Darkness to Door   作:EVIL

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ハイスクールD×D その4

黒いコートの男はアーシアへと近づく。

 

「くっ…アーシアには…手を出すな…」

 

一誠はアーシアの神器のおかげで意識を取り戻したようだが、まだ全快ではなく、体は動かせない。

 

「私と共に来い、アーシア・アルジェント」

 

あろうことか、コートの男はそう言ったのであった。

 

「私…ですか…」

 

「そうだ。お前は重要な『鍵』の欠片だ。もし、私と共に来るのならば、これ以上ここにいる奴らに攻撃をしないと約束しよう」

 

「ダメだ、アーシア…そいつの言うことを聞いちゃ…」

 

一誠はアーシアに声をかけるが、その声も弱い。それがアーシアの決断を固くしてしまった。

 

「本当に、もう手を出さないんですね?」

 

「ああ、君が決断さえしてくれれば」

 

「ダメよ、アーシア!」

 

小さな影のようなモノと戦っていたリアスと朱乃が、アーシアとコートの男の話を聞き、止めようとやってくる。

 

「アーシアは渡さないわ!」

 

リアスの滅びの魔力と、朱乃の雷の魔力がコートの男へ襲い掛かる。

 

「邪魔だ」

 

しかし、男は変な形の剣を再び取り出し、それを振るう。それだけで大きな衝撃波のようなものが起こり、二人の魔力を消すだけでなく、周りの者達全員を吹き飛ばした。

 

「アーシア、君が悩めば悩むだけ、多くの人が傷つくぞ?」

 

コートの男がアーシアへ追い打ちをかける。

 

「分かりました。一緒に行きますから、他の人達には」

 

「ああ、これ以上手は出さないよ」

 

それを聞いたアーシアはコートの男へ向かう。

 

「アーシア…ダメだ…」

 

完全に回復しきれなかった一誠は、アーシアへと手を伸ばす。

 

「イッセーさん。私、待ってますから。だから…また、助けに来てくださいね」

 

「アーシア…」

 

アーシアは一誠の方に振り返りながら、そう言葉をかける。一誠に向けるその顔は信頼からか、笑顔であった。

 

「眠れ」

 

何かの魔法を使い、アーシアを眠らせたコートの男は、自分と同じコートをどこからともなく取り出し、アーシアに着せる。

 

「アーシア…待っててくれ…必ず…必ず、迎えに行くから!」

 

「それは叶わぬ願いだ」

 

一誠の決断にコートの男はそう声をかける。

 

「それはどういうことだ!」

 

一誠は怒りの声をあげる。

 

「あれを見ろ」

 

コートの男が指さす方を見ると、鍵穴のような穴に黒い影のようなモノが入り込むところだった。

 

すると穴の中からガラスのような何かが砕ける音がすると同時に、穴が消え、地震のような大きな揺れが起こった。

 

「この世界は終わる。お前と共に」

 

「どういうことだ!」

 

何とか体勢を整えたアザゼルがコートの男に問う。

 

「今破壊したものは、この世界の核のようなものだ」

 

「核だと?」

 

「そうだ。一冊の本があるとしよう。その中には物語がある、登場人物がいる。では、その本の核、話の中心のようなものがなくなれば、物語はどうなると思う?」

 

「まさか…」

 

「その通り、貴様たちは消える。私自身が手を出すまでもなくな」

 

「そんなバカな…」

 

「見ろ。世界の崩壊が始まる」

 

コートの男がそう言うと地面は裂け、頭上にブラックホールのような球体が現れ、避けた地面がそこに吸われ始める。

 

「俺達が消えるなら、その嬢ちゃんも消えるんじゃないか?」

 

アザゼルは何とかしようとして、コートの男にそう問う。

 

「このコートは特別製でね。そういった世界の影響、修正力などを受け付けないんだ」

 

「なんだと…!?」

 

だが、結局は無駄なようだった。

 

「おしゃべりはここまでだ。最後の時を過ごして消えるがいい」

 

そう言ってコートの男は黒い穴のようなモノを出し、そこを通ってどこかへと行く。

 

コートの男が通ると黒い穴は消えてしまう。

 

「くそっ、こいつはマズいな…」

 

アザゼルは現状を打破するため、頭をフル回転させ始める。

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