やはり俺達が世界の銃爪を引くのは間違っていない   作:シャルルヤ·ハプティズム

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41話:表と裏の戦い(表側、その2)

 

 

 

沙希と留美は遊真と対峙していた。

 

留美『········どうする?』

 

沙希にスコーピオンを構えた留美が通信で話しかける。

 

沙希『数ならこっちが有利。向こうには射程がない。あんたとあたしで釣って大志が落とす』

 

留美『······了解』

 

大志『了解!』

 

留美がスコーピオンを右手に遊真に突っ込む。遊真も留美に突っ込み、2人で斬り結ぶ。遊真は、留美を盾にして沙希の射線を避ける。

 

沙希「········厄介だね·····」

 

 

 

武富『玉狛の砲撃を止めるため、敢えてワイヤー地帯に踏み込んだ3隊!玉狛は柿崎隊と川崎隊を迎え撃つ!一方、香取隊は着実にスナイパーに近づいている!』

 

 

 

沙希はアステロイドのキューブを展開するが、留美を盾にされて攻撃出来ない。キューブを消して、レイガストで遊真に斬り掛かる。それを短くしたスコーピオンで受け止める。

 

沙希「あんたには譲れなくってね」

 

遊真「········ほう」

 

沙希は至近距離でアステロイドのキューブを27個に分割して放つ。

 

遊真は退りながらシールドで防ぐが最初の何発かを食らい、足に穴が空きトリオンが漏れ始める。

 

遊真「·······」

 

沙希「(まだ大志が撃つ場面じゃないね·····)」

 

そこに、留美が再び遊真に斬り掛かる。

 

 

 

 

 

 

一方の修は、柿崎隊の3人を相手取っていた。

 

柿崎「········やってみな!」

 

修が周りにワイヤーを張る。

 

照屋・巴「「ハウンド!」」

 

照屋と巴がハウンドを撃つ。修はシールドを2分割して防ぐ。そこに柿崎が弧月で斬り掛かる。修はそれを集中したシールドで防ぐ。巴は、修を撃てる位置まで回り込みにかかる。照屋は、張られたワイヤーを斬り始める。

 

 

 

武富『柿崎隊長が三雲隊長に斬り掛かる!照屋隊員がワイヤーを斬るための時間稼ぎか!三雲隊長、それを見過ごさない!』

 

 

 

修は柿崎を蹴り飛ばし、照屋と巴に125個に分割したバイパーを放つ。そして、スコーピオンを両手から出し巴に斬り掛かる。

 

柿崎「(········スコーピオン!?前回までレイガスト使ってたのに!?)」

 

巴がスコーピオンを受け止めると、柿崎と照屋はライフルを出して、修に撃ちかかる。修は片方のスコーピオンを消し、ワイヤーを巴の腹と自分の後ろの壁に張る。

 

巴「!!!!?」

 

修は、ワイヤーを思いっきり引っ張って巴を柿崎と照屋の方に放り投げる。

 

柿崎「なっ!」

 

銃撃が巴に直撃する。そこに、修がマンティスを放ち巴の供給機関を貫いた。

 

 

武富『巴隊員 緊急脱出!先制点は玉狛第2です!』

 

出水『いや~あんな使い方するなんてな〜』

 

時枝『スパイダーの使い方が面白いですね』

 

 

 

柿崎「おいおいマジかよ·······っ!」

 

修が2度目のマンティスを柿崎に放つ。柿崎は横に跳んで躱した。

 

柿崎「上等だ·····!」

 

 

 

 

 

遊真は沙希と留美に対して一人、戦っていた。

 

 

遊真と留美が斬り合う。沙希はレイガストで連携して斬り掛かったり、アステロイドやハウンドで留美の援護していた。尚、遊真は留美にカメレオンで左腕を根本から斬られている。そのためトリオンもかなり漏出していた。ただ、留美も右足が死んでいる。

 

遊真「(········流石にまずい····)」

 

沙希「ハウンド!」

 

沙希がハウンドを放つ。遊真はシールドで防ぐが、とうとう遊真の戦闘体にヒビが入り始めた。

 

沙希『押し切るよ!』

 

