魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~再戦~   作:左近 遼

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今からおよそ6年前…。

クラナガン市内 市街地

ミツキ視点

ザーーーー…。

その日のクラナガンは、雨だった。

他の次元での次元捜査を終え無事クリスと共に帰還した私は、地上本部にて逃走した違法魔導士の追跡・捕縛任務についていたティアナの兄であり私が昔からお世話になっているティーダ・ランスター一等陸尉が負傷した事を知った。

降りしきる雨の中…傘も差さずに現場へ急行した。

現場に到着した私が、目にしたのは…。

地面に倒れていたティーダ先輩の姿であった。

「先輩!!ティーダ先輩!!しっかりして下さい!!」

「み…ミツキか…。お前…傘も差さずに何やってるんだ…。風邪引くぞ…」

先輩を発見した私は、急いで彼の側へとかけよりその場に仰向けに倒れお腹の辺りを抑えていた先輩に声をかけた。

私の声に気がついた先輩は、ニヤリとしながらそんな事を言っていた。

「それを言うのは、こっちの方です!!急いで、治療魔法を!!(もう…無理だ…)…えっ…そ…そんな…」

先輩にそう声を荒げた私は、それを止める先輩の声を無視して彼が抑えていた手をよけ致命傷となっていたその傷を治療しようとした。

でも…。

その傷の状態を見た私は、すでに私が持つ治療魔法ではあまり効果が得られないまでの状態の酷さに愕然とし声をあげる。

「だから、言ったろ…。無駄な魔力の使用は、極力さけるよういつも言って…。おいっ…ミツキ?いったい何をする気だ?まさか…石の力を…」

「ええ、その通りですよ。(おいっ!!辞めろ!!そんな事をしたらお前の方が…)イヤです!!(命令だ!!)聞けません!!最後の最後まで諦めるな!!これを私に教えてくれたのは、他ならぬティーダ先輩なんですから!!だから!!(その時と今の状況は違う!!それより先に逃走している違法魔導士を…)現在逃走を続けいてる違法魔導士については、ケイン君やフェラルド達に追ってもらっています。それにクリスが、すぐに救護班を連れて来てくれます!!先輩は、このまま死を待って…。その結果、ティアナちゃんを一人にするつもりですか!!」

そんな私の様子を見た先輩は、やれやれといった様子で私に声をかける。

でも、ある方法を思いついた私は、目を少しの間閉じた後…先輩の傷口に両手を重ねるように当てそこに魔力を集中し始めた。

すると、私の手の周りを魔力が包み込み…そしてその魔力光が段々白銀に変っていった。

それに気づいた先輩は、私がやろうとしていた事に気づき驚きの声をあげる。

先輩の声に対し私は、そうである事を告げた。

すると、先輩はそれを辞めさせようと声を荒げるも私はそれを拒否していた。

でも…もう少しで石の力を解放出来そうな所で急に手を包んでいた魔力の光が消えた…。

「えっ…。なんで?なんで!?も…もう一度!!」

何をしているの!!そんな奴ほっといて自身に与えられた任務を遂行しなさい!!

それに気づいた私は、再度挑戦をした。

だが、魔力は集められたがそれを石の力に変換する事ができなかった…。

それと同時に私の心の中では、組織にいた頃の…昔の私がそんな事を言ってきた。

イヤ!!

何を言ってるの!!早く逃走中の違法魔導士を追いなさい!!

イヤ!!…絶対にイヤ!!

心の中にいる昔の私に対し私は、それを拒否。

さらに声を荒げる昔の私に対し私は、先輩への治療の手を休めないままその声に逆らい続けていた。

「もう一回!!(辞めろ…)イヤです!!(もういい!!)…せ…先輩…なんで…怒るんですか!?私は…私は…」

何度も何度も同じ事を挑戦するもその全てが失敗し続けていた。

でも、諦めてはいなかった私は…成功するまで続けようとした。

そんな私に対しティーダ先輩が、弱々しい声でそれを止めようとした。

先輩のそんな声に対し私は、それを拒否した所先輩が苛立ちを露わにし声を荒げた。

それに対し私は、驚きその理由を聞いた。

「すまない…。怒ったつもりじゃないんだ。ただ…お前を止めたかっただけなんだ…。すでに魔力が、つきかけてるのに俺なんかのために石の力を使おうとしてくれている…そんなお前を…」

「先輩…わかりました。でも…止血だけでもさせて下さい。このまま何もしなかったら私が、ティアナちゃんに私が怒られますから…」

「わかった」

先輩からその理由を聞いた私は、悲しい顔をしながら彼の顔を見ながらそれに答えションボリとその手を止めた。

でも、諦めきれない私は…ティアナちゃんの名を上げ止血だけでもさせてもらえるようお願い。

私のそんな様子に対し先輩も折れてくれて、それを許可してくれた。

その日私は、ある事件の捜査をするためにミッドとは別次元にいた。

私とクリスが、その捜査をしていた所…。

その捜査活動を妨害しようとしていた連中の大多数の襲撃に会いそれを全て2人で撃退。

でも…私達が無事にクラナガンに帰った時には、私も…それに一緒に行ったクリスもまた自身の魔力をほとんど使い果たしていた。

「はぁ…はぁ…。ダメ…。止まらない…このままじゃ…」

「いいんだ…ミツキ。それに俺は、お前に対して謝らなければならない事があるんだ。(えっ!?)お前の…いや、ミツキの気持ちに俺は、気づいていたんだがその気持ちに答えてやる事がついに出来なかった…スマン」

止血をしていた私は、先輩の身体から流れる血が止まらない事に愕然とした声をもらしていた。

私のそんな様子に対し先輩は、いつもの優しい声で話してくれた。

そして、私の顔をしながら…まるで、言い残す事がないかのように私に対し今まで言えなかった事を伝えてきた。

「気づいてたんですね…。(ああ…最初会った頃から…)…そんなに最初からだったなんて…まいったな…。一生懸命隠してたのに…」

「あんなカチコチな状態でか?(あれでも、誠意一杯だったんですぅ!!)ハハハッ…。(そんなに笑わないで下さい!!(ムスッ))悪かった、悪かった。怒るなって」

先輩の話を聞いた私は、少し顔を赤らめながらそれに答える。

それを聞いた先輩は、いつから私の気持ちに気づいていたのかを告げた。

先輩の話に対し私は、まいったなと言った様子でその場に正座を崩した状態で座り先輩の身体からこれ以上血が流れるのを阻止するために止血行い続けながらその声に答えていた。

私のそんな様子に先輩は、その時の事を思い出しながら会話し…そして笑っていた。

先輩のそんな様子に対し私は、頬を膨らませながらムスッとしそれに気づいた先輩が謝ってきた。

降りしきる雨の中…私と先輩は、そんな他愛のない会話を繰り返していた。

まるで、最後の会話を楽しむかのように…。

でも…そんな会話は、長くは続かなかった。

話をしている最中…先輩の声は、先程よりもどんどん弱く…そして小さくなっていった。

さらに彼の意識までも体内に残っている血が少なくなったせいか朦朧となっていく…。

それに対し私は、先輩に何度も止血を繰り返しながら救護班の到着を待ち…彼に声をかけ続けていた。

「はぁ…はぁ…。み…ミツキ…。てぃ…ティアナの事を頼む…。そして、もし…あいつが、俺の夢を次いで…執務官になると言ってきたら…。あ…あいつを…俺の変わりにお前の手で…」

「やだな~冗談言わないで下さいよ。それは、私じゃなくて先輩が…。う…嘘…先輩!!先輩!!ティーダ先輩!!」

先輩は、朦朧とする意識の中で止血を続ける私の手を握りしめ…ティアナちゃんの事を私に頼んできた。

それを聞いた私は、それを最後の言葉とはわかっていたが先輩にまだ生き続けていて欲しかったために必死に笑顔を保ちながらそれを冗談で返した。

私の話に対し先輩は、そのまるで眠るかのように彼の目が…
段々閉じ始め、私の話には答えてはくれなかった。

先輩のそんな状態対し私は、なんとか先輩に意識を保ってもらうと声をかけ続けた。

「頼む…」

先輩が答えてきた後…そのまま意識を失い…。

そして…。

彼の鼓動が止まった…。

「せ…先輩?イヤだ!!(ドンドン)戻って来て下さい!!先輩!!」

それに気づいた私は、すぐに心臓マッサージを始める。

「ミツキ!!ティーダ一等陸尉は!!…う…嘘!!」

心臓マッサージを続ける私に対し救護班を連れて来てくれたクリスが、私に声をかけそして、その様子に驚きの声をあげる。

「おいっ!!急げ!!」

「「「ハッ!!」」」

驚くクリスの後ろから彼女のそんな様子に焦りを感じた救護班の指揮官が自身の部下に声をかけ、マッサージを続ける私のサポートを始めた。

それから…

およそ30分後…。

「サエグサ執務官…彼は…もう…」

「み…ミツキ…」

私と一緒に蘇生をしていた救護班が、その手を止めた。

そして、その指揮官が代表して私に対し申し訳なさそうな声で話し掛ける。

彼等の横では、涙を抑えながらクリスが私の様子をみながら声を漏らす。

「はぁ…はぁ…。先輩!!先輩!!まだ入っちゃダメです!!私に…私に!!ティアナちゃんの事、押し付けないで下さい!!先輩が育てるって言ってたじゃないですか!!それをしないでいったいどこに行くんですか!!」

彼女の達が見守る中、私は一人…。

先輩に声をかけ続けながら、心臓マッサージを続けていた。

つい今しがた…。

先輩にフラれた事なんかまるで忘れたかのように…。

「ミツキ…。もういいの…(イヤ!!)…いいから…もういいから…ミツキ…」

「クリス…。そんな事、言わないでよ…。私…これを辞めたら…いったいどうしたらいいのか…わからないから…」

マッサージを続ける私に対し感極まったクリスが、私の後ろの方からその身体を抱きしめる事でそれを辞めさせ…。

そして、私を抱きしめたまま…。

自身の悲しみを必死に堪えながら…。

私の耳元で、小さく…そして…呟くような声でそう話をしてきた。

彼女に抱きしめられた私は、その腕に触れながら呆然としながらそれに答える。

「…なら、ティーダさんが追っていた違法魔導士を一緒に捕まえようよ?フェラルドさん達が、すでにその居場所をもう補足して追い詰めているから…。彼の事は、救護班の人達に任せて…」

