やはり俺達が世界の銃爪を引くのは間違っていない 作:シャルルヤ·ハプティズム
僕は今、警戒区域のぎりぎり外から、さっきまで自分達が居た場所を見ている。
遊真「ねぇオサム。何してんの?」
修「時期にわかる。ほら来た」
遊真「あれは?」
修「ボーダーでも腕のたつ部隊の三輪隊だ。今やってるのは現場検証。ボーダーにはな、トリオンの反応から誰のトリガーが使われたかとか、分かるんだ。多分、これでお前の存在がバレた。黒トリガー使ったら当たり前だがな。レプリカまでバレたかは分からないけど。一つだけ言っとく。今のボーダーには三つの派閥がある。近界民を許さない、駆逐するっていう派閥。街の安全を第一に考える派閥。近界民とも仲良くしようっていう派閥。今あそこにいるのは近界民を許さない主義の筆頭の部隊なんだ」
遊真「ふむ。····親父から聞いていたのとはだいぶ違うみたいだな」
修「有吾さんの考えと同じ人もまあ少ないが居る。今のボーダー隊員の大半は、トリオン兵に家を壊されたとか、家族が被害にあったとかで向こうの世界に少なからず不平不満を持ってるんだ。とりあえず、今は僕と一緒に行動してくれ。お前、日本のこと何も知らないだろ。レプリカは空閑がトリガーを使うのを止めてくれ。これ以上使うのは色々まずい」
レプリカ『心得た』
遊真「お、オサムがニホンのこと教えてくれんのか。なら、俺は最初に会ったボーダーがオサムでよかったな」
修「まぁそういうことにしとく。あと、僕がボーダーだってことも黙っていてくれ」
遊真「ふむ。何で?」
修「今はまだ言えない。そこまで重要なことじゃないがな。でも、秘密にした方が都合がいいんだ」
遊真「まぁ、分かった。よろしく、オサム」
修「よろしく、空閑。とりあえず、移動しよう」
遊真「分かった」
とりあえず、僕は空閑を連れて移動することにした。今、僕達は飲食街に居る。そこで、空閑が突然腹を押さえた。
「ぐぅぅぅ~~」
お腹空いたのか。
遊真「む、失敬。····腹が減ったから何か食おうぜ」
修「お前、日本の金は持ってるのか?」
僕がそう言うと、空閑がバッグを漁り始めた。何か違和感が···。そして、バッグの中から、札束を取り出した。何でそんな物を出すんだ······ただでさえこの辺りは、三門市内では結構治安が悪いんだ。案の定周りはざわつき出した。さっきみたいな馬鹿が居そうだな。·····しばらく僕には安寧は無さそうだな。ハァ·····本当に有吾さんの息子なのだろうか。ボーダーに行けって言ったなら、少しくらいは日本のことを教えておいてくれよ·····。とりあえず、無理矢理札束をしまわせて空閑を抱え、全力でその場を離れる。
修「いいか、空閑。人前では金を出すな。無用なトラブルを招くぞ」
遊真「ふむ?そうなのか?」
修「さっきもざわざわしていただろ······」
本当に何も知らないんだな·····。そんな時、如何にも、頭が悪いですって言ってるかのような奴が2人来た。これは、肩をぶつけてきて足が折れたとかほざく奴だ。······うわ、本当に予想に違わないことして来た。
「うおっ、いってぇな足折れたわ」
遊真「ドウモドウモ、コレハスミマセン」
「おい、慰謝料出せ。10万。金ならあんだろ」
遊真「イシャリョウ?医者に行くお金か?」
まぁ違うんだが、それはいいや。
修「相手にしなくていい!あのくらいで怪我するわけがない!」
遊真「ふむ。それもそうだな」
「あぁん?折れたっつってんだろ!」
そう言って、阿呆が殴ってくる。さっきの馬鹿よりも更に輪をかけて遅い。とりあえず、やられた感じで「ゴファッ!?」とか言って倒れ伏す。
「あ?黙ってろメガネ、殺すぞ」
1000%無理だから。そもそも足折れてて殴れる方がおかしいと思うんだが。哀れなり、何処かの頭の悪い誰か。演技だって全く気付いてないな。半年の道化の演技が身に付いてしまったようだ。····全然嬉しくないな。なんか、兄さんの捻くれが移ってきた気がする····最近、兄さんは子供2人にデレデレだけど。
