やはり俺達が世界の銃爪を引くのは間違っていない   作:シャルルヤ·ハプティズム

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40話:表と裏の戦い(表側、その1)

玉狛第2作戦室。

 

修「········敵の確認だ」

 

玉狛第2は作戦室に集まっていた。言うまでもなく、ランク戦のためである。

 

修「香取隊はうちと似たような部隊。近距離のエースを中心に戦う。それをカメレオンで他2人がサポートする。逆に、柿崎隊と川崎隊には、決まった点取り屋がいない。柿崎隊は、全員の集中攻撃で点を取る。全員が万能手に寄せたトリガー構成だ。嵐山隊から佐鳥さんを抜いた感じかな?········で、川崎隊は攻撃手2人、スナイパー1人のバランス型だ。三輪隊に近いかな。後、今回で一番うちの隊にも近い。

今回は、敵のスナイパーが少ない。離れた場所から手を出せる千佳が勝負の鍵だ。頼んだぞ、千佳」

 

千佳「うん!」

 

修「川崎隊はバランスを意識した編成だから、何処を選ぶかは分からない。けど、こっちの狙撃を意識して、ある程度建物の多い場所を選ぶ」

 

遊真「そこでオサムの新兵器が活きると」

 

修「そうだ。有利な状況で戦う。作戦通りにいくぞ!」

 

遊真・千佳「「了解!」」

 

 

 

 

川崎隊作戦室。

 

沙希「今回のMAPは《工業地区》だ」

 

ここでは川崎隊が作戦会議を行っていた。

 

沙希「建物の配置、頭に入れた?」

 

大志「もちろんっ!」

 

留美「······問題なし」

 

沙希「玉狛と香取隊は戦い方が似てる。他で守ってエースで叩く。三雲、空閑、香取には単独で戦わないように。分かった?留美」

 

留美「そんなこと分かってる」

 

沙希「ホントに?大規模侵攻でラービットに突っ込んで自滅したこと忘れてないでしょうね?」

 

留美「ッ!·······もうそんなヘマしない」

 

大志「まぁまぁ姉ちゃん。もう試合始まるんだからさ」

 

沙希「分かってるよ大志。玉狛のスナイパーに注意ね」

 

大志「了解っ!」

 

 

 

 

 

 

ランク戦、観客席。

 

武富『······ボーダーの皆さんこんばんは!海老名隊オペレーター武富です!B級ランク戦、5日目夜の部。実況を始めたいと思います!解説席には、嵐山隊の時枝先輩と、太刀川隊の出水先輩のお越しいただきました!』

 

実況についた武富が紹介する。2人がそれに返す。

 

時枝・出水『『どうぞよろしく』』

 

武富『さて!今回の組み合わせは如何でしょうか?』

 

時枝『今期デビューの玉狛第2はともかく、香取隊、柿崎隊、川崎隊が対戦するのは久々ですね』

 

出水『香取隊がずっと上位にいたからな~。香取隊って玉狛と入れ違いに中位に落ちたんだっけ?』

 

武富『そうですね。ROUND3で玉狛第2と入れ替えで中位に降格。ROUND4で那須隊に敗北し、現在暫定順位9位。逆風の吹く中、二期連続上位キープ部隊の意地を見せられるのか!』

 

出水『玉狛がな〜』

 

武富『柿崎隊は、ROUND3で荒船隊に惜しくも敗れ下位に降格。ROUND4ですぐ中位に復帰し現在13位。必要以上に慎重になるという評価を跳ね返して、勝利をもぎ取れるのか!そう言えば、柿崎隊長は、嵐山隊の初期メンバーでしたね』

 

時枝『はい。今も大好きな先輩ですよ』

 

武富『川崎隊は、前期のランク戦でデビューした部隊です!前衛2人に後衛1人のバランス型部隊。連携にまだ固さがあるものの、総合力の高さから、すぐに中位しました!現在14位です!』

 

出水『確か、比企谷が結成に1枚噛んでるって聞いたな』

 

海老名『なるほど······そして、もう1チームは今期の台風の目、玉狛第2!開幕から3連勝して最速で上位入りを果たしましたが、ROUND4で2得点のみの初黒星!上位陣の壁はやはり厚かったか!』

 

時枝『今回はちょっと面白いものが見れるかもしれません』

 

出水『お、何?何か知ってんの?』

 

