やはり俺達が世界の銃爪を引くのは間違っていない   作:シャルルヤ·ハプティズム

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何番煎じかも、分からない今回の話


20話:彼は彼で問題を抱え込む。

 

う~ん。想像はしてたけど、嵐山隊が来て周りを一気にざわつき出したな。

 

遊真「あのアラシヤマ隊?もボーダーなのか?」

 

修「ああ、昨日話した街の安全が第一の派閥の部隊だ。下手に手を出すと面倒なんだから頼むぞ」

 

遊真「····わ、分かった」

 

修「本当に大丈夫なんだよな····」

 

小声で空閑と話している時に嵐山さんは先生に安否の確認をしていた。どうやら、全員無事なようだ。嵐山さんはほっとしているようだ。そして、僕が倒したモールモッドに目を向けた。

 

嵐山「凄いな。心臓部を的確に撃ち抜いている」

 

その時、嵐山さんがこっちを見てきた。そして、顔を明るくする。

 

嵐山「君がこれをやってくれたのか!」

 

嵐山さんは、僕の両肩を掴んで揺さぶってくる。僕は戦闘体の換装を解いていたので、かなりキツい。

 

修「い、いえ·····目の前に突然現れたので、増援を待っていたら、死傷者が出てしまうかもしれなかったので独断で排除に向かいました。勝手に動いて申し訳ありません」

 

僕は頭を下げる。実際に勝手に行動したのだ。普通なら、避難を優先して増援を待つ方がいいのだ。

 

嵐山「とんでもない!頭を上げてくれ。君が居なかったら犠牲者が出ていたかもしれないんだ。うちの弟と妹はこの学校に通っていてね」

 

そう言うと、嵐山さんは弟と妹であろう2人に駆け寄り抱きついた。そういえば、兄さんがあの人は俺に負けないくらいのシスコン、ついでにブラコンって言ってたっけ。

 

遊真「ふむ。なかなかいい奴だなアラシヤマ」

 

修「ああ。嵐山隊はボーダーでも優秀な部隊で、ボーダーの顔として、広報をしていたりとボーダーの顔でもあるんだ」

 

空閑とそんな話をしていると、何だかよく分からないが、木虎が僕を睨んできた。ライバル視されているようだな。まぁ、普通ならB級上がりたてでモールモッド5体とか無理だもんな。

 

嵐山「ふぅ····にしても凄いな。藍、お前なら出来るか?」

 

嵐山さんが、僕が仕留めたモールモッドを見ながら言ってくる。何で今そんなこと言うんだ····

 

木虎「出来ますけど」

 

モールモッドをスコーピオンでバラバラにして、こっちを睨みつつ言う。まぁまぁやるな。

 

木虎「······先程入った報告によると、彼は、近界民を5体討伐したようですが、B級に上がりたての未熟な隊員がこの量に挑むのは、些か無謀だと思います。それに、彼は戦闘前に何も報告をしていない。今回のような場合、余計に動かずに我々の到着を待つべきです。彼には多少なりとも処罰を下すべきです」

 

まぁ傍から見ればそうなるけど、木虎に勝てるかって言われたら1000対0で勝てると思うんだけどなぁ······

今そんなこと言うと更にややこしくなるから言わないけど。木虎の言う事も正しいけど、生徒達の中には殺されかけた人も居る。避難誘導とかだけだと、絶対に間に合わない。それに、戦闘前に報告なんてしていられない。この発言を聞く限りだと、本当に忍田派なのか怪しくなってくるな·····自隊の隊長が僕を褒めているのが気に食わないだけだろう。ぶっちゃけ、凄いどうでもいい。そこに、空閑が爆弾を落とした。

 

遊真「····お前、遅れてきたのに何でそんな偉そうなの?」

 

木虎は意表を突かれたようで、驚いた顔を見せる。ああもう、口出すなって言ったのに····

 

木虎「誰あなた」

 

遊真「オサムに助けられた人間だよ」

 

