魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~再戦~ 作:左近 遼
ヴィータ視点
「はぁ…はぁ…。ちきしょ…。なんでこっちの攻撃が通らねぇんだ…」
(ヴィータちゃん!!とにかく落着いて下さいです!!どうやら相手は、ヴィータちゃんを怒らせてペースを乱しているみたいなんですから!!)
黄天と遭遇した私とリインは、ヤツをこれ以上行かせないためにヤツ相対していた。
戦闘開始当初は、私一人でヤツと戦っていたのだがこっちの攻撃が一切ヤツまで届かない状況を見かねたリインが私とユニゾンを強行…。
だが、それでも状況は変わらず戦況としては一方的にヤツの攻撃をこっちが食らっている状況だ。
それにしても…魔力弾をヤツにお見舞いすれば、ヤツに届く前に消えそれならとアイゼンで攻撃すれば…ヤツにそれを意図も簡単に受け止められ…それで受け止められたアイゼンがまるでその機能を停止したみたいに止まっちまい…そうなった所でヤツの魔力弾での攻撃を食らっちまう…。
つまりは、それの繰り返し…。
さらにこっちが攻撃する度にヤツの魔力が上昇しこっちの魔力の消費がいつもより激しいって…。
リインもその状況を理解している様子で私に対しまずは、落着くよう声をかけてくる。
私は、その声を聞きつつ現在の状況を分析しようとするがいまだに冷静になりきれてはいなかった。
「どうした?そんなものか!?まったく…。これだから、腑抜けな主を持つと…。どうだ?いっその事私の下につかないか?そうすれば今よりもっと強い力を…」
「断る!!」
(リインも同じです!!)
ヤツと距離を取った私に対しヤツは、自分の部下にならないか?と声をかけてきた。
それを聞いてた私は、ヤツの話が終わる前にそれを断りそれに続いてリインもまた私と同じ答えをヤツに言い放った。
「そうか…。なら、貴様を倒してその上で強制的に従わすとするか…」
「へっ!!やれるもんならやってみろ!!」
(リインも同じです!!)
「その減らず口…。いったい、いつまで続くのかな?サウザント…アクション…」
私とリインの答えを聞いたヤツは、そう言い放つと自身の周りに大量の魔力弾を形成。
そして、それを私の所に向け一斉に放った。
「それはもう飽きたんだよ!!」
(そうです!!)
それを見た私とリインは、飛んできたその魔力弾を次々と交わしながらヤツに近づく。
「くらいやがれーーーーーー!!(ボン!!)ガハッ!!」
「それはこちらの台詞だ。そんな馬鹿のひとつ覚えのような攻撃…。いつまでもこの私が付き合ってられるとでもおもったのか?そろそろ貴様の相手にも飽きた。落ちろ…」
ドドドドドドドドドーーーーーーーーーン!!
「うわぁーーーーーーーーーー!!」
(きゃーーーーーーーーーーーーー!!)