時枝『さぁ?』

 

海老名『それでは!B級ランク戦ROUND5!間もなく試合開始です!』

 

 

 

 

 

 

 

海老名『さあ転送完了!MAPは《工業地区》!比較的に狭いMAPです!』

 

海老名は、意気揚々に実況している。

 

 

 

修「工業地区·········」

 

修が工場を見上げながら呟く。

 

 

 

海老名『まずは、全部隊合流優先か!?』

 

出水『いや······これは、香取ちゃんが突っかけるな』

 

 

 

 

遊真「1体1か?」

 

急接近してくる香取を見ながら遊真が呟く。

 

香取「勝てばいいんでしょ」

 

2人はグラスホッパーで空中戦を繰り広げる。

 

 

雄太「葉子ちゃん!?」

 

若村「あのバカ一人で突っ込みやがった!」

 

染井『2人とも、援護を』

 

雄太・若村『『了解!』』

 

 

 

海老名『若村・三浦両隊員が隊長の援護に向かう。·······が、転送位置ではやや不利か!』

 

 

遊真と香取がグラスホッパーで飛びながらスコーピオンで斬り合う。

遊真が右腕から出したスコーピオンを香取が左腕からスコーピオンを出して防ぐ。そして、拳銃を至近距離で撃つ。遊真はそれをシールドで防御する。そこに、両腕からスコーピオンを出した留美が2人に斬り掛かる。2人は一旦離れて、突撃してきた留美から距離を取った。

 

留美「チッ······」

 

香取「·······ウザッ」ボソッ

 

留美「········聞こえてる。ニセ胸」

 

香取「あ?」

 

 

 

照屋『空閑君、香取さん、留美ちゃんを確認しました。バッグワームで奇襲しますか?』

 

3人が睨み合っているのを照屋は、近くから見ていた。

 

柿崎『いや、攻撃は合流してからだ。敵が削り合ってくれるのはラッキーだ。うちは、消耗したところを万全の状態で叩く。いいな?』

 

照屋・巴『『了解!』』

 

 

 

海老名『柿崎隊はそのまま合流へ。玉狛と川崎隊は?』

 

時枝『それぞれのスナイパーが高台を取りましたね』

 

 

 

千佳『狙撃準備に完了しました!』

 

修『千佳、敵の位置を逐一確認しろ。宇佐美さんは千佳のサポートをお願いします』

 

宇佐美『オッケー!』

 

 

 

 

海老名『雨取隊員がいい位置を取った玉狛だが、三雲隊長が動かない·······?』

 

出水『香取ちゃんと鶴見ちゃん連れてくんの待ってんな』

 

 

 

修「アステロイド」

 

修がアステロイドを125個に分割して、遊真に誘い出された香取と留美に放つ。2人はシールドでそれを防ぐ。

 

香取「あぁウザッ」

 

 

宇佐美『修君、3人来るよ香取隊ならカメレオン使ってる。レーダーとかで対処してね』

 

修『了解』

 

 

修が再び2人にアステロイドを放つ。香取は、シールドで防いで修に突っ込んで来た。

 

香取「鬱陶しいっての······!」

 

 

留美「·····チッ」

 

遊真「おっと」

 

香取を追おうとした留美は、遊真に阻まれる。

 

その一方、修を狙う香取は、空中で突然何かに跳ね飛ばされた。

 

雄太・若村「「!?」」

 

跳ね飛ばされた香取を千佳が狙撃する。狙撃を集中シールドで防ごうとした雄太だったが、弾丸はシールドを突き抜け雄太の左腕に直撃。雄太の左腕に重石が現れる。

 

雄太「········鉛弾!?」

 

重石で動けなくなった雄太を狙って修がアステロイドを放つ。若村が間に入りシールドで防ぐ。

 

若村「この······!」

 

香取「そっちじゃない!小さい方が来る!」

 

若村は急襲してきた遊真に銃撃するが、遊真はワイヤーを使って立体的に動き、若村の肩を裂く。

 

若村「ぐっ······!」

 

香取が拳銃を撃つが、それを遊真はグラスホッパーで躱す。

 

遊真「ちょっと外れた」

 

修「鶴見さんは?」

 

遊真「何か、突然戦うのやめてどっか行った」

 

修「多分、隊長の川崎さんが呼んだんだな」

 

遊真「ああ、そっか」

 

