やはり俺達が世界の銃爪を引くのは間違っていない   作:シャルルヤ·ハプティズム

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22話:彼等は彼女のためにチームを組む。

 

遊真「····俺が、ボーダーに?」

 

迅「おっと、さっきの三輪隊みたいな考えの本部じゃない。うちの支部に来ないか?っていう話だ。うちの隊員は向こうの世界に行ったことのある奴も多いし、向こうの世界にいいヤツが居ることも知ってる」

 

遊真「う〜ん·····オサムとチカが一緒ならいいよ」

 

迅「決まりだな」

 

僕達は4人で玉狛に移動することにした。

 

 

 

 

遊真「おおおっ!川の真ん中に建物が!」

 

迅「ここは、元々川の水質を調査する施設だったんだ。だけど、使われなくなったからボーダーが買い取って基地にしたらしい。いいだろ?」

 

迅さんはそう言って端末を出す。

 

修「今は誰が居るんですか?」ヒソヒソ

 

迅「今居るのは、宇佐美と陽太郎と雷神丸だ。ただ、もう少しすると、ボスが帰って来る」ヒソヒソ

 

千佳「2人とも何の話してるんですか?」

 

迅「いやぁ?何でもないよ?」

 

遊真「???」

 

そう言って、迅さんは入口を開ける。

 

迅「おっ、陽太郎。今誰か居る?」

 

陽太郎5歳だっけ?デカくなったな。いつも、陽太郎が居ないか寝てる時にしか来てないから、ボーダーを一旦抜けてから会ってなかった。

 

陽太郎「しんいりか?」

 

迅「こ~ら陽太郎」

 

それに、迅さんがチョップを入れる。そこで、女の人が出てきた。この人が宇佐美さんか。

 

宇佐美「あれっ?お客さん?お菓子ないかも····待って待って!やばいやばいちょっと待って!」

 

早口で捲し立てた後宇佐美さんは、バタバタ走って行った。直ぐに戻ってきて、僕達は案内された。

 

宇佐美「どら焼きしか無かったけど、これいいとこのどら焼きだから食べて食べて。アタシは宇佐美栞。よろしくね!」

 

修「(これ、この前桐絵が買ってきたやつの気がするけど、食べて大丈夫かな·····)」

 

遊真「これはこれは立派なものを」

 

千佳「いただきます」

 

そこで、陽太郎が空閑のどら焼きを取ろうとした。陽太郎は宇佐美さんから叱られ、空閑からチョップを貰った。

 

千佳「よかったらどうぞ」

 

不憫に思ったのか、千佳が自分のどら焼きを陽太郎に差し出した。そこで、陽太郎が

 

陽太郎「きみかわいいね。オレとけっこんしない?けっこんしたら、らいじんまるのおなかさわりほうだいだよ」

 

プロポーズした。しかし、陽太郎があまり言う事を聞いて貰えていない。飼い主が一番舐められている。そこで、半泣きの陽太郎に代わり、空閑が雷神丸を軽く啄くと雷神丸はあっさり倒れた。

 

千佳「何だか·······想像していたのとは違って皆仲がいいですね」

 

宇佐美さんが自信を持って言う。

 

宇佐美「そうだね。うちはスタッフが全員で10人だけの、ちっちゃい基地だからね〜。でも、はっきり言って強いよ」

 

·····特に桐絵は、僕が基本的に教えていたのだ。強くない筈がない。それは、確信しているし、彼女の強さに誇りを持っている。

 

宇佐美「うちの防衛隊員は迅さん以外に3人しかいないけど、皆A級の少数精鋭の実力派集団なのだ!」

 

この人迅さんの影響受けてないか?だが、宇佐美さんの言っていることは、言い得て妙と言えなくもない。実際にそれが、玉狛が城戸さんから見逃されてきた理由だからだ。実際は比企谷隊の影響で強く出られないからかもしれないけど。

しかし、空閑遊真という黒トリガー持ちの近界民が玉狛に入る。黒トリガーと、近界民という玉狛に介入する格好の言い分が手に入る。城戸さんはここを見逃したりしない。いつ来る?····三輪隊との戦闘で、空閑の黒トリガーが学習型なのは、バレている。ならば、早いうちに奪取する。城戸さんならそう考える筈だ。空閑が入ったなら、直ぐに刺客を差し向けてくる。僕は空閑達と一緒に居ることになったので、兄さんと迅さんに任せよう。