ヤツに近づく事に成功した私は、その攻撃範囲に到着した所でアイゼンを振りかぶった。
そして、アイゼンを振り下ろそうとした瞬間…。
一発の魔力弾が私のわき腹にヒットした。
思わぬ攻撃に私は、苦悶の声を上げそれを見たヤツは、そんな私を見つめながらまるで私にはもう用がないと言わんばかりな声を出し再び大量の魔力弾を形成し私に向けてそれを放った。
不意な攻撃を食らいその状況から抜け出せては入なかった私は、その攻撃に対し防御する暇もなくそれをまともに食らいその場から噴き飛ばされた
そして、私とユニゾンをしていたリインもまた私と同じ様子で防御魔法を展開する前にその攻撃が私に直撃したためなすすべを失いそれを私と共に食らってしまった。
「ほぉ…。これを食らってもまだ立つか…」
「う…うるせぇ…。そんな攻撃…。屁でもねぇぜ…。なぁ?リイン?」
(は…はいです…。ヴィータちゃんにリインも…。そんな豆鉄砲…ヴィータちゃんとリインには効かないですよ…)
ヤツの攻撃を食らい、その影響で私の周りに煙が立ち込めそれが晴れそれでも立っている私を見たヤツは少し驚いた声をあげていた。
それを聞いた私は、ぜぇーぜぇーと息を整えながら強気な発言をしそれが同じかどうかリインにも聞いてみた。
私の声を聞いたリインもまた私同様の答えをヤツに向けて言い放った。
だが…ヤツの攻撃によって私のバリアジャケットは既にボロボロな状態。
しかもアイゼンもその攻撃によって中破といった状態で…ヤツの攻撃によってそのダメージも相当受けているらしく、正直な所…今は立っているのが精一杯といった状況。
それでも、あんなヤツなんかに屈したくない気持ちでヤツに向って強気な発言をしたし…はやてを馬鹿にした事…それに私自身あんなヤツと一緒にされたくないといったそんな私なりの意地で立っていた。
「そうか…。なら、その豆鉄砲で…。いったい、どこまで耐え切れるのか?試してやろう?サウザント…アクション…」
「くっ…!!くそっ!!さっきの攻撃で体が…」
(ヴィータちゃん!!)
「(うわぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!)」
ドドドドドドドドドーーーーーーーーーーーーーン!!
私とリインの話を聞いたヤツは、そう言いだすと三度大量の魔力弾を形成し私達に向けてそれを放った。
それを見た私は、すぐに回避行動を取ろうとするがさっきの攻撃により思うように体が動かなかった。
それを見たリインが私に向け声を上げるが時既に遅し…。
飛んできたその大量の魔力弾を交わす事が出来ずそれを食らってしまった。
地上本部周辺地域
力視点
「ようやく合流したのはいいが…。この数…どうする?力?」
ユウと合流した俺は、今大量の敵に囲まれている。
その大半は、黒い色をしたガジェットってヤツだが…中には俺の世界で見た覚えがあるヤツや怪物とか…とにかくわんさかと…。
どんくらいいるかはわからねぇが、これだけはいえる。
俺…いや、ユウをミツキさんの所には行かせたくはないらしい。
なら…。
「どうするも何もお前は、邪魔だ。ユウ?」
「はぁ!!一体何言っているんだ!!こんな時に!!」
ユウの問いかけに答えた俺に対しヤツは、驚きの声をあげる。
「お前は、ミツキさんを助けたいんだろ!!だったらこんな所で止まってんじゃねぇ!!」
「だとしても…。1万以上いるんだぞ?それをお前たった1人で!!」
ユウの声を聞いた俺は、苛立ちを露にし声を荒げる。
それに対しユウは、反論。
「グダグダ言ってねぇでさっさと行け!!」
ドガッ!!
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
キラーーン…。
ヤツの声を聞いた俺は、いいかげんヤツの反論に答えるのに面倒くさくなりユウ蹴り飛ばした。
俺のケリを食らったユウは、声をあげながらミツキさんがいると思われる方向へと飛んでいった。
「さて…。邪魔者もいなくなった事だし…。来な?俺が相手だ」
ユウが飛んでいったのを確認した俺は、目の前にいる敵に対しそういい戦闘体勢を取った。
「魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~再戦~その43「ミツキVSゼール」始まります」
魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~再戦~その43「ミツキVSゼール」
ゼール視点
「ふ…。落ちたか…」
ヤツに向けて攻撃が着弾したのを確認した私は、その影響であがる煙をみながらそうもらしていた。
だが、その煙が晴れヤツが本当に落ちたのを確認するためにその場に留まり煙が晴れるのを待っていた。
なぜかと言えば、その煙が上がってからヤツが落ちているのを確認していないからだ。
先程言っていたとおり…落ちたヤツを洗脳し、その上で恐らく地上本部にいるのであろうあれの主と戦わせようと考えていたからだ。
あの出来そこないにもある程度、その影響が出るであろうと…そう画策していたためだ。
そうするためにヤツの防御力を計算した上で今まで攻撃をしていた…と言う訳でもあるが…。
なにせ、これをやるにはヤツの体が必要だからな…。
別にヤツが死んでいても別に構いはしないが、その魂を別の体に移すにしても…その体がないとそれを作るのにも時間がかかるし別の体だと…そもそもこれをやる意味がないからな…。
「そろそろ煙が晴れるか…。どれどれ…。ん?…あれは…なんだ?あの球状の物体は…まさか!?」
そんな事を考えていた所、ちょうどそろそろ煙が晴れそうなのを確認した私はその思考を辞め煙が晴れるのを待った。
すると、その晴れた煙の中から現れたのはヤツの姿…ではなく青い色をした…何かの羽根ような物で包まれた…球状の物体が現れた。
その姿を見た私は、一瞬それがいったいなんなのか?わからなかったが直にそれがなんなのかを理解し声を上げた。
ヴァサァ!!
