魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~再戦~   作:左近 遼

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アースラ内 部隊長室

はやて視点

ドン!!!

「部隊長!!!!どうして私だけこっちなんですか!!!」

「スバル?落ち着いて。ね?」

「…と言われてもなぁ…」

ウチが、部隊長室で事務仕事をしていた所訓練を終えたばかりのスバルとフェイトちゃんが入ってきた。

そして、ウチのデスクまで来た所までスバルがデスクを自身の拳を叩きつけながら声を荒げそれをフェイトちゃんが落ち着かせようとしとった。

スバルのそんな態度に対しウチは、やれやれといった様子でそれに答える。

「スバル?少しは、落ち着いてくださいです。今回の単なるミツキさんとツバサとツバキの初の家族旅行についてついていくのではなく…。ツバサとツバキの行動監視と非常事態が起きた時の対処が任務ですよ!!」

「で…でもぉ!!今、休暇で海鳴に行っているなのは隊長とヴィヴィオだってぇ!!用事がすんだらミツ姉達に合流するって言うしユウ兄とアルトだってぇ!!」

そんなウチの様子を見たリインが、プンプンとした様子でスバルに対し今回ティアナが受けた任務について説明。でも、スバルは、納得していない様子。

いったい何があったかと言えば…。

現在、更生プログラムを受けていたツバサとツバキがなんでもミツキを連れて行きたいところがあるから一緒に旅行がしたいといったのがその切欠。

通常ならそんな事ありえへんけど…。ツバサとツバキの更生プログラムが順調に進んでおるのと2人の態度がみんなの模範になっとることから今回特別に認められた。

でも、いくつかの条件がついた上でなんやけど…。

その条件っていうのが、監視員の同行と行動予定の事前報告。ツバサ、ツバキ、それにミツキの3人に発信機を一時的に体内に魔法を使い埋め込むと言った内容。

監視員は、いったい何をするかと言うとツバサとツバキさらにミツキが2人の逃走を補助しないかどうか…その監視と言った所。

通常…ウチ等なんかは、する事ない任務なんやけど…。

今回、何故かその任務がウチ等機動六課に回ってきた。それもミツキの関係者に監視員をさせろという条件をつけて…。

一応、クロノ君にその辺の事情を聞いて見た所…。なんでも、地上本部が襲撃された際ツバサと大地君がリンディさんの協力し捕まえた管理局の蛆虫どもの下にいた連中が自らの権力復権のために今回の件を利用したと言う所。

つまり、連中は、ツバサとツバキにその旅行中に逃げてもらってウチ等がその捕縛に失敗。それを切欠にミツキもろとも六課を…さらにはリンディさん達を追い落とし自分達が管理局の覇権を握る…というシナリオを描いておるとの事。

ちなみに、この事については既にミツキも知っとるらしく2人の事を信じ今の所は大人しくしとくらしい。

んで、残る問題としては、いったい誰がその監視員をするか?という事。

普通ならファントムにも関わっとるユウにその任務を任せる形になるんやけど…。でも、それを聞いたティアナが自分からその任務を志願。

まぁ、ティアナが今回の件をミツキに対し彼女の執務官補佐になるためのアピールに利用しようとしておるのはわかっていたけれど…。

ウチは、そのティアナの決意にも似た様子に押されその任務を任せる事にした。でもまぁ、後付やけど一応の理由はちゃんとあるんやで?無論、今回の旅行について必要な事をティアナには事前に予習してもらいさらに保険はかけさせてもらったけど?休みを使って地球にいるなのはちゃんとユウそしてアルトとあの連中に頼んでな?

なんせ連中が、ただ黙ってツバサ達が行動を起すのを待っとるだけ…なんて事あらへんだろうからな?