留美・大志『『了解!』』

 

留美が遊真に突っ込む。留美が右手のスコーピオンを横に薙ぐ。遊真は回転してそれを受け流しつつ、留美右腕を斬り落とす。

 

留美「·······っ!」

 

留美は片手片足になりバランスを崩す。遊真はその隙を突いて留美の首を刎ねた。

 

 

武富『鶴見隊員、緊急脱出!ただ、空閑隊員も戦闘体にヒビが走る!』

 

出水『あ〜空閑がもう限界か?』

 

 

 

沙希「留美!······アステロイド!」

 

沙希が64個に分割したアステロイドを遊真に放つ。遊真はサイドステップでそれを避けつつ接近。すれ違いざまにレイガストを持っている左腕を斬り落とした。

 

沙希「ぐっ·······!アステロイド!」

 

沙希は尚もアステロイドを放ち、レイガストを右手に持ち直す。遊真には限界が迫っていった。

 

 

 

 

 

 

柿崎と照屋は、修に有効打を与えられないでいた。一方、修は千佳に迫る香取隊を注視していた。修は戦いながら、通信を入れる。

 

修『宇佐美さん、香取隊は今何処ですか?』

 

宇佐美『香取隊は一番遠かったけど、あと400mくらい。後1分もかからないで千佳ちゃんに接触だよ!』

 

修『分かりました。千佳、全力で北東に逃げろ!僕も出来る限り急いでそっちに向かう!』

 

千佳『了解!』

 

宇佐美『千佳ちゃん、ルートを送るね!』

 

千佳『ありがとうございます!』

 

修は、銃撃してきた照屋にマンティスを放つ。照屋はマンティスを跳んで避ける。

 

修「コブラ、«鳥籠»!」

 

修は、コブラを125個に分割し照屋に全て放つ。その後、柿崎に斬り掛かる。

 

照屋「シールド!」

 

柿崎「やべぇ!」

 

柿崎は、修を強引に押し飛ばし、照屋の周りに自分のシールドを2枚とも張る。いくつものコブラが、重なったシールドを突き破っていく。修は2人に接近していく。

 

照屋「隊長!」

 

柿崎「まだだっ······!」

 

修がスコーピオンを横に薙ぎ、柿崎の体が腹部のあたりで真っ二つになる。

 

柿崎「文香行け!」

照屋「っ!·······了解!」

照屋は全力でその場を離れる。

 

修「待て!」

 

柿崎「·······お前は強えよ。けどな、ただ負けるのは性にあわねえ」

 

修「·······!」

 

柿崎は、修の右腕を掴み、左手にライフルを出す。そのライフルを修に向けて連射した。そして間もなく、柿崎は緊急脱出した。

 

 

 

 

修「はぁ、危なかった」フゥ

 

修の前にはシールドが張られており、柿崎の銃撃に気付いて、間一髪防ぐことが出来た。修は、敵の特攻にはあまり慣れていない。当然、特攻を受けたことはある。しかし、緊急脱出のない近界では、負け=死であり、自ら特攻しに行くなど、余程切羽詰まっていない限りすることはない。負けそうになる場合、その国の兵だろうが傭兵だろうが一旦退却するものである。

 

 

武富『柿崎隊長 緊急脱出!相打ちで道連れを狙ったか!』

 

時枝『ですが、三雲隊長に看破されてしまいましたね』

 

出水『よくあの場面で対応出来んな』

 

 

 

 

遊真は、沙希に猛攻を仕掛けていた。

 

沙希「·····グッ!」

 

遊真のスコーピオンが沙希の右足を狩る。

 

遊真「(スナイパーは·······)」

 

 

大志『姉ちゃん!』

 

沙希『ダメだ大志!あたしが釣るから撃ちな!』

 

大志『·····分かった·····!』

 

 

沙希「アアッ!」

 

沙希がレイガストを振る。片手片足のため、バランスが取れず姿勢が崩れる。そこを遊真が右肩から袈裟斬りした。遊真のスコーピオンは供給機関を切り裂いた。

 

沙希『今だ大志!』

 

大志が遊真を狙撃する。狙撃が命中し、遊真は右足を根本から失う。それと同時に沙希が緊急脱出する。

 

遊真「そこか」

 

遊真がグラスホッパーで大志を獲りに向かう。

 

 

 

沙希『大志、緊急脱出しろ!』

 

沙希が大志に向かって緊急脱出するよう命令する。

 

大志『グッ·······緊急脱出!』ドンッ!

