幻想郷と現代を行き来する者が特定した。
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博麗優のお見舞いへ…(今ココ!)
【現代入り・7日目】
葵「…!!」
健汰「お姉ちゃんどうしたの?」
妖夢「緊張、しているのでしょうか?体がカチコチに…」
葵「だ、だって仕方ないじゃない!!この先の未来、もし乱闘するような事があったらと思うと…」
葵は『桂井』の事を聞いてからというもの、行動すべてに力が入っているのだ。その所為で、ロボットのようにぎこちない動きをしている。
咲夜「大丈夫です。その時は私達が全力で護衛しますので…」
葵「そ、それはそれで何かヤなんだよねぇ…。ケン、アンタは怖くないの?」
健汰「そういえばそうだね…。まあ別に、今までの事を思い出したら大丈夫かなって。」
藍「葵、ちょっといいだろうか。」
葵「ん?何、藍さん?」
藍「私と腕相撲をしてくれないか?」
葵「へっ…?」
藍の要望が、葵の予想から外れていたも物だった為、思わず間抜けな声が出てしまう。
葵「そ、それはどうしてデスカ?」
藍「いや、ちょっと気になる事があってだな…。一回だけでいい、やってはくれないだろうか…?」
葵「わ、わかった…!!やるからには本気を出しちゃうからね…!!」
葵と藍は、目の前にあるテーブルに肘を置き、お互いの手を握り合う。
葵「ふぅー…ケン、合図をお願い…!!」
健汰「えっ、あ、うん、わかった…。準備はいい…?」
藍&葵『ああ!!』
咲夜「(ねぇ妖夢、どうしてあの狐は腕相撲をしているの…?人間の力と妖怪の力じゃ全然釣り合わないじゃない…)」
妖夢「(し、知りませんよ…もしかしたら橙ちゃんが知っているんじゃないですか?)」
橙「(わ、私も聞いていないのでわかりません…)」
誰もが藍の意図を掴めないまま、試合が開かれる。
健汰「レディー……ゴッ!!」
藍&葵「フンッ!!!」
妖怪と人間の腕相撲。勝敗ならすぐに決すると、ここに居る者の殆どがそう思った。
だが違った。
藍&葵「ハアアアーーッ!!!!」
咲夜「互角…ですって?!」
妖夢「ら、藍さん!?手加減をしているんですよね?!」
藍「いや…これ、は…!!本ッ気…だ…!!!」
橙「あ、葵さん凄いです…藍様と張り合うだなんて…」
葵「く…う、あ…!!あぁっ?!」
『バンッ!!』
藍と葵は張り合っていたのだが、数秒経つと体力がなくなったらしく、葵の手がテーブルに強く打ちつけられる。
健汰「勝者、藍さん…。」
藍「やはりだ…」
全員『…?』
葵「ぜぇ…はぁ…。な、何が…?」
藍「葵、お前はきっと純粋な力であれば人間をとっくに超えている。緊張している…という条件でその力が生まれるのかもしれない」
葵「ど…ドユコト?」
藍「そうだな…私は妖怪だ。もし本気で殴ったりしたら鉄を歪ませる、または貫通させる事が出来るぐらいの力を持っている。」
葵「ら、藍さんってすごいねー…そんな漫画みたいな事を出来るなんてね…」
藍「いや、葵はその力と数秒の間互角だったんだぞ?」
葵「へぇー…えっ、そうなの?」
健汰「人間卒業おめでとう、お姉ちゃん。とでも言っておくね」
藍の話を聞き、葵はちょっとだけ驚く。すると顔に笑みを浮かべ始める。
葵「ふふ…ふふふ…!!今の私に勝てる人間など居なーい!!強盗だろうが何でもかかってこいやーー!!」
妖夢「あ、葵さん?!」
葵はいきなり、おかしなことを言い始める。健汰も顔をキョトンとさせている。
健汰「お、お姉ちゃん…?」