「…部隊長!!聞いてるんですか!!」

「ああ…すまんすまん。ええっと…こんな事もあろうかとミツキから…確かココに…」

ウチがあれこれ説明しとったらスバルが、なんや言っとったらしい。

それに気づいたウチは、スバルに誤りながら自身のデスクの引き出しからある大きな箱と数種類の工具をいくつか取り出しスバルの目の前にそれを置いていった。

「あの?これなんですか?(これは、ガンプラや?)ガンプラ?」

「そうや。今回、なんでティアナがなんで単独でこの任務につく事になったのか?この旅の目的。その辺をひっくるめて全部説明するわ?これを一緒に作りながらな?もちろん、フェイトちゃんとリインも付き合ってもらうで?」

「は…はぁ…?」

困惑するスバル達を他所にウチは、デスクの上に置いてあったガンプラの箱を開けそれを作り始めた。

「魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~再戦~特別編「これってあり?」始まります」



特別編「これってあり?」

魔法少女リリカルなのはStrikers~影の守護者~再戦~特別編「これってあり?」

 

 

第97管理外世界 地球某所

 

 

ティアナ視点

 

 

「ママ!!こっちこっち!!」

 

「ちょ、ちょっとツバサ!!そんなに急がなくても…」

 

第97管理外世界地球にやってきた私、ミツキさん、ツバサ、ツバキの4人は、都心から離れた閑静な住宅街を歩いていた。

 

先頭を突き進むツバサは、ミツキさんの手を引っ張りながら目的地へと突き進みそれから少し離れた所私とツバキがそんな2人をゆっくり歩きながらその後に続く。

 

「まったく…目的地は逃げないと言うのに…。申し訳ございません。ティアナさん」

 

「いいのよツバキ。私としては、このまま楽しい旅行で終わって欲しいだけだから?それにしても…ツバキ?あんたいつの間にミツキさん薬の時間とか緊急時の処置法とか勉強していたのよ?」

 

「旅行が、決まってからプログラムの合間合間にギンガさんから色々と。この手の事は、ツバサでは不向きですし…。それに母上には、生きていてもらわねばなりません。ツバサの笑顔を消さないためにも…。あっ、申し訳ありません。こういう話は、せっかくの楽しい旅行に水を差してしまいました」

 

「いいって。それにしてもなんで、遊園地とかにしなかったのよ?」

 

ミツキさんの後に続く私とツバキは、急ぐツバサを他所にマイペースに歩きながら2人であれこれ話していた。

 

丁寧な口調で話すツバキに対し私は、いつもの調子で話を続ける。

 

「普通ならそうしていましたが…。なんでも今回は、ツバサに行きたい所があるらしいとか?私は、ツバサと一緒ならばどこでもいいと思っておりましたので。そちらの方を優先させて頂きました。それで?ティアナさんは、なぜ?監視員に立候補されたのですか?母上の補佐官になりたければもっと他にいい方法がありましただろうに?」

 

「い…いつの間にそんな事調べたのよ?」

 

ツバキの話を聞いた私は、動揺をなんとか隠しながらその訳を聞いて見た。

 

するとツバキは、私の問いかけに対し先ほどまでの笑顔を真顔に変えながら…。

 

「調べなくてもあなたが、1人で来ると決まったのを知った時点で想像が付きました。ひとつ申し上げさせてもらうのならば今回のこの旅行…。監視員としてあなたが、無事にその役割を終えたとしてもなんのアピールにはなりませんよ?と、言うよりあなたの目論見とは逆の効果しか得られないかと?」

 

「…わかっているわよ…。そんなの…」

 

ツバキの話に対し私は、少しションボリとしながらそう答えた。

 

そう…これは、ツバキの言うとおりかもしれない。

 

今回私は、部隊長からこの話を聞いてからすぐに監視員の立候補をした。

 

これは、チャンスだと思って…。

 

でも、その日が近づくにつれて…段々違う考えが出てきた。

 

ミツキさんの補佐官にアピールではなく…ミツキさんから独立…つまりは、巣立ちのアピールになるのではないかと?

 

どっちのアピールしたかったのか…今になっては、自分でもよくわからないけど…。

 

でも…。

 

ピピピッ!!ピピピッ!!

 

私がそんな事を考えていた所突然通信端末が鳴り始める。

 

「あっ!!着信!!はいっ!!ティアナです。あっ!!飛鳥さん?」

 

(あっ、ティアナ?(いったいどうしたんですか?何かトラブルか何かでも?)いや…トラブルって程の事ではないんだけど…)

 

通信に応じた私にその相手である飛鳥さんなんだかやれやれといった様子でそれに答える。

 

「いったい何が…。もしかして?まだ楓さんがと大地さんに頼んで設置してもらった例の罠に獲物がひっかからなくて暇だからなんとかしろ?な~んて、言わないですよね?」

 

彼女のそんな様子にピーンときた私は、その事について聞いて見た。すると…

 

(その…まさか…だったりして?)