 

大志は命令に従い、自主的に緊急脱出した。その顔は何処か悔しそうだった。

 

 

遊真「·····!!!」

 

遊真は近くの建物に降りて、宇佐美に通信を入れた。

 

遊真『栞ちゃん』

 

宇佐美『?』

 

遊真『俺後何分もつ?』

 

宇佐美『······いや、後数十秒しか·····』

 

遊真はそこで暫く黙って

 

遊真『······悪いオサム。後は任せた』

 

修に通信を入れて、自分から緊急脱出した。

 

 

 

 

武富『川崎隊員自主的に緊急脱出!』

 

時枝『相手に得点を与えないためには妥当ですね』

 

出水『でも、空閑も自主的に緊急脱出するかも·····って、したな』

 

武富『なんと!空閑隊員も自主的に緊急脱出!』

 

出水『空閑も後1、2分もつかもたないかだったんだろ』

 

時枝『玉狛は上に上がらないといけませんからね。他に得点を与えないためには仕方なかったんでしょう』

 

 

 

 

修『遊真は今どうなってます?』

 

修は、千佳を獲りに向かった照屋を追いながら通信を入れた。それは、遊真が考えているタイミングで。

 

宇佐美『留美ちゃんと沙希ちゃんを落としたけど、もう·····』

 

修『そうですか·······』

 

遊真『悪いオサム。後は任せた』

 

その時、ステージから2人緊急脱出した。

 

修『誰が緊急脱出しました!?』

 

宇佐美『大志君と·····遊真君』

 

修『!!······分かりました。千佳のフォローに向かいます』

 

宇佐美『·····分かった』

 

 

 

照屋「(······雨取さんが一番浮いた駒には変わらない。でも、急がないと三雲君が来る······!)」

 

 

 

若村『川崎隊と空閑が落ちた!三雲が戻って来る!』

 

雄太『三雲君が来る前に何とかしないと······!』

 

現在、香取隊は千佳から70mの地点でバッグワームを使い隠れていた。ライトニングの射程は40m程なので、この距離なら千佳には狙えない。

 

香取『あんなメガネ、どうとでもなるでしょ』

 

若村『お前知らねえのか!?アイツ、大規模侵攻で新型20体以上倒してんだぞ!?』

 

香取『はぁ!?········あぁヤダヤダ。とっとと向こうの大砲落とす』

 

香取隊も、千佳を獲りに向かう。

 

 

 

 

照屋「(·······近づくほど狙撃が正確になる)」

 

照屋は、千佳に追い付く所まで来ていた。尚、千佳はステージの端まで退っており、もう逃げる場所はない。

 

照屋「(後······後1発だけ·······!)」

 

 

 

宇佐美『千佳ちゃんもう逃げられないよ!修君急いで!』

 

修『分かってます!』

 

修はワイヤーをジャンプ台にして照屋を追う。

 

 

 

 

香取『柿崎隊に先越されてんじゃん』

 

香取達は照屋が狙撃され隠れる瞬間を一部見ていた。照屋を狙っても良かったが、その場合千佳の狙撃に晒される可能性もあるので照屋を放置していた。

 

若村『チッ·······後は照屋と三雲だけか』

 

玉狛第2は既に4点取っている。照屋が単独でこの場の全員を倒すなら話は別だが、玉狛第2は勝利がほぼ確定している。

 

香取『やる気なくすわ·····』

 

雄太『もうちょっと頑張ろう葉子ちゃん。ね?』

 

 

 

照屋は、千佳を獲れる距離まで来ていた。

 

武富『照屋隊員、障害物を縫って雨取隊員に確実に接近していく!』

 

出水『もう逃げらんねぇか』

時枝『ここまできたら、雨取隊員も迎え撃つようですね』

 

