やはり俺達が世界の銃爪を引くのは間違っていない   作:シャルルヤ·ハプティズム

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25話:彼は過去を語り、彼は迷う。

八幡『誰が緊急脱出しました?』

 

迅『菊地原だ』

 

八幡『迅さん、この後は思いっきりやっちゃっていいですね?』

 

迅『ほどほどにしといてくれよ〜』

 

嵐山『頼んだぞ比企谷』

 

八幡『とりあえず出水を仕留めます。嵐山さん達は俺の追撃で』

 

嵐山『分かった』

 

時枝『分かりました』

 

 

八幡「バイパー」

 

バイパーを125個に分割して放つ。出水は後退しつつ俺に攻撃してくる。

 

出水「アステロイド!」

 

出水は64個に分割したアステロイドで攻撃してきた。シールドで防いで、スコーピオンを構える。

 

出水「比企谷ってスコーピオンも使えたんだな」

 

八幡「まあな。それよりいいのか?」

 

出水「何が?」

 

八幡「今回は綾辻がこっち側だぞ?」

 

出水「·····し、仕方ないからな。後で、好きなだけ奢る」

 

あ、ちょっと動揺してる。この辺まで考えてなかったのね。

 

八幡「そうかよ。後、動くなよ?」

 

出水「は?何言って·····」スパッ

 

そう言って出水は右腕を前に出したが、出水の右腕は出した通りに切れた。

 

八幡「悪いな。話してる間にお前の身体の中にモールクロー通した。無理に動けばそのまま緊急脱出だ」

 

出水「ハァ!?····しょうがねぇな···ぐあっ!」

 

そう叫び、出水は後ろに跳ぶ。どうやら、体内にシールドを張ったらしい。モールクローを強引に折ったようだ。だが、目に見えて、出水からはトリオンが漏れている。

 

八幡「動くなっつったのに」

 

出水「·······そう言われて動かない奴が何処にいる。相変わらずいやらしいな比企谷」

 

八幡「そうかい。弧月」

 

スコーピオンを消し、再度弧月を出す。出水に斬り掛かろうとした時に狙撃をされた。当真さんか。弧月を後ろに振って、弾を叩き消す。当真さんはイーグレットしか入れてなかった筈だから、弧月でも弾を斬れる。アイビスは無理。

 

出水「無茶苦茶だな比企谷」

 

八幡「褒め言葉だ」

 

その時、2人緊急脱出した。

 

出水「!!」

 

八幡「メテオラ」

 

出水「うおっ!」

 

出水に目眩しでメテオラを放ち、一旦後退する。

 

 

八幡『嵐山さん、誰が緊急脱出しました?』

 

嵐山『充と米屋だ』

 

八幡『分かりました。木虎は?』

 

嵐山『当真を追っている』

 

八幡『分かりました』

 

 

 

一方の出水も内部通信をしている。

 

出水『三輪、緊急脱出したの誰?』

 

三輪『陽介と時枝だ。後、当真さんが木虎に追われてる』

 

出水『そうか。悪いが比企谷の相手で精一杯だわ。一旦合流するか?それとも、太刀川さんの方行くか?』

 

三輪『ああ』

 

出水『わあった』

 

 

 

嵐山『賢、レーダーの制度を10秒だけ上げてくれ』

 

佐鳥『ほいほい~』

 

佐鳥がレーダーの精度を上げる。

 

嵐山『まずいな、迅の方に向かってる』

 

八幡『こっちでも確認出来ました。こっちに引き摺り出しますか?』

 

嵐山『そうだな』

 

八幡「トマホーク」

 

トマホーク125発で、2人の進路を塞ぎつつ、こっちに来させるを得ないように撃つ。

 

 

 

三輪「チッ····比企谷め!」

 

出水「落ち着け三輪。当真さんどうします?」

 

当真『俺は無理そうだ。もう位置がバレてる。比企谷か木虎あたりが首刎ねに来るだろうよ』

 

出水「分かりました。戻るぞ三輪」

 

三輪「·····ああ」

 

2人は合流を諦め、連携して攻撃することにした。

 

 

 

 

出水「嵐山さんだけ?」

 