「やはり貴様か…」
私が、それがなんなのか…その確信を得たと同時にその球状の物体が崩れその中から、あの出来そこないが気を失いかけたヤツの前に立つかのように現れた。
それを見た私は、自身の確信が間違いない事を確認しながら現れたあの出来そこない向けて声をかけた。
ノア視点
「やっぱり…出て来たわね?ゼール…。それにしても…相変わらずのようね?」
(み…ミツキさん…。それにノア…)
「大丈夫か?2人共?まっ…後はあたい達に任せな」
ゼールの声を聞いたミツキは、ヤツを睨みながらその声に答えていた。
その様子を見ていたリインが弱々しい声を上げ、それを聞いたあたいがその声に答える。
「後は、お前等に任せろだ!?…ふ…ふざけるな…。誰がお前なんかに助けを求めた?(ドス!!)ガハッ!!」
(ヴィ…ヴィータちゃん!!ノア!!いったい何をするんですかー!!)
そんな様子を聞いていたヴィータがボロボロな状態でまだ戦おうと言わんばかりな声をあげ、それを聞いたあたいがヴィータの後に回り込み…そして、彼女に首の後ろに軽く右手を振り下ろした。
ヴィータは、気を失わせその場から落ちようとする。
それをあたいが落ちないように受け止めた所でリインが声を荒げていた。
「心配すんな。単に気を失ってもらっただけだ」
(そ…そんな!!)
「悪いけど…。今はそんな事に付き合ってられないのよ…リイン…。それにこのままここにいても、ヤツに利用されかねないからね…。例えば、ヤツに洗脳された貴方達と…はやて達を戦わせると言った形でね?」
(えっ?…はやてちゃん達とリイン達が?)
声を荒げるリインに対しあたいが、気を失わせただけと説明。
それに対し納得しないリインに今度は、ミツキがさらにその説明を加えた。
ミツキの話を聞いたリインは、それがいったいどういう事なのかわからないと言った様子でその話を聞いていた。
「詳しい事は、後で説明するから…。とりあえず、今はここから離れて…。それじゃ、ノア?お願いね?」
「あいよ…。それじゃ、いくぜ!!」
そんなリインの声を聞いたミツキは、あたいに2人を安全な所まで連れて行くよう指示。
それを聞いたあたいは、一抹の不安を抱えながら2人を連れその場を離れていった。
(こいつ等を置いて来たら…すぐに戻ってくるからな?それまで…絶対に無茶すんじゃねぇぞ!!ミツキ…)
(わかったわよ…。ノア…)
ミツキから離れていくその途中で、あたいは念話でそう言いそれに対しミツキは、無茶はしないと言った。
だが、そんなミツキの言葉をあたいが信じる訳も無く…。
あたいは、飛行スピードを上げていった。
ミツキ視点
「ふっ…。いいのか?行かせて?」
「別に…。元からこの状況にするつもりだったし…。それにあんたが用があるのは私だけじゃないの?ゼール?」
ノアが離れていった後ゼールは、私の方を見ながら余裕な声でその場に残った私に対しそう話し掛けてきた。
それを聞いた私は、今までの事を思い出しながらその声に答える。
「そう言えばそうだったな…。なら、さっさと私に従ってもらおうか?425番?」
「それは、昔の名前…。今の私は、ミツキ・サエグサよ?いいかげんにそのくらい覚えて!!」
バシュ!!