修「おい空閑!」

 

遊真「ニホンだと、人助けにも誰かの許可がいるのか?」

 

木虎「いいえ、必要ないわ。トリガーを使わなければだけどね」

 

ここで、空閑がさっきとは比べ物にならないくらいの爆弾を投下した。

 

遊真「····何言ってんだ?トリガーは元々近界民のものだろ?お待ちは一々近界民に許可取ってトリガーを使ってんのか?」

·····これはまずい。トリガーの技術が、向こうの世界の物なんて知ってる民間人は普通居ない。

 

木虎「なっ!····あなた、ボーダーの活動を否定する気!?」

 

やってること自体は、向こうの世界と同じだけど。

 

遊真「ていうかお前、オサムが褒められてるのが気に食わないだけだろ」

 

ハァ···言っちゃったよ。しかも、木虎は後ずさりしちゃうから、尚更事実だって認めてるようなものだな。

 

木虎「ウッ·····組織には守らなければならない規律っていうものがあるのよ!」

 

何か、城戸さんみたいなこと言ってる。

 

遊真「ふ〜ん。····お前、つまんない嘘つくね」

 

なるほど。これではっきりしたな。黒トリガーで生命を繋がれた者は、黒トリガーを作った者のサイドエフェクトを受け継ぐのか。これは、他にもありそうだな。空閑は有吾さんの嘘を見抜くサイドエフェクトを受け継いだんだな。

にしても、よく気づかれないな。空閑がさっき言ったこと。普通なら怪しいを通り越しててもおかしくないんだけど。でも、三輪隊はおかしいと思ってるだろうし、嵐山さん達も不自然に思ってるかもしれない。

 

時枝「ハイハイそこまで。三雲君の処分を決めるのは僕達じゃない。ですよね?嵐山さん」

 

嵐山「ああ。充の言う通りだ。三雲君は、放課後、本部に来てくれ」

 

修「分かりました」

 

どうしようか。どんどん身動きが取れなくなってきてる。後で、迅さんに相談してみるか。

少なくとも、三輪隊が空閑に襲撃するのは確実だ。そうなると、城戸さんが絶対に動くんだよなぁ。

 

 

 

その後、質問責めにあったりもしたが、のらりくらり躱して放課後になった。周りは先に帰っており、僕達も帰るところだ。僕は本部行くけど。

 

修「空閑、頼むからボーダーの隊員に噛みつかないでくれ」

 

遊真「あの女がやたら偉そうだったからついな。俺はああいう大したことしてない癖に偉そうな奴が大っ嫌いなんだ」

 

修「それはそうとして。トリガーが、向こうの世界の技術だってことはボーダーでも大半はぼんやりとしか知らないんだ。お前が近界民だってバレるぞ」

 

遊真「う〜ん。難しいな」

 

修「そこを頼むよ。今は結構面倒な時期なんだ」

 

遊真「仕方ないな」

 

修「やっと分かってくれた····僕はこれから本部に行く。一応報告しなきゃいけないからな」

 

僕達が校舎の外に出ると、校門の辺りに人集りが出来ていた。そして、中心には何故か木虎が居た。どうやら、皆はテレビに出てるような有名人の木虎を前にして、写真を撮っていいかとか、聞いている。木虎は口では拒否してる癖に、カメラを向けられるとポージングをとっていた。何でいるのかは分からないが、僕は本部に行かなければいけないので放っておこう。

 

修「空閑、僕は本部に行くけどお前はどうする?」

 

遊真「どうしようかね」

 

修「問題を起こさないでくれよ」

 

遊真「分かってるって。途中までついて行くよ」

 

修「そうか」

 

遊真「いいのか?あれ」

 

空閑が木虎を指差しながら言ってくる。が、構うようなことではないと思う。

 

修「······まぁいいだろ」

 

遊真「そうか」

 

修「なら行こう」

 