千佳が宇佐美さんに、向こうの世界に行ったことがあるかと、聞いていた。宇佐美さんは1回だけあると返した。遠征部隊の何処かに居たのだろう。やはり、千佳は向こうに行きたいだろう。しかし、今行っても、奴隷として何処かに売られるか、最悪母トリガーの生贄にされかねない。

 

修「千佳、急いでも仕方がない。ボーダーに入ってもいないお前じゃ、話にならない」

 

宇佐美「およ?修君も向こうに行ったことがあるの?」

 

修「·····さぁ、どうでしょうね?」

 

とりあえず濁しておこう。

 

宇佐美「····うん?」

 

そこに、林藤さんの所に行っていた迅さんが戻って来た。

 

迅「よう、3人とも。今日は親御さんに連絡して、うちに泊まってけ。ここなら、本部は直接介入出来ないし、空き部屋もたくさんある。宇佐美、案内してやって」

 

宇佐美「アイアイサ~」

 

迅「修と遊真はちょっと来てくれ。うちのボスが会いたがってる」

 

迅さんの言う通りに、宇佐美さんに千佳を任せ付いていく。迅さんに支部長室に案内される。林藤さんここに居たのか。

 

林藤「お、来たか。お前が有吾さんの息子さんか。初めまして」

 

遊真「どうもどうも」

 

林藤「お前のことは、迅と修から聞いている。うちは、お前を捕まえようだなんて考えてないよ。一つ聞きたいんだけど、お前の会いに来た知り合いってのは誰だ?」

 

遊真「モガミソウイチ·····親父が言ってた知り合いの名前はモガミソウイチだよ」

 

そこで、林藤さんが最上さんについて少し話した。そして、迅さんが持っていた風刃を机の上に置いた。

 

修「·····それが、最上さんだ···」

 

遊真「オサムはそのモガミさん、の知り合いなの?」

 

修「少しな····」

 

林藤「最上さんは、5年前にこの黒トリガーの風刃を残して亡くなったんだ」

 

空閑は、風刃に触れる。何か、寂しそうな目をしている。やはり···空閑は、有吾さんを生き返らすためにこちらに来たのだろう。しかし、ここでも黒トリガーから人間を元に戻すことが出来ないことが分かってしまった。

 

遊真「そうか····このトリガーが·······」

 

林藤「·····最上さんが生きていれば、間違いなくお前を庇っただろうし、有吾さんに恩もある。ここなら、お前を大っぴらに庇える。どうだ?うちに入らないか?」

 

これが、今出来る精一杯のことだ。しかし、空閑はこれを断った。そして、空閑は出て行った。迅さんもそれに付いていく。

 

修「···多分、空閑は有吾さんを生き返らすために来たんですよ。レプリカは、空閑の生身を治療するためでしょうけど」

 

林藤「そうか···」

 

そして、僕も支部長室から退室した。部屋に行くと、レプリカから、空閑の昔の話を聞いた。

 

 

 

 

修「······そうだったのか。僕達がカルワリアを出た直後に有吾さんは···」

 

レプリカ『私はユーマの肉体を元に戻すために来たが、ユーマは違う』

 

修「ああ···有吾さんを生き返らすためだろ?」

 

レプリカ『そうだ』

 

にしても、空閑にはもう生きている目的がない。今までの話を聞く限り、特定の趣味があったわけでも、他に大切な人がいるわけでもない。

 

レプリカ『···オサム。ユーマに生きる目的を与えて欲しい。今のユーマには、生きる目的がない』

 

修「···分かった。ダメ元で一つやってみよう」

 

レプリカ『オサム、感謝する』

 

修「別にいい。とりあえず、空閑の所に行こう」

 

レプリカ『承知した』

 

 

 

 

 

 

迅「·····お前、これからどうするつもりなんだ?」

 

遊真「そうだな〜。親父の故郷だけど、こっちだと肩身が狭いし、向こうに帰るよ。俺がこっちにいる理由もなくなった。これ以上こっちにいてもゴタゴタが増えるだけだし」

 

迅「······そうか····」

 

遊真「·······でも、この何日かは面白かったな。久々に楽しめた」

 