 

(こらっ!!ティアナ!!早く敵を寄越せ!!)

 

(早くしねぇと…殺す)

 

(とか言っておいてこっちに向けて乱射すんじゃねぇ!!)

 

どうやら私が言った事は、大当たりだったらしく…飛鳥さんの声に続き力さん、北斗さん、サイモンの順で暇そうな声が続いていた。

 

でもなんでこうなっているのかと言うと…。

 

これは、部隊長が打ったいくつかの手のひとつ。

 

つまり、ミツキさん達の旅行を邪魔しようとしている連中を楓さんが開発し大地さんが設置したトラップ「悪人ホイホイ」で捕らえ現在力さん達がいる異空間へと強制転送。そして、送られた先で地獄を見てもらうといったもの。

 

ならなんでこんなまどろっこしい事をしているかと言うと、ひとつはせっかく旅行を楽しんでいるミツキさん達の邪魔をしない事。そして、敵が現れた事により大暴れするであろう八神組の皆さん達が仕出かす被害を最小限に防ぐ事。

 

ちなみに、これ以外にもこのトラップに引っかからなかった連中のための策もあるのよ?

 

既にこの周辺には、フェラルドさんを始めとしたファントムの部隊がスクランブル要員としていつでも出撃できるように待機してもらっている。

 

でも、ただ妨害者を駆逐するだけではなくツバキ達の逃走した際の捕縛要員としての役割もあるんだけどね?

 

「ご心配には、及びませんよ?ティアナさん。(どうして?)たった今、例のトラップに大量の蛆虫共が引っかかったという情報が?」

 

「だ…そうですよ?飛鳥さん?」

 

(わかった。お~お~きたきた。それじゃ、なんかあったら連絡頂戴)

 

「はい。わかりました」

 

ピッ!

 

私の話をその側で聞いていたツバキが、何かの画面を開きながら声をかけてきた。それを聞いた私は、すぐさまその旨を飛鳥さんに伝える。

 

すると、彼女は大喜びをしながらその事を了承。通信を終了した。

 

「ふぅ~。とりあえず上手く言っているみたい」

 

「そのようですね?ですが…(ティアナさん!!ツバキ!!早く早く!!)はいはい。わかりました。さて…ツバサが怒り出す前に…」

 

「そうね?いきましょ?」

 

通信を終えた私の声を聞いたツバキは、何か不安を覚えたのか何かを言おうとしていた。でも、その矢先、先を進んでいたツバサが早く来るよう催促の声をあげていた。

 

それを聞いたツバキは、その話を中断。私に声をかけた後彼女に合流するべくその歩みを速めていた。

 

そういえばユウとアルト。なのは隊長とヴィヴィオを海鳴にまで迎えに行ったのはいいけど…。時間に間に合うのかしら?

 

 

第97管理外世界 地球某所付近の一般道

 

 

アルト視点

 

「ごめんね?ユウ君。わざわざ迎えに来てもらって」

 

「いえいえ。こっちも仕入れに静岡にあるメーカーまで行ったついでだったもんで問題ないですよ。それにしても親戚なんですか?そいつ?」

 

先輩から頼まれていた用事を終えた私とユウは、その帰り道海鳴に来ていたなのは隊長とヴィヴィオと合流。先輩達と合流するべくユウが運転するワンボックスの車で向かっていた。

 

車内には、助手席に私、運転手のユウ、後部座席にいるなのは隊長とヴィヴィオそれと…。

 

「ううん。ヴィヴィオと一緒に待ち合わせ場所にいたら彼が、ヒッチハイクをしていてね?お互いの目的地が、近くだったから一緒に行こうって事になって…」

 

「ヤサカ・マオと申します。いんや~高町はんにお声をかけてもらってお言葉に甘えさせてもらっています。えらいすんません。よろしくお願いいたします」

 

どうやらユウも彼の事が気になっていたらしくなのは隊長にその事を聞いていた。

 

隊長の話に続き同乗していたヤサカ・マオ君が頭を掻きながらユウにお礼をしていた。

 

「高町ヴィヴィオです」

 

「これは、どうもご丁寧に」

 