「…泣けないの…。先輩が、こんな事になったのに…。私、先輩がこうならないように声をかけ続けていたいたのに…。心の中にいる昔の私が…。組織にいた頃の私が…「そんな奴ほっといて自身に与えられた任務を遂行しろ」って…。「違法魔導士を追えって…」それが、イヤなのに私…。泣きたくても…涙が出てこないの…。だから、お願い…続けさせて…」

私のそんな問いかけに対しクリスは、先輩を手にかけた違法魔導士の事を追跡しようと提案してきた。

そんなクリスの提案に対し私は、自身の心の内で起こっていた出来事をつげ…さらに涙が出てこない事を彼女に話それを続けさせて欲しいと頼んだ。

「…それじゃ…。救護班の人達が、彼に対しての最後の仕事をさせてあげられない…。だから、一緒に行こう。それに…涙を流さなくても…その悲しみは…彼に届いているハズだから…」

「…。わかったよ…。でももし…私が昔の私に戻りそうになってあいつの命の火を消そうとしたら止めてね。あいつは…局員としての…。先輩が、なりたがっていた執務官である今の私のままで捕まえたいから…」

「うん。わかった」

私のそんな頼みを聞いたクリスは、それを優しい声のままそれをダメだと言い説得を続ける。

クリスの説得に対し私は、それを受け入れた。

そして、彼女に先程とは別のお願いをした。

私の願いに対し彼女は、それを了承してくえその場から立ち上がった。

その後、私とクリスは、先輩の事を救護班に任せ逃走中の違法魔導士の追跡・捕縛任務につき先行していたケイン君とフェラルドと共にその違法魔導士の捕縛に成功した。

任務を終えた私は、その後亡骸になった先輩と対面していたティアナちゃんに付き添う事となった。

「魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~その7.5「ティーダ・ランスター」…始まります…」



その7.5「ティーダ・ランスター」

魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~その7.5「ティーダ・ランスター」

 

機動六課隊舎内 宿舎 スバルとティアナの部屋

 

「すぅ~、すぅ~」

 

ガバッ。

 

「兄さん…。私…またミツキさんに心配させちゃったみたい…」

 

時刻は、深夜…。

 

その日ベットには入ったものの眠れなかぁった私は、スバルが寝たのを確認した後その部屋の私用の机においてあった兄さんの写真が入った写真立てを手に取りながら今までの自分の事とあの時の自分の事を思い出しながらその写真に話しかけていた。

 

そう…兄さんと別れる事になってからの数日間の時の事を…。

 

あの時…。

 

兄さんが、息を引き取った後…。

 

管理局に呼び出された私は、霊安室で静かに眠る兄さんと無言の対面を果たしていた。

 

その突然の出来事に対し、私は愕然としながら…。

 

ただ、ひたすら…泣きまくっていた。

 

でも、そんな私を尻目にそこにいた局員達は淡々と葬儀の準備とかを始めていて…。

 

私の側には、兄さんの最後を見取ってくれたミツキさんだけが無言のまま私の側に付いていてくれた。

 

そんな時だった。

 

兄の亡骸と対面し終えた私は、用意されてあった控え室へと移動しその部屋の中に入った所。

 

その部屋にあったテレビがなぜか映っていて、そこではニュース番組が流れていた。

 

その時、流れていたそのニュースの内容に私達は驚いた。

 

本局に所属する高官の一人が、その画面の中で兄さんの事を愚弄している内容のニュース映像が私とミツキさんの目に飛び込んできたからだ。

 

「どうしてよ!!どうしてあんな事言えるのよ!!」

 

「な…なんで?なんであんな事を?」」

 

それを見た私は、兄さんが死んだ事への悲しみがどこかへ吹っ飛び画面を見入っていた。

 

テレビに映るそのニュース映像とその内容を見ていた私は、それが切欠となり…。

 

その高官や兄の死に悲しそうな様子ではあったが、涙を一切見せなかったミツキさん…さらに淡々と作業を続ける局員達へ不満が爆発しそうになっていく。

 

同じ映像を見ていたミツキさんは、あの高官のそんな態度にどう言っていいのかわからないといった感じで驚きていた。

 

そして、怒りが次第に収まらなくなっていた私の方をチラッと見た後私に声をかける。

 

彼女の視線とその声を聞いた私は、一度はそれを抑えようとした。

 

でも、この時すでに自分の理性ではどうする事出来ないくらい私の感情は抑えられなくなっていた。

 

結果、ミツキさんのそんな様子が切欠となり…。

 

私は、自身の中に溜め込んでいた感情の全てを爆発させる事となってしまった。

 

「て…ティアナ…ちゃん?」

 

「あんたのせいよ…。あんたが、もっと早く兄さんの所について入れば!!」

 

俯きながらそう静かな声でそう言った私は、今までずっと側にいてくれたミツキさんを睨みつけながらその怒りを思わずぶつけてしまう。

 

「ごめん…。それと…す…少し休もうよ、ティアナちゃん。あれから、ずっと寝てないし…」

 

私のそんな様子にミツキさんは、そう答えてきた後…。

 

映っていたそのニュース映像から私を引き離そうとそのテレビを消した。

 

さらに、それまで一睡もしていなかった私を休んでもらおうとその肩に触れその場から移動しようとしてやさしく声をかけてくれていた。

 

「触らないで!!(パシッ!!)もう!!出てって!!」

 

ドン!!

 

「てぃ…ティアナちゃん!」

 

でも、それに対し私は…ミツキさんのその手を払いのけ一度開放してしまったその感情の全ての感情を止められないままそんな彼女の優しさを拒否。

 

さらに、その部屋から追い出そうと彼女の身体を突き飛ばす。

 

それに対しミツキさんは、身体をよろけながら驚きの声をあげる。

 

「あんたのせいで、兄さんがぁ!!」

 

その挙句…。

 

彼女に対し私は、そう声を上げながら涙を流しその時私の身の回りにあったクッションに筆記用類。

 

さらには、テーブルの上に置いてあった置き時計を手にとりそれをミツキさんに向け投げつけた。

 

ボン!!ガシャン!!…。

 

「ティアナちゃん、落着いて。危ないって」

 

ミツキさんは、私が投げつけた物を手で払いながら説得をつづけようとしていた。

 

「うるさい!!うるさい!!うるさ~い!!」

 

ガシャン!!

 

「痛っ!!」

 

ドサッ!!

 

その声に納得しなかった私は、さらに物を投げつづけ…その中のひとつであった大きなガラス製の灰皿が彼女のおでこに当たった。

 

結果…そこから血が流れ出した彼女は、その怪我をした所を抑え痛みを堪えながらその場に座りこんだ。

 

「あっ…。いいから!!いいから、出てって!!出てってよ!!」

 

私は、その事に気づき一度は驚きの声を上げる。

 

でも、すぐに先程の怒りが再燃。

 

その事について、ミツキさんに対し一切謝らなかった。

 

「てぃ…ティアナちゃん!!」

 

それどころか、むしろ追い出すチャンスだと考えた私はそんな彼女に近づき彼女を立たせた後…その部屋からミツキさんを無理やり追い出した。

 

ミツキさんをその部屋から追い出しドアを閉める時に…私はさらに…。

 

「もう二度と私や兄さんの前に現れないで!!葬儀にも…お墓参りにも来ないで!!」

 

バタン!!

 

カチャ!!

 

と今考えれば、暴言とも言える言葉をミツキさんに吐き…。

 

その部屋のドアを勢いよく閉めカギまでかけた。

 

ドンドン!!

 

ドンドン!!

 

「ティアナちゃん!!ティアナちゃん!!…私の話を聞いて!!お願いだから!!」

 

私が、ドアを閉めた後ミツキさんは閉められたドアを何度も叩きながら私の名を呼びつづけた。

 

でも、私はそれには一切答えず…。

 

「う…うう…。兄さん…兄さん…」

 

部屋の灯りを全て消し、そこにあったソファーの上に体育座りをし頭を足を抱えた腕の中に埋めながら兄の名を呼びながら泣きつづけていた。

 

その一方、部屋から追い出されたミツキさんと言えば…。

 

何度かドアを叩き私の声を呼んでは見たが、私からの返事がなかったため部屋に入る事を諦めたのか何時の間にか入なくなっていた。

 

それ以後…ミツキさんは私の前には、一切現れなかった。

 

私の身の回りの世話については、彼女の代わりオーリスさんがしてくれる事となった。

 

数日後…。

 

兄さんの葬儀が始まった。

 

会場には、厳かな雰囲気に包まれ…兄さんの葬儀は淡々と進行していった。

 

バタン。

 

ザワザワ…。

 

「失礼」

 

「こちらで、会見を行います」

 

ゾロゾロ…。

 

でも、そんな葬儀の中…あの高官がたくさんのマスコミを引き連れその葬儀会場に現れた。

 

そして、祭壇の前にたったかと思えば再び兄さんを愚弄する言葉を並べた後…。

 

「今述べたこのプランを実行すれば、管理局は新しく生まれ変わる!!あの…ティーダ・ランスターのような…周りが見えず、自己の昇進のために…。つまりは、彼のように実力もないのに執務官になりたがるそんな輩は誰一人入なくなる!!」

 

「「「おお~」」」

 

と、今まで自身の中で暖めていた管理局の改革プランをつれてきたマスコミの前で披露。

 

さらに、兄の遺影を指差しながら罵倒し続けた。

 

「あいつーーーー!!兄さんの事を!!また!!」

 

それを見ていた私は、兄の事を再び罵倒その高官…。

 

並びに、こんな事をされているのに何もしないせずそっぽを向く局員達に対し怒りを覚えた。

 

そして、声を荒げたあと座っていた椅子から立ち上がりその高官に対し文句を言いに行こうとした。

 