校門から出ようというところで、こっちに木虎が気付き、慌てた様子で取り繕っている。

 

木虎「待ちなさい。コホン····改めて、A級5位嵐山隊の木虎よ。あなたを本部に連行します。勘違いしないで欲しいけど、あなたをエスコートしに来たわけじゃないわ。あなたが逃げないよう見張りに来たのよ!」

 

修「いや、逃げるの意味が分からないんだけど」

 

というか、エスコートしてくれるなら桐絵がいい。こいつがエスコートしたなんて知れたら、桐絵に殺される。

 

木虎「簡単に独断先行する人間の言葉が理解出来る?もう少し自分の立場に理解しなさい」

 

本当にめんどくさい。何でここまで僕をライバル視するんだ?こいつは兄さんの弟子だって聞いたけど、兄さんには他にも弟子がいるだろうから、ライバル視するんならそっちでやって欲しい。

 

 

 

 

······今日の近界民、的確に心臓部が撃ち抜かれていた。他にも、真っ二つにされていたり·····とおそらく、一撃で仕留められている。1人で、戦闘用の近界民5体を倒すなんて、私がB級の時に出来た?

しかも、私と同い年。まさか、私より優秀?そんな筈はないわ!私はA級隊員。私のが上よ!

 

 

 

 

何か、考え込んでいるがどうせ私がこんなしがないB級に劣っている筈がないとかそんな程度のことだろう。···にしても、A級ね。全員がこうな筈ないと思うが、こいつは思ったほどたいしたことじゃなかったな。まぁいいや。こいつとはそこまで関わらなそうだし。

 

木虎「三雲君。あなた、派手に活躍してヒーロー扱いされたからって調子に乗らないことね」

 

修「いや何で乗るんだよ」

 

これで調子に乗るようなら、戦闘に参加しない方がいいまであるぞ。そもそも、調子に乗るなんて三流未満じゃないか。僕や兄さんは昔、調子乗ってて死にかけたことがあるから、そんなこと二度としないし。あの時、2人揃って正座させられて、説教されたな。義姉さんに。父さんは笑って見ていたな。イライラが限界まで行ったことを覚えている。今思い出してもイライラするなあの顔。

 

木虎「はっきり言って、あなたがいなくても私達の隊が事態を収拾していたわ。あなたは偶然その場にいただけよ」

 

そこに、今まで黙っていた空閑が反論する。

 

遊真「いやいや無理だから。別に責めるわけじゃないけど、お前全然間に合ってなかったから」

 

木虎「いつの間に!?····何であなたがついてきているの」

 

遊真「いや、俺じゃなくてお前がついてきたんだ。それに、アラシヤマ隊を待っていたら何人も死人が出てたぞ」

 

木虎「それでも、私達を待つべきだったわ」

 

遊真「お前、オサムに対抗心だかなんだか持ってるっぽいけど、お前とオサムじゃ話にならないから」

 

まぁそうだな。かなり傲慢になってるけど、向こうの世界なら一瞬で死んでるな。ていうか、A級じゃなくても強い人いるし。木虎くらいなら、両目塞いでも勝てる。

 

木虎「なっ!?私はA級よ!」

 

遊真「A級って何?」

 

木虎「A級っていうのは、ボーダーにいる400人近くのC級の訓練生の上の100人いるB級の正隊員の上にいる、上位5パーセントの精鋭よ」

 

遊真「ふーん?」

 

まぁこれまでの口ぶりからだと、木虎が強そうに見えないのも仕方がない。人を見かけと口ぶりだけで判断するのは間違いだが。今回の件はどうせラッドだろうけど、知らない体で聞いてみるか。

 

修「そういえば、今日の近界民は何だったんだ?本部基地には誘導装置がある筈だろ?」

 

そう言ったら、何故か木虎が勝ち誇った顔をしてきた。実際は原因を知っているので思うところがあるが、知らないと思われているだろう。

 

遊真「そういえば、そうだな。本当なら基地の周りにしか出ない筈なんだろ?」

 

