やはり俺達が世界の銃爪を引くのは間違っていない 作:シャルルヤ·ハプティズム
武富『B級ランク戦新シーズン!2日目・夜の部が間もなく始まります!実況は、本日もスケジュールが上手いこと空いたわたくし、武富桜子!そして、解説席には先日の大規模侵攻で一級戦功をあげられた·············東隊の東隊長と草壁隊の緑川君にお越しいただきました!』
実況の武富の声が響き渡る。
東『どうぞよろしく』
緑川『どもっす』
武富『今回の注目はなんと言っても、前回、隊長が不在でありながら完全試合で8得点の玉狛第2!注目度の高さから会場には非番のA級隊員の姿が数多く見られます』
会場には、比企谷隊、風間隊、嵐山隊、加古隊。個人的に、出水、米屋、古寺が来ている。
武富『さて東さん。一試合で8得点というのはなかなかお目にかかれませんが········』
東『確かに凄いですね。8得点なんて比企谷隊くらいしか出せないでしょう。それだけ玉狛第2が新人離れしている証拠でしょう』
緑川『三雲先輩と遊真先輩は強いよ。2人とも特級戦功貰ってるし、遊真先輩は特級戦功を取ってB級になったし』
武富『緑川君は、玉狛の三雲隊長と空閑隊員と個人で戦ったという話が·····』
緑川『ここでその話しちゃうの!?·····2人に 8対2 でボコボコにされました······でも、遊真先輩とは10本勝負する約束出来たから次は勝つよ!』
緑川は、修にもランク戦をせがむが基本躱されている。因みに、黒江もである。
緑川の発言に、会場にいるC級がざわめく。黒江は深く頷いて、米屋も少し遠い目をする。
武富『······玉狛第2の本日の相手は、接近戦の諏訪隊。長距離戦の荒船隊、と戦法が明確な部隊です!』
東『順位が低い玉狛第2にはステージの選択権があるので、地形で有利を取っていきたいところですね』
武富『·····ここで、ステージが決定しました!玉狛第2が選んだステージは······〈市街地C〉!坂道と高低差のある住宅地ですね!』
東『······?』
武富『スナイパー有利なステージに見えますがどうなんでしょうか?』
東『スナイパー有利ですね·········』
〈市街地C〉は、道路を挟んで階段状に宅地が斜面に沿って続く地形だ。登るには道路を横切らなければならないので、スナイパーが高い位置を取れればかなり有利。一方、下からでは建物が邪魔で身を隠しつつ相手を狙うのは難しい。射程がなければ尚更である。
緑川『三雲先輩なんでここにしたんだろ?』
武富『······玉狛にも超強力なスナイパーがいますが······高台を取れれば、ということでしょうか?』
東『どうでしょうね····スナイパーの熟練度が違うので····普通にやるのは分が悪いと思いますが』
武富『となると·····諏訪隊のいない諏訪隊は····』
緑川『いや、超キツイでしょ。諏訪さん今頃キレてそう』
諏訪隊作戦室。
諏訪「は!?〈市街地C〉!ざけてんのかクソMAPじゃねえかよ!AかBにしとけよ!」
堤「これはなかなかにきついですね·····」
笹森「玉狛は狙撃が怖くないんすかね?」
小佐野「スタートはバラバラだからチャンスはあるよ」
諏訪「取られる前に全力で上を取るしかねえ······やるぞ!!」
堤・笹森・小佐野「「「おう!!!」」」
荒船隊作戦室。
荒船「〈市街地C〉?」
加賀美「スナイパー有利じゃん。なんでここ選んだんだろ?」
半崎「スナイパーとやるの初めてとか?」