「待ちなさい!!ティアナ」

 

すると…その行動をオーリスさんに止められた。

 

「どうしてよ!!どうして止めるのよ!!…ははぁ~ん…そうよ…そうよね~。…あいつは、貴方達からすれば上官…。今、私を止めておかないと貴方があいつから後で怒られるからでしょ!!そうでしょ!!」

 

彼女に止められた私は、それに対し苛立ちながらオーリスさんに嫌味交じりの言葉を吐いた。

 

「はぁ…。あんな事やられて、怒る気持ちはわかるけど…。私に八つ当たりするのなら、他所でやってもらえる?まったく…あの子も本当、お人好しなんだから…。私にこんな子供の世話を押し付けるなんて…。正直言って私には、いまだに理解できないわ。ティーダさんにあんな事言われた上にその妹にまで嫌われて部屋から追い出されたっていうのに…。あんな事、やらかそうとしているあの子の考えている事が…」

 

それに対し彼女は、椅子に座ったまま冷たい目線で私の事を見上げそうに答えた後…。

 

何か呟くような声で何かを言っていた。

 

「いったい何をしたっていうの…。あ…あの、眼鏡狸は?」

 

オーリスさんのそんな態度に対し内心ビビッていた私は、動揺を隠せないまま彼女が呟いていた事が気になりそれを聞いてみた。

 

「ふっ…。さっき私に言った言葉…。よ~く、覚えて起きなさいよ。あなたは、もう少ししたらさっき言っていた事をすぐに後悔する事になるわよ?それにしても、あんなにマスコミを連れて来て…。明日のニュースが楽しみだわ」

 

「何よ…それ…」

 

彼女は、含み笑いをしながらそう答えた。

 

オーリスさんのそんな様子対し、私は彼女の事を睨みつけながら疑問の声をあげた。

 

「それが知りたいなら、これをつけて椅子に座って黙って今後の成り行きを見てなさい」

 

「…」

 

ドスン!!

 

このまま黙って今後の様子を見ているよう言いさらに何かのイヤホンを私につけるよう言ってきた。

 

彼女のそんな様子に私は、無言のまま仕方がなくそれに従い勢いよく椅子に座りその様子をその成り行きを見守る事にした。

 

「そろそろ、時間ね…」

 

私が椅子に座った事を確認したオーリスさんは、それから少し経った頃…。

 

自身が、身に付けていた腕時計を見ながらそう呟いた。

 

すると…。

 

バン!!

 

ゾロゾロ…。

 

ザワザワ…。

 

突如、葬儀会場の奥のドアが開くとそこから当時提督だったリンディ統括官と同じく執務官であったクロノ提督を先頭に数人の局員を引き連れ祭壇の方へと無言のまま進んでいった。

 

そして、祭壇の前にいたあの高官の前まで行きその歩みを止めた。

 

「な…なんだね!!君達は!?」

 

いきなりの彼女達の登場に先程まで、意気揚揚に持論を展開していたその高官は驚きの声をあげた。

 

「時空管理局のリンディ・ハラオウン提督です。こちらは、クロノ・ハラオウン執務官。あなたに対しある特定の企業から賄賂を受け取っていると言う嫌疑がかかっており、すでにその逮捕状もでております。失礼ですが、このままご同行願いますか?」

 

「き…貴様!!いったい、何の証拠を元にそんな嘘を!!」

 

それに対しリンディ統括官は、冷静な態度でそれに答え彼の目の前にある画面を表示させその中にある逮捕状を彼に見せた。

 

リンディ統括官が見せた逮捕状を見たその高官は、それに対し怒りを露わにし証拠の提示を求めた。

 

「ええ…。いいでしょう。クロノ執務官」

 

「はっ、こちらをご覧下さい。これが、ご希望の証拠です」

 

「な…!!(おいっ!!すぐにそれを抑えろ!!)お…おいっ!!や…辞めろ!!撮るな!!お…おい!!マスコミ連中を黙らせろ!!(ハッ)…こ…これを…いったいどこから!!」

 

激怒する彼に対しリンディ統括官は、クロノ提督にそれを見せるよう指示。

 

それを聞いたクロノ提督は、いくつもの画面を表示させそれを証拠といい彼に見せた。

 

クロノ提督が見せた画面を見たその高官は、そのグウの音も出ない証拠の数々に驚いていた。

 

あの高官…その映像の中で、今回の事でその企業にそうとう便宜を働いたらしく…。

 

その事へのお礼(お金)を受け取っている様子が、映し出されていたからね。

 

画面に表示されていた日付は、昨日…。

 

マスコミに取ってその映像は、スクープ間違いなしだからね…。

 

まぁ…こうなって当然ね。

 

マスコミのそんな様子に対しその高官は、大慌てでそれを撮らせないように声をあらげ周囲にいた自身の部下に対しその事を指示。

 

さらに、クロノ提督に近づき彼の耳元でこれをどこで手に入れていたのかを聞いていた。

 

「つい今しがた…ある人物から受け取りました。(そいつは、いったい誰だ!!)貴方も、よく知る人物ですよ。なんせこれをするがために、彼女を…。この会場から、追い出すためにマスコミの前で、あんなパフォーマンスまでしたんですから…」

 

「ま…まさか…そいつは…」

 

その声に対しクロノ提督が、小声でそれに答える。

 

彼の話に対しその高官は、まるで血の気が引いたような顔になりその人物の事を聞いて来た。

 

これは、後から聞いた話であるがあの高官…。

 

自身が、以前より考えていたそのプランをより効果的に…さらに即時実行させたいがために…。

 

その時、逃走した違法魔導士の追跡・捕縛任務につきその違法魔導士と対峙…それに敗れ殉職した兄の死の事が耳に入り…。

 

兄の死を…そのために利用する事を思いついた。

 

そして、その唯一の障害である彼女を排除しようとした。

 

ミツキさんは、亡くなった兄の最後を見取った後…その任務を引き継ぎ、違法魔導士捕縛に尽力し見事捕縛に成功していた。

 

彼等は、ミツキさんがその事に気づき彼等の計画を邪魔するであろうと考え。

 

マスコミを利用しニュースで、その映像を私に見せるように仕向けその怒りを同じ局員であるミツキさんにぶつけさせ私の側から引き離そうと画策した。

 

自身のプランを確実に成就させるために…それと管理局の実権を我が物とするために…。

 

そんな事とは露知らず…私は、あの高官の策略に嵌りミツキさんをあそこから追い出していた…。

 

「そのまさかです。貴方は…管理局…いや、この世界の中でもっとも敵に回していけない彼女を怒らせた。私も以前、彼女を怒らせた事はありますが…。これほどでは、ありませんでした。あなたの最大の過ちは、彼…ティーダ・ランスターの死を己の利益のために利用した事。陸の最後の砦とも呼ばれる彼女を怒らせたのは、あなたのその傲慢な考えそのものだ!!」

 

「ば…ばかな…。み…ミツキ・サエグサは、奴の妹に忌み嫌われ…部屋から追い出されと報告を受け…。それ以後、別の任務についていたハズだったでは?」

 

クロノ提督は、彼の声を聞いた後そのままその高官の耳元でそう語りかけた。

 

するとその声に対しその高官は、クロノ提督に対し愕然とした様子で事前に報告を受けていた内容を呟いていた。

 

「どうやらそれは、嘘みたいですよ。あなたの部下が、彼女達の事を尾行していた事も気づいていたみたいですし…。その尾行していたあなたの部下から、今回の事について…。つまりは、貴方の野望や今回の事等…。その全てを聞き出したみたいです。そのやり方は、少し荒っぽかったみたいですけど…。でも、あなたがそんな事さえしなければ…。ティーダ・ランスターの死を利用しようとさえしなければ…。あなたについて、以前からあった黒い噂の事について捜査なんかしかったそうです。これは元々、私達が追っていた事ですから。この証拠の数々は…葬儀が始る少し前、私の前に現れた彼女がこれを手渡してくれました。どうしても、彼の葬儀が終わる前にあなたの横暴を明らかにしあなたにより失墜させられた彼の名誉と…。そして、彼の妹さんの怒りを晴らすために…。そう決めた彼女は、あの映像が流れて…妹さんに部屋を追い出されてからすぐに捜査を開始そうです。そして、この葬儀が始るまでのとても短い時間の間にこの全ての証拠を揃え…私に託してくれました。どうやら、あなたがした事その全てが完全に裏目に出たみたいですね」

 

「そ…そんな…(ガクッ)」

 

彼の呟きを聞いたリンディ統括官は、そんな様子の彼に近づきクロノ提督同様小声でミツキさんの一連の行動を何かを言った。

 

まるで、彼にトドメを刺すかのように…。

 

怒りに満ちた表情をしながら…。

 

それを聞いたその高官は、愕然とした様子でそう呟いた後ガックリと膝を落としていた。

 

「連行しろ」

 

「「「ハッ」」」

 

彼のその様子を見たクロノ提督は、連れてきた部下に指示を出しその高官を連行しその場を後にしリンディ提督もその後に続いていた。

 

そして、リンディ提督が私が座っていた席の辺りを通った所何かの合図を送るかのような仕草をオーリスさんにし私には会釈をしていった。

 

私は、提督の会釈に対し椅子に座りながら深深と頭をさげていた。

 

まるで、先程までの怒りがどこかにいってしまったかのようにとても冷静な態度で。

 

何故かと言うと、私がつけていたイヤホンからそのやり取りの全てが聞えていたから。

 

イヤホンから聞えてくるその内容に対し私は、ついさっきオーリスさんが言っていた事を思い出し無言のままそれを後悔しながら聞いていた。

 

そして、その後…。

 

ザワザワ…。

 

「皆さん!ご静粛に!!私は、時空管理局のレジアス中将であります。今回のこの一件に対し、会場にいる皆さん…さらにマスコミ各社に対しにご説明させていただきます」

 

彼等がさった後、騒然となった会場では…。

 

それを落着かせるべくレジアス中将が、今回のこの自体をこの会場にいた人達及びそこに残っていたマスコミの人達に対し説明を始めていた。

 

