闇の海王 作:チーズ
空は青空、波も穏やか、素晴らしい大海原を今日も穏やかに船を走らせていた
しかし、そんな平和な船旅も直ぐに終わりを告げた
「ハァーーー!!!」
「ボォーーー!!!」
≪ドゴーーン≫
船の中に特別作られた修業場、厚さ20センチの鋼鉄に囲まれた15×15メートルの箱型修業場、そこに今日もトレーニングの為に1匹と1一人の男がいた
「ゴリ吉、やるじゃねーか!!!」
元海賊≪赭足のゼフ≫
「オマエ、ツヨイ!!」
血鬼海賊団・特攻隊長≪ゴリ吉≫
ゴリ吉はくいなから言葉を教えて貰い、まだ少しだが喋れるようになった。
今日は新しい足に慣れるために、ゼフがゴリ吉に頼んで手合わせをしてもらっていたのだ
「裂牛!!」
ゼフは高速の蹴りをゴリ吉に当てた、ゴリ吉は蹴りの当たったところから大量の出血をした
「ヴォーー!覇炎!!」
ゴリ吉も負けずと蹴りに剛拳を合わせる、ゴリ吉の拳は炎を纏いゼフの剛脚にぶつかる
≪ドゴーーン!!!≫
「うるさいな~!」
くいなはあまりのうるささに船内の修業場へ向かった
「ちょっと、ゴリ吉!ゼフさん!もうちょっと静かに戦ってよ!」
そこには鋼鉄製の鉄板にめり込むゼフとゴリ吉がいた
「いや~、良いトレーニングになった久しぶりに本気を出せた!!!」
「タノシイ♪タノシイ♪」
ゴリ吉は直ぐに鉄板から出て楽しいダンスを踊っている
「ハァーーー、まだまだ元気なのかよ…」
ゼフがため息をつく、そしてくいなの方を向いた
「なぁ、疑う訳じゃねーが副船長ってこいつより強いのか?」
ゼフは悪い笑みを浮かべながらくいなにたずねる
「えーー、私にもゴリ吉と戦えって?」
ゼフは頷きゴリ吉の方を見た
「ほれ、アイツはまだまだ元気だ」
確かにゴリ吉は宙返り等の曲芸を披露している
「ハァー、まぁ良いわでも私とゴリ吉が戦うのはここじゃ船がヤバイから…次に見つけた小島でやりましょ」
ゼフは頷き甲板へと上がった
「船長、副船長とゴリ吉が模擬戦闘を見せてくれるらしい、次の小島で船を一度停泊させてくれ。」
ミールは修業場から上がってきたくいなの顔を見た、くいなも頷き了承を表した
「丁度島が見えてきたわ、あそこで良いかしら?」
くいなは頷き、ゴリ吉も手を叩いている
「さぁ、副船長の強さ見せてもらうぜ」
そして船は小島に止まった
「全員小島に集合、これより副船長≪くいな≫と特攻隊長≪ゴリ吉≫による模擬戦闘を開始する」
船の乗組員が全員小島に集合した後くいなとゴリ吉が完全武装して出てきた
いや完全武装していたのはゴリ吉だけでくいなは鎧を着けず腰に斬鬼をつけているだけ、何時もと変わらない服装だ
「船長、副船長ヤバイんじゃねーの?」
ゼフがミールに訪ねると、ミールは
「見ておけ」
とだけ言った
「ゴリ吉、本気で来なよ!!!」
くいなに言われゴリ吉は拳をガンガンとぶつけ合った
「ゼンリョクデ……ツブス!!」
ゴリ吉が臨戦態勢になったところでミールの合図が入った
「勝利条件は相手に参ったと言わせるか、気絶させるそれ意外何でもありだ!……始め!」
ミールの言葉にゴリ吉が反応した
「ブオオォーーーー!!!」
7メートルは合ったくいなとの距離を一気に縮め巨大な拳をくいなにぶつけた
「副船長!!!」
ゼフは目を疑ったくいなはいつの間にかゴリ吉の後ろに回っていた
