤務先が家から少し遠いため、家に帰ってくるのは1ヶ月に一回ほど。
家に葵と健汰を残してしまう事に後悔している。

No,4『博麗 優(はくれい まさる)』
身長約190cmと長身で30歳の男性。苗字からしてわかるように、博麗神社の身内である。元々は現代に住んで居たが、14歳の頃に幻想入りした。
最盛期は15歳ぐらいで、後は年々力が衰えてきている。本人曰く「もう時代は移り変わった。あとは見守るだけ」との事。
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