「説明は、以上になります。尚、マスコミ各社からの質問等については、後日改めて会見を開きますのでその時にお願いします。今は、彼の葬儀をしめやかに行わせて下さい。お願いします」

 

説明を終えた中将が最後にそう述べ頭を下げた後、マスコミの人達がその会場を後にしたのを最後の一人が会場から出るまで見送っていた。

 

そして、最後のマスコミの人達が葬儀会場から去っていった後…。

 

「すまない、君の葬儀を混乱させてしまって。まずは、君と…その遺族の方にお詫びを申し上げたい」

 

静まり返った会場では、その場に残っていたレジアス中将が兄さんの遺影の方へとそう言い頭を下げた後兄の祭壇から降り…私の元へと近寄ってきた。

 

「ティアナ・ランスターさん。こんな事態にさせたワシから言うのもなんだが…。彼に…君のお兄さんであるティーダ・ランスター君に別れの言葉を読ませては、もらえないだろうか?」

 

「お願いします」

 

私が座っていた席についた中将は、その場に跪きやさしい声でそう語りかけてきた。

 

中将のそんな話に私は、拒む理由もなかった…と言うよりリンディ提督達の話を聞いてた事により既に先程まで怒りが収まっていた。

 

そして、先程オーリスさんが言っていた通り自身が今で彼女達に対して後悔していた私は…。

 

そう私に頼んで来てくれた中将に対し、むしろこちらの方からお願いしたいと考え座ったままであったが自身の頭を下げ中将にお願いをした。

 

「ありがとう」

 

私の許可を得た中将は、そうお礼を告げた後兄の祭壇に戻り

懐から便箋を取り出しその中身にあった手紙を読み始めた。

 

彼が、呼んだその手紙の内容…。

 

まずは、兄さんに対してあの高官がした事への謝罪から始まり…。

 

そして、私が知る兄さんの事がたくさん読み上げられていった。

 

仕事の時の事…休みの日の事…。

 

さらに凡そ、レジアス中将が知るハズもない内容まで…。

 

その内容を聞いていた私は、それに対し疑問を感じにはいられなかった。

 

「最後に…。今読み投げた内容について事は、君が良く知る後輩の子が周囲に話をしていた事をまとめたものだ。本来なら、その局員にここに立って欲しかったのだが…。申し訳ない。幾度となく説得を試みたのだが…。なんでも、どうしてもここにこられない用事があるとの事でワシが彼女の代理でここに今立たせてもらっている。その彼女が、君の行動の正当性を全て証明してくれた事をこの会場におる全ての方と君に対し…。ご霊前の前ではあるが、ご報告させて頂く。それに…君の妹さんの事も…。(ギロリ!!)おっと、これは、言ってはならん事であったな。コホンコホン。これから我々は、君のような人を模範とし…」

 

「まったく…。お父様ったら…。ん?どうしたの?」

 

レジアス中将は、手に持っていた紙の内容を読み終えるとそれをしまい最後にこれについてのネタバラシを始めた。

 

その内容は、兄さんに…と言うより中将から私に対しまるで全てを明らかにするからミツキさんを許してほしいと言っているように私は感じた。

 

さらに中将が、私の事について話をしようとした所…。

 

何かに気づうかのようにふとこちらの方をチラリと見そして、急に咳き込みだし話を話を締めくくろうとしていた

 

どうやらそれは、オーリスさんの方を見ていたらしく中将の話に彼女は腕組みをしながら苛立ちを露わにしていた。

 

そして、彼が話を変えた所でオーリスさんは、そんな様子の中将を見ながらそんな事をもらしていた。

 

オーリスさんのそんな様子に私は、そっぽを向きながら彼女着ていた上着の袖を引っ張った。

 

それに気づいた彼女が、私に声をかける。

 

「あ…あいつは、どこ?(あいつって…いったい誰の事?)だから、あの眼鏡狸よ!!あいつ…!!せっかくの兄さんの葬儀を台無しにしてくれて!!だから、文句を言ってやるの!!あいつの居場所を教えなさい!!」

 

「はいはい…。ミツキなら…今、会場の外にある公園にいるわよ?結果だけをこっそり見にね。でも、あなたに言われた事を律儀にも守っているから安心をして。でも、早く行かないと…(タタタッ)フフ…。さてと…。クリスに連絡でもとって、時間稼ぎでもしてもらおうかしら?」

 

オーリスさんの声を聞いた私は、そっぽを向いたままその声に答える。

 

それを聞いた彼女は、それが誰なのかを聞いて来た。

 

彼女のそんな疑問に対し私は、声を荒げながらミツキさんの居場所をオーリスさんに聞いた。

 

私のそんな様子に対しオーリスさんは、やれやれといった様子でそれに答える。

 

それに対し私は、彼女の話を最後まで聞かずミツキさんがいると言う会場の外へと走り出していった。

 

オーリスさんは、走り出す私の背中を見送りながらそう呟いた後…ミツキさんと一緒にいるクリスに連絡を取っていた。

 

 

葬儀会場外

 

クリス視点

 

「ねぇ?もう行こうよ?クリス?歩きでもいいから」

 

「それだけは、絶対にだぁ~め!!お願いだから、もうちょっとだけ…ね?」

 

葬儀会場内での一連の出来事をその会場の外から見ていた私とミツキは、その会場にあった公園の入り口の前でそろそろ帰ろうかとお迎えの車を待っていた。

 

でも、ここにいるのがティアナちゃんに見つかる事を恐れていたミツキは…早く帰ろうと私に対し催促をしてきた。

 

彼女のそんな声に私は、キョロキョロ辺りを見回しながら早く帰りたがるミツキに対し自身の両手を合わせながらなんとか説得してこの場で待ってもらうよう頼んでいた。

 

もう~!!時間稼ぎって言ったてそんなに稼げないわよ!!

オーリス!!

 

私は、先程オーリスからティアナちゃんがそっちに行くから時間を稼ぐよう通信してきた事を思い出しながら…。

 

心の中で、心の中でそう嘆いていた。

 

その一方、ミツキはと言うと私同様周囲をキョロキョロと見回しながら周囲を警戒。

 

さらに、その場所にある街路樹の前に立ちティアナちゃんに追い出された時についた怪我に私が無理やり彼女のオデコに張ったバンソウコウを気にしていた。

 

ちなみにこの時のミツキはと言うと…。

 

髪は、ボサボサで目にはクマ…。

 

さらに、崩れたメイクも殆どなおさず服もその時のまま…。

 

ここ2,3日寝てないといった雰囲気全開の様子であった。

 

まっ、今の私も似たようなもんなんだけど…。

 

その事ついて私が何度も注意するも、その時ミツキはと言うと…。

 

まるで、何かに取り付かれたかのように捜査を続け私の声を完全に無視されていた。

 

さらに、その間にも何度も襲う発作に苦しみ…。

 

それが、回復しないまま捜査をしていたために今にも倒れそうになりながら…。

 

あの高官の事を調べ上げ、あの証拠の品の全てをそろえていった。

 

そして、その証拠が全て揃った所でハラオウン提督達(現、統括官)に渡し彼等にその手柄を渡す代わりに…あの高官が自ら着服する事を目的に勝手に減額したティアナちゃんへの管理局からの遺族年金を元に戻すよう彼等と交渉し現在に至る。

 

でも、なんでハラオウン提督達にそんな事を交渉したかと言うと…。

 

あの高官により本来出るはずだった遺族年金の金額が、その半分以下まで下げらるのを知ったミツキは…。

 

その遺族年金をすぐに元に戻すためには、鶴の一声が必要だと判断していたからだ。

 

それも、本局にいたあの高官よりも大きな権力を持つ本局所属の人物からの強大な鶴の一声が…。

 

つまりミツキは、そのハラオウン派と言うよりその派閥の長であるリンディハラオウン提督(現、統括官)が持つ強大な権力による鶴の一声を得るために交渉したって訳。

 

でも、まさか…。

 

今まで、色々とやり合っているあのハラオウンと交渉するなんて…。

 

正直言って、驚いたわよ。

 

ミツキのそんな条件に対し、リンディ提督もあの高官について調べていたがその証拠を何一つ掴めていなかったためにその条件を二つ返事で了承。

 

つい今しがた、葬儀会場であったあの出来事へと繋がる。

 

そんな形振り構ってはいられないといったの様子にミツキ対し彼女の間近で見ていた私は、捜査を開始した直後はあれこれ言っていたけど…。

 

でも、そんな様子の彼女に付き合って捜査をする内に…。

 

次第にある事を感じそれ以降、何も言わずミツキが納得するまでとことん付き合う事にした。

 

これは、ティーダさんの最後をみとったミツキに取って…せめてもの最後の恩返し…。

 

例え…。

 

自分の気持ちが、彼に届かなくても…。

 

彼の妹に忌み嫌われても…。

 

あのまま…あの高官に、ティーダさんの死をいい様に利用されたくなかったんだよね?ミツキ?