葵「なぁに、ケン~?」
健汰「(ここまで上機嫌なお姉ちゃんは見た事ない…?!ちょっと気持ち悪い?!)」
咲夜「あ、葵さん、落ち着いてください?!」
その時だった。
『ガチャ!!』
玄関の方からドアの開く音が聞こえた。葵は何故か玄関へ走って向かった。
健汰「ちょ、お姉ちゃん?!」
葵「―――何か知らない人が勝手に上がり込んでる…」
全員「えっ?!」
葵の一言で全員が玄関へ通ずる廊下にやってくる。そして葵の視線の先には男性が息を切らしながら座っていた。
男性「ハァ…ハァ…ハァ…!!」
葵「アンタ誰?強盗?倒してやる。」
男性「ちょ、ちょっと待ってくれ?!いいい、今外に強盗が居て追いかけられていたんだ?!」
健汰「な、何を言っているんですか…強盗が追っかけてくるって、逃げられているってのが常識じゃ…」
男性「ちちち、違う?!本当に追いかけて来たんだよぉ?!頼む、ほんの数分だけでもいい!かくまってくれぇ!!」
妖夢「あ、葵さん…」
葵「…」
少しの沈黙。男性は葵達へ土下座をしていて震えている。
しかし橙は窓から外を見て、違和感を感じ取った。
橙「な、何ですか?!あの赤い光は?!」
健汰「あれって…パトカーのランプだ!!って何台も来てるよ?!」
『犯人に告ぐ!!逃げ場などない、完全に包囲した!!観念して自主しなさい!!』
『おい何を言っているんだ!!それじゃあ犯人を逆上させるだけだろう?!』
全員「…ハァ?!」
男性「チィ?!バレてたか…!!おい警察共!!何かしようとするのならこの家の住民の安全は保障しねぇぞ!!」
男性はそういって、ポケットから赤き液体を纏った刃物を取り出す。どうやらこの男性、この家に来る前に何か事件を起こしていたらしい。
男性「おいテメェらも動くなよ…?俺ぁさっき、人を刺して金を奪って来たんだ…!!何か動いたらその首にブスリとぶっさしてやるからなぁ!!」
健汰「デ、デジャブ…」
妖夢「…」
咲夜「…」
橙「…」
藍「…」
健汰「み、皆さん?!」
妖夢は刀、咲夜はナイフ、藍と橙は極限にまで鋭くして殺傷能力を高めた爪を構え、男性に向ける。
男性「…へっ?」
葵「皆、ちょっと待って。」
4人「葵(さん)!?」
男性へと今すぐに飛びかかろうとした所を、葵は止めた。男性は状況が掴めず、キョトンとしている。
葵「ねぇ…おかしな事をすれば私達の命は保障できないんだっけ…?」
男性「は…いや、それは――――」
葵「いいわよ、それで。でも、アンタの命は―――」
男性「フゲッ?!イダダダダ?!!!」
葵は男性の頭を掴み、そのまま家の外へと出て行く。
警察「ッ?!」
葵「保障できないかもね!!!ぶっ飛びな!!」
『ズガーン!!』
葵はそのまま男性をパトカーの方へと投げ飛ばす。
男性はパトカーに当たってバウンドし、向かいの塀に勢いよく衝突する。
警官「…」
その状況に唖然とし、警察官たちはただボーっと立っていた。
葵「警察さんッ!はやく犯人を捕まえてください!!」
葵のその一言で警官たちは我に返り、そして男性を取り押さえ、逮捕したのだった。
家へ戻って来た葵はそのままリビングへ行き、体育座りをする。
葵「…もうイヤ…。」
健汰「お、お姉ちゃん…(確かにこの短い間で3回も刃物を向けられているもんなぁ…)」
妖夢「あ、葵さんはとても強いんですね!!」
葵「確かに強いよ?そして私は何でもかかって来いとも言ったよ?でも本当に来るとかないでしょ…!!」
咲夜「そ、そう気を落とさないでください…葵さん…」
葵「はぁ…これからどう過ごす…?」