「ヴィヴィオぉ~何回もマオ君に自己紹介したらダメだよ。(えへへ~)ごめんね、マオ君。ヴィヴィオに付き合ってもらって」

 

「いえいえ」

 

マオ君が、私達に自己紹介していたのを聞いていたヴィヴィオが今度は自分の番と言わんばかりに自身の自己紹介を始める。

 

でも、既に何回も自己紹介をしていたらしくヴィヴィオに注意した後笑顔で答えていたマオ君に謝っていた。

 

JS事件終結後、聖王のクローンだという事がわかったヴィヴィオへの保護者探しは慎重にならざるを得ず今まで以上に難航していた。

 

そんな中、なんとか候補者を見つけたなのは隊長がその方とヴィヴィオを初対面した時にちょっとした事件が起きた。

 

初対面当日、その候補者がいるその目の前でヴィヴィオがなのは隊長と一緒にいたい直訴しだした事。

 

慌ててヴィヴィオを説得しようとするなのは隊長に駄々をこね続けるヴィヴィオ。

 

結局、その事が原因で隊長とヴィヴィオが大喧嘩。その後紆余曲折があった後なのは隊長がヴィヴィオを引き取る事なった。

 

今回、隊長とヴィヴィオは、休日を利用し実家がある海鳴に来ていたのはなのは隊長のご両親に今回の事の事情説明とヴィヴィオを紹介するため。

 

上手く行くかどうか心配していたんだけど…。隊長の話によるとご両親とヴィヴィオの関係は良好。無事に上手く言ったんだって。

 

ちなみにヴィヴィオは、隊長の娘になる事が決まって以来…よっぽどその事が嬉しかったのか周囲の人達に事あるごとに自己紹介をしていた。

 

私とユウも…今日既に何回も自己紹介をされてるんだよね…。

 

「マオ君?何を作っているの?」

 

「ガンプラです。(ガンプラ?)はいな。今回、乗せて頂いたお礼にガンプラ作って渡しているんです」

 

「へぇ~」

 

私が、あれこれ説明していた所隊長達と一緒に後部座席にいたマオ君がカバンの中から何かの箱を取り出しその中の物を作り始めていた。

 

それを見たなのは隊長が、彼に声をかけその作業を興味津々な様子でみていた。

 

「ヴィヴィオもそれもっている!!」

 

「えっ!?ヴィヴィオが持っているのって確か…」

 

「へぇ~どんなガンプラなんですか?見せてもらってもいいですか?」

 

「いいよ!!ええっとねぇ~」

 

隊長とマオ君がそんなやり取りをしていた所、ヴィヴィオが自分もとその話しに割って入る。

 

ヴィヴィオのそんな様子に疑問の声をあげるなのは隊長に対し、その声に興味を示すマオ君。

 

彼の話を聞いたヴィヴィオは、後ろに積んであったカバンの中からある箱を取り出しそして…。

 

「これ!!(ええっと…ヴィヴィオはん?これ?なんなんです?)マイトガイン!!(マイト…ガイン?)そうだよ!!」

 

「ねぇ?ヴィヴィオ?それ…誰に作ってもらったの?(楓さん!!)なるほど…道理で…」

 

「なんでも、そのマイトガインのプラモデル。態々、マイトに頼んで本物の寸法を測る所から始めたそれを1/144にしたこの世に一つのものなんだと。(ええっ!!これ、手作りのプラモなんですか!?)ああ。そういう知り合いがいるんだよ。俺等の周りには…なっ?ヴィヴィオ?(うん!!)」

 

私の話の後に続くユウの話を聞いたマオ君は、ヴィヴィオが持つマイトガインのプラモまじまじと見ながら驚きの声を上げる。

 

こうして私達は、先輩達が待つあの模型店まであと少しの所までやってきていた。

 

 

 

第97管理外世界 地球某所 サエグサ模型店

 

 

ツバサ視点

 

「ついたぁ!!!ここだね!!ママのお店?」

 

「そうよ?ノアに店番頼んでおいたんだけど…よかった。ちゃんとお店を開けといてくれたんだ」

 

ボク達が訪れた所は、ママが趣味で作ったお店「サエグサ模型店」。

 