「一刀流≪陽炎≫」
くいなの技で高速のフェイントをかける事で敵に自分の居場所を悟られない技だ
ゴリ吉も直ぐ様後ろに裏拳をするが今度はゴリ吉のがら空きになった正面へと移動していた
「一刀流≪鎌鼬≫」
くいなは刀を鞘へ納めた、すると目に見えない刃がゴリ吉の体を切り刻む
「ヴォーー!!!覇炎!!」
ゴリ吉の炎を纏った拳は目に見えない刃を打ち消しくいなに向かう
「一刀流≪白虎≫」
低い姿勢から放たれた高速の居合いの剣はゴリ吉の拳に直撃した
ゴリ吉は吹き飛び後ろに合った大岩に激突した
「ガァーーー!!」
ゴリ吉は大岩から出るとくいなに突っ込んで来る
「ハァー、一刀流≪狂乱・桜吹雪≫」
また、居合いの姿勢から放たれたのは先程の早さと威力では比にならないほどの激しい斬撃、ゴリ吉の体を余すとこなく撃ち抜く
「一刀流≪鬼殺し≫」
最後、繰り出された突きは先程の大岩を粉々に砕き遥か先の山にゴリ吉をめり込ませた
「そこまで、勝者・副船長≪くいな≫」
ここで先程までシンとしていた場が一気に歓声へと代わった
「副船長……化け物かよ?」
くいなはゴリ吉の所へ向かった
「ゴリ吉、楽しかったね!」
くいなはゴリ吉の前に手を出した
「ハイ、マタヤリマショウ」
ゴリ吉もくいなの小さな手を掴み8メートルの体を起こした
「さぁ、宴よ!」
ミールはゼフに言った、ゼフは頷き
「最高の料理を出しましょう」
直ぐ様料理に入った
「いや~、戦う女性も美しい~!」
サンジが料理を持ちながらくるくる回ってくる
「ありがとうサンジさん、サンジも強いの?」
くいなに訪ねられたサンジは首を横に振る
「い、いや~、そこまで強くは無いかな~」
サンジは頭を掻きながら苦笑いをしている
「なんだ、強くないんだ……」
明らかにガッカリ顔のくいなに少し戸惑っているサンジ
「あ、でもさっきのデカ猿よりは強いと思うよ」
ここでサンジは大きな失敗をした、直ぐ隣にゴリ吉が居ることに気がついていなかったのだ
「オマエ……ツヨイ?」
次の瞬間、サンジの顔面に拳がめり込んだ
「ヨワイ…ツマラン」
くいなは吹き飛んで行ったサンジの所へ駆け寄った
「サンジさん大丈夫ですか?」
サンジはゆっくりと起き上がってきた
「はい、大丈夫だよー」
脚がガクガクと揺れながらサンジはニコッと笑った
「そうですか、でもサンジさんって本当に弱いんですね…」
この言葉にサンジは固まった
「弱いんですね?」
サンジが言葉を繰り返す
「はい、ゼフさんもゴリ吉と相討ちでしたし、猿鬼達も10匹入ればゴリ吉と良い勝負ですし、まぁ他のシェフの皆さんは非戦闘員ですし…」
サンジはくいなの言葉を無言で聞いている
「ま、まぁサンジさんも非戦闘員になれば良いだけですから」
この言葉を聞いてサンジは立ち上がった
「すまねぇくいなさん、俺はこの船を降りる俺はまだまだ弱すぎる、この船に乗る資格はねぇ……」
サンジは深刻な顔をしていた
「いや、でもサンジさん」
くいなが引き止めようとしたとき
「行け、サンジ」
ゼフが後ろから声を掛けた
「お前はまだこの船に乗っちゃいけねぇ、こうなると思ってお前の荷物はまとめてある」
ゼフはサンジの前に荷物を投げた
「自分に合った環境で強くなれ、グランドラインでまた会おう」
サンジは荷物を取ると夜の闇に消えていった
次回…魚退治