迅「そっか。なら、これからもきっと楽しいことはいっぱいあるよ。お前の人生には」

 

 

 

 

 

 

 

部屋からでて歩いていたところで、宇佐美さんから声をかけられた。そのまま一緒について行くと、千佳がボーダーに入りたいと言ってきた。どうやら、宇佐美さんが千佳も、迅さんにスカウトされたと思ったらしい。だが、こちらとしては好都合だ。千佳ならボーダーには、100%入れる。千佳が自衛の手段を持つなら、麟児さんの心配もかなり減る。

 

修「······そうか。やっとその気になってくれたか····」

 

千佳「···うん。ボーダーに入れば、兄さんと青葉ちゃんを探しに行くことが出来る」

 

修「····分かった。お前に力を貸す。だけど一つだけ言っておくことがある」

 

千佳「言っておくこと?」

 

修「·····麟児さんは探しに行かない」

 

千佳「!?修君····何言ってるの?」

 

修「お前にはボーダーに入ったら言おうと思って、ずっと言ってなかったことがある。麟児さんは、攫われたわけじゃない。自分の意思で向こうに行った」

 

千佳「どういう事!?····それにどうやって?」

 

宇佐美「何か、修君妙に詳しいね」

 

今までの発言から、怪しまれるのは当然だろう。

 

修「今は言えません。言ったら千佳、お前は行こうとするだろ?今のお前が行ったって、よくて捕虜。悪ければ殺される」

 

千佳「そんな······」

 

修「·····千佳、ちょっと来てくれ。」

 

千佳「う、うん····」

 

僕は千佳を連れて、屋上に来た。屋上では、空閑が手摺に腰掛けていた。

 

修「空閑」

 

遊真「?どうしたオサム、チカ?」

 

修「ちょっと話がある···········

 

 

 

 

 

 

だから、僕と千佳に手を貸して欲しい」

 

僕は、空閑に、千佳が友達を助けに行くために遠征部隊に入る手助けをして欲しいと、提案する。

 

遊真「·····オサムは、親父に似てる」

 

修「似てる?有吾さんに?」

 

遊真「親父は·····笑ってた。自分が死ぬっていう時なのに最後まで笑ってた」

 

修「それが何で似てるってなるんだ?」

 

遊真「自分が損をしてでも、人に世話を焼いてるところが。俺は、何で親父が笑ってたのか分からない。会って直接聞きたい。····オサムは何でそんなに人のために動くんだ?」

 

修「僕は、人のためにやってるわけじゃない。自分がこうだと決めたことに従ってるんだ。結局自分のためなんだよ」

 

遊真「なるほど·····オサムらしいな」

 

そう言って、空閑が立ち上がる。

 

遊真「······さて、なら俺も手伝うか。チームを組むってのも面白そうだ」

 

修「決まりだな。それじゃあ、これからよろしく」

 

 

千佳「じゃあ、隊長はどうなるの?」

 

遊真「オサムだな」

 

修「僕?」

 

千佳「そうだね。修君がいいと思う」

 

遊真「俺はそうするべきだと思う」

 

修「そうか·····なら、早速林藤さんの所に行こう」

 

遊真「さっき断ったばっかだから、何か恥ずかしいな」

 

修「大丈夫だ。そんなこと絶対気にしない」

 

僕達は支部長室へ行った。そこには、僕の転属用の書類と、空閑と千佳の入隊用の書類が置いてあった。

迅さんには全部お見通しらしい。

 

遊真「迅さん··この未来が視えてたの?」

 

迅「言ったろ?楽しいことはたくさんあるって」

 

僕達が書いた書類を、林藤さんが整える。

 

林藤「····よし。正式な書類は保護者の書類が揃ってからだが·····支部長として、ボーダーへの参加を歓迎する」

 

僕達を一瞥し、更に言う。

 

林藤「たった今からお前達はチームだ!このチームでA級及び、遠征部隊選抜を目指す!」

 

 

 

 

 

 

 

 

迅「もしもし?」

 

八幡『どうしました?』

 

迅「3人がチームを組んだ。目標は遠征部隊だ。千佳ちゃんの友達を探しに行くらしい」

 

八幡『そうですか。次は俺達の出番ですね』

 

迅「ああ。襲撃は早ければ明日だ」

 

八幡『了解』

 

 

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