私の声に対しゼールは、過去の事をどうやら思い出したらしく私の昔の名前でヤツに従えと…言い放ってきた。
それを聞いた私は、今はその名前じゃない事を言いヤツに向けて風舞を放った。
「そんな攻撃…私に効くとでも…何っ!!どこにいった!!」
私が放った風舞を避けたゼールは、相変わらずの余裕な態度で風舞をヤツがいたそのすぐそばでそれを消して見せた。
そして、私がいた所を見てそれが効かない事をアピールしようとしていた。
でも、その時にはもうそこには私の姿は無く…。ヤツは、その場から消えた私の姿を探しながら声を荒げる。
「ここよ…。(んな!!)相変わらず…人の事を上から目線でしか見ないのね?そんな態度だから…私の姿を見失うのよ?…風神の舞…ゼロ式…」
ズバッ!!
「ぐぁっ!!その程度…」
ドン!!
「くっ…」
辺りをキョロキョロ見渡すゼールに対し私は、彼の背中に回りこみそして…彼に対し声をかけた後風神の舞ゼロ式をファルシオンで切りつけた。
その攻撃を食らったヤツは、そのダメージを受けつつもその場から離脱しようとしていた私に対し右手で殴りつけてきた。
ゼールの攻撃に対し私は、それを交わしきれずヤツの攻撃を食らいその場から吹き飛ばされ少し離れた所でようやく体制を整え直す事が出来た。
「まったく…。相変わらずの馬鹿力ねぇ…」
「相変わらずチョロチョロと…。まるで、動き回る蝿みたいなヤツだ」
ヤツとのファーストコンタクトを終えた私は、ダメージを受けたお腹を抑えながらそんな感想を漏らす。
それを聞いたゼールは、私の攻撃を受けたわき腹を抑えながら苛立ちを露わにしていた。
そんな言い合いから少しだけ沈黙した時間が立ち、お互いを改めて見合った途端2人ともお互いに対しその攻撃を再開。
ヤツに対し私は、蒼天の石の力を込めた大量の魔力弾を…そしてヤツは私と同じ数くらいの魔力弾をそれぞれ形成。
先程までの接近戦から打って変わり今度は、砲撃戦が始まった。
地上本部周辺空域
ゼール視点
ドドドドドドドドーーーン!!
「クッ…」
あの出来そこないとの戦闘が始って、あれから少しの時間がたっていた。
ファーストコンタクトは、すでに終え現在はお互いに魔力弾による砲撃戦がすでに始っていた。
お互いそれぞれにおよそ数百発の魔力弾を精製しては打ち出し至る所でその爆発がおきていた。
どうやら、ヤツはその魔力弾の中に蒼天の石の力を少しだけ込めて放っているらしく相殺しきれなかったその弾丸が俺の魔力吸収用フィールドを突き抜け俺に当たりそのダメージを受けた俺は思わず声を漏らしていた。
その一方、ヤツはこの砲撃戦でのダメージは無い様子。
「チッ…。幻術か…。いまいましい!!」
ヤツの様子に対し俺は、苛立ちを露わにする。
それもそうだ。
何せヤツは、幻術を使い自身の姿をいくつも作り出しその上でこちらに対し攻撃を仕掛けてきている。
さらに自身の姿を見つけられないようにするため周辺にジャミングを展開そして、その幻術によって作り出した自身の分身数体による同時攻撃や自分自身の姿を消しこちらの死角から攻撃をしてきたりとその対応に苦慮していた。
「だが…。いくらそのような小細工をしても、こちらの方が破壊力が上!!ならば!!黄天の力よ!!その破壊の力を我が前に示せ!!トライデント・ランス!!くらえ!!デス!!サイクロン!!」
ドドドドドーーーーーーーーーーーン!!