木虎「B級に上がって間もないあなたには知りえない情報ね。でも、悪いけど部外者がいるから話せないわね」

 

遊真「俺は部外者じゃない。被害者だ」

 

それ結局部外者だと思うんだが。

 

木虎「なら、仕方ないわね」

 

納得しちゃうのかよ。大丈夫かこいつ。

 

木虎「どうやら基地の誘導装置が効かないイレギュラーな門が発生しているようなの。これまでにも6件、似たような報告があったわ。全部非番の隊員が近くにあるいたお陰で対処出来ているし、被害も未然に防いでいるけど」

 

これで、ラッドが原因で決まりだな。お陰ってのは、間違いだが。非番の隊員がいたから門が発生したんだ。そんな時、空からバチバチッ!という凄い音が聞こえた。出てきたのは、イルガーか。結構珍しいな。時期的に、アフトクラトルの尖兵の可能性が出てきた。やはり、アフトクラトルは今回の接近で攻めて来るかもしれない。

 

木虎「何この近界民!こんなの見たことないわ!」

 

そうだろうな。イルガー使うところは少ないし。こちらに送り込まれたのは初めてなんだろう。

 

木虎「クッ···他の部隊は待っていられないわね。私がやるわ!」

 

修「初めて見る近界民なんだろ!?大丈夫なのか?」

 

木虎「私はA級よ!三雲君は市民の避難をお願い!」

 

そう言って、木虎は走って行ってしまった。仕方ない。ここは空閑に頼もう。

 

修「空閑、お前は木虎の手助けをしてくれ。木虎はイルガーを初めて見たんだ。イルガーの自爆モードに対応出来ない」

 

遊真「なかなか面倒だな。それに、キトラがやるって言ってんだから任せとけばいいだろ?」

 

修「いや。あいつは間違いなくイルガーの自爆モードを起動させる。あいつじゃ対処出来ない。だから、自爆モードに入ったら、川に引き摺り落とす感じで出来ないか?」

 

そこに、レプリカが出て来る。

 

レプリカ『可能だ。『鎖』印(チェイン)を使えばオサムが言うように出来る』

 

修「それで十分だ。悪いが、僕は市民の避難誘導に当たる。さっきとは矛盾なことを言ってるのは分かってるが頼む」

 

そこに、レプリカが小さな物を渡してきた。

 

レプリカ『持っていけオサム。私の分身だこれで、私達と連絡が取れる』

 

遊真「困った時は呼べよ。まぁ心配ないだろうけど」

 

修「ああ。頼んだぞ」

 

僕は、全力で市街地に向かった。

 

 

 

 

 

僕は避難誘導をしている。イルガーの爆撃で既に結構な被害が出ており、市民は大混乱だ。小さな子を瓦礫の下から助け出したり、道を塞いでいた、鉄骨や瓦礫を撤去した。あらかた避難が出来ると、市民から次の場所に関する情報を貰って、次へ向かう。避難指示を出して。

そこで、外を見ると、やはりと言うべきか、イルガーが自爆モードを起動していた。その時、木虎から見えない位置に下から鎖が伸びてきて、イルガーが下に引き摺り落とされた。木虎は川から出て来て、トリオン体に入った水を吐いていた。言った通りに空閑がやってくれたようだ。周りの市民から離れて、ちびレプリカで連絡を取る。

 

修『空閑、助かったよ』

 

遊真『何、オサムの頼みだからな。それにしても、やっぱりオサムは面倒見の鬼だな』

 

修『何だそれ。····ああ悪い。一旦切る』

 

遊真『ああ。また後で』

 

そこで、市民に囲まれた。口々に助かったと言う。でも、僕は避難誘導しかしていない。そこで、木虎が見えたので彼女がやってくれたと言った。人の手柄までは流石に要らないから。

 

 

 

 

 

遊真「ほらな。言っただろ?お前とオサムじゃ話にならないって。お前とオサムは見てるところが全然違うんだよ」

 