「折れてるっつったら折れてんだよ!いいから、金出せ!」
遊真「····なるほど。分かった」
そう言って、空閑は阿呆の左足を思いっきり踏んづけた。バキッ!という凄い音がしたがまぁいいだろう。
「グギャア!?」
遊真「オーケー、ちゃんと折れてるな。ほい、10万円。お大事に」
遊真「全てがまるくおさまった」
修「ハァ····確かにそうだがやり過ぎだ」
遊真「何で?全部向こうの言う通りにしたじゃん。だから、納得しなきゃおかしいじゃん」
修「····ここは、向こうの世界とは違うんだ。やられてもやり返したら、こっちが悪いことになる」
遊真「ふむ。ニホンも物騒だな」
レプリカ『それだけ、こちらは平和だということだ』
修「レプリカ、有吾さんはもうちょっと何か教えなかったのか?」
レプリカ『有吾は、こちらに来るよりだいぶ前に戦死している』
修「·····そうだったのか。じゃあ、空閑の指輪は有吾さんなのか。なら、空閑が今もトリオン体なのに納得がいく」
レプリカ『流石だ、オサム。よくユーマがトリオン体だと分かったな』
修「勝手で悪いがサイドエフェクトで見させて貰った」
遊真「オサムもサイドエフェクトを持ってるのか?」
修「まぁ一応」
遊真「それより、飯食おうぜ。もうさっきから腹が減って腹が減って」
修「分かった。だが、空閑はココにいろ。僕が買って来る」
遊真「助かる。オサムは面倒見の鬼だな」
修「何だそれ····まあいい。動くなよ」
修「ハァ、全く····」
僕が、自分と空閑の分の夕食を買って来ると、夕食を買いに行く途中にすれ違った頭の悪い連中が揃って伸びていた。
ユーマ「おう、おかえり。大丈夫だ、オサム。今度はちゃんと骨を折ってないぞ。多分」
修「そういう問題じゃない、ハァ····」
夕食を済ませ、僕は、今、空閑と帰途に着いている。
修「空閑、ちゃんと言っておくぞ。暴力に頼るな。人前で金を出すな。あと、絶対にトリガーを使うな」
遊真「·····ふむ?ニホンの法律はあんま分かんないけど、相手が法律を守らなかったらどうするんだ?親父が言ってたけど····法律はお前を守るためじゃない。世界を回すためにある··って」
修「·····有吾さんらしい考え方だな」
確かにその通りだ。日本に居る以上、日本の法律を守らなければならない。でも、こいつがあそこで、金を出さなければこんな風にはならなかったんだけどなぁ。その辺も僕が教えていこう。有吾さんにはちょっとした借りがある。そこで、信号に差し掛かった時またもや空閑が問題を起こした。
修「おい待て!赤信号だ!」
時既に遅し。空閑は車に轢かれた。あいつはトリオン体だから、車に轢かれるくらいなら問題はないんだが、運転手に金を渡そうとしていた。目が回るくらい先が長そうだ········
翌日。僕達は屋上で昼食を摂っている。昨日も言ったが、空閑に注意をしておこう。あと、午前中に僕がボーダーだとバラしそうになって、慌てて止める羽目になった。
修「空閑、もう一度言っておくぞ。暴力を振るうな。昨日のことは言うな。自分が近界民だと喋るな。人前で金を出すな。出来るだけ目立つな。そして、絶対にトリガーを使うな」
遊真「うおっ!厳しいな····分かったオサム」
修「ちゃんと守ってくれよ·····」
そんな時、昨日の3馬鹿がやって来た。何か、カツアゲして来た。金くらい自分で何とかしろよ····
修「何しに来たんだ」
「うるせえ、黙ってろメガネ」
馬鹿の一人が杖で突いてくる。他に何かないのか···めんどくさいので、そのまま食らうがやはり弱い。ヴィザが同じことしてきたら冗談抜きで、体の半分が消し飛んで殺されそうだな。
遊真「ふむ?コイツらに記憶力はないのか?」