「「「うわぁぁーーーーーーーー!!」」」
ヤツの攻撃を受けながら、俺は、右手を上に上げさらに自身周りに黄金色の魔法陣を展開。
そして、その手に三椏の矛を召喚しそれを握り真横に振りかざしいくつもの竜巻を作り出しヤツに向けて放った。
俺が放った竜巻は、ヤツが作り出した幻術による分身や魔力弾を次々と破壊。
その竜巻が通り過ぎた後には、息を整えダメージを受けた様子のヤツが一人。
おそらく俺のデス・サイクロンにて受けたダメージであろう傷ついた左腕を抑えながら立っていた。
ミツキ視点
「はぁ、はぁ…やっぱり…そう簡単にはいかないようね…でも、まだまだいける!」
ヤツのデス・サイクロンを受けた私は、ヤツを目の前にしながらその攻撃によって受けたダメージの確認とその回復を待ちつつ次の手を考えていた。
私のダメージは、着ていたバリアジャケットがさっきの竜巻によっていくつか切り裂かれそれによって左腕やら足などからは血が流れていたのとそれによって受けた魔力ダメージ。
おそらくそれが一番大きいわね…。
クッ…。
それにしても…相変わらずの破壊力ね…。
私は、ヤツから受けたダメージの痛みを堪えつつも思考を巡らせる。
やつの攻撃は、その巨体を活かし繰り出される攻撃とその膨大な魔力から作り出される黄天の力を使っての魔力弾による攻撃…。
その戦闘スタイルこそ実に単純明快なんだけど、その破壊力は実に厄介なもの。
でも、その攻撃による消費する魔力も激しいはずなんだけど…。
どうやら、私の前に戦ったヴィータからその魔力を存分に吸収していたらしくまだまだ元気一杯なのとそもそも私との体格差により一回に受けるダメージが私の方が大きい…。
それに対し私の方は、首飾りに使った魔力の回復がしきれてないのとさっきのダメージ…。
さらにいつまで私の体が持つのかどうか…。
「まったく…。ヴィータのヤツ…」
私は、余計な事をしてくれたヴィータの事を少し恨みつつも自分に対しさらに不利な条件が増えた事への対応についてその思考をさらに巡らしていた。
でも、ヤツがあの矛を出したって事はどうやら消耗戦にはもっていく気がないって事よね?
それについては、こっちにとってはありがたい事だけど…。
「なら…」
自身のダメージなどの回復などを待ちならがヤツがその間に攻撃することへの警戒をしつつ、思考を巡らせていた所ヤツが黄天のその力の象徴でもあるその三椏の矛を出した事に気がつきそこからヤツの思考を読もうとする事にした。
そもそも私が持つ蒼天とヤツが持つ黄天、それに紅天…。
この3つの石には、それぞれその力共にその力を最大限に扱うための専用の武器が存在する。
そして、今ヤツが持っているその矛がまさにそれ。
私場合、今はノアにそれを預かってもらっていて今持ってるデバイスだとせいぜい5,6割の力でその力に耐え切れなくなって壊れちゃうのよ。
それを使うともなればヤツも本気でおそらく短気決戦をしてくるだろうと考えた私は、一言そう呟いたあと蒼の魔方陣を展開。
さらにそこから、魔力光を白銀に変えていった。
魔力光の色が変わるのは、私の中にある蒼天の石の力の…その割合を増やしているから。
さっきまでは、その魔力弾一発に対し約数パーセントだったんだけど今はその石の力を全体の半分まであげた。
石の力を半分まで引き出す事…。
それは、ユン先生やノアからは石の力をノア抜きで半分以上は使うなって言われててそれ以上使うと命の保証は出来ないとまで言われているその限度。
でも、それは私が正常な状態の時の事であって今の状態の私だとおそらくギャンブルの領域入るわよね?
