雄英高校入学、初日。
「彩人の登校を見守るの!いってらっしゃいって言うのよ!今日は遅刻していくわ!」
と駄々をこねた母さん(プロヒーロー)を、父さんと共になんとか宥め、出勤させた。ふと思うんだけど、ああいう私的な理由のヒーローの遅刻はステインに粛正されちゃうのかな?まぁそんな事させるわけがないんだけどね。
ちなみに、父さんと母さんは二人ともプロヒーロー。コンビを組んで活動している。
「着いた~!」
雄英、到着~!なんだろう!そこそこ遠くて既に疲れてるのに、この胸に溢れる高揚は!
アレか?まだ見ぬ新天地におけるコレがソレか!(パニック)
「ドアおっきいなぁ」
縦にバリアフリーだね!縦に!(大事な事なので二回言いました)
「いっちば~ん!」
まぁ、どんなに遅刻が恐い人でも、授業開始の1時間前には来ないよね。せいぜい30分前くらいだよね。ボク?ボクは楽しみ過ぎて待てなかった。
席は……あっ(察し)
「まぁ、イレギュラーでもあるし.....」
一番後ろのはじっこでも、しょうがないっちゃしょうがない。か、悲しくないもん!いや、割とマジで悲しくない。出席番号なら当然だしね。
とりあえず、ボクの代わりに誰か落ちるって事はなかったみたいだ。良かった。ちょっと安心。
【黒板】
【葉隠】【障子】【尾白】【青山】
【爆豪】【耳郎】【上鳴】【芦戸】
【緑谷】【瀬呂】【切島】【蛙吹】
【峰田】【常闇】【口田】【飯田】
【八百万】【轟】【砂糖】【麗日】
【翼色】←ボクここ!
まぁ、
さて。他の人が来るまで、のんびり待ちますか。
待つこと20分くらい。教室に入って来た人物を見て、ボクはニッコリと笑った。席に座ったまま、右手を上げる。
「初めまして!ボクは翼色彩人!個性はパレットと
「・・・・轟焦凍だ。個性は半冷半燃。・・・よろしく」
「ん!よろしくね轟くん!あ、席近いね!なんか喋ろ!中学どこ!?好きなヒーロー誰!?」
「待て、えっと、翼色。テンション高いなお前。とりあえず座らせろ」
「テンション上がってるよ!何せ高校初の友達だからね!」
「ちょっと待て」
いつになくノリノリで話していると、轟くんに止められる。なんだい!
「いつ友達になったんだ」
「ボクが名前を明かして、轟くんが名乗った時からかな!」
「・・・そうか」
納得するんだね!素直で良いと思います!
「ていうか轟くん来るの早いね!」
「お前もな。家にいたくねぇんだ」
「そっか!学校に来たくて来たくて堪らなかったんだね!ボクもだよ!」
「おい、俺の話し聞いてたか?」
轟くんのツッコミを軽くスルーして、テンションを落ち着けた。これ以上騒ぐのも良くないしね。興奮は個性把握テストまでとっておこう。
「ボク東京の毛糸中学出身なんだ。轟くんは?」
「聞いてねぇのか。静岡の凝山中学」
「わぉ!全ッ然ピントこない!」
「なぁ、なんで聞いたんだ?」
「話し変わるけど轟くん担任どんな先生だと思う?」
「本当に変わるんだな。さぁな。誰でも良い。」
「ボク的にはイレイザーヘッドかな!格好いいよね!直訳すると消しゴム頭だけど!」
「俺それ知らねぇ。誰だ」
「抹消ヒーローイレイザーヘッド、個性は抹消!敵の個性を消すぞ!瞬きすると解ける!強力な個性だが本人はドライアイだ!近距離戦闘が得意!ボイスヒーロープレゼント・マイクと同期!合理主義でムダを嫌う!教師としては理不尽なまでの除籍回数の多さが特徴!信条は____」
「分かった、翼色止まれ。分かったから。お前に不用意な質問は止める。あと口調どうした」
「おや、もう良いの?あと200文字分くらいは言えたけど」
「具体的過ぎてわからねぇ」
「ところでさ。轟くんはキレーな目をしてるよね。」
ふと思った。轟くんって漫画を読んでても思ってたけど、目の澄みきった感じが凄く綺麗だと思う。火傷も目につかない訳ではないんだけど、ボクは目の方に意識が行ってしまった。なんでだろ?