健汰「じゃ、じゃあ僕は部屋にいるから…。何かあったら話しかけてね。」
健汰はこの重苦しい空気に耐えきれなかったらしく、逃げるかのように部屋から去って行った。
葵「はぁ~~~~~…」
藍「(か、完全に落ち込んでいるな…。対処できてしまう自分が嫌なのか、それともこのような事態がよく起こるからなのか…)」
理由は定かではないが、葵は落ち込んだ。だが、そんな時に一本の電話が届く。
『プルルルル、プルルルル!!』
藍「電話、か…?」
葵「人が落ち込んでいるっつーのによぉ…ホント空気読めよ!!―――もしもし…?」
葵は怒りを隠さずに、電話に出る。
『…どうしたんだ葵?何をそんなに怒っている?』
葵「!なんだゆづっちか。んで?何か用?」
祐彦〔機嫌が悪い所に掛けてすまないな…。葵は露木の居場所を知らないか?〕
葵「ノブっち?いや、知らないけど何かあったの?」
祐彦〔アイツの家に遊びに行っても居なかったんだよ…。それも鍵もかけずにな。〕
葵「えぇ?!あのノブっちが鍵をかけないで出て行ったの?!」
祐彦〔お前も知らないとなるとアイツは何処に行ったんだ…?〕
葵「…」
祐彦〔…?おい、葵?葵?〕
葵は深く考え込む。何故なら今回の事についてで、胸騒ぎがするからである。
祐彦〔葵?!おい、どうしたんだ、葵?!〕
葵「へっ?!あ、ゴメン…考え事してた。それよりもゆづっち、今日は気を付けてね。」
祐彦〔どういう事だ…?!〕
葵「特に白衣を着た男性には注意して!もし来たら強引にでも追い返す事!!じゃあね!!」
祐彦〔おいちょっと待――――〕
『ガチャ!』
葵は電話を切ると、自分の部屋へと向かった。
咲夜「…?どうしたんでしょうか、葵さん…」
妖夢「わ、私なんか葵さんと幽々子様の印象が似ているような気がするのですが気のせいでしょうか…」
藍「…もし危ないと判断した時は一応止めるようにしよう…。」
『ガシャーン!!!』
藍「言ったそばから?!」
『わ゙ーーーッ?!ちょ、お姉ちゃ、何やってんの゙ーーー?!!』
橙「ひ、悲鳴も聞こえますね…」
藍「と、とりあえず止めに行こう…!」
藍達は、騒ぎのあった部屋へと駆けつける。すると視界に穴の開いた部屋が入る。
葵「はぁー…はぁー…」
健汰「お、お姉ちゃん…?」
葵はものすごい形相で、穴の開いた壁の前に立っていた。
藍「あ、葵…どうしたんだ…?」
葵「――ハッ!私は一体…ってなんなのこの部屋?!バッキバキのボッロボロじゃん?!」
健汰「もしかして自分が何をしたのかわかっていない…?」
葵「え…わ、私がやっちゃったの…コレ…?」
妖夢「あ、葵さん?!手から血が…?!」
葵「え…あ、本当だ…私、一体どうしちゃったんだろう…」
咲夜「今日はもう家でゆっくりしていた方がいいです…出来るだけ私達とも一緒に居ましょう…?」
葵「……うん、咲夜ちゃんの言葉に甘えさせてもらうよ…。」
健汰「…ぼ、僕は散歩に行ってくる…」
健汰は再び逃げるかのように、今度は外へと行ってしまったのだった。
そして葵達はリビングでゆっくりと過ごすのであった。
~幻想郷~
??「クソォォォ!!!!あの化け物共がぁぁぁ!!!」
妖怪N「待てェ!!!」
妖怪O「もう一ヶ月も獲物を獲ってねぇんだ…!!アイツだけは絶対に逃がさねぇぞ!!」
幻想郷のとある森。そこで、1人の男性が妖怪に追われていた。
男性「(落ち着け…まだ俺は生きている!!もしも『DIO』がこの場に居た場合、『DIO』はどうしている?!)」
妖怪N「に、逃げ足の速ぇ奴だ…!!」