「ごめんなさい…。でも…今は…」
私は、そう呟きながらノアやユン先生に対しその警告を無視する事を詫びながら半分からさらにその割合を増やしていきそれに応じて私の魔力光はさらにその光を放ち始めていった。
「今度は、こちらからだ!!」
「来た!!」
私が石の力をさらに引き出していた所、それに気づいたゼールが三椏の矛を構えたままこちらにそう声を上げながら向ってきた。
それに対し私は、声を上げそれに対応すべくファルシオンと蒼翔扇を短刀モードにし二刀流でそれを受けようとそれらを構えた。
「くらえ!!」
「クッ…」
ガキーン!!
ガキーン!!
私に近づいて来たゼールは、持っていたドライデント・ランスを真上から振りかざし私に攻撃を仕掛けてきた。
それに対しわたしは、それを蒼翔扇で払いその反動を利用しヤツの死角に回り込みファルシオンで切りかかった。
私のその攻撃に対しゼールは、それを矛の柄の部分で受けその勢いのまま私を弾き飛ばす。
ヤツのその馬鹿力により弾き飛ばされた私は、クルりと体と反転させすぐに体制を整え今度はこちらから攻撃を仕掛ける。
状況としては、私がヤツの周りを動き回り一撃離脱の要領で攻撃をしかけその一方でゼールがその場から動かず私の攻撃をその三椏の矛で受けたりその逆に攻撃して来るといった様子。
そのやり取りの中、私の体にさらに切り傷が増えヤツもまたその鎧に私の斬撃の後が増えていった。
でも、私が与えるダメージは大して大きなダメージには至ってはいない…。
「なら…これならどう!!シャイニング・ブラスター!!」
「ぬっ!!幻術!!しまった!!グォォォォォォーーーーーーー!!」
ドーーーーーーーン!!
ヤツの状況を即座に感じた私は、ヤツをファルシオンで攻撃すると幻術を使ってそれを見せそれに対し迎撃をして来たヤツの死角に周りこんで右手に持っていた蒼翔扇を扇形態ににしその前に魔方陣を展開。
そして、私は持っている最大の砲撃魔法であるシャイニング・ブラスターをヤツ目掛けてお見舞いしてやった。
まんまと私の幻術に騙されたゼールは、それに気づきそしてしまった!と言う声を上げながらその爆発によって産まれた光に飲み込まれていった。
「はぁ…はぁ…ど…どうよ?(ドクン!!)んクッ!!…」
ゼールが飲み込まれた爆発から離脱した私は、息を整えながらその様子を見ていた。
でも、ヤツから受けたダメージと現状で自分の体が耐えられる以上の石の力使った事から産まれたその反動により体から激痛が生じた。
その痛みに対し私は、右手で胸の辺りのバリアジャケットギュっと握りしめ苦悶の表情を浮かべながらその痛みに耐えていた。
「き…貴様ぁー!!よくもこの私を!!」
「はぁ、はぁ…よくお似合いよ?そのボロボロのマント?