見た目小さな模型店なんだけど…その地下には、最新機器が揃った工作室と数人規模でガンプラバトルが出来るバトルルームが存在。でも、ただバトルをするだけではなくそのバトルを観戦出来る喫茶スペースがありそこでバトルの反省だとか色んな相談やオリジナルのパーツとかも販売しているだって。

 

ママくらいの腕があるなら普通…少しは、有名になっていてもいいんだけど…。忙しくなるのが嫌だってネットとかでの広報活動とかはせずしかも口コミで訪れた有名ファイターとかにも事情を説明しテレビとかネットでの紹介とかは控えてもらってるんだって。

 

ボクは、今回。ユウちゃん達からこのお店の事を聞いて来てみたい!!と思ってこの旅行を計画したんだぁ~。これ以外にも色々と計画しているんだけどね?

 

「おおっ!!来たな!!久しぶり!!」

 

「ひっさしぶり~!!ノア!!」

 

「お久しぶりです。ノアさん」

 

店内に入ってきたボク達は、店番をしていたフルモードになっていたノアから声をかけられる。それを聞いたノアは、笑顔でボク達に近づき声をかけてくる。

 

挨拶を交わしたボク達は、店内を見渡し始めた。

 

「うわぁ~ガンプラ以外のプラモも取り扱ってるんだね?」

 

「プラモは、ガンプラだけじゃないからね?その辺のニーズにも対応しているのよ?」

 

ボクは、店に陳列されているプラモを見ながらママに話しかける。その声にママは、笑みを浮かべながらそれに答える。

 

「あの?このディスプレイにおいてあるプラモは…」

 

「これは、確か…。機動戦士ガンダムZZに出てくるザクⅢね。ミツキさん?これ?誰が作ったんですか?」

 

「それは、確か…ユウが作ったものね。それにしても随分詳しいじゃないの?すごいよ!ティアナ」

 

「ありがとうございます。これについては、今回この旅行に付き合う事に至り…部隊長の方から無理やり覚えさせられました。(地獄だったでしょ?)はい…元々興味がなかったものだったので地獄のような日々でした」

 

ツバキの問いかけを聞いたティアナさんは、少し考えた後そのガンプラが何かを言い当てた。すると、それを聞いたママが驚きの声をあげる。でも、ティアナさんからその訳を聞いた途端その光景が頭にうかんでいたらしくやれやれといった様子で声をかけていた。

 

「じゃあ!!問題!!ザクⅢの横にあるものはいったいなんでしょう!!?」

 

「これは、確か…。機動戦士ガンダムSEEDディスティニーに出てくるザクウォーリアなのは確かなんだけど…。あれって確か色とか装備しているものとかでいくつか種類がでているのよね?でも、この色…ライヴ仕様のものに近いんだけど…なんか色が違う。それにそれにこの装備…見たことない…」

 

ママとティアナさんの様子を見たボクは、彼女の覚えたての知識を試すべくその横に飾ってあったアスランがディスティニーで乗っていたザクウォーリア?を問題を出してみた。

 

でも、あのザクウォーリア…色は確か…緑なハズなんだけど…。そのガンプラの色は、所謂フェラーリレッド。それに装備している武器が、大きな刀みたいなものと通常装備しているものとは違った形をしたビームピストル…。って、いうかあのビームピストル…ユウちゃんのゲイル・ファングに似ているような…。

 

「そいつは、アルトがオリジナルで作ったザクウォーリアだ。墨入れとか雑だろ?まるで、作っているヤツの心が現れているような出来の悪さだろ?」

 

「悪かったわね!!雑な性格で!!」

 

「あーーー!!ユウちゃんにアルト!!」

 

「ひーーーーーーーーーめちゃーーーーーーーん!!」

 

「ヴィヴィオ!!」

 

ボク達がそんな事を考えていた所、店の入り口の方から誰かの声が聞えてきた。

 

入り口の方を見てみると、笑顔のユウちゃんと彼の方を見ながら怒っているアルトの姿が見えた。

 

そして、ボクが声を上げたその直後、2人間をすり抜け出てきたヴィヴィオがママの下へと駆け寄り抱きついていた。

 

「ヴィヴィオぉ!!ボクの目の前で、ママに甘えないで!!ヴィヴィオには、ちゃんとママがいるでしょ!!」

 

「やーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ヴィヴィオのそんな様子を見たボクは、思わず声を荒げヴィヴィオをママから引き離そうとする。でも、ヴィヴィオもそれが嫌なのかママから離れようとはしない。