修達の眼下では、香取が雄太の左腕を斬り落とし、後退して行った。

 

 

海老名『玉狛第2、早くも新技が飛び出した!三雲隊長のスパイダーと空閑隊員の高速機動の合わせ技!更に、雨取隊員のライトニング+鉛弾!香取隊、開始早々手痛い傷を負う!』

 

出水『なるほど~。スパイダーは色変えられるからな〜。敵にとっては障害であり、味方にとっては盾であり足場だ。空閑の身軽さにグラスホッパーってだけでもやばいのに、更にやばくなった。空閑を捕まえるのは相当難しいぞ』

 

時枝『雨取隊員の鉛弾も面白いですね。シールドに干渉しないことに加えて、バッグワームが使えないことを差し引いても、前に比べれば人目を引きにくい。まぁ、莫大なトリオンがないと出来ないことなので他の人には真似出来ないでしょう』

 

海老名『敗戦から僅か数日!玉狛第2、新技を引っ提げて帰ってきた!対する他の3チームはどう戦う?』

 

 

 

 

沙希『ワイヤー?』

 

留美『うん。スパイダーだと思う』

 

沙希『厄介だね。向こうには留美以上の機動力を持った奴がいるから』

 

大志『姉ちゃんどうすんの?』

 

沙希『今はまだ下手にやり合わない方がいいかも。この数日で新技引っ提げてくるぐらいだし、まだ他にも何かあるかも』

 

留美『·······了解』

 

 

 

 

海老名『川崎隊、動かない!』

 

時枝『今動けばワイヤーと鉛弾の餌食になりかねませんからね。他が消耗するのを待つつもりでしょう。柿崎隊も同様ですね』

 

 

 

巴『玉狛がスパイダー使ってます。で、香取隊が追われてて三浦先輩の左腕がないです』

 

照屋「·······隊長、どうしますか?」

 

柿崎「香取隊を狙う。玉狛の新戦法のデータは無え。手負いからやる」

 

 

 

染井『柿崎隊が寄ってきてる。仕掛けてくるよ』

 

香取『分かってるってっ!』

 

柿崎隊が香取達に横撃を仕掛ける。香取と若村がシールドで防ぎつつ銃撃で応戦する。一方の雄太は、空中から襲いかかった巴と対峙する。巴が左手の拳銃のハウンドを雄太の後ろにいた若村に放つ。そこを防ぐが、がら空きになった前から柿崎が銃撃を放った。堪らず、香取隊は更に後退する。

 

染井『3人とも、指示通りに動いて』

 

 

 

海老名『おっと!?香取隊が開けた場所に移動······!?障害物がなければ尚のこと不利になりますが?』

 

出水『いや······そうはなんねぇよ』

 

 

 

宇井『ザキさん!』

 

柿崎「!」

 

香取隊を追う柿崎の後ろから、修がアステロイドを放ってくる。

 

柿崎「玉狛······!」

 

若村「撃ち返せ!」

 

若村と香取が銃撃で反撃する。柿崎隊は一旦後退した。

 

 

海老名『柿崎隊、挟撃を嫌ってか退却!香取隊は玉狛第2に救われたか!』

 

時枝『香取隊が動いた位置は、無防備に見えて玉狛第2と香取隊で、柿崎隊を挟める位置だったんですよね』

 

海老名『しかし、玉狛が動かなければそのまま全滅も有り得ました』

 

出水『玉狛が動くっつう目算があったんだろ』

 

時枝『玉狛第2は遠征部隊を目指していますからね。上に追いつくために大量得点を狙うのは当然かと。香取隊もそう踏んだんでしょう』

 

海老名『3部隊、それぞれ距離を取った。膠着状態に入るのか?』

 

出水『どこも3人揃ってて、無理に動く必要ないからな。今まで動かなかった川崎隊がどう出るかも気になる』

 

 

 

修「実践でのワイヤーはどうだ?」

 

遊真「かなりいいね。まだ少し慣れんけど、機動力なら負ける気がしない」

 

修「なら、どんどん張っていこう」

 

修『千佳、そこから頼んだ』

 

千佳『了解』

 

 

 

 

時枝『·······この膠着状態は玉狛に有利ですね。現に、好きなだけワイヤー張ってます』

 

海老名『他の3部隊はどう動くのか!』

 

 

 