 

私だって、あの映像を見て…悔しかったもん。

 

辺りのキョロキョロするフリをしながら私は、ミツキのそんな様子を見ながらつい…そんな事を考えていた。

 

私のそんな様子に対しミツキは、彼の葬儀がレジアス中将により無事進行された事をオーリスから連絡を受けていたみたいでそれにホッとしたのか今まで無理やり抑えていた体の不調や疲労感が一気に爆発したかのような状態になっていた。

 

そして、自身の後ろに立っていた街路樹にもたれかかりながら俯きそして立っているのがやっとの様子を見た私は…。

 

もう…限界ね…。

 

ピピピッ。

 

「グレイ。ごめん、車をこっちに回してもらえる?ミツキ…もう限界みたいだから…」

 

(了解。すぐ行く)

 

ミツキのそんな様子を見た私は、オーリスから依頼されていた時間稼ぎの限界が来たと判断。

 

持っていた端末を操作し、時間稼ぎのため近くに車で待機してもらっていたグレイに連絡。

 

彼が、運転するミツキを送迎するために用意した車をこっちに来て貰うよう通信を入れた。

 

私の通信に対しグレイは、それに答えた後すぐさま乗っていた車を私達のすぐ近くに来てくれた。

 

「ミツキ…。お待たせ…。さっ、行こう」

 

「うん…。ごめん…迷惑ばかりかけちゃって…」

 

「いいのいいの。でも、体調をなんとかしておかないとスバル達になんて言われるか…」

 

「あ…はは…。はぁ…スバル…怒っているだろうな…。ここ2、3日の間、連絡すらしてなかったし…」

 

「それに、かかってきた通信も一切取らなかったからね。帰ったら大変よ」

 

「なんだか…。頭が、痛くなってきた…」

 

グレイが運転する車のきたのを確認した私は、ミツキの側にかけよりフラフラな状態の彼女に声をかけた後その体を支えるかのようになりがら到着していた車の方へと向っていった。

 

車に向う最中、彼女の身体を支える私に対しようやく気が晴れた様子のミツキが申し訳なさそうな声をかけてきた。

 

それに対し私は、笑顔で答えた後ここ2、3日の間何度も連絡をしてきたスバルの事を思い出しならがそれに答える。

 

私の話にミツキは、そのスバルがかけてきたであろう通信を一切受けていなかったためため息をしながらそんな事をボヤいていた。

 

それに答えた私の話にミツキは、憂鬱な気分全開でガックリとしていた。

 

ちなみに…。

 

ナカジマ家にいたスバルと言うと…。

 

「むぅーーーーーーーーーー!!まだ、帰ってこない!!それに通信にでも出ない!!いったい、どこほっつき歩いているのよ!!ミー姉!!」

 

と家の玄関で自身の頬を膨らましムスッとした様子で、どこで知ったのか…。

 

まるで、家族の帰りをひたすら母親のような事を言いながらミツキの帰りを待っていたとか…。

 

ガチャ。

 

「お待たせして申し訳ありませんでした…姫。どうぞ、こちらへ…」

 

「あっ…。ありがと、グレイ」

 

私とミツキが、車の後部座席に近づいた所で運転席から出て来たグレイが車のそのドアを開け私達をその中に迎え入れようとしてくれていた。

 

そんな彼に対し私が、彼に声をかける。

 

すると…。

 

「ちょ…ちょっと、待ちなさいよ!!」

 

「てぃ…ティアナ…ちゃん…」

 

ミツキが、車の中に入ろうとしていたら後ろの方から声が聞えて来た。

 

それに気づいたミツキが、その声が聞えて来た方をみた。

 

するとそこには、息を荒げた様子のティアナがそこに立っていた。

 

そんな彼女の様子にミツキが、驚きの声をあげていた。

 

「あんた…。せっかくの兄さんの葬儀に…なんて事をしてくれたのよ!!あんな人達を会場内に勝手に入れて!!」

 

「あ…あの…そ…それは…」

 

驚くミツキに対しティアナは、怒った様子でその場から歩きながら文句をそう言って彼女に近づいて来た。

 

それに対しミツキは、体調が悪いせいでうまく頭が回らないのか口篭もりながらそれに答えていた。

 

「だから…調子がよくなってからでいいから!!…兄さんにちゃんと謝って!!レジアス中将とかオーリスさん達に色々させないで。め…眼鏡…じゃなかった。み…ミツキさんの口から…兄さんに伝えて上げて下さい…。そして、兄さんに…最後のお別れをしてあげて下さい」

 

「てぃ…ティアナ…ちゃん?で…でも…私は…」

 

ミツキのそんな様子をお構いなしといった様子で、彼女に近づいたティアナは声を荒げた。

 

そして、その後…急に目をウルウルとさせながらレジアス中将が読み上げたあの紙の内容の事をあげミツキにある提案をし始めた。

 

ティアナのそんな様子にミツキは、疑問の声をあげる。

 

「ごめんなさい…。私、あの時…兄さんが亡くなったのにあの高官にあんな事を言われて…。気が動転して誰も信用できなくなっていたんです。でも、あの時…レジアス中将が読んでくれたあの手紙を見て…。兄さんが、よく私に「俺に何かあって、一人になったら必ずミツキさんに相談しろ。彼女なら、例え管理局がお前の敵になってもずっと味方でいてくれるから」って言っていたのを思い出したんです。…それで…そ…その…」

 

ミツキのそんな疑問に対しティアナは、泣き出すのを必死で抑えながらその訳を話してくれた。

 

「うん。わかったよ。ちゃんと、ティーダ先輩にお別れを言うよ。でも…今は、ちょっと…」

 

ティアナの話にミツキは、そう答えた後ようやく自身の格好に気づきいたらしく顔を赤らめ慌てながらそれに答えていた。

 

「…後でいいです。今のミツキさんの姿を見たら…。兄さんが、心配して草葉の陰から出てきそうで…。(だよね…)それに…今は、あなたの体調の方が心配なのです。私が、あんな事したのに…ずっと、私なんかの事を心配してくれていた貴方の事が…。も…もし、貴方が兄さんと同じ所に行くなんて事があったら…私は…。だから!!ごめんなさい!!」

 

「うん。わかったよ。ティアナちゃん」

 

ミツキのそんな様子にティアナは、目に貯めていた涙を拭いた後…優しい顔をしながらそれに答え部屋を追い出した時の事を深深と頭を下げながら謝って来た。

 

そんなティアナに対しミツキは、笑顔でそれに答える。

 

「そっ!!なら、ちゃんとあなたが約束を守るのか…私が直接行っていちゃ~んと確かめてあげる」

 

「えっ、でも…。葬儀の方は?」

 

ミツキのそんな声を聞いたティアナは、先程までの表情を一変とさせミツキよりも先に車に乗り込みそれを確かめると言い出していた。

 

それに対し驚きの声をあげるミツキ。

 

「あとの事は、オーリスがちゃんとしといてくれるのだって。それに私もそろそろ少し休みたいし…。それじゃ、後の事は、お願い出来る?ティアナちゃん?これからミツキは、病院に行く所だから」

 

「ちょ…ちょっと、クリス!!」

 

「はい、わかりました。それと私の事は、ティアナでいいですよ。クリス」

 

「了解」

 

ティアナのそんな様子に私は、オーリスから来たメールを2人に店ながらそれに答えた。

 

さらにその後、大あくびをした後…ミツキの事をティアナに任せるよう声をかけた。

 

それに驚くミツキを尻目にティアナは、自分の事をちゃん付けで呼ばないよう言った後それを了承。

 

彼女のそんな声に対し私は、それに対し了承しその後グレイの運転で3人そろって病院へと向う事となった。

 

そして、病院に到着した所で私は2人と別れ自室に戻り3日ぶりの惰眠を貪る事となった。

 

 

その夜…。

 

クラナガン総合病院内 ミツキの病室

 

 

 

ティアナ視点

 

「やっぱり…。泣いてない…」

 

クリスと別れた私とミツキさんは、その後私の付き添いでミツキさんが病院にて各種検査を受けていた。

 

それが終わった今は、その病院内の個室内にあるベッドでユン先生から処方された薬を飲んだ後静かに眠りについていた。

 

彼女が眠っている病室に残った私は、その寝顔から涙が一切流れていない事を確認していた。

 

兄さんが、亡くなってから…。

 

私は、散々泣いていたのに…この人は…。

 

ミツキさんの寝顔を見ていた私は、兄さんが亡くなった後の自分の事を思い出しそして…その時の自分とあの部屋から追い出した時の彼女の顔を比べていた。

 

あの時のミツキさんは、涙は一切流さず…それにその後も残してはいなかった。

 

そんな彼女の様子に私は、あのテレビの事もあり…激怒した。

 

でも、あの時のミツキさん…。

 

どうしたらいいのか…わからないといった顔していた。

 

いったいどうして?

 

その時の事を冷静になった私は、改めてその時の事を思い出していた。

 

あの時、部屋を追い出されていたミツキさんの…顔…。

 

今になって考えるとてもその事が不自然に感じ、それが私の中で疑問になっていた。

 

ガラガラ。

 

「おやおや。まだ、起きていたのかい?」

 

「…せ…先生。あっ、はい。回診…ですか?」

 

「そんなものさ。こいつの場合…。こういう時、いつ体調が悪化するのかわからないからね。だから、2,3時間起きにこうやって私が直接こいつの様子を見に来ているって訳さ。いいかい?見させてもらっても?」

 

「はい…。お願いします」

 

私が、そんな事を考えていたら突如病室のドアが開きユン先生が声をかけながら入ってきた。

 

先生に気づいた私は、それに答えた後ここに来た理由を予想しそれを聞いてみた。

 

すると先生は、そうである事を答え私に対しミツキさんを見てもいいかとその許可をとってきた。

 

先生のそんな問いかけに私は、先生にお願いした。

 

「あの…先生?ひとつ…聞いてもいいですか?」

 

「なんだい?」

 

ミツキさんの検診を始めたユン先生に私は、先程の事が気になりそれを聞こうと声をかけた。

 

それに対し先生は、手を止めないまま私の問いに答えるといいその質問を聞いて来た。

 

「どうして…ミツキさんは、あんなに強い女性(ひと)なんですか?兄さんが、亡くなった時…涙を一切流さず…。それに私にあれだけの事をされたに…。それをまるで、バネするかのように…あの高官の悪事を暴いた。私なんか、ただ泣いてばかりだったのに…」

 

先生の了承を得た私は、言葉を選びながら自身の中にあった疑問をなげかけた。

 

それに対しユン先生は、動かしていた手を止めう~んと考え事をした後こう答えた。

 

「泣くのを我慢していた訳ではないのさ。泣き方を忘れていただけさ。(えっ!?)あんた…ミツキを部屋から追い出したろ?あの時のミツキ…どうしていいのかわかないって顔してなかったかい?」

 

「えっ!?ええ…。でも、どうして先生がその事を?」

 

先生の話を聞いた私は、先生がその事を知っている事に驚きの声をあげた。

 