 

「これにスバルがいたら、もっと大変な事になっていたわよ」

 

「恐らく八神部隊長は、この事を恐れてスバルさんを六課に残したのですね」

 

「うん。私でもあの3人を止められるかどうか…」

 

ボクと様子を少し離れた所から見ていたティアナさん、ツバキ、なのはさんは、その会話順でその様子が落ち着くのを見守っていた。

 

「誰か助けてぇ~~~~~~…」

 

…ママの叫びを聞かないフリをしながら…。

 

 

 

それからそれから…。

 

 

 

サエグサ模型店 1F 店内

 

ミツキ視点

 

「ようやく落ち着けるわね」

 

あれから、少しの時間がたった。

 

ツバサとヴィヴィオをなんとか落ち着かせた私は、店の奥のレジ付近にある椅子に座りながら店番をしながらホッと一息ついていた。

 

現在2人は、ティアナと高町さん、ノアと一緒にユウとアルトの案内によりこの「サエグサ模型店」探検ツアーへと出かけている。

 

えっ!?お店自体そんなに大きくないのに探検ツアーなんて出来るのか?って?

 

ふふふ…。私が、ただの模型店だけ作ると思う?

 

当然、模型店以外のスペースも地下に用意してあるのよ?

 

なんせ、クリス達の「カグツチ」のこっちでの整備が必要になる場合もあるし、楓さんがこっちで力君達のロボットとかの整備が必要になる場合もある。だから、それらが対応出来るように整備スペースとか魔導士用の訓練スペースとか宿泊施設。って、感じで、なんだかんだ用意していたらこのお店…。私が、個人的に持つ各施設で一番大きいものになっちゃったのよ。

 

簡単に言っちゃうと、ちょっとした規模の魔導士部隊が生活できちゃうくらいに…。そのため、ここの莫大な維持費を賄うために模型店を開いているといった所。

 

でもね?いくらこの世界が、ガンプラブームと言ってもただガンプラを売っているだけじゃ中々上手くは行かないのよ。なんせ、この周辺に人気の模型店が多いのよ?この辺。

 

特に人気なのが、となり街にあるっていう美人6姉妹がいるって噂の模型店。噂じゃ、ガンプラ作りが上手い上に美人揃い。その上、ガンプラバトルも上手でそのお母さんまで美人。噂を聞きつけた子供から大人までの男性陣が、それ目的でそのお店に行くって客が結構いるのよ?ウチにも「そのお店と間違ってきた」な~んてお客さんがいるし、ユウの車にヒッチハイクをしていたヤサカ・マオ君だって、今回京都から来た目的がそのお店に行く事だって。車を降りたらウチの店には一切寄らず…とっとと、そのお店へといっちゃったわよ。

 

あ~あ…。例の人形が売れだすのももう少しかかりそうだから、そのお店にいるっていう噂の美人姉妹のブロマイドでも売り出そうかしら?こっそりそのお店に監視カメラでもつけて。

 

「ここのお店の利益が出ないのは、その美人姉妹とか他の人気店の影響等ではなく…。「臨時休業」が多すぎるからではないでしょうか?母上?」

 

「あららっ?いつの間にそこにいたのよ?ツバキ?」

 

客がいない静かな店内で、冷たいお茶を飲みながら1人ブツブツとボヤいていた私にツッコミを入れる声が聞えてきた。

 

私が、その声が聞えてきた方…。つまり、レジのある所から少し離れた所にある店の奥へと続く通路の方を見てみた所。ツバサ達と行動を共にしていたハズのツバキが、いつの間にか現れていた。私は、いきなり現れたツバキに対し驚きの声をあげる。

 

「母上のボヤキが始まった頃から。(そんな最初の方から…。んで、なんか用事?)はい、お薬とお冷をお持ちしました。(もうそんな時間?)はい…。ちなみに、ノアとツバサさらにヴィヴィオから必ず飲ませるよう言われておりますので私から逃げようとはなさらないで下さい…母上?」

 

「ちょっと…目が、マジになってるんだけど…」

 

その声を聞いたツバキは、怖い目つきをしながら隠していた薬とお冷がのったお盆を用意。私が、ココから逃げ出さないよう臨戦態勢をとりながらココに来た理由について答えていた。

