ふと目が覚めると、体に違和感を感じた
手足は思うように動かず、目も十分に開けられない
だが俺は察することができた
ああ、俺は死んだのだな…と
この身は死に至り、転生を果たしたのか…と
なら、それでいいと初めは思った
だが、この世界は絶望しかなかった
初めは魔法が、亜人が、剣がある――ファンタジーな――世界に胸を踊らせた
だが、この世界は人間以外の種族を奴隷としていた
そして、人間の中でも優劣があり、平気で下の人間を人として扱わなかった
ここは奴隷が、差別が平然と認められる世界だった
俺は元の世界が恋しくなった
そこで俺はひらめいた
戻ればいいのだと、なにもこの世界で一生を終える必要はないと
運がいいことに俺の親は裕福な地位にいた
俺はこの世界での俺自身の立場をある程度築きながら、ある魔法の研究を始めた
この世界にはないであろう魔法の研究を
そもそも俺はいつも疑問に思っていた
なぜ魔法を使うには決められた魔法陣でないといけないのか、なぜ決められた呪文を唱えなければいけないのか
それらには原点と呼ばれるものが、始まりが存在するはずなのだ
なら、俺が原点に…始まりになれないのだろうか?
いいや、なれるはずである。でなければ今使われている魔法の始まりを、どう説明するというのか
だから俺は探求し、研究した
俺は『心』に焦点をあてた
悪いかもしれんが、材料となる人間は腐るほどいた。そう奴隷だ
そうして研究を重ねるうちに、一匹、心の闇から魔物を生み出すことができた
俺はこの魔物を観察、分析することで時間がかかったが人工的に模造品の魔物を生み出すことに成功した
この人口の魔物にはかの有名な印をつけた
これで魔物の違いが付けられる
私はさらに長い年月をかけて『心』を研究した
『喜』『怒』『哀』『楽』『憎』と人の心の感情は多く、『心』に限界はなかった
それでも俺は諦めなかった
そして長い年月が流れ、俺はついに至った
至り、選ばれたのだ
そう、心の力、心の形、『鍵の剣』を手にしたのだ
だが、手にするには遅すぎた
俺の体は老いてしまったのだ
そこで私はある一つの実験を我が身で行うことにした
人に模して作った人口の魔物を未完成でまず用意した
完全な人を用意するには錬金術が必要だが、リスクが高すぎる
なら、怪物でもいいから人の形をしたものの方がリスクは少ない
俺は自分に『鍵の剣』を突き立て、自分の心を取り出す
そして未完成の魔物に自分の心を入れた
この魔物は私の心を入れることによって完成するよう作った
ようは中身、核、中心と呼べるものだけ入れていないのだ
実験は成功、己の記憶を引き継ぎ、俺――私は魔物となった
魔物になったおかげか、人口と天然、両方の魔物を操れるようになった
以前の私はヴィラン――目立つような悪者――でなかったので、魔物は魔力を帯びた鎖などで縛らないと危険だった
だがこれでより大きく、強い魔物を懸念無く生み出せる
なんせ襲われる心配がないからな
ここまでは順調に計画が進んでいる
この先もそうであればいいのだが