香取「玉狛は遠征狙いなんだから、点が欲しいんでしょ?うちと柿崎隊で競り合えば、手を出す筈。ワイヤーないとこに引き摺り出すのよ」

 

若村「その方がいいだろうな。上手くすりゃあ、動きがない川崎隊も誘い出せるかもしれねぇ」

 

雄太「玉狛の鉛弾はシールドじゃ防げない。射線に注意して」

 

 

 

 

 

留美「······どうするの?」

 

沙希「そろそろ動くよ。どの道、柿崎隊と香取隊は戦いながら、玉狛第2を引き摺り出そうとするから、そこをまとめて叩く。スナイパーは·······」

 

沙希『大志、敵のスナイパーに注意しな!あと、任せたよ!』

 

大志『了解姉ちゃん』

 

 

 

 

海老名『MAPに動きが!香取隊・柿崎隊は戦う素振りを見せる!川崎隊も動き出した!露骨な罠には踏み込めないか。ひとまず放置するというところか!』

 

時枝『········さて、放っておけるかな?』

 

その時、千佳が建物に向かって狙撃した。

 

 

 

 

香取「何よこれ!?」

 

香取の目の前は建物が吹き飛んでいた。

 

若村「知らねえのか!?玉狛の大砲だよ!」

 

 

 

千佳が再びアイビスを撃つ。今度は、柿崎隊のすぐ側の建物を吹き飛ばした。

 

柿崎「やっぱ来やがったか·····!」

 

照屋「まずいですね。下手したらワイヤー地帯以外全て吹き飛ぶかも」

 

柿崎「とりあえず移動するぞ!ここにいたら俺達は無防備だ!」

 

 

 

海老名『玉狛の大砲が炸裂!得点というより、獲物を燻し出すようです!』

 

時枝『レーダー頼りで命中させるのは難しいですからね。炙り出しでイーグレットで狙うのでしょう』

 

千佳は更に砲撃し、どんどん建物を破壊していく。

 

海老名『雨取隊員は、連射で位置が割れている!しかし·····討つには、玉狛の張った蜘蛛の巣と踏み込まなければなりません!』

 

出水『意地でも罠に引き込むつもりか〜。ワイヤー地帯以外全部吹っ飛ばすかもな~』

 

海老名『大砲という利点をワイヤーで更に強化しま玉狛第2!対する3部隊の対応は!?』

 

 

 

 

 

修「そろそろ、3部隊とも動く筈だ。一旦分かれよう」

 

遊真「了解」

 

修「川崎隊の方へ行ってくれ。僕は柿崎隊を獲りに行く」

 

遊真「香取隊は?」

 

修「あそこが一番火力に伴う射程が短い。速攻で倒して、香取隊を倒しに行く」

 

遊真「空閑了解」

 

修と遊真は、それぞれで撃破に向かった。

 

 

 

柿崎「スナイパーを獲りに行くぞ!ここで吹っ飛ばされたくねぇ!」

 

照屋・巴「「了解!」」

 

 

 

 

香取「あたし達もスナイパー獲りに行く。他の部隊もスナイパーを狙う筈」

 

若村「分かった」

 

雄太「鉛弾狙撃はどうする?」

 

香取「そんなもん、撃つ場所が分かってれば怖くないわ」

 

 

 

 

 

 

沙希『あたし達はスナイパーを獲りに行くよ!他に先越されちゃたまんない』

 

沙希と留美は、砲撃をもとに千佳を獲りに向かう。

 

大志『分かった!いつでもいいよ!』

 

留美「!······待った!」

 

沙希と留美が退る。2人がいた所にスコーピオンのブレードが走った。

 

沙希『大志、あんたのタイミングに任せた』

 

2人の前に遊真が立つ。

 

遊真「初めましてカワサキ先輩」

 

沙希「欲しいのは2点?」

 

遊真「·······随分つまんない嘘つくね」

 

沙希・留美「「!!?」」

 

 

 

 

修「どうも初めまして柿崎隊の皆さん。3点頂いていきます」

 

一方の修は、柿崎隊と対峙していた。

 

柿崎「アテが当たったか·····?いや、外れたな」

 

巴『俺がスナイパー狙いに行きますか?』

 

柿崎『それは香取隊に任せよう········正直言ってこいつはやばい。全員でかかってもどうなることか』

 

 

 

 




最後の遊真のくだりは突発的に書きたくなっちゃったんです。
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