」
煙が晴れヤツの姿が見えた所でゼールは、まさに怒り心頭といった様子で怒りに満ちた声をあげる。
それを見た私は、ヤツが着ていたボロボロの白いマントを見て嫌味を込めてそれに答えていた。
ヤツの状態は、全身に覆われた黄金色の鎧には至る所にひびや私の攻撃によってその一部がかけたり穴が空いていたりしていた。
特に大きいのは、ヤツが左手で押さえている右わき腹の部分。
つまりは、私の砲撃を一番近くで受けた部分。
そこが一番大きく穴があいておりその隙間からおそらく鎧の下に来ているインナーだと思われる布がチラチラと見えていた。
あそこを狙えば…。
でも、ヤツにこれ以上の徹底的なダメージを与える手段と言えば…。
もう…。
あれしか…。
私は、自身の状態とヤツの状態を確認しながら次の手を考えていた。
「それしか…ないか…」
でも、予想以上に石の力のその反動が大きく用意していた手が次々と消え残る手段がひとつしかなくなっていた。
ゼール視点
ちっ…。
予想以上のダメージを受けたか…。
俺は、息を整えつつもヤツから受けたダメージの回復をしようとしていた。
ヤツから受けたそのダメージは、こちらの想定していたものをはるかに上回り以前ヤツと戦ったときよりもどうやら腕を上げていた事をどうやら認めざるを得ないようだ。
だが…。
こちらが与えたダメージもどうやら大きいらしい。
何せ今攻撃をしてこないと言う事は、あちらも相当ダメージを受けているらしいのとあの苦悶の表情…。
どうやら、肉体の方が悲鳴が上がっているようだ。
そもそもヤツは、例の組織が作り出した人造魔導士の失敗作。
生きていても自爆テロなどに使う人間爆弾くらいでしか使い道のないヤツ。
それが、蒼天の石の力を借りて半ば強引に生き長らえているのだ。
これほどの戦闘を繰り返せばその弊害も出るだろうからな。
ようやく、今までヤツに局員や聖王教会の連中を使って行ってきたあれがその効果を表してきたようだ。
「ならば…。ここはいっきにケリをつけるか…」
俺は、ヤツの様子をジッと見つめながらそのダメージの程度等を推察。
そして、そこから次にどうするのかを考えひとつの結論に達しその行動を開始しようとした。
「むっ…!来たか!!」
俺がその行動を開始しようとしていた所、俺よりもヤツの方が先に動き自身の姿をその場から消した。
「どこから来る…」
ヤツが消えた事を確認した俺は、辺りを目で見渡しながらヤツがいったいどこから現れるのかを探がそうとする。
だが、ヤツは現れない…。
「まさか?逃げたのか?いや…そうではない…いったいどこにいる?」
時間がいくら経っても現れないヤツに対しそんな声をもらす。
だが、何度となくヤツと戦ったり等をしある程度ヤツのその性格をも把握している事からそれがそうではないとすぐにその確信に変わりその警戒のレベルをさらに上げていった。
もし、俺がヤツだとして…狙う所といえば…。
警戒のレベルを上げ行くのと同時に次にヤツがどんな手段でどこを狙ってくるのか、それにすばやく対応もしくは未然にそれを防ぐべくヤツのその思考を読み始める。
「来たか!!ちょこざいな!!」
そして、その思考が完了しようとした所で目の前から大きな魔力弾が数発こちらに向って飛んできた。
ブオン。
その魔力弾に対し俺は、ドライデント・ランスを振りかざしその魔力弾を切り裂いた。
「何っ!!」
ドドドドドーーーーーーン!!
だが、次の瞬間その魔力弾の中から小さな魔力弾が現れ俺に対しまるで雨あられのように降り注いできた。
それを交わす事が出来なかった俺は、防御姿勢を取りそれに耐えた。
フッ…。
「これで!!」
「隙をついたとでも思ったか!!貴様がこの一番大きく穴が空いたわき腹を狙って来る事はわかっていたわ!!」
ドン!!
「グフッ!!…」
フッ…。
「何!!幻術!!」
大量の魔力弾その攻撃に耐えた俺に対し、その直後ヤツが俺の右わき腹付近に姿を表し一番ダメージが与えられるであろうその穴が空いた所に持っていた刀を突き刺そうとし声をあげる。
それを見た俺は、それが想定通りである事声にあげ刀を突き刺そうとするヤツの顔を右手の裏拳で殴り飛ばした。
だが、次の瞬間…吹き飛ばされるヤツの姿がすぐに消えそれが幻術である事を察した俺は驚きの声をあげる。
だが…当たった感触は残っている。
と言うことは…。
グサ!!