 

「わかっているわよ?逃げないから…。(では、どうぞ)ゴクゴクゴク…にっがぁ~~!!」

 

「ご苦労様でした。母上」

 

彼女のそんな様子に観念した私は、ため息を付きながら用意してくれた薬をお冷で無理やり流し込む。その様子を見ていたツバキは、薬を飲み終えた所で先ほどまでの怖い顔から笑顔に変えその労をねぎらっていた。

 

「よかったら一緒に店番しない?(えっ!?)お客さんがこなくて暇なのよ?」

 

「は…はぁ…。わかりました」

 

ツバキのそんな声を聞いた私は、彼女に店番をしようと誘ってみた。

 

私の声にツバキは、驚きの声をあげその後少し考え込んだ後それを了承。私の隣に椅子を用意しそこに座り始めた。

 

ツバキは、ツバサと違って私のことをまだ家族だと思っていない節があってね?

 

その距離を少しでも埋めようっていう目的で、誘ってみたの。

 

ミツヨからの話だと、元々「自分の家族は、ツバサだけ」っていう考えがあるみたいで表向きには私の事を「母親」と言ってくれているんだけど…。

 

「あ…あの…。あまりこうしているとツバサとヴィヴィオが、母上を独り占めしていると勘違いをおこしませんでしょうか?」

 

「大丈夫よ。そんな事言い出すのは、スバルくらいだから(は…はぁ…)どう?戦いのない生活は?」

 

「あまりなれませんね。ですが、大変心地いいです」

 

私は、なんだか落ち着かない様子のツバキを相手に色んな話をした。

 

更生プログラムの事や施設での生活の事。

 

一緒にプログラムを受けているナンバーズの子達の事やルールー達の事。

 

スバルにティアナやユウ達…それに彼女達の更生プログラムの担当となったギンガやツバサへの愚痴や文句まで…。2人ッきりではないと、おおよそ出来ないであろう話まで会話が弾み楽しい時間を過ごしていた。

 

そう…2人とも笑顔で…。

 

ちなみに、ユウの小さい頃の話をツバキにしたら大爆笑していたわよ?

 

ピンポーン!!

 

「あの母上?この音は?」

 

「お店の入り口が、開いた時になるようにしてあったドアフォンの音ね?お客さんかしら?」

 

ツバキにこの音の事を説明した私は、椅子から立ち上がりながら入り口の方を見てみた。

 

「こ…こんにちは~。あっミツキさん。今日は開いているですね?お店?」

 

「あらっ?タカヤ君?その様子だと学校帰り?」

 

「はい。あの、プラ版…見せてもらってもいいですか?(いいわよ?場所はわかるよね?)はい」

 

店に来たのは、黒い髪に女の子みたいな顔つきをした男の子…秋月タカヤ君。

 

ウチの近くにある蘊奥(うんのう)館中等部に通う中学一年生でちょくちょくウチに通ってくれる常連さんの1人。

 

今日は、プラ版を買いに来たみたいだけど…在庫でも切れたのかな?

 

「あの…母上あのお方は…」

 

「ウチの常連さんの秋月タカヤ君。(男の方…なのですか?)そうよ?女の子みたいな顔をしているけどれっきとした男の子よ?」

 

「そ…そうなんですか…」

 

お店を訪れたタカヤ君は、私に声をかけた後話を早々に切り上げプラ版売り場の方へとむかっていった。

 

彼を見たツバキは、彼の事が気になるのか私に彼の事を聞いてきた。

 

最初こそ「さすがは、天然フラグメーカー!!10歳で、まだ恋愛経験無しのツバキにまで!!」って…思っていたんだけど…。

 

「…いい目つきをされた方でですね?あのような目をした方は、強い意志をお持ちの方。敵に回すとやっかいな事になるやもしれませんね?」

 

って、彼の戦力分析していたわよ。驚く程冷静に…。

 

「すいません。これ?下さい」

 

「はい。ツバキ?これ?袋に入れてくれる?(わかりました)」

 

「あ…あの…。この子は?(娘よ?私の?)む…娘!!!?」

 

プラ版を選び終えたタカヤ君は、あれこれ考え込んだ様子をしながらレジへと会計にやってきた。

 