修「おそらく·····ボーダーが記憶封印の処置を施したんだと思う」
でも、鬱陶しいな。どうしたらいいだろうか。そんな時、空閑が思いっきり地面を踏んづけた。地面が揺れる。·
「「「ヒッ!?」」」
······昨日のことを何か思い出したっぽいな。
遊真「ねぇ、どいて」
「「「う······」」」
あっさり退いたな。空閑は昨日に比べてかなりマシになった。
修「空閑、とりあえず戻ろう」
遊真「そうだな」
空閑が教室に戻ると、また質問責めにあう。近界民を知ってる?という質問に、知らないと答える。よしオーケー。そこで、4年前の大規模侵攻について教えられる。被害者は千人を超え、その時ボーダーに助けられ、ボーダーの基地が出来た。このままいくと空閑がまた口を滑らせそうなので、一旦連れ出す。
修「空閑、ちょっといいか」
遊真「いいよ」
修「ちょっと来てくれ」
遊真「分かったオサム」
僕達は、校舎と体育館の間まで移動して来た。
遊真「どうしたのオサム?」
修「このままいくとまたお前が口を滑らせそうだったんだよ」
遊真「信用ないな」
修「前科があるのをもう忘れたのか?」
遊真「·····でも、ここだとボーダーは英雄みたいな扱いを受けてるけど何で隠すんだ?」
修「バレると色々めんどくさいんだ」
遊真「····ふむ?」
そんな時、直ぐ近くからバチバチッ!という音と共に門が開く。1箇所じゃない。よりによって、校舎の更に近くにもう1個開く。モールモッドが5体か。とりあえず、戦闘体に換装し、レイガストを展開。スラスターで、僕達の直ぐ近くから出てきた奴2体を真っ二つにする。
遊真「おおー!凄いなオサム!」
修「空閑は他の生徒に混じって避難しろ!レプリカは絶対出るな!」
遊真「ふむ。分かった」
修「あと、3体だ。早く行け!」
遊真「了解」
僕は校舎に入り、2階を目指す。3体とも2階に侵入しようとした。階段をかけ登った所で、窓から侵入しそうだった1体をアステロイドで沈黙させる。
修「何してる!早く行け!」
呆然としている、生徒達を強引に急かして、上に向かわせる。近い方のモールモッドを倒しに教室に入ると、生徒の何人かが逃げ遅れていた。弾速重視のアステロイドでこちらに向かせる。こちらを向いた瞬間にアステロイドで心臓部を撃ち抜き沈黙させる。
修「早く逃げろ!」
あと、1体だ。僕は廊下に出て最後の1体と対峙する。ブレードを2本振ってくるが捻って躱し、2本とも切り落とす。
修「スラスター、ON!」
スラスターで突撃し、心臓部を切り裂く。
遊真「オサム凄いな」
修「何でここに居るんだ」
遊真「いやちょっとオサムがどれくらい強いか見たくて」
修「なら見ただろ。もう戻れ」
遊真「ちょっといい案があって········」
修「·····分かった。あまり、気乗りしないけどそれでいこう」
修『本部、こちらB級の三雲。三門第三中にてモールモッド5体撃破。回収班をお願いします』
『了解しました。ご苦労さまです。現在、嵐山隊がそちらに向かっています。彼等との合流を』
修『了解』
とりあえず、皆の所へ行くか。
空閑を肩に担いで皆の所へ行くと、僕は皆に囲まれて「助かったよ」とか「凄いね!」とか「ボーダーだったんだね!」とか矢継ぎ早に言われた。それをのらりくらりと躱した。皆から離れると、空閑が話し掛けてくる。
遊真「オサム凄いな。モールモッド5体をあの短時間で倒すなんて」
いや、心の中でお前も出来るだろ。と呟く。
修「それより、嵐山隊が来る。絶対に噛みつかないでくれよ」
遊真「へーい」
そこに、赤い隊服を来た、嵐山隊の3人が飛び出して来て、校門の前で着地した。
嵐山「もう終わっているのか?····どういう事だ?」
空閑、頼むから嵐山隊、特にあの木虎に噛みつかないでくれよ·····
八幡達は、有吾が死ぬ国の1つ前は、アフトクラトルに居ました。第二次大規模侵攻の遠征メンバーは全員知り合い。という設定。