「ング!!き…貴様ぁーーーーーーーー!!(バチバチ)ぐわぁーーーーーーーーー!!」
ヤツが再び姿を消した後、俺は先程ヤツを殴りつけたその感触を確かめながらその幻術をかける前にすくならずのダメージを与えた事を確認していた。
それが、ヤツの対してわずか一瞬のスキを与えてしまったのだ。
次の瞬間、背中に激痛を感じそれを確認した所ヤツが俺の背中に刀を突き刺している光景見えそれに対し怒りの声をあげる。
さらにその刀から恐らく蒼天の石の力をこちらに流し込んでいるせいで、体が上手くコントロール出来ずにいた。
そして、全身にまるで電撃を浴びているような激痛が訪れその痛みを訴えるように俺は、悲鳴に似た声をあげていた。
ミツキ視点
「さっきの言葉…。熨しをつけてそのままお返しするわ!!私がそんな単純な手を使うとでも思っていたの!!」
ゼールの背中にファルシオンを突き刺した私は、そういいながらファルシオンからヤツの体内に向けて石の力を流し込んだ。
「ま…まさか…貴様ッ!!わざと俺の攻撃を食らった後に幻術を発動させたのか!!ぐあぁぁぁぁあ!!」
「そのまさかよ!!全ては、あんたが幻術だったのかそれともそうでなかったのかその迷いからでるスキを作り出すため!!さぁ!!これで終りよ!!ゼール!!私と一緒にみんなの所に連れてってあげる!!」
私の話を聞いたゼールは、さっきヤツが一瞬迷ったあの瞬間を作り出すために私がわざとヤツに殴られそしてその後に幻術を発動させた事に気づきそれを声にあげるが自身の体内に流れる蒼天の石の力によるダメージに再び悲鳴をあげてた。
その声を聞いた私は、その通りである事とこれから私が一体何をするのか…。その真の目的をヤツに離した。
「貴様っ!!まさか自爆する気か!!だが、残念だったな!!いくら貴様がいくら足掻こうが、肉体は滅んでも黄天の石が存在し続ける限りこの俺は…」
「それはどうかしら?私がただ自爆するだけなら、わざわざ石の力をあんたの体に流し込んだりなんかしないわよ!!」
私の話を聞いたゼールは、驚きの声をあげるがすぐに自分の方が有利であるその理由を言ってきた。
それを聞いた私は、そんな事も計算の内に入っていると言わんばかりその話を言い返す。
「くっ!!蒼天の石の力を俺の流し込んでいるのは、俺の中にある黄天の石を破壊する事が目的か!!いいのか!?そんな事をすれば貴様の仲間の肉体を破壊する事にもなるんだぞ!!それに貴様自身も!!」
「ええ!!だからこそ、私の命をその代償にするの!!あんたさえこの世からいなくなれば、ユウ達に余計な事をさせなくてすむ!!それにみんなの魂さえ開放出来れば私の命なんて安いもんよ!!」
私の話を聞いたゼールは、こうしている理由をすぐに理解し次にそれを阻止しようとしてきた。
ヤツのそんな話に対し、私はそれをキッパリと言いきりその覚悟をヤツに示した。
「くっそーーーーーーーーーーーーーー!!」
ファルシオンから出ていた光が徐々にその刺した所からその外へと広がりを見せ始める。
みんな…怒るだろうな…。
こんな事して…。
両手でファルシオンの握り手を押さえその力を流し込んでいた私は、ふと頭の中でそんな事を考えていた。
そして、次から次へと懐かしい光景が頭の中を過ぎっては消え…まるで走馬灯のように流れていった。
みんな…。
ごめんなさい…。
走馬灯が終わった所で私は、心の中でみんなに詫びた。
ーふざけるな!!ー
「えっ?」
私がその覚悟を決めその光の中に包まれ様とした所で、私の頭の中にふと懐かしい男の人の声が聞えて来た。
その声に私は、驚きの声をあげさらにそれが誰だかもわからないまま…。
私とゼールは、その光の中に包まれていった…。