穂刈「助かるな·····俺達にとっては」
荒船「一応玉狛のスナイパーには注意しろ。あとはいつも通りだ」
半崎・穂刈・加賀美「「「了解!」」」
玉狛第2作戦室。
宇佐美「······うんうん。お揃いの隊服いいね!燃える!」
レプリカ『似合っているぞ3人とも』
前回はC級時の服装だったので、隊服の今回が隊服のお披露目だ。
遊真「いいねこれ」
修「そうですね。やっとですね」
宇佐美「修君、チーム戦の準備は大丈夫?」
修「大丈夫です」
遊真「そうだぞ。心配する必要ないって」
千佳「修君が作戦立てたんだもん。大丈夫だよ」
宇佐美「うんうん、チームの絆だね〜」
修「よし、行くぞ!」
修の声とともに転送が始まった。
武富『····転送完了!各隊員は一定以上の距離をおいてランダムな地点でのスタートとなります!』
転送が完了すると同時に、スナイパー全員がバッグワームを起動する。スナイパー3人の荒船隊がまっすぐ高台に向かう。転送された中で、半崎が高台に一番近い。諏訪隊はそれに続く。
武富『おっと!?玉狛第2はチームの合流を優先したようです!』
東『転送直後は一番無防備ですからね。合流はアリです。(しかし·······)』
1歩遅れた諏訪隊で、笹森が慌てて高台へ向かう。その時、突然襟を引かれる。その一瞬の後、穂刈からの狙撃を受け、寸でのところで緊急脱出を免れる。
諏訪「飛び出すなよ日佐人。壁に張り付いてねーと死ぬぞ」
笹森「諏訪さん!」
諏訪「くそったれ。めんどくせーなおい」ボソッ
荒船「ここまでは100点だな」
その時、下から千佳の砲撃で荒船がいた所が吹き飛ばされた。荒船は吹き飛ぶ直前に飛び降りる。
半崎「撃ってきた?」
荒船「素人だな······位置がバレバレだ」
荒船隊の3人が千佳達に向かって狙撃をする。それを修と遊真のシールドで防御する。
荒船「シールド固いな」
半崎「うわ、ダル」
修「千佳、もう一発だ!今光った所を撃て!」
千佳「了解!」
千佳がもう一発狙撃する。狙撃、と言っても威力で見れば砲撃だが。
武富『この威力、最早砲撃です!玉狛第2、以外にも撃ち合いに持ち込んだ!東隊長、この展開はどう思われますか?』
東『三雲のシールドがかなり固いですね。とは言っても玉狛第2の分が悪いです。威力はあっても荒船隊の動きが見えていない。しかし、自分達の居場所はバレている。荒船隊からは的がよく見えていますからね』
武富『東隊長の解説通り、玉狛第2の分が悪いです!本職のスナイパー相手に無謀だったのでしょうか!?』
東『いいえ。どうやら、予定通りだったようです』
武富『·····え?』
加賀美『荒船君!』
荒船「!!!」
狙撃に入っていた荒船に諏訪が散弾銃で襲いかかる。荒船は右足を削られる。
諏訪「よお荒船!」
荒船「そう来たか······玉狛め····やるじゃねぇか!」
諏訪の奇襲により、荒船が真っ先に玉狛第2の作戦に気付いた。
武富『砲撃の影で諏訪隊が登って来た!』
東『さっきの砲撃は諏訪隊の援護ですね。長距離戦で分が悪いことは織り込み済み。ステージを敢えて荒船隊有利にすることで、諏訪隊と利害を一致させた。地形戦をよく練っている事が窺えます』
修「荒船隊を捕捉·······遊真、暴れてこい!」
遊真「オーケー、こっからは俺の土俵だな」
修「千佳はここからはバッグワームを着て別行動だ。顔を出すなよ」
千佳「うん!」
修『宇佐美さん、千佳への指示出しをお願いします』
宇佐美『ほいほ〜い』
修「行くぞ遊真。点を取りに行くぞ!」