「あいつが部屋を追い出された後、私の所に連絡がきてね。どうしたらいいのか?って…聞かれたのさ。ミツキは、過去に色んな事があってね。いつの間にか、泣き方を忘れていたのさ。それで、あの映像を見てティアナが泣いているのに涙が一切出ないミツキは…自分の中にある悲しみをどう表現したらいいのかわからなくなっていたのさ。その事が、あんたにとっては薄情な人間のように映りその怒りをかった。連絡を受けた私は、その事をキチンと説明したつもりだったのだけどね…。それをこの子は、どうも変な方向に受け取ったらしくてね…。こんな結果になったのさ。すまない。私がちゃんとミツキに説明出来てれば…」

 

「いえ、そんな事ないです。頭を上げてください、先生。あのお蔭で…私は、兄さんに言われた大切な事を思い出せましたから…。後は、私がそれを実証するだけです。ランスターの弾丸は…打ち貫ける事を…。それにもう、兄さんのような人を利用する奴等を生み出させないためにも…」

 

ユン先生の話を聞いた私は、頭を下げる先生に対しそれを上げるよう伝えた後ミツキさんが思い出させてくれた事を話しある決意を伝えた。

 

少しだけ…言い方を変えて…。

 

でも、この時の私は、何故ミツキさんが泣くのを忘れていたのか…。

その訳がわからなかった。

 

でも、それは今でも…。

 

「そうかい。なら、その事をミツキが目を覚ましたらちゃんといいな。黙ってやったら、あの子の事だ…。また、自分の身体の事なんか無視してあれこれ始めからね。それで、また倒れられたらたまったもんじゃないから…頼むね」

 

「…はい。わかりました」

 

私の話にユン先生は、止めていた手を再び動かしながらそれに答えさらに医者としての立場からミツキさんにもその決意の事を話をするよう言ってきた。

 

それに対し私は、少し考えた後それを了承した。

 

本当は、ミツキさんには内緒にしておきたったんだけど…。

 

でも、先生の言うとおり…。

 

また、こんな事をされたら兄さんに怒られそうだし…。

 

「それじゃ、何かあったら呼びな。また2,3時間後に来るから…。それと、あんたも少し寝なよ」

 

「はい。ありがとうございました」

 

私が、そんな事を考えていた所…。

 

ミツキさんの回診を終えたユン先生が、私にそう声をかけ病室を後にしようとしていた。

 

それに対し私は、先生に一礼。それに答え病室を出る彼女の事を見送った。

 

「ふぁ、ああ…。そろそろ…私も寝るかな…。…今日だけ…甘えてもいいですか?ミツキさん?」

 

先生を見送った私は、緊張の糸がきれたのかあくびをした後一気に睡魔が襲ってきた。

 

そして、寝ているミツキさんに対しそんな声をかけ彼女の蒲団の中に潜り込んだ。

 

せまいベッドの中で私は、兄を亡くし天涯孤独になってしまったその寂しさから彼女に甘えるかのように抱きつきながら眠りについた。

 

それに対しミツキさんもまた、私がベッドに潜り込んだに気がついたのか寝ぼけた様子でこちらの方を向き…。

 

私を抱きしめながら再び眠りについた。

 

「ミツキさん…泣いてもいいんですよ…。私も一緒に泣きますから…」

 

意識が、薄らぐ中…。

 

ミツキさんに抱きしめられた私は、そう呟いき深い眠りの中に落ちた。

 

そして、私がそう言ってから少し程経った頃…

 

ミツキさんと…そして、彼女に抱かれていた私の目から…。

 

うっすらと…涙が流れていた。

 

 

葬儀から一週間後

 

地上本部内 執務官用執務室

 

兄さんの葬儀やらのその一切合財の全てが終わった頃、今後の事についての事で私は地上本部へと訪れていた。

 

そして、そこの事務員の方から説明を受けた後そこで渡されたある書類を持ってミツキさんの執務室へと訪れ現在会議中の彼女の帰りをその部屋にある応接用のソファに座りながら待っていた。

 

ガチャ

 

「ごめんごめん。待った」

 

「いえ、お忙しい所すいません。急に…」

 

「こちらこそ、お蔭で無事に退院する事が出来ました。それで?私に用事って?」

 

それから少しの時間が経過していた頃、執務室のドアが開きミツキさんが慌てながら入ってきて私に声をかけてきた。

 

彼女を見た私は、座っていたソファから立ち上がり頭を下げながらそれに答えていた。

 

私の丁寧な応対に対しミツキさんもまた葬儀の時、私が付き添いをして病院にいった事を思い出しお辞儀をしながらその時のお礼をいい要件を聞いて来た。

 

「あっ…はい。あの…これにミツキさんのサインをもらいたいのですが…」

 

「えっ、これって…」

 

彼女の声を聞いた私は、持っていたカバンの中から先程受け取ったいくつかの書類を取り出しそれをミツキさんに見せた。

 

その書類を見た私は、驚いた様子。

 

「はい。ミツキさんに私の後見人になってもらいたくて。それに私…。兄の夢を引き継ついで、執務官になりたいんです。それで、全寮性の学校に移ってそこを卒業した後…管理局に入局するつもりです。そのためには、私の場合…。後見人が必要だってさっき下で事務の方に言われたもので…」

 

ミツキさんは、私が見せた書類を手に取りそれを見なら私の話を聞いていた。

 

私は、その様子を見ながら意を決し自分の気持ちを彼女に伝えた。

 

それに対しミツキさんは、私の話を聞いている最中、次第に難しい表情になっていった。

 

ミツキさんのそんな様子に対し私は、その態度を硬化。

 

次第にその声のトーンが落ちていった。

 

だって、私の目の前には、兄の夢を現実にし…しかも「陸の最後の砦」とまで称されていた現役バリバリの執務官であるミツキさん。

 

執務官という職務が、どれだけ過酷な職務なのかを知り尽くしている人であり今や私の目標となった人。

 

そして、まだそのためのスタートラインすら立っていない私の最初の…そして、ある意味最大の関門。

 

正直言って私は、反対されると思っている。

 

それで私は、彼女をさけていける方法を探してはみたんだけど…それはついに見つからなかった。

 

だから私は、ある意味当たって砕けろ…もしくはダメで元々…と言った感じでここに来ている。

 

「なるほど…。んで、どうしてティーダ先輩の夢を引き継ぐ決心をしたの?まさか、この世に蔓延る悪人を…なんて事ないわよね?」

 

ギクッ…。

 

私が、そんな事を考えていた所書類を見ていたミツキさんがその書類をテーブルに置き真剣な顔をしながら私に声をかけてきた。

 

それは、私を犯人のように仕立てその取り調べをしているかのような冷たい目をしながら…。

 

彼女の話を聞いた私は、用意していた言い訳を先に言われてしまい心の中で驚いていた。

 

そして、彼女の冷たい目が私に突き刺さる。

 

どうしよう…。

 

まるで、追い詰められた犯人のように動揺し目が泳いでいた。

 

(本当の事を言いなさい、ティアナ。ミツキは、あなたの本当の訳が知りたいだけだから…。それと…ミツキの目、ちゃんと見てからね)

 

えっ…。

 

私が動揺していた所、突如執務室の片隅で自身の仕事をしていたクリスが念話で私に話しかけてきた。

 

それに驚きミツキさんの目を見た。

 

あっ…。

 

ああ…そうか。

 

そうだったんだ。

 

「はい。そう言う事も一度は考えました。でも、それよりも…実証したいんです。ランスターの弾丸は…打ち貫ける事を…。それに兄の死を利用したあの高官みたいな奴がまだいるのなら、今度は私がこの手で捕まえてやりたいんです」

 

彼女の目を見た私は、クリスが何を言いたかったのか即座に理解した。

 

ミツキさんの目…。

 

冷たい目つきではあるけど、その目の奥からは何かを訴えているように感じた。

 

まるで…

 

ごめんね…ティアナ…。

 

でも、ちゃんと言ってくれたら力になるよ…。

 

それが、いったい何を意味しているのかはその時の私はわからなかった。

 

でも、彼女瞳の奥からは本当の訳が知りたいだけでちゃんと言ってくれればちゃんと受け止めてくれる…。

 

ミツキさんは、言っているようにその時の私にはそう思えた。

 

だから、私はユン先生にも少し言い方を変えて伝えた事ではなく本当の意味でのその訳を話をした。

 

なぜ、そんな事をしたかと言うと…。

 

言い方は立派かもしれないが、私の中でこれはある意味復讐。

 

管理局に対して…いや、兄をあんな風に言ってのけたあの高官がいる管理局に対して…。

 

力も…。

 

魔法も…。

 

何の権力のない今の私が、出来る…唯一の方法。

 

つまり…ランスターの弾丸は、打ち貫ける事を私が彼等に実証する事で達成される…私なりの管理局に対しての復讐なんだ。

 

どんな手段を使っても…。

 

例え、犯罪にも手を染める結果になってでも…。

 

やり遂げる!!

 

私は、そんな決意を固めていた。

 

だから、そんな事をミツキさんに言えば確実に反対される…。

 

そう思っていた…。

 

彼女の目を見るまでは…。

 

でも…。

 

「…わかったよ。(えっ!?どうして…)色々とあるんだけど…しいて言うなら今の貴方の言葉かな?ティアナが今どうして?って、言ったのは、恐らく…。私が、今ティアナが言った事…。それが、管理局に対しての貴方なりの復讐だと考えた。でも、それだと私に反対されると思っていたからでしょ?」

 

「は…はい。でも、それがわかっていて…なぜ、反対しないんですか?」

 

あれこれ考えていた私に対しミツキさんは、優しい顔つきになりそれを了承してくれた。

 

それを聞いた私は、それに驚きの声をあげその訳を聞いてみた。

 

私の声に対しミツキさんは、いくつもある理由の中から私が先程ミツキさんの声に対し驚いて聞いた事をあげた。

 

彼女のそんな話しに対し私は、疑問の声をあげる。

 

「だって、ティアナは、私が言う前にその事に気づいていたでしょ?そして、それがティーダ先輩の復讐でありその結果…どんな手を使ってもそれをやり遂げようとし…。最悪の場合、犯罪にも手を染めるかも知れない事にも気づいていた。まっ、それでも嘘を付こうとしていた事は置いといて…。(は…はぁ…)それだけの判別がついているなら、大丈夫かな?って、思ってね。でも、条件が二つ…。ちょっと待っていてね」

 

そう言った後、ミツキさんは席を立ち何かを探し始めていた。

 

ミツキさんの話に私は、嘘を付こうとしていた事までバレていたのか?と苦笑いしながらそれに答えた。

 

さらにその後、彼女が言ったその2つの条件が何なのかについてドキドキしながら…。

 

それが、提示されるのを待っていた。

 

いったい…どんな条件なの?