出水『一転して強気になったな』

 

武富『シールドの効かない鉛弾!照屋隊員、どう出るのか!?』

 

時枝『あ、出ましたね』

 

スクリーンには照屋が飛び出る様子が映し出された。

 

武富『隠れる場所はない!純粋な反射と技術の勝負です!雨取隊員まだ撃たない!ぎりぎりまで引き付けるのか!?』

 

 

照屋が突っ込んで来たのを見て、千佳が狙撃する。当然当たるかと思われたが、照屋は、先程隠れていた建物の破片で鉛弾を防ぐ。その時、千佳はライトニングを解除する。

 

照屋「(······武器を解除した·····!?)」

 

千佳の頭上に、巨大な黒のキューブが現れる。それには照屋も、実況席にいた3人も驚く。

 

『『『「!!?」』』』

 

千佳「ハウンド!!!」

 

黒いキューブは125個に分割され、照屋に襲いかかる。千佳は、鉛弾を使うならと、射手用のトリガーを修に勧められていた。ハウンドはその中で一番鉛弾と相性がいいと、千佳が選んだのだ。

 

 

武富『鉛弾のハウンド!?』

 

出水『いや~まだこんなん隠し持ってたのか〜』

 

 

照屋が鉛弾をもろに食らい地に伏せる。照屋は、ライフルを出し、ハウンドを撃つ。千佳は真正面から来た弾は防御出来たが、時間差で囲むようにして弾が襲いかかる。

 

千佳「!」

 

「よくやった千佳」

 

照屋「·····!」

 

千佳「········修君!」

 

修が千佳の周りにシールドを展開してハウンドを防ぐ。修は、照屋にコブラを放つ。照屋は、それを食らい緊急脱出した。

 

修「何とか間に合ったな······(でも、ワイヤー戦術はまだまだだな。少し考えが浅かったかもしれない。現にワイヤーがかなりやられたし。次は、もう少し考えるべきか)」

 

修の視界には切られた多くのワイヤーが入っていた。

 

 

武富『三雲隊長、間一髪で間に合った!』

 

出水『メガネ君よく間に合ったな』

 

時枝『隊員思いのいい隊長です』

 

出水『これで、玉狛の勝利が確定したな』

 

武富『はい。玉狛第2の現在の得点は5点。香取隊が三雲隊長と雨取隊員を倒しても、生存点含めて4点です』

 

時枝『これを香取隊がどう受け取るかですね』

 

 

 

 

染井『照屋さんが落とされた』

 

若村『どうすんだよ葉子!』

 

香取『あぁもうウッサイ!とりあえず、あのイラつくメガネは倒す!』

 

雄太『その意気だよ葉子ちゃん!』

 

染井『·····なら、葉子は正面から行って三雲君の気を引いて』

 

染井が作戦を指示する。

 

香取『·····了解』

 

染井『雄太と麓郎君は、横に半隠密で回り込んで、雨取さんと三雲君を』

 

雄太・若村『『了解!』』

 

若村『行くぞ!』

 

若村がバッグワーム、雄太がカメレオンを使用する。

 

 

宇佐美『サイドから来るよ!多分、カメレオンとバッグワームでこっちを混乱させる気だね』

 

修『了解。迎え撃ちます。千佳は援護を頼む』

 

千佳『了解!』

 

 

修と香取が射撃戦をしていた時だった。

 

香取「あんたらって、遠征部隊目指してるんだって?」

 

千佳「·····!」

 

香取が大声で修と千佳に話しかけた。

 

修「(話しかけてきた·····?)」

 

香取「友達だか何だかが、攫われてるって話じゃん」

 

千佳「!!?」

 

修「(·······何処でそれを·····?玉狛以外だと上層部ぐらいしか知らないと思うけど·····兄さん達や加古さん達はもちろん、上層部も喋るとは思えないし·····)」

 

 

 

出水『ん?何か喋ってんな香取ちゃん』

 

武富『音声はここまで届きませんが······』

 

 

 

香取はしゃべり続ける。

 

香取「そんなサクッとA級に上がれると思ってんの?二宮隊に負けたクセに」

 

千佳「·········っ!」

 