遊真「おう!」
諏訪が荒船に射撃する。
武富『玉狛第2は別行動を開始!一方の荒船隊は有利から一転!玉狛の砲撃を隠れ蓑に諏訪隊が荒船隊に食らいついた!』
東『砲撃もさることながら·····如何にもスナイパーが撃ちたくなるように玉狛が動いていますね』
武富『完全に諏訪隊長の距離です!荒船隊長苦しいか!』
東『·····いや釣りですね』
半崎が狙撃し、諏訪の頭を狙う。諏訪はシールドを集中させ狙撃を防御する。
諏訪「ビンゴだ」
半崎「うえ、マジで?」
堤「半崎を確認しました!」
諏訪『逃がすんじゃねぇぞ!』
武富『ヘッドショットをピンポイントで防御!諏訪隊長、なんて胆力!』
東『半崎の狙撃の正確さが仇となりましたね。イーグレットはシールドを集中すれば防御は可能ですから』
半崎の狙撃を防いだ諏訪だが、穂刈の狙撃で左足を失う。
武富『今度は防げなかったか!しかし、荒船隊は3人全員の位置が割れました』
東『諏訪も足の一本くらいなら必要だと考えているでしょう』
笹森「諏訪さん退りますか?」
諏訪「アホいってんじゃねぇ。こっからだぜ?」
笹森「ですね」
加賀美『下から来る!気を付けて!』
半崎『見えてますよ?堤さんでしょ?』
加賀美『違うわ!玉狛よ!』
加賀美が言うと同時に遊真が半崎に奇襲をかける。半崎は間一髪で躱すが、遊真に続いて出てきた修と、堤に同時に蜂の巣にされる。
半崎「こりゃダルいわ。すんません」
半崎は緊急脱出した。
武富『半崎隊員 緊急脱出!得点は堤隊員に入りました!』
東『スナイパーは基本的に寄られるとこうなるので、寄らせちゃダメですね』
堤は、遊真に散弾銃を撃つ。遊真は射撃を躱しつつ接近。堤は修に射撃される。堤はシールドを張りつつ遊真の動きに対応する。背後に回り込んだ遊真を狙うが、遊真はグラスホッパーで方向を転換し、堤を真っ二つにする。堤は、緊急脱出した。
修「よし、この調子でいこう」
遊真「了解」
武富『今の動きはグラスホッパー?前回は使わなかった気がしますが······?』
緑川『俺と三雲先輩で教えました。昨日』
武富『昨日!?普通に覚えたてだった!そして、三雲隊長と空閑隊員は別れて行動を開始!』
黒江「修さんはともかく、なんで駿が?」
米屋「いいじゃねえの。俺はああいうの好きだぜ」
武富『玉狛第2も次を狙う!目標は穂刈隊員!荒船隊狙いを徹底しています!』
緑川『スナイパーがいるのはめんどいからね』
穂刈が遊真を狙撃する。が、遊真は穂刈が狙撃する瞬間を見ていたので易々と防ぐ。
武富『トリオン体の反応速度次第で、防御は可能です!荒船隊は位置を知られてかなり苦しくなってきた!』
東『普通なら、そうですね』
穂刈を狙う遊真の背後から、荒船が弧月を抜いて遊真に斬り掛かる。遊真は、ぎりぎりで屈んで避ける。
東『ですがまぁ、荒船は元攻撃手ですからね』
諏訪「荒船が抜きやがった!日佐人!穂刈やれ!」
笹森「諏訪さんは?」
諏訪「攻撃手2人まとめて吹っ飛ばす!」
笹森「了解!」
武富『荒船隊長が弧月を抜きました!空閑隊員と剣比べでしょうか!?』
東『今は本職のスナイパーではないですが·····空閑の足止めをしたことで穂刈の援護が利きやすくなりましたね』
遊真「こっちで来たか·····まあそれはそれで」
荒船「クソ生意気な新人だ。ぶった斬ってやるよ」
荒船は、弧月を逆手で握る。
武富『·····私がB級に上がった時には、既に荒船隊はスナイパー部隊だったと記憶してしていますが······』