 

もしかして…あんな事言っておいてそれとは違う事を言って来ないわよね…。

 

ミツキさんからのその条件の提示を待っていた私は、どんな条件が来るのかドキドキしながらあれこれ考えていた。

 

「ええ~ッと…。ここでもない…。ここでもでもない…。あそこでもない…。ねぇ、クリス?私、あれ…どこに置いてたっけ?」

 

「あんたねぇ…。ほら?自分の机の…上から二番目の引き出しの…」

 

「あっ、そうだった。ありがとね、クリス」

 

私と話をしていたミツキさんが、座っていた席を立ち何かを探し始めてから少しの時間が経過…。

 

まだ、目的の物が見つかっていないのか探したままの状態でクリス対しにそれがどこにあるのかを聞いて来た。

 

ミツキのそんな声に対しクリスは、端末を操作していた手を休めそれがどこにあるのかを呆れた様子で彼女に教えていた。

 

するとミツキさんは、それが閉まってあった場所の事を思い出し目的の物を応接用のソファーに座っていたティアナの前に置いた。

 

「こ…これは…」

 

「開けて中の物を見てみて」

 

自身が座っていたソファーの前にあるテーブルの上に置かれたその桐の箱を見た私は、ミツキに対し疑問の声をあげる。

 

私に対しそんな声に対しミツキさんは、その向いにあるソファーに座りながらその箱を開けるよう告げた。

 

カパッ

 

「「出来の悪い後輩達のために仕方がなく捧げる…執務官及び執務官補佐筆記試験対策集~執務官補佐編~vor.1」 作…てぃ…ティーダ・ランスター!?み…ミツキさん!?こ…これって、兄さんが!!」

 

ミツキさんの指示に従い私は、その高級感漂う桐の箱を恐る恐る開けてみた。

 

すると、その箱の中には手作り感満載の一冊の本が入っていた。

 

それを見た私は、その本を手にとりそこに書いてあった本のタイトルとその作者を読み上げ驚きの声をあげた。

 

「そっ…。これは、ティーダ先輩がある人のために作ってくれたこの世に一冊だけしかない本。これを先輩から借りて勉強した私は、執務官補佐の資格も取れたし…執務官にもなれた。これをティアナにあげる…と言うより帰すと言った方がいいかな?これで、これを使ってこれから少しずつでいいから勉強してね。本は、これだけじゃなくて全部で20冊。それをいきなり全部渡したらティアナの方が大変だからまずは、執務官補佐の方からって事で。それが、終わったら私かクリスに言って。次の本と…それとその本に書かれていた内容を元に私が作った問題集を渡すから。試験内容とかが本の内容と変っていたら私が随時修正したものを渡すから言ってね。ちなみにこの本なんだけど…私以外にも、ノアにクリス…それに私の知り合いの子達もこれで勉強して全員合格しているから合格率は、100%なのよ。でも、みんなこれのコピーを使ってだけど…そうだよね?クリス?」

 

「そうよ。とてもわかりやすい内容になっているわよ。私がいた施設の子達の中でもこれのコピーを使って補佐資格を取った子達が何人もいるわよ」

 

驚く私の声に対しミツキさんは、笑顔を見せながらその本のことを話し出しさらに言った事が本当である事をクリスに確認していた。

 

彼女の声を聞いたクリスもまた、笑顔でそれに答えていた。

 

「もしかして…これが、条件の中のひとつ…なんですか?」

 

「と言うか…。さっき、私にティアナが言った「兄の夢を引き継ついで、執務官になる」…。これを適えるために努力をする事。でも、正々堂々と試験を受けて合格する事を目指すって事でね。ズルをするのは一切なし。この本は、そのための私…と言うより、貴方のお兄さんからあなたへの応援…それと戒めよ。ズルしそうになったらこれを見て考えを改めてね」

 

「はい!!わかりました。でも…本当にいいんですか?ミツキさんに取ってこれって兄さんとの大切な思い出が一杯詰まったものじゃ…」

 

2人の話を聞いた私は、その本が2つの条件のひとつである事を聞いた。

 

するとミツキさんは、少し考えた後条件のひとつの事を伝えてきた。

 

それを聞いた私は、元気な声で返事をした。

 

でも、その本を受け取ってもいいのか疑問に思った私はその事を聞いてみた。

 

「まぁ…そうとも言えるんだけど…。(ポリポリ)でも、その本…。元々、私のために作られたものじゃないし…。(えっ!?)その本の最後のページ…見てもらえる?」

 

「は…はい…。(ペラペラ)えっ!!これって兄さんが私のために…」

 

私のそんな疑問に対しミツキさんは、あさって方をみながら自身の頬を指でポリポリ書きながら私問いかけに答えた後その本の最後のページを見るように言ってきた。

 

その声を聞いた私は、そのページを開きそこに書いてあった内容を見て驚きの声をあげた。

 

私が、開いたそのページには…

 

…最後に…もし、私の最愛の妹が同じ夢を歩むと言ってきたら…その本を彼女に渡してあげてほしい。

 

それまで、この本を君に預ける。

 

私が知る中で、もっとも出来が悪く…もっとも信頼を寄せていた後輩…ミツキ・サエグサへ。

 

そして、正々堂々と自身の実力で…。君からの合格の吉報を期待して…。

 

ティーダ・ランスターよりー

 

と書かれていた。

 

「に…兄さん…」

 

「出来るのよね?ティアナ?」

 

その内容を読んだ私は、持っていた本を閉じ自身の胸に抱きしめながら兄の事を思い出しながら涙を流していた。

 

そんな様子を見ていたミツキさんは、私に対しその条件で出来るかどうかを聞いて来た。

 

「はい。出来ます!!それで、もうひとつの条件って言うのは?」

 

彼女の声を聞いた私は、涙を拭いた後真剣な眼差しでそれに答えた。

 

そして、二つ目の条件についてミツキさんに聞いてみた。

 

「二つ目の条件…。それは、今回、ティーダ先輩の一連の出来事…特にあの高官がテレビの前で言っていた事などについて私がやったような事をする事をしないのと…。さらに、さっき言っていた夢の事やランスターの弾丸は打ち貫けるって事を証明するために無茶な特訓等をしない事。犯罪に手を染めようとする事は、もっての外。それをその本とティーダ先輩のお墓の前で約束しそれを実行する事。もし、それをする事…もしくは、教導の中でそのような事を教導官から支持されるがあったら必ず私かクリス…もしくは、今ここにはいないオーリスに対し一声かけてからその指示に従う事。これについては、事後報告でもOKよ。それが、二つ目の条件。どう?出来る?」

 

「も…もし…それを破るような事を私が、したら?」

 

私の問いかけに対し再び真剣な顔つきになったミツキさんは、その条件を私に伝えてきた。

 

条件を聞いた私は、それをもし破った場合…いったいどんな罰があるのかを聞いてみる。

 

「う~ん。その時の条件にもよるけど…。もし、今いった私以外の人達にも告げずにあなたの判断でその事を行い…。その事で、他人に対しけがとか危険な状況に巻き込むような事態になれば…。いくらティーダ先輩の妹だとは言え…その時は、私が容赦しない。先輩は、そんな事をあなたに対して望んではいないハズだから…」

 

「…(ゴクリ…)」

 

私のそんな問いかけに対しミツキさんは、最初は笑顔であったが次第に態度が硬化。

 

そして、最後はまるで私に対し脅しをかけるかのように怖い顔をしながらそれに答えていた。

 

彼女のそんな様子に私は、まるで蛇に睨まれたカエルのような様子で息を呑んだ。

 

「ミツキ…そんな言い方だとティアナが怯えちゃうじゃない(あっ、ごめ~ん)ちなみに、もしその事で何か言われるとか、イジメられたような事があれば私達に言いなさい。すぐにそいつ等をとっちめてやるんだから。それで、どうするの?ティアナ?」

 

私とミツキさんのそんなやり取りを見ていたクリスは、2人の間にあったピーン張り詰めたような…。

 

緊張感溢れる空気を和やかにするべく、やれやれといった様子で座っていた席から立ちあがりミツキさんの側に近づいて行った。

 

そして、ミツキさんに対しその事を注意するような内容で声をかけていた。

 

クリスの注意を聞いたミツキさんは、はっと我に返ったかのような様子で先程までの態度を軟化させいつもの調子に戻りクリスと私に謝ってきた。

 

ミツキさんのそんな様子に対し私は、ホッとしさらにそれを見たクリスがやさしく声をかけてきた後その条件を受けるかどうか聞いて来た。

 

「…わかりました。でも、ひとつだけ追加させてください」

 

「ん?何々?」

 

彼女の声を聞いた私は、少し考えた後私の方からもその条件に追加させてほしいと2人に話し出した。

 

その話に対しミツキさんが、その内容の事を聞いて来た。

 

「さっきミツキさんが、言った二つ目の条件の中で…。この本と兄のお墓の前でそんな事をしないと約束するよう言っていましたが…。それを兄だけではなく、ミツキさんと…それにここにいるクリスにもここで約束させて下さい。できれば、それを忘れないためにこの内容を文章化してそれに私とミツキさん…。さらにクリスのサインを入れたものを3枚用意し…。それを各々がその責任で保管する事で」

 

「つまり…ミツキが、言った条件を私達にも約束してさらに契約書みたいなものを作るって事?(はい。お願いできますか?)どうするの?ミツキ?私は、それでもいいけど…」

 

ミツキさんの問いかけに対し私は、追加したい内容を2人に伝えた。

 