三輪「おそらく、木虎が当真さんを追っている。比企谷は嵐山さんと連携するつもりだろう」

 

出水「どうする?ここら一帯をメテオラで吹き飛ばすか?」

 

当真『おいおい、警戒区域といえど人の家だぜ?』

 

三輪「とりあえず3人で連携して嵐山さんをやる。比企谷はその後だ」

 

出水「分かった」

 

三輪「いくぞ!」

 

2人は嵐山に奇襲を掛ける。出水がメテオラで目眩しをし、三輪が鉛弾で嵐山の機動力を削ぐ。2人は止めとばかりに攻撃を仕掛ける。が、突然三輪の右腕が飛んだ。嵐山はテレポーターで距離を取る。その直後、当真が木虎の脚ブレードで緊急脱出した。

 

三輪「なっ!?」

 

出水「そうだ、比企谷ってライトニング入れてたんだ」

 

三輪「チッ·······当真さんもやられた。出水、嵐山さんだけでもやるぞ」

 

出水「ああ」

 

2人は再び嵐山に攻撃を仕掛ける。テレポーターがあるとはいえ、足に鉛弾を食らった嵐山は攻撃を完全には捌けず、徐々にダメージが増える。嵐山は鉛弾を食らった右足を切り落とし、後退する。出水と三輪は、嵐山に止めを刺そうとする。ところが、突如として、2人の動きが止まった。八幡が、2人の体にシールドを拘束具の様に巻き付けたのだ。

 

八幡「シールドだ。悪いな」

 

そこに、木虎が戻って来た。

 

木虎「比企谷先輩、お疲れ様でした」

 

八幡「おお、お疲れ様」

 

三輪「比企谷っ!」

 

月見『三輪君、作戦終了よ』

 

三輪『蓮さん!?』

 

月見『太刀川君達が緊急脱出したわ』

 

出水『マジで!?6対1で勝ったのかよ!?黒トリガーやべえな!』

 

八幡『蓮さん、太刀川さん達何か言ってましたか?』

 

月見『特には何も言ってなかったと思うわ』

 

八幡『そっすか』

 

三輪「比企谷、嵐山さん、近界民を庇ったことをいずれ後悔する時が来るぞ。お前達は分かってないんだ。家族や友人を殺された人間でなければ、近界民の本当の危険性を理解出来ない。近界民を甘く見ている迅はいつか必ず痛い目を見る。そして、その時には、もう手遅れだ」

 

嵐山「そんなことはないだろう。迅だって近界民に母親を殺されているぞ?」

 

三輪「なっ!?」

 

三輪が目を見開く。

 

八幡「········4年前、大規模侵攻で迅さんは未来視でお前達かお袋さんのどちらかしか助けられないことを知ったらしい。そして、迅さんはお前とお前の姉さんを助けに行った。その後、迅さんはお袋さんも助けに行ったが間に合わなかったらしい。更には、師匠の最上さんは目の前で亡くしている」

 

三輪「そんな····」

 

嵐山「大切な人を失う辛さなら、迅だってよく分かっている筈だ近界民の危険性もよく分かっている。その上で迅には迅の考えがあるんだと思うぞ」

 

三輪は、歯ぎしりをしている。

 

八幡『蓮さん、ここからはオフレコでお願いします』

 

月見『?分かったわ』

 

八幡「少し、昔話をしてやる。皆もこれから話すことは秘密にしてくれ」

 

嵐山「分かった」

 

出水「ああ」

 

木虎「?分かりました」

 

三輪「·······」

 

八幡は頷いて続ける。

 

八幡「もう12年も前のことだ。俺は5歳の時、3歳の弟と共に近界民に攫われ、両親を殺された」

 

三輪「!?」

 

出水「待て待て、まず弟!?」

 

八幡「出水は知らないだろうが·····弟の名は、三雲修。まぁ、名字については気にしなくていい」

 

三輪「なんだと!?」

 

嵐山「彼は比企谷の弟だったのか!?」

 

木虎「彼はいったい···」

 