緑川『荒船さんは8ヵ月前まではバリバリの攻撃手だったよ。順位も結構上だったし、今も偶にランク戦してるし。スナイパーに転向した時は皆「なんで?」って言ってたくらいだし』
荒船が遊真に斬り掛かる。躱された荒船は、バッグワームで自分の体を隠し、バッグワームの内側から弧月で突きにかかる。ぎりぎり躱すが、完全に避けきれず、右腕を少し斬られる。
武富『バッグワームを目隠しに!?』
東『それっぽいですね。実際には、諏訪に削られた足を隠すためなんでしょう。バレればそこを攻められるので』
武富『·····なるほど』
穂刈が遊真の頭を狙撃する。遊真は首を捻って避けるが、荒船の追撃の弧月をスコーピオンで受けたことで、スコーピオンにヒビが入る。
武富『空閑隊員、初めて太刀を受けた!穂刈隊員の援護が効いています!スコーピオンと弧月では、耐久性で弧月に軍配があがるので、打ち合えば荒船隊長が有利か!』
遊真「(思ったよりやりにくいな······俺の動きは知ってるってことか)」
遊真は、自分の動きを既に研究されていることに気付いた。
武富『諏訪隊も二手に別れて得点を狙う!戦況が混沌してきました!』
東『各隊、ここが勝負所ですね荒船隊はマークされて、諏訪隊もバラけた。玉狛が最初から狙っていた状況に近づいた筈です』
バッグワームでレーダーステルスになった笹森が穂刈に襲いかかる。穂刈は、笹森から逃げるが追跡される。
東『荒船と空閑の攻撃手対決を中心に、おそらくここで決まるでしょう』
武富『緑川君から見て、この対決はどちらに分がありますか?』
緑川『当然遊真先輩だね。荒船さん今はスナイパーだから本職の攻撃手には勝てないと思うよ』
東『それにしても三雲がいい動きをしていますね。荒船隊2人を狙えるいい距離をいつの間にか陣取ってます。バッグワームを使っていないので、荒船隊は三雲の攻撃に意識を割かなければならない。特に、空閑と斬りあっている荒船にはかなり邪魔な筈です。いい射程の使い方ですね』
笹森は穂刈の追跡を続けていた。
穂刈「(玉狛の射線が邪魔だな。バッグワームで隠れてるしな、スナイパーも)笹森、諏訪さんにつかなくていいのか?······それとも、外されたか?お前じゃ勝てねーもんな。荒船に」
笹森「······それはそうですね。でも、今の俺の仕事は穂刈先輩を抑えることなんで」
穂刈「(こいつこんな落ち着いてたか?·····撃っても当たんねーだろうな走りながらじゃ)こりゃ死んだか?俺」
そう言うと、突然穂刈は荒船の方へ向き、遊真を狙撃する。だが、穂刈の狙撃は、別の方向からの狙撃で撃ち消された。
穂刈「マジか」
穂刈は笹森に斬られて緊急脱出した。
武富『三雲隊長、穂刈隊員の狙撃を狙撃で消しました!!!』
東『これは驚きですね。三雲はレイガストを展開していたのを、一瞬でイーグレットに展開し直して狙撃しました。照準を合わせる時間すら殆どなかった状況であれは俺でも出来るか分かりませんね』
緑川『うわ······三雲先輩凄すぎ』
武富『ここで、三雲隊長からの援護狙撃!荒船隊長の右腕が吹き飛ばされました!』
修は、穂刈の狙撃を撃ち消した後、荒船の右腕を狙撃した。荒船は、すかさず弧月を左腕に持ち替える。遊真は、2歩下がってグラスホッパーを展開。荒船は遊真が跳んで、上から来ると睨んだ。
荒船「逃がすか!」
だが、遊真はグラスホッパーではなく後ろの建物の壁をジャンプ台にして、荒船に突っ込んだ。
東・緑川『『上手い!』』