千佳はROUND4で修と遊真に迷惑を掛けたと思っているので、香取の言葉に悔しくなり下唇を噛む。修はそんな千佳に内部通信で話しかける。

 

修『千佳、聞かなくていい』

 

千佳『でも······』

 

修『いいんだ。千佳はちゃんと前へ歩いてる』

 

千佳『うん······』

 

 

香取「大事な人を助けるためとか、頑張れば出来ないことなんてないとか、本気で思ってるわけ?」

 

修「何のためにそんなことを聞くのかは分かりませんが······僕が遠征部隊を目指してるのは、僕がそうするべきだと思っただけです」

 

千佳「·····!」

 

香取「ムカつく······!!!」

 

 

宇佐美『修君後ろ!』

 

宇佐美から通信が入る。

 

修「千佳、退れ」

 

千佳「うん·····!」

 

修は千佳を退らせ、スパイダーでワイヤーを張る。

 

若村「赤いワイヤー····?」

 

若村が赤いワイヤーを避け、後ろに退ると、そこに張ってあったワイヤーに足を引っ掛け後ろに転ぶ。

 

若村「(気を付けてんのに······何で引っかかる·····!)」

 

転んだ若村に修がスコーピオンで襲いかかる。若村はシールドでそれを受け止める。

 

若村「スコーピオン!?」

 

雄太「ろっくん!」

 

若村「こっちじゃねぇ!大砲だ!」

 

若村がそう言った瞬間、修がモールクローで若村の供給機関を貫く。若村は緊急脱出した。

 

香取「待て!」

 

千佳は、香取から必死に逃げていた。戦闘状態に入った時には既に、修達からある程度距離を取ったが、グラスホッパーですぐに追いつかれてしまった。

 

香取「この!」

 

千佳「·····!」

 

香取が振ってくるスコーピオンをシールドで防ぐ。千佳は、自分が高いトリオン能力を持っていることに改めて感謝した。その時、千佳を追っていた香取と雄太が突然後ろに飛び、香取の右腕と雄太の左腕が突然落ちる。そして、入れ違いに修が千佳の前に立つ。

 

香取「この·····メガネっ!·····!?」

 

修に突っ込んで香取が突然空中で止まる。同様に、仕掛けてきた雄太も動きが止まる。

 

香取「あぁっ!」

 

香取と雄太の背中にはワイヤーが張られており、香取はブランチブレードでワイヤーを切ったが、動きの止まった雄太は修のマンティスの餌食になる。

 

雄太「強い·····!」

 

雄太が緊急脱出した。香取はそれを見て更に憤慨した。

 

 

 

武富『一瞬の攻防で、香取隊 2人が緊急脱出!香取隊長追い詰められた!·····三雲隊長と雨取隊員を包囲したかのように見えた香取隊でしたが、やはりワイヤー地帯は三雲隊長のテリトリーだった!』

 

 

 

染井『ごめん葉子。私の見立てが甘かったわ』

香取「ホンっとに······ムカつくわ·····!自分達は主役面して······!」

 

香取がハウンドを修に撃ちまくる。修はシールドでそれを防ぐ。

 

 

武富『香取隊長の激しい銃撃!玉狛サイドはやや退って対応!』

 

出水『香取ちゃんちょっとかかり気味だな』

 

武富『·······かかり気味。と、言いますと?』

 

時枝『玉狛はトリオン切れを狙ってるのかもしれない。香取隊長の方がダメージは大きいですから』

 

武富『なるほど!玉狛第2は戦い方が徹底しているようです!』

 

出水「(·····申し訳ないけど、2対1で既に香取ちゃんに勝ち目ないと思うな·····)」

 

 

 

香取「(·····勝ちの目はもうないけど、まだコイツには負けてない。右腕はちょん切られたし、トリオンもあんまないけど準備は整った。メガネは寄ればこっちが有利。大砲はその後やればいい。一人ずつ·····落とす!)」

 

香取が突撃をかける。修はそれを見て、左手にスコーピオンを構え、右手に浮かべたキューブを64個に分割して自分の後ろに放った。

 

 

武富『香取隊長突撃!』

 