レジの横に置かれた数種類のプラ版を見た私は、ツバキに袋に入れるよう頼みレジにその金額を打ち込む。

 

会計を待っているタカヤ君は、私の横に立つツバキの事が気になったのか彼女の事を聞いてきた。

 

私は、何の躊躇もなくツバキの事を娘と紹介すると彼は驚きの声をあげる。

 

「ツバキ・サエグサと申します。母が、いつもお世話になっております」

 

「あ…秋月タカヤです。こちらこそミツキさんには、いつもお世話になっています」

 

驚く彼を見たツバキは、その事を左程気にせず挨拶をする。その様子にタカヤ君は、慌てた様子でツバキの挨拶に答える。

 

「み…ミツキさん?いつ…その…結婚とか…。その…」

 

「この子は、養女なの?(養女?)そう、この子と…もう1人いるんだけど…。元々知り合いの子でね?あれこれあって私が、引き取る事にしたの。それで、今日外国からこっちに初めて来たの。ずっとここにいるのかは、まだ決まってはいないんだけど…。仲良くしてあげてね?」

 

「わかりました。よろしくね?ツバキちゃん」

 

「こちらこそ。秋月さ(タカヤでいいよ?)はい、タカヤさん」

 

タカヤ君は、その挨拶を終えた後ツバキの事が気になったのかバツの悪そうな顔をしながらその経緯について聞いていた。

 

そんな彼の様子に私は、とりあえず用意していた経緯について説明。もちろん、タカヤ君は、管理局や魔法の事とかは知らないだろうからその辺の事情は隠した上でね?特に2人の出生の事なんか言っても理解出来ないだろうからこの事は、秘密って事で。

 

この事は、こっちに来る前にツバサとツバキ…それにティアナ達にも説明済み。ヴィヴィオの方には、高町さんから説明してもらうよう頼んだんだけど。

 

私の話を聞いたタカヤ君は、驚いていた顔を笑顔に変えツバキに握手を求める。

 

そんな彼の優しさにツバキもまた笑顔で、それに答える。

 

「はい。おつり。それで、どう?ブレイドの方は?」

 

「まだ色々と…。(ピピピッ!!)あっ、ちょっと…すいません。あっ、はい。はい…はい…。わかりました。あの、すいません!!ちょっと急用が出来まして…また今度、色々相談に乗ってください。それじゃ、また!!」

 

「わかったわよ。ありがとうございました」

 

会計を終えた私は、おつりを渡した後彼のガンプラ…アストレイ・ブレイドの事について聞いて見た。

 

どうやら、彼もその事で悩んでいたらしく私に何かを相談しようとしていた所…彼の携帯がある人からの着信を告げていた。

 

それに気づいた彼は、私達に断りを入れてからその着信に応じる。

 

どうやら、急な予定が入ったらしく彼は、私達その旨を告げた後購入したプラ版が入った袋を持ち急ぎ足でお店を後にした。

 

「どっかで、ガンプラバトルでもするのかな?彼?」

 

「あの…ガンプラバトルと言うのは?」

 

「う~ん…。説明するより実際に見てもらった方がわかり易いかも?ちょうど、ツバサ達もガンプラバトルがやりたいって念話で言って来ているから?」

 

「では、お店の方は?」

 

「う~ん…。お客さんもこれ以上こなさそうだし…閉めちゃうか?」

 

「わかりました。では、お手伝いします。」

 

「よろしくね?」

 

そういうと私とツバキは、夕日が差し込む店内で閉店作業を始めた。そして、その後ツバサ達と合流しガンプラバトルを夜遅くまで楽しんでいた。

 

ちなみに、私達の旅行を邪魔しようとしていた連中はその全て力君達の所に送られて地獄を見させられたんだって。

 




お久しぶりです。

当初の予定では、今回は最終回をお贈りする予定でしたが諸事情により「特別編」をお送りする事となりました。

期待して頂いていた方…ごめんなさい。

この話については、同サイト活躍されよく感想を頂く作者さんの最新作でユウ達が登場したのがきっかけで思いついた話になります。

なんせ、本編ではツバサ達とミツキとの絡みがまったくなかったもんで…。

この話が、今後どう発展していくかどうかはわかりませんが広い心で見て下されば幸いです。

最後までこの作品を読んでいただきありがとうございました。
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