遊真の想定外の動きに、荒船は一瞬動きが止まる。遊真はその隙をついて、突っ込んですれ違いざまに荒船の両足を切り落とした。
荒船「(この場面でフェイントのためだけにグラスホッパーを·····?こいつ戦い慣れしすぎだろ······!)」
荒船が両足を失った次の瞬間、修が両足を失った荒船の頭を狙撃して、荒船を緊急脱出させた。
武富『三雲隊長の狙撃で荒船隊長緊急脱出!!』
荒船が緊急脱出した直後、遊真に、諏訪が散弾銃を放ってきた。
諏訪「(チッ······荒船は緊急脱出したか····)ああ〜っ!片足だとバランス狂うなクソッ!」
遊真は、シールドとグラスホッパーで建物の屋根に上がり回避する。
修『遊真、笹森さんがカメレオンを起動してそっちに向かった!宇佐美さんサポートお願いします』
宇佐美『OK!遊真君、真後ろのちょっと左!すぐ来るよ!』
遊真『了解(それさえ分かれば、顔出した瞬間に殺せる)』
だが、笹森はカメレオンを起動したまま遊真を羽交い締めにする。
修「(武器を使わないか······)」
笹森「諏訪さん!止めました!!!」
笹森は、遊真のモールクローでトリオン供給機関を破壊される。笹森の換装体に罅が入っていく。
諏訪「よくやった日佐人!吹っ飛ばす!」
諏訪が、散弾銃2丁を笹森ごと、遊真に向ける。
宇佐美『千佳ちゃん!』
千佳『はい!』
その時、千佳の砲撃で、遊真達がいた辺りの建物が軒並み破壊される。
崩れる建物に紛れて、遊真は、笹森を蹴り飛ばした。笹森は、戦闘体形成の限界によって緊急脱出した。
諏訪「(日佐人もやられたか······)ここで大砲かよ、くそったれ······射線も何もお構いなしかよ······っ!」
諏訪は、遊真に向けて散弾銃を放つ。遊真は銃撃を避けつつ接近する。至近距離の銃撃をグラスホッパーで回避するが、諏訪に先読みされる。
諏訪「もらったぜ·····!」
武富『読み切った!』
東『勝負ありですね·····
玉狛の勝ちです』
修は27個に分割したアステロイドを放つ。諏訪も同じくして、散弾銃を放つが、遊真にシールドで防御される。目の前の遊真と、千佳の砲撃によって、修が意識から抜けていた諏訪は、アステロイドに気が付かずに、修に撃ち抜かれた。
諏訪「(最後の最後で)········エースが囮かよ!」
武富『諏訪隊長緊急脱出!最終スコア 6対2対0!玉狛第2の勝利です!デビュー2戦目にして6得点!玉狛第2の破竹の勢いは止まらない!』
荒船隊作戦室。
加賀美「お疲れ様」
半崎「0点でしたね」
荒船「悪い。空閑を仕留められなかった」
穂刈「いや、相手が上手かったなあれは」
諏訪隊作戦室。
小佐野「諏訪さん0点!つつみんとひさとは1点ずつ取ったよ!」
諏訪「うるっせ!俺が一番凹んでんだよ!」
玉狛第2作戦室。
遊真「サンキュー チカ。助かった」
千佳「·······うん」
武富『·····さて、振り返ってみて、この試合如何でしたでしょうか?』
東『そうですね········終始玉狛の作戦勝ちでしたね。相手の得意な陣形を崩す。エースの空閑を上手く当てる。三雲もエースなんでしょうが。まぁ、この2つを実行出来ていたことが6点という結果に繋がりましたね。標的にされた荒船隊には終始苦しい展開でしたが、玉狛第2が、それだけ荒船隊を警戒していたということでしょう。