それに対しクリスが、その事を要約しそれで問題ないか確認してきた。

 

彼女の要約した内容を聞いた私は、それで問題ない事を伝えそれを聞いたクリスは自身の意見を述べた後ミツキさんにもその事を聞いてみた。

 

「私は、ティアナがそれでいいならいいけど…。でも、どうして?」

 

「はい。なんて言うか…私自身、この条件を覚えていられるのか…正直言って不安なんです。だから、正式な文章でそれを残す事でその事を忘れずに入られそうな気がするんです。それとこれを作る事で、目標を明確にしたいんです。ミツキさん…私は、これからあなたを目標とし近い将来…必ずあなたを超えるような執務官になります」

 

「言うわね~。どうする?ミツキ?」

 

クリスの問いかけに対しミツキさんは、それに答えた後私に対しその理由を聞いて来た。

 

それに対し私は、自身の中にある不安…それとミツキさんに対してまるでいままでやり込められてきたのを返すかのように…。でも、おふざけ一切なしの真剣な眼差しで自身の固い決意を彼女に告げた。

 

私の決意を聞いたクリスは、ニヤニヤしながらミツキさんにそれをどう返すのかと彼女が座るソファーの背もたれに自身の両腕を乗せそれに寄りかかるような体制でその事を聞いていた。

 

その声に対し…ミツキさんはと言うよ…。

 

「上等よ…。でも、そう簡単には私は超えさせないからね♪でも、待っているね。ティアナ」

 

「はい。すぐに追いつきます。それまで、待っていて下さい」

 

私の顔をしっかりと見つめ笑みを零しながらそれに答えてきた。

 

ミツキさんの話に私もまた、彼女の顔をしっかりと見つめながらそれに答える。

 

そんなやり取りをした後、クリスはミツキさんが提示した条件をすぐさま文章化。

 

出来たその書類にミツキさんに私、さらにクリスがサイン。

 

さらにその後、私が用意していた書類にミツキさんがサインをしてくれた。

 

それを私とクリスが、それを確認した後すぐにその書類をここに来る前に行った所に提出するべく執務室を後にした。

 

 

 

ミツキ視点

 

「はぁ~…」

 

「お疲れ様、どう?失恋の傷は癒えた?」

 

「わかんない…。ねぇ?クリスもこんな経験をした事…あるの?」

 

ティアナが、執務室を去った後…。

 

残っていた仕事を片付けていた私は、ため息をしながら休み休みにその作業をしていた。

 

そんな私に対し、飲み物を置いてくれたクリスに声をかけてきた。

 

彼女の声に私は、現在の自身の状態がまだ理解出来でない様子でそれに答えさらに質問した。

 

「あるわよ。でも、今のあんたみたいにいつまでも煮え切らないような態度じゃなくて3日間くらい泣きじゃくってすぐに忘れたわ」

 

「そう…」

 

クリスの話を聞いた私は、そう聞きながら俯いていた。

 

泣くか…。

 

私は、彼女の話の中にあった「泣く」という言葉を聞き頭の中にある事を考えていた。

 

それは…。

 

「貴様等に悲しみと言う感情は、不要!!涙は、任務遂行を妨げるもののでしかないからである!!」

 

組織にいた時、その時の上官から耳にたこが出来るくらい聞かされた言葉…。

 

当時の私は、その言葉を何の疑問も感じないまま信じていた。

 

そして、ママ達と出会って…それが、違う事をママ達から教えてもらった。

 

でも…。

 

頭では、そう理解していもいざ泣こうとしても涙は一切流れては来なかった。

 

ティーダ先輩が、死を見取ったあの時でさえ…。

 

それもあり…あんな行動を取った。

 

自分自身に対して…そして、先輩の死を利用しようとしたあの連中への悔しさから…無我夢中で…。

 

ようやくそれが、終り…私の中では、満足感だけが残ると思っていたら…。

 

そんな感情は、一切なく…。

 

残っていたのは、憂鬱な気分だけだった。

 

その事に気づいたクリスが、心配して声をかけてくれた時…。

 

私は、それがなんなのかわからなかったためにその事を彼女に聞いてみた。

 

すると、クリスは…

 

「それが、失恋した時の気持ちよ。あんた…やっぱりティーダさんに恋…していたのね」

 

クリスは、笑顔でそう話してくれた。

 

恋…。

 

ママ達といたあの研究所で、誰かが教えてくれた言葉…。

 

それが、いったい誰だったのかについてはいまだに思い出せないけど…。

 

でも、やさしく…そして強い心を持った人が私に教えてくれた事は覚えている…。

 

あれは確か…。

 

私が、研究所にいた時…。

 

体調を崩して部屋で寝ていて…ユン先生が、いた医務室でおそらく先生が外部の人と…。

 

それも、ミッドからかなり離れた所からの通信していた回線に対し盗聴をしようとアタックをかけていたのに気づいた私は…。

 

先生にそれを伝えようと通信したが、繋がらなかったために直接医務室に行った時に一緒に私を部屋へ連れてってくれた人達が教えてくれた。

 

「いい。恋って言うのは…。ミコちゃんが、その人の事をいっ~つも考えて…考えて…。ずぅ~~~っと、ずぅ~~っと一緒にいたいと思っている事を言うんだよ。っていう私もついこの間、初めてその事を知ったんだけどね。(は…はぁ…)う~ん…。なんて言ったらいいのか?そっ…そうだ!!自分自身に取って…つまりは、ミコちゃんに取っての守りたい人と同じような存在…かな?さっきミコちゃんが、ユン先生に盗聴されそうになっているのを知らせに行ったような…。頭で考えるよりも先に体が動いちゃうって言うのかな?…そんな気持ち。でも、その気持ち…大切にしてね。その気持ちが…ミコちゃんが、大切にしたいと思う人達を守るための原動力になるんだから!!ね♪」

 

「そうよ。その人の事を守りたい…気持ち…。そんな気持ちの中でも一番そう思えて…。一緒にいるだけで、最高な気持ちで入られる人に対しての感情…それが、恋!!」

 

あの人達にそう言われた私は、それを片時も忘れず…。

 

そして、その言葉で勇気を貰った私は…。

 

ママとパパの娘になった。

 

それだけではない。

 

ついこの間も、自身の力に対し不安を感じていたスバルやギンガにその言葉を引用して元気付けてあげたりもした。

 

「まぁ…。そんなに落ち込まないで。こういう物は、時間が解決してくれるわよ。それにしても、まさかあんた…。ふった相手から送られてきたあのメールの内容…。その全てを実行なんてしないわよね?」

 

私が、そんな事を考えていた所…。

 

クリスが、そんな私にそう声をかけた後以前…ティーダ先輩から私宛に送られてきた…。

 

ー自分にもし、何かあった時の場合のための…我が最愛の妹であるティアナちゃんに対する100の条件その一覧ー

 

という…タイトルを見ただけで、唖然とするようなそれがついたメールの事を言ってきた。

 

「まさか…。いくらなんでも、下着の色とか毎朝兄の写真に笑顔で挨拶をするなんて条件…確認するなんて出来ないわよ。なんせ、あの子…。これから全寮制の学校に行くのよ?そんな事を私がしたら、ティアナにいったいなんて言われる事やら…。だから、その中で私があの子の将来のために必要な事だけを伝えていく事にしたの」

 

「なるほど…。それで、ティアナに言ったあの2つ条件って訳…。そうよね、ふった相手にこんなものを預けるんだからそれくらい選んでも文句はいえないわよね?」

 

「うん…。そうよ…って、ええっ!!わ…私は…そ…そこまで…」

 

彼女にそう答えた私は、そのメールを画面に開いた。

 

ティアナに言った条件は、ここに書いてあるものの中から今回の事にあっているものを私がチョイスし彼女に伝えたもの。

 

その100の条件の中には、ティアナの事を心配した先輩が彼女の事を思いながら考えた内容がいっぱい書いてあった。

 

でも…。

 

中には、さっき言った通り若干…というかかなり暴走した内容があったためそれ私はそれについては彼女に伝えるのはよそうと考えていた。

 

私の話を聞いたクリスは、そう答えた後先輩にふられた事をあげ笑顔で私にそんな事を聞いて来た。

 

それを聞いた私は、思わずそうである事を答えた後その事に気がつき驚きの声をあげた。

 

さらに、ドギマギしながらそれに答えていた。

 

私が、そんな事をしていたら…。

 

(ミツキさん…泣いてもいいんですよ…。私も一緒に泣きますから…)

 

「み…ミツキ…あんた…。その涙…」

 

「えっ!!あ…あれ?どうして?ねぇ、クリス?わ…私…いったいどうしたらいいの?止まらない…止まらないのよ。これ…」

 

先輩の葬儀の後、病院のベッドで寝ていた時…。

 

そのベッドに潜り込んで来たティアナが、それに気づき寝ぼけたまま彼女の事を抱きしめた時に彼女が私に小声で言ってくれた言葉が不意に頭の中を流れ込んできた。

 

ティアナのそんな声が聞えた後、クリスが私が涙を流している事に気づき驚きの声をあげた。

 

その声に対し私は、自身の頬を伝う涙に気づきそれを持っていたハンカチで拭いていた。

 

でも、一向に止まらない涙に対し私はクリスにどうしていいのかわからないと言った様子でその対処方法を聞いてみた。

 

「そのままでいいのよ…ミツキ…。さっ…私の胸でよかったら貸してあげるから…」

 

「う…うう…。う…う…うぁ~~~ん!!先輩!!ティーダ先輩!!うぁ~~~ん…」

 

私のそんな様子に対しクリスは、私をそっと抱きしめ…。

 

そして、まるで私が今まで抑えていた感情の糸を解きほぐすように優しく声をかけてくれた。

 

クリスのそんな声を聞いた私は、それを合図とするかのように人生で初めて大泣きし涙を流していた。

 




前話でさらっと触れて乗せるべきかどうか迷ってはいましたがヤッパリ乗せる事にしました。

個人的には、好きな話のひとつで乗せないのはもったいないかな?と思い…公開しました。

次回は、前話の続きになります。

では、また…
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