出水『雨取ちゃんは後回しか』

 

 

香取がワイヤーに突っ込む。

 

修「······!」

 

香取はワイヤーと壁をジャンプ台にしてジグザグに修に突っ込む。

 

 

武富『香取隊長ワイヤーをジャンプ台に!』

 

出水『ある程度は見えてるからな』

 

出水「(とはいえ·····いきなりやって出来るものか?)」

 

時枝『香取隊長もワイヤーを利用出来るなら·····』

 

出水『いや、メガネ君には、いや玉狛第2には通用しねぇよ』

 

 

香取「これでっ·····!?」

 

香取がスコーピオンを振ろうとして、突然空中から落ちる。香取が見ると、右足に重石が付いていた。

 

香取「しまった·····鉛弾·····!」

 

香取の後方には黒いライトニングを構えた千佳がいた。そして、修が右腕を振った。伸びたスコーピオンの刃に、香取は首を刎ねられる。そして、緊急脱出した。

 

 

 

武富『香取隊長 緊急脱出!ここで決着です!最終スコアなんと!

10対0対0対0!玉狛第2の勝利!香取隊が一騎打ちに持ち込んだものの、点数では圧勝という結果になりました!今回の試合、振り返ってみて如何だったでしょうか?』

 

出水『玉狛の新技が山盛りだったな。初見で当たった3つの部隊はご愁傷様としか言いようがない』

 

時枝『玉狛の勝ちパターンが出来てましたね。戦術で優位を取って最後まで倒しきる』

 

武富『なるほど!ROUND4の敗戦から躍進した玉狛第2の新戦術。その肝は何処だと思われますか?』

 

出水『そりゃ·····メガネ君のワイヤーだな』

 

時枝『ですね』

 

出水『近接戦闘しか出来ない空閑にとってあのワイヤーは絶好の足場だからな。しかも敵には邪魔という。空閑が動きやすくなって、敵の意識を散らせて、一石二鳥』

 

時枝『それは雨取隊員の狙撃にも言えますね。川崎隊は、まともに3対1で当たれば空閑隊員を落とせてたでしょうが、ワイヤーとシールド無視の狙撃でかなり意識を散らされた。空閑隊員の位置取りも上手かったので、川崎隊員は狙撃が出来なかった』

 

出水『逆に、空閑にとっては深く斬り込む必要がない。砲撃から全部空閑に有利を取らせるための戦術だろ』

 

武富『では、敗れた隊については如何だったでしょうか?』

 

時枝『柿崎隊は全体的に普段通りやれてたと思いますね。ですが、3人の陣形に拘って雨取隊員を押さえに向かうのが遅かったことなどが敗因かなと』

 

出水『柿崎隊では照屋ちゃんがいい仕事したな。鉛弾狙撃の防ぎ方を見つけて、隠し技のハウンドまで引き出した。今後玉狛と試合するとこは照屋ちゃんに感謝しねーとな。初見で食らったら躱しようがない。玉狛は切り札使っちゃって勿体なかったかも』

 

時枝『川崎隊と香取隊はワイヤー戦術にはまって調子が悪かったですね。いつもの戦術なら、点取り屋の攻撃手を他がフォローしますが、特に香取隊は点を取るチャンス自体がなかった。良くも悪くも香取隊長次第の部隊ですからね』

 

出水『川崎隊も結構惜しかったな〜。空閑と同じく機動力で勝負の鶴見ちゃんが点取り屋だから、ワイヤーにかなり足引っ張られたな。あれがなかったら空閑は普通に落とされてただろうし。メガネ君のワイヤーの仕掛けも分かんなかったしな』

 

時枝『予想はつきますけど、ここで種明かしするのはフェアじゃないので』

 

出水『釣れね~な〜。ま、何にせよ今回はしっかり準備した玉狛が勝つべくして勝った、って感じだな。空閑が自主的に緊急脱出したけどそれでも玉狛には余裕があった。メガネ君のスコーピオンには皆驚いただろうけど』

 

武富『三雲隊長は前回までレイガストを使用していました。何故変更したのでしょうか?』

 