「・・・は?」
「うん?気に障ったかい?なら謝るよ。ごめんなさい。確かにキレーなんて男の子に言う言葉じゃないよね。じゃあ...麗しい?」
「変わってねぇ。・・・どっちの目が綺麗だって言った?」
「ん?どっちも綺麗だと思うけど...ボクは左目が好きかな!透明だけど、真っ直ぐに澄んだ蒼色をしてる。綺麗だねぇ。あ、麗しいねぇ」
「・・・そうか」
轟くん、今度はツッコミ入れなかった。なんか嬉しそう…かな?イマイチ喜怒哀楽が分からないけど、満更でもなさそうだからいっか!
轟くんと雑談(主にボクが話して、轟くんは相槌をうつかツッコミ)をしていたら、次々にこれから共にヒーローを目指していくクラスメートがやって来た。切島くん、上鳴くん、瀬呂くんの所謂爆豪派閥は来るのが早かった。あ、爆豪くん来た!ドサッと鞄(今日が初登校なのに、何が入っているんだろう?)を置いて、苛ついた様子でクラスを見渡す。と、ボクと轟くんの方に歩いて来た。ん?なんで?
「テメエが翼色彩人か?」
「!そう!ボクだよ。君は?」
「・・・・・・・」
スルーかい!?爆豪くんはスルースキル高そうで低いと思ってたんだけどな!まぁ、ポンポン反応するから楽しいんだけどね。
「チッ!俺よりも上の奴がテメェみてぇな軟弱野郎とはな!胸くそワリー!」
そ う 来 た か !
あ~、そっちか~!ケンカの方か~!それは予想してなかった!ていうかボクの入試結果よく知ってたね!
「・・・お前、態度悪いと思わねぇのか。初対面だろ」
「アァ!?知るか半分野郎!!」
「ところでキミ名前は!?ボクは翼色彩人!個性はパレットと
「お前メンタル鋼か!?お前も止めろよ、入学早々トラブルで退学とかになったら嫌だろ!?」
「鋼でもないけど!気にしてないさ赤髪くん!仲良くしよう!」
「チッ!覚えとけ派手髪野郎!」
意外とあっさり引き下がるね爆豪くん!まぁ良いけどね!いつか友達認定させるからね!ていうか派手髪って!確かに12色だから派手だけども!
そして席に着いた爆豪くんにひたすら話しかける切島くんのメンタルが鋼。凄いな。
「ツートップ!」
んん?あ、緑谷くんだ。なんか叫んでる。
「担任誰だろうねぇ?傍若無人で破天荒なヒーローを希望!」
「そんなヴィランの鏡みたいなプロヒーローいねぇだろ・・・」
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、キミ達は合理性に欠くね」
「居たねぇ、そんなプロヒーロー」
「・・・あぁ」
((((先生!?))))
無精髭にボサボサの髪、隈の濃い目元。寝袋から体を出しているところでも思うが、初見ではとてもじゃないがプロヒーローには見えない。
「担任の相澤消太だ、よろしくね」
((((担任!?))))
「・・相澤消太って、さっきお前が言ってた………」
「そう。抹消ヒーロー、イレイザーヘッド。アングラ系ヒーローだから、みんな分かってないかな?」
「本当によく知ってんな、お前……」
「早速だが、
相澤先生に言われた通り、体操着に着替える。
うーむ、やっぱり雄英って何かとお洒落だよねぇ。
着替え終わった生徒からグラウンドに出る。個性把握テストだ!楽しみ過ぎてなんかやらかしそう!恐い!
「「「個性把握テスト!?」」」
はてさて、どうなることやら♪
ボクは説明をする相澤先生を見ながら、興奮でにやけそうな顔を必死で押し殺していました、まる。