妖怪O「ん…ダラァッ!!!!」
『バキバキバキッ…!!!』
男性「んなっ?!(木を投げて来た?!む、無理だ避けられない―――)」
『ズドーン!!』
妖怪O「ふぅ…これで後はゆっくりと頂くだけだぜ…」
妖怪N「おいおい、木をぶん投げるだなんて野蛮じゃねーのか?」
妖怪O「俺達が『野蛮』だなんて言葉を言っちゃあ終わりだ。俺はもう我慢できねぇから食べさせてもらうぜ…!!」
妖怪達が男性の方へと向かう。
男性「…?(何だ?どこも痛くない…体も動く…。なんだ、俺は一体どうやってあの木を避けたんだ?)」
妖怪O「ん?コイツまだピンピンしてやがる!!まさかあの木を避けたというのか?!」
妖怪N「んなこたぁどうでもいい。1ヶ月ぶりの肉…じっくりと味わらせてもらうぜ~!」
妖怪が男性へ噛みつこうとした時だった。男性はニヤッと笑みを浮かべた。
男性「そこだぁ!!!」
妖怪N「うぐっ?!」
男性は妖怪Nに足払いを決める。妖怪Nがバランスを失って倒れて来た所を、男性は木から手に入れた枝を突き刺した。
妖怪N「がっ…?!」
妖怪O「なっ?!コイツ…―――」
男性「目潰し!!!」
妖怪O「があっ?!」
男性はもう一体の妖怪に向けて土を投げかけた。そして見事、作戦は成功し、男性はすぐさま走って逃げる。
男性「(やった、やったやったやったっ!!!は、早く逃げて町に戻らないと…!!)」
男性は無我夢中で走り続けた。ただただ走り続けた。そして、だんだん茸やら薄気味悪い景色へと変わっていった。
だが、今の男性の状態で何かを考えることなどほぼ不可能。自分を更に危険にさらしているなど考えもしなかった。
そして男性の体に異変が現れ始める。
男性「(っ?!何だ、視界が歪んで―――)」
『ドサッ!』
男性「(どういう事だ…?体が動かねぇ…?それに息苦しい…!!あ…頭もボーっとして―――)」
それから男性は意識が朦朧とする状態が5分間ぐらい続いたが、完全に失ってしまうのであった。
意識が失う寸前、男性は誰かの声を聞いた。
??「おい、大丈夫か?!」
??「その様子だと、この森のキノコの胞子にやられたみたいね。どうするの、魔理沙?」
??「いや、どうするとか言われても…。このまま見過ごせば後味が悪いし、取りあえず家に薬があったと思うから連れて行くぜ」
??「そう、じゃあ私も協力するわ」
男性「(だ、れ…だ……―――)」
~現代~
『???』
桂井は光も入らない、暗闇の部屋の中で何か実験のような事をしていた。その時、桂井の手元にあるガラスケースがボヤァと光り出したのだった。
桂井「…!!これは――…。ふふ…フハハハ!!!とうとう作り上げてしまったぞ!!『不死の細胞』を!!フハハハハ!!!」
桂井はあるガラスケースを片手に、笑っていた。
桂井「どれ…あとはこの細胞をある程度にまで増殖させ、実験体へと移植し、どれ程の効果があるかを確かめてみようではないか!!そして安全性を確認したら…フフフッ!!しかし久しぶりだ…こんなに『人生が楽しい』と思えるのは!!」
桂井はそう笑いながら、またさらに奥の暗闇の中へと消えていった。
この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は特に進展はなく、ゆったりと1日が終わりましたね。
ですが幻想郷ではそうでもなかったようです。
幻想郷で追われていた男性…一体何者なのか、次話明らかに!!
それでは今回はここで終わりにしたいと思います。
次回もゆっくりしていってね!