出水『さあな。でも、メガネ君がマンティスやったのには驚いたわ。あれも動揺を誘う戦術なのかね』

 

時枝『とにかく、玉狛第2の戦術に対する貪欲さは他の部隊にも影響を与えるでしょう』

 

武富『この先、ワイヤー戦術が流行するなんてことも·····?』

 

出水『あれは、あの3人がいて初めて成り立ったようなもんだから、同じレベルでやれるとこはあんまないだろうな』

 

出水「(比企谷隊ならって思ったけど、あそこがまずやらなそうな戦術だし)」

 

武富『····さて、本日の試合が全て終了!ランキングが更新されました!玉狛第2は大量得点で4射にジャンプアップ!香取隊、柿崎隊、川崎隊は変わらずという結果になりました。玉狛第2はまだまだ台風の目になりそうです!以上をもって、ROUND5夜の部を終わりたいと思います。解説の御二方、ありがとうございました!』

 

出水・時枝『『ありがとうございました』』

 

 

 

 

 

 

玉狛第2作戦室。

 

遊真「·········それにしても凄いな修。単独で6点か」

 

快勝した玉狛第2は作戦室にいた。

 

修「いや、あれは千佳ありきだから千佳に4点ぐらい入れても良いんじゃないか?」

 

千佳「ええ!?」

 

遊真「確かに、解説でイズミ先輩とトキエダ先輩が言ってた通り、千佳の狙撃がないと成立しないからな。よし、今回のえむぶいぴーというヤツは千佳に決まりだな」

 

修「そうだな」

 

千佳「2人とも!?」

 

千佳が予想外に褒められて逆に慌て始める。

 

宇佐美「いいよいいよ〜。千佳ちゃん一歩前進だよ~!」

 

千佳「は、はい········!」

 

宇佐美「······んん?修君、陽乃さんから何か通信が来たよ」

 

そんな時、宇佐美のデスクに陽乃から連絡が入った。

 

修「義姉さんから?」

 

宇佐美「比企谷隊の隊室の前で小町ちゃんが······黒トリガーと交戦中!?」

 

遊真・千佳「「!!?」」

 

修「分かりました。すぐに向かいます。トリガー起動」

 

修は解除していたトリガーを再度起動した。

 

遊真「それ、いつものトリガーじゃないな」

 

修「ああ。玉狛で改造した予備のトリガーだ」

 

宇佐美「いつの間に!?」

 

修は、先の大規模侵攻で特例で2つ目の戦闘用のトリガーの所持を認められた。理由としては、また黒トリガーを使ってしまうと今度は修の体にどんな変調を起こすか分からないからだ。

修の戦闘体は生身と同じ服だが、パーカーのフードに、小さくボーダーのエンブレムが付いた特別製だ。

 

修「悪い、少し行ってくる」

 

遊真「おう。行ってらっしゃい」

 

修「ああ。行ってきます」

 

修は、隊室のドアが開くと同時に飛び出して行った。

 

 

 

 

千佳「修君大丈夫かな····」

 

遊真「あのハルノさんが来てくれって言ったんだ。修にどうしようもなければ俺達にはどうにも出来ない」

 

千佳「そうだね」

 

 

 

 




ライトニングの射程40mは作者の勝手な想像です。原作で細かいことが出たら無視して下さい。

トリガーセット

三雲修
メイン サブ
スコーピオン スコーピオン
バイパー アステロイド
イーグレット スパイダー
バッグワーム シールド

※尚、今回よりトリガーのリミッターを一部解除している。


川崎隊

川崎沙希:オールラウンダー
メイン サブ
レイガスト アステロイド
スラスター ハウンド
FREE TRIGGER バッグワーム
シールド シールド


川崎大志:スナイパー
メイン サブ
イーグレット バッグワーム
ライトニング ダミービーコン(試作)
アイビス FREE TRIGGER
シールド シールド

※東のものを参考に(というか引用)している。


鶴見留美:攻撃手
メイン サブ
スコーピオン スコーピオン
グラスホッパー グラスホッパー
シールド シールド
バッグワーム カメレオン

※師匠は八幡の紹介より風間さん。グラスホッパーは緑川に一通り習った。





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