三雲が狙撃したことについては、スナイパーライフルを初めて使ったので、対処のしようがなかったとしか言えませんね。諏訪隊は堤が落とされたのは痛かったですね。本来なら、笹森と連携して諏訪と組んでの集中砲火が強みなんですが、荒船隊をマークせざるを得ない状況に追い込まれた。これも玉狛の計算通りでしょう』
東と緑川は指を2本立てる。
ここまでで、黒江には腑に落ちないことがあった。
双葉「米屋先輩」
米屋「どした?」
双葉「修さん達の作戦ってそんなに意味があったんですか?遊真先輩が強かっただけに見えましたけど。後、修さんの狙撃」
東・緑川「「(······お?)」」
米屋「どうなの先輩?」
古寺「俺ですか?······確かに黒江ちゃんの言う通り、空閑は強いし、三雲の狙撃も凄いけど、普通のMAPだったら玉狛はもっと分が悪かったと思うよ。東さんが言った通り、玉狛の大砲と荒船隊じゃ遠距離戦の経験の差が歴然だからね。玉狛だってそれは分かってる筈だから、極端な地形で勝ち筋を限定した。諏訪隊も巻き込んで、「如何に高台を取るか」っていう勝負に引き込んだ」
双葉「荒船隊と諏訪隊を巻き込んだってことですか?」
古寺「そういうことだね。「地形を使って相手を動かす」これは地形戦に基本であり真髄だ。今回の試合の場合、「動かされた側」は最後まで対応に追われ続けて、「動かした側」は、最後まで「次の一手」があった。その余裕があったから、6点っていう得点に繋がった。······もっと詳しいことが聞きたければ、三雲に聞いてみるといいよ」
双葉「······なるほど。ありがとうございます」
古寺・米屋「「どういたしまして」」
東『え〜······古寺に全部言われて話すことか無くなりました』
周りから、笑い声が起こる。
武富『·····本日の試合は全て終了!暫定順位が更新されました!』
玉狛第2は、8位にアップ。諏訪隊は10位、荒船隊は11位にダウンした。玉狛第2の次の対戦相手は、13位・那須隊と、9位・鈴鳴第一になった。
東『······面白い組み合わせですね。那須隊も鈴鳴第一も、玉狛第2と編成が全く同じ。3隊とも、中衛の隊員が隊長ですね。そして、鈴鳴第一にはNo.4攻撃手の村上がいます』
緑川『次の対戦で玉狛第2はMAP選べないし、順位で見てもマークされるね』
東『玉狛第2の真価を問われる一戦となりそうです』
対戦終了後。
米屋「嵐山さんどもっす」
嵐山「珍しい組み合わせだな」
双葉「嵐山さん、時枝先輩、お疲れ様です」
木虎「お疲れ様、双葉ちゃん」
双葉「·······どうも」
木虎にだけ、睨みつけて返した黒江。
双葉「失礼します」
黒江は、先に帰って行った。
八幡「相変わらず黒江に嫌われてんな······(黒江がB級の時に、木虎とばっか対戦させたのがまずかったかな······)」
黒江は、八幡に弟子入りしていたが、練習相手に、当時同じくB級で、嵐山隊にまだ所属していなかった木虎を一番多く練習相手にしていた。木虎は、これで黒江を可愛いと言うようになったが、黒江には完全に嫌われてしまった。
木虎の対人欲求は、
年上→舐められたくない
同年代→負けたくない
年下→慕われたい
なので、年下である黒江に素っ気ない態度をとられると、普通より更に傷つくのだ。
木虎「ウッ······言わないで下さい比企谷先輩·····」ウルウル
八幡「あ、わ、悪い」アセアセ
陽乃「落ち着いて藍ちゃん。全く、八幡たら·····」
八幡「ホントに申し訳ない」
緑川「木虎ちゃんおーっす」
木虎「(緑川君は生意気だけど好意的ね······)」
八幡「(緑川がいて助かった······)」