八幡「続けるぞ。俺は目の前で両親を亡くした後、修とともに近界民に攫われた。だが、幸運なことに、俺達はそこで、比企谷時宗という男に助けられた。······その後、比企谷時宗にありとあらゆる戦闘術を叩き込まれ、向こうの世界の戦争に参加した。陽乃とはその時、潜入任務で敵基地に潜り込んだ時監禁されていた所を救出した。その後、陽乃も戦闘術を叩き込まれた」

 

三輪「··········」

 

それぞれは黙って八幡の話を聞いている。

 

八幡「その後、俺達は向こうで傭兵として戦争に参加していた。だが、俺が11歳の時·····敵の黒トリガーの奇襲を受け、右眼と左腕を失い、俺は死んだ。死ぬ筈だった。·····だが、俺は死ななかった。比企谷時宗が黒トリガーを遺して俺を助けたからだ」

 

出水「だから、片腕だったのか·····」

 

八幡「ああ。その後、俺達は俺の治療も兼ねて、こっちに戻って来た。そして、ボーダーに接触。今に至る。今玉狛にいるお前らが狙ってる奴もだいたいは似たような事情らしいしな」

 

三輪「だからって、何で玉狛につく!」

 

八幡「言っただろ。復讐は何も成さない。俺は、親父が遺した黒トリガーで、奇襲してきた奴ら全員を皆殺しにした。ただ殺したんじゃない。そいつ等が苦しんで死ぬように殺したんだ。その直後、陽乃と修の顔を見た時に気付いた。俺は··········俺が情に流されてやったことは無駄だったってな。もう一つ言っておく。·····向こうの世界に居るのは、人型近界民じゃない。人間だ。俺達となんら変わらない。体の構造も同じだ。地球外から攻めてくるような何処ぞのエイリアンじゃない」

 

三輪「!·····ぅ、ぅぁぁぁぁぁぁあ!」

 

三輪は、地面を思い切り殴る。何度も何度も。彼の行き場のない感情が、一気に流れ出ていくかのようだった。

 

 

_________________________________________

 

 

鬼怒田「いったいどうなっとるんだ!」

 

鬼怒田の怒声が会議室に響く。

 

鬼怒田「迅や嵐山隊、比企谷の妨害!精鋭部隊の潰し合いだと!?忍田本部長!何故玉狛側についた!?何故近界民を守ろうとする!?ボーダーを裏切るつもりか!」

 

ここまで言われては忍田も黙ってはいられない。

 

忍田「裏切るだと!?議論を差し置いて強奪を強行したのはどっちだ!もう一度言おう。私は黒トリガーの強奪には反対だ!ましてや、相手が勇吾さんの息子さんなら····これ以上資格を差し向けるようであるなら、次は私が相手になるぞ、城戸派一党!!!」

 

忍田の剣幕に、鬼怒田や根付は気圧される。忍田は、太刀川の師匠であり、虎という異名を持つ。その忍田に鬼怒田と根付は怯え、唐沢は、如何に懐柔するかを考えていた。だが、城戸は引かない。

 

城戸「·····なるほど。なら、次の刺客には天羽を使おう」

 

鬼怒田「なっ!?」

 

根付「城戸司令、それは····ボーダーのイメージが」

 

城戸「A級トップ部隊を1人で迎撃出来る迅の風刃に、通常トリガーの虎の忍田君。更には比企谷隊まで出て来たとなれば、なりふり構ってはいられまい」

 

忍田「城戸さん、街を滅ぼす気か····!」

 

城戸と忍田は睨み合う。

 

八幡「失礼します」

 

迅「失礼しま〜す」

 

そこに、八幡と迅が乱入した。

 

鬼怒田「なっ、何の用かね迅!八幡!」

 

迅「まぁまぁ落ち着いて鬼怒田さん。俺は交渉しに来たんだ」

 

八幡「俺はただ着いてきただけです」

 

鬼怒田「交渉~?」

 

唐沢「····ほぅ」

 

迅「····こっちの要求はただ一つ。空閑遊真のボーダー入隊を認めてもらいたい。こちらからは風刃を出す」

 

城戸「ボーダー内において、模擬戦を除く隊員同士の戦闘を固く禁ずる。貴様の風刃だけを没収すればいいだけだ」

 

迅「それなら、太刀川さんや風間さんのトリガーも没収しないとね」

 