木虎「確かに、ヒーロー気取りの隊員ではなさそうね」

 

そして、キトラはオサム達の周りで建物が壊されたとか騒いでいる奴等の所に向かって行った。イレギュラー門に関してはオサムがどこまで知ってるか分かんないけど、キトラには多分どうしようもないだろうな。あとは、ボーダーのお手並み拝見だな。

 

_______________________

 

 

迅「ハイハイもしもし」

 

『俺だ。片付いたか?』

 

迅「こっちは終わりました。向こうのチームも終わるでしょう」

 

『よし、お前は本部に直行しろ。城戸さんのお呼びだ』

 

迅「ほう、本部司令直々とはね···この実力派エリートをお呼びとは。迅、了解」

 

_______________________

 

 

『トリガーを認証しました』

 

遊真「ふむ。トリガーが基地の入口の鍵になってるのか」

 

木虎「そうよ。ここから先はボーダー隊員しか入れないわ」

 

遊真「なら、俺はここまでだな。何かあったら連絡くれ」

 

修「分かった」

 

そうして、空閑は帰って行った。一応、僕の制服の内ポケットにちびレプリカが入っている。木虎に会議室に案内され、そこで、木虎とも別れる。

 

修「失礼します」

 

会議室には、上層部の面々が揃っていた。兄さんも居たが、知らない振り。兄さん····会議中に欠伸するのはどうかと思うよ·····

 

城戸「よく来たな·····」

 

忍田「実際に会うのは何年ぶりだ?」

 

林藤さんとは、時々会ってたが、城戸さんと忍田さんは本当に久しぶりだ。

 

根付「お二方のお知り合いですか?」

 

鬼怒田「如何にもひょろっとしたメガネだが」

 

城戸「彼は、三雲修。現ボーダーに入隊したのは、半年程前だが、旧ボーダーに所属していた。幼少の頃を近界で過ごしており、通常トリガーでも近界全体で屈指と言える程の実力者だ。今回の一件も彼なら納得がいく。

私の方から紹介しておこう。向かって奥から、根付栄蔵メディア対策室長、鬼怒田本吉本部開発室長、唐沢克己外務·営業部長だ。3人は現在の体制のボーダーになってからスカウトした。」

 

忍田「修、我々は君を処罰するつもりは無い。だから、気を楽にして今回の一件の報告をして欲しい。学校の件と新型の件だ」

 

修「分かりました」

 

それから、今までの事について報告した。空閑については細心の注意を払い、一切話さなかった。新型トリオン兵·イルガーについても。イルガーは、爆撃を主とし、攻撃を受けると、自爆モードを起動して、なるべく人が多い所に向けて突っ込む。自爆モードは、弱い攻撃だと一切通用しなくなる。

 

忍田「·····なるほど。だが、何故、それは今まで使われなかったんだ?こちらの戦力を分散するならうってつけの筈だが」

 

修「あれは、一体作るのに使うトリオンが他よりかなり多いんです。だから、使う国もかなり少ない筈です」

 

忍田「なら、どこが使ってくるんだ?」

 

修「接近している国で言うなら、アフトクラトルですかね。近界全体でも有数の軍事国家で、他の国から、神の国なんて呼ばれています。あそこは兵力がこちらより圧倒的に多いです」

 

城戸「そのアフトクラトルというのは、また後日聞かせて貰おう。今は、イレギュラー門が先だ」

 

そこで、入口が開いた。2人の人物が入ってくる。片方は迅さん。もう片方は女性だが誰だろうか。

 

迅「迅悠一。ただ今参上しました」

 

僕については、2人とも特に触れて来ない。

 

城戸「···では、迅が来たので本題に入る。議題は報告にもあったイレギュラー門だ。根付メディア対策室長」

 

根付「今回の爆撃による被害は、分かっている限り、18人が死亡、重軽傷者が合計で100人超え。被害総額も相当な額となっている筈です。被害総額は現在、算出中です」

 

城戸「ご苦労。では次、鬼怒田本部開発室長」

 

鬼怒田「現在、発生する門をトリオン障壁で強制封鎖していますが、あと46時間程しか持ちません」

 

だから、早急に解決するために迅さんを呼んだんだな。そこに、城戸さんが僕に聞いてきた。

 

城戸「修、お前なら原因に心当たりがあるのでないか?」

 

修「·····まぁ一応。おそらく、門発生用の小型トリオン兵、ラッドではないかと」

 

城戸「続けてくれ」

 

修「今日木虎から聞いた話によると、他の同様な6件は全部非番の隊員が近くにいたそうですね」

 

忍田「それがどうかしたのか?」

 

修「ラッドっていうのは、周りの人間からトリオンを少しずつ集めて門を発生させるんです。6件とも公共施設みたいな人が大勢いる所だったんではないですか?」

 

忍田「そうだ」

 

修「だからです。隊員以外にも人が大勢いた方が、トリオンを集めるのは早いですし、人がいるなら、そっちに捕獲型を仕向ける方が大勢攫えます」

 

鬼怒田「なら、それで決まりではないのか!」

 

修「いいえ。今まで僕が言ったのは状況証拠からの推測です。迅さんが調査するべきです」

 

城戸「分かった。迅、調査続行だ。修は迅について行ってくれ。知識のあるお前がいれば調査が進めやすい」

 

迅「了解しました」

 

修「分かりました」

 

城戸「では下がってくれ」

 

修「はい。失礼します」

 

そこで、今までずっと黙っていた三輪先輩が話掛けてきた。

 

三輪「三雲君ちょっといいか?」

 

修「はい。えっと····」

 

三輪「A級三輪隊の三輪秀次だ。」

 

流石に現場検証を遠くから見ていたのは気付いていないだろう。

 

三輪「昨日警戒区域内で倒されていた4体の大型近界民。3体は急所を撃ち抜かれていて、1体はバラバラにされていた。全て君がやったのかな?」

 

ハァ·····出来れば兄さんに迷惑を掛けたくないんだけどなぁ。さっきだって、三輪先輩が僕に話し掛けてきた時、周りにバレないようにため息ついてたし。

 

修「····はい。全て、僕がやりました」

 

三輪「そうか。ならいい。変な質問をして済まなかった」

 

修「いいえ。ではこれで失礼します」

 

 

 

 

修が退室してすぐ。

 

鬼怒田「そうだ、八幡。材木座が呼んでおったぞ。シールドの改良型をテストして欲しいと」

 

八幡「やべ、忘れてた」

 

鬼怒田「早う行け。いいですね、城戸司令」

 

城戸「ああ。比企谷は下がってくれて構わない」

 

八幡「そっすか。じゃあこれで失礼しますね」

 

八幡も会議室を出て行った。

 

 

 

 

 

三輪「城戸司令、うちの隊で三雲を見張らせてください。奴には近界民と接触している疑いがあります」

 

城戸「ほう。何故だ?」

 

三輪「今日学校で回収したモールモッドは全て三雲のトリガーで倒されていますが、昨日警戒区域で回収したバムスターの中に1体だけ、ボーダーの物ではないトリガーが使われていました」

 

城戸「なのに····彼が全部倒したと言っているということだな」

 

三輪「はい。証拠は直ぐに上がるでしょう」

 

城戸「なるほど。任せよう」

 

三輪「もし、近界民が実際に絡んでいた場合は」

 

城戸「決まっている、始末したまえ」

 

三輪「承知しました」

 

城戸「ただし、修には気を付けろ。奴はバレていることなど百も承知だろう。証拠が直ぐに上がるようであれば罠の可能性がある。警戒したまえ」

 

三輪「了解しました」

 

物語は加速を始める·······

 

 






迅と話していたのは、嵐山か風間さんを想定してます。
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