迅は隊務規定違反を堂々と利用する。太刀川達のトリガーを一緒に没収すれば、これ以上の追手が来ないし、城戸が迅に何もせずにまた刺客を差し向けるようであれば、また風刃で迎撃すればいいだけの話だ。

 

城戸「迅····貴様、何を企んでいる····」

 

城戸は迅を睨む。

 

城戸「この取引は我々のとって有利すぎる。何が狙いだ?」

 

迅「何も企んじゃいないよ。別にボーダーの主権争いに加わるつもりもない。ただ、後輩をあんたら大人達に邪魔されたくないだけだ。それに、うちの後輩達は城戸さんの目的にも一役買うだろう。俺のサイドエフェクトがそう言ってる」

 

城戸「······いいだろう。取引成立だ。黒トリガー、風刃と引換に玉狛支部空閑遊真のボーダーへの入隊を正式に認める。ただ一つ聞きたい。比企谷、君は空閑遊真についてどう思う?」

 

八幡「そうですね·····こちらに牙を向けない限りは何も問題ないでしょう。何かあった場合、俺や修がそいつを始末すればいいでしょうし。まぁ、そうはならないとは思いますよ。修に聞く限り、既に玉狛に馴染んでるらしいですから。迅さんのサイドエフェクトでも必要だって視えたんですよね?」

 

迅「ああ」

 

城戸「·····そうか······」

 

八幡「俺は今日は失礼しますね。じゃあ、迅さんまた今度。そのうち子供2人連れて玉狛行きます」

 

迅「そうか。じゃあな八幡。俺もその子達に会ってみたいな」

 

八幡「じゃあこれで」

 

八幡は先に会議室を出て行った。

 

迅「俺も失礼します」

 

城戸「······」

 

城戸が折れたことによって、黒トリガー争奪戦は幕を閉じた。

 

 

 

 

迅が本部の廊下を歩いていると、太刀川と風間に絡まれている八幡が居た。

 

迅「あれ?八幡帰ったんじゃなかったの?」

 

八幡「この2人に絡まれてたんですよ。迅さん、俺帰りたいんでバトンタッチして下さいよ」

 

太刀川「駄目に決まってんだろ。それより、何で風刃を手放したんだ?」

 

風間「····風刃の価値を引き上げるためだろう?A級トップの部隊複数を相手取り、使えるか分からない玉狛の黒トリガーより、適合者の多い風刃の方が利用価値が高いと上層部に分からせるためだ」

 

迅「ハハハ〜、流石風間さん。大正解。後、俺個人ランク戦復帰するよ。とりあえず個人1位目指すからその時は八幡もよろしく~」

 

八幡「ふぁ〜、う~す」

 

迅「八幡眠そうだね」

 

八幡「今何時だと思ってんですか········(早く帰って、陽乃と、裕夜と柚稀菜を愛でたい)」

 

太刀川「おい!本当か!?」

 

風間「····太刀川···ハァ」

 

八幡「風間さんお疲れ様です。どさくさに紛れて帰ります」

 

風間「ああ。引き止めて悪かったな」

 

八幡「いえ。さよなら」

 

風間「ああ。じゃあな」

 

八幡はそのまま帰って行った。

 

迅「あ、八幡行っちゃった。じゃあね太刀川さん、風間さん」

 

風間「ああ」

 

太刀川「おい、ランク戦は!?」

 

迅「太刀川さん·······それはないでしょ······」

 

風間「太刀川、お前は終わってないレポートを終わらすぞ。いい加減高校生をお前の都合に付き合わせるな。迅、じゃあな」

 

迅「またね風間さん」

 

太刀川「ちょっと待って風間さん!俺の意思は!?」

 

風間「お前の意思など関係ない。行くぞ。徹夜で仕上げろ」

 

太刀川「そんなぁ〜」

 

 

 

 

 

迅「大丈夫だ····未来はもう動き出してる」

 

玉狛に戻った迅は、自室で一人、確信する。

 

 




後日、出水はスイパラを綾辻に奢りました。↓

出水「そんなに食って大丈夫か?」

綾辻「大丈夫大丈夫♪」

出水「そ、そうか(明らかに普通の人の5倍くらい食ってる気がする)·······」

綾辻「???」

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