転生
ガコン
自動販売機からあったかいカフェオレが出てくる。
それを手に取るとじんわりとした温かさが冷えた手先に流れ込んでくる。
キャップを早々にはずし、温かい液体をのどに流し込む。
カフェオレの柔らかな甘みを口に含み十分に堪能してから一気に飲み込む。
それだけで心なしか全身が温まるような心地いい感覚が押し寄せる。
そして一言思う。
「甘党、万歳」
「貴様はいったい何を言っているのだ?」
隣から突っ込みが帰ってくる。
やばい。声に出ていたらしい。
かといって抑える必要はあったかと言われればNOなため関係はない。
そのため隣の友人にそのまま言葉を返す。
「心の声が漏れることの何が悪いんだ? ワトソン君」
「ワトソンじゃねーし、俺は
そういって虹希は返してくる。
うん、やっぱり気楽に話せる奴は最高だ。響くように返ってくる。
ちなみに俺の名前は海斗である。
「ほら、あれだよ。心が体を追い越すって最近の公開した映画の主題歌にあったじゃん」
「あーあれか。確か……_____「
「限りなく似ているが絶対に違うな」
まず某は三人称でなく一人称である。
そんな他愛もない会話をしながら帰っていたら駅に着いた。
「あれ? なんでこんなに混んでんの?」
ここはドはつかないが中々の田舎なので駅にいる人数など多くても30~40程度である。
なのに今はそれを優に超える大量の人数が押し寄せいる。
「あー、そういやライブがあったんだった」
虹希のボヤキを聞いて思い出した。
そうだ確かホワイトライブだとか言って変なことしてる連中がいた。
まあテレビでも見るような有名人にそれは失礼かと思って言葉に出すのを取りやめる。
「でもまあよくこんなに人が集まったもんだなあ」
「帰りが大変そうだな」
確かにそうである。ここの電車は一時間に一本。
短くても最低40分はかかる。
そんなところに車もなしで来るなど凍死したいのかと疑うほどである。
「つーかスペースあんの?」
そういわれてあたりを見回す。……うーん無いな。
「ぎゅうぎゅうに詰め込まれてるな」
「しゃーない。電話して迎えまつか」
「そうだなよろしく」
……何? 何も言わずにいきなり送ってください宣言が図々しいだって?
しょうがないじゃないか親が夜勤だもの。 みつを
「うちの両親、現在位置=東京。OK?」
「うちの親。夜勤。OK?」
「「OK」」
息ピッタリである。
「はあー待つしか無いか……」
「待合室は……一応空いてるな。座るか」
「そうだな」
▼
「おーやっと乗れそうだな」
待ち始めから約二時間。すでに8時である。
やっとまともに乗れそうなくらいに減った。
丁度特急やらが来る時間帯だったために思ったより早かった。
タクシーを使う手もあったが金が絶望的に足りないので断念した。
「ふいー首が痛い」
そんなことを言って首を回す虹希を横目に見て先に進む。
「おいおい、待ってくれよ」
「先にホームでポジショニングしてるわ」
そういうともう返事は聞こえてこない。おそらく承諾したのだろう。
有言実行していると少し遅れて虹希がやってきた。
「遅いじゃん。何してたんだよ」
「コーヒー買ってた」
「また? 4本目じゃね?」
四本ものコーヒーを買う姿はどうにも理解できない。
俺が甘党ってとこもあるが。
「いいんだよ。うまいんだから」
そういってブラックを一気に流し込む姿はヤモリの踊り食いしているようにも映る。
そのぐらい信じられない光景である。まあ人の好き嫌いにどうこう言う気は無いが。
そうしていると電車が来る合図のベルがなった。ついでにアナウンスも。
それと同時に人混みも動きを増す。
少なくなったとはいえ十分に多いためその波に危うく飲まれそうになる。
「おおう、この波の強さは中々ZOY☆」
「デデデ陛下は息をお引き取りください」
要は死ねと言いたいんだな? この人でなし。
いい加減電車の光も見えてきて少しずつまぶしくなってくる。
その時、背中にドンと何かがぶつかってきた。
その衝撃で前にバランスを崩してしまう。
そしてホームから転落して、胸を強打してしまった。
「痛っ……」
そこから先の言葉を絞り出すことは出来なかった。
▼
……ん?
どこだここ。
気が付いたら真っ白な空間にいた。
こんな時はポルナレフの一人や二人がわいてきそうだがそれをグッと抑える。
そこで目の前に落ちている紙に気が付く。
なんとなくそれを手に取ってみると一言書いてあった。
『すまねぇ(*⌒∇⌒*)テヘ♪』
それを見た瞬間に俺の本能は過剰に働き、すでに紙をぐしゃぐしゃに丸めて放り投げていた。
しかし、その紙はまた元の形に戻って顔に張り付いてくる。
「なんだよいったい!!!」
つい紙に向かって叫んでしまう。
しかし書いてある文字が違うことに気が付いた。
『まあ落ち着け。私は神である。そして君が死んだ原因は私にあるのだ』
……なんだろうね。初めて味わったよ……。脳がついて行かない感覚。
『今は私の作った高度なコピー頭脳と会話しているので本物ではないがね』
こんどは文字が消えてまた浮かび上がってくる。
こんなものが目の前にあるなんて信じられないだろ? 俺もだ。
「うい。おまたへ」
「うおぉぉ!!??」
と思っていたら今度はその紙の中から男が出てきた。
何? いったい何が起こっているんだ!?
「うるさいうるさい。オーバーすぎるよ」
男はただ淡々と言葉を並べていく。
「まー混乱するのはわかるよ。とりあえず落ち着いてね」
男は俺の頭に手を置くと自然と感情の起伏が無くなり落ち着いてきた。
「……えーと、神様? なんですか……?」
漸く言葉を絞り出すことが出来た。
「そうだ。君をここに呼んだ理由は紙に書いたとおりである」
そうなると死んだ理由云々である。……ん? 死んだ?
「はぁ!? 俺死んだの!?」
「そうだよ。そして責任は俺にあるんだ。だから呼んだんだ」
「責任?」
素朴な疑問が生まれる。
「神とかなんとか言われても万能じゃないのでね。イレギュラーとかに対応しながらなんとか辻褄合わせをする中間管理職みたいなものよ」
「イレギュラー? 何かおかしくなるんですか?」
「まあだいたいあっているな。それによって予定と狂うことはあるが、たいていはちょっと頭ぶつけたとか転んだとか大したことはないんだ。だから早急に対処すればすぐに元に戻る。だが君は即死。どうにもならずにそのまま死んでしまったんだ」
あーだいたいわかってきた。やっと脳が追いついた。
「で、なんでこんなとこに呼び出したのですか?」
「あーそれね。お詫びとしてもう一回人生やり直してみないか?」
中々にうれしい提案である。もう一度人生をやり直す。最高だ。
「いいですね! ぜひお願いしますよ!!」
「わかった。で、選択肢がいくつかあるがいいか?」
選択肢? ただやり直すだけではないのか?
「選択肢としては一応4つある。一つ、生まれや親がいっしょのままやり直す。二つ、生まれや親を選んでやり直す。三つ、時代を変えてやり直す。四つ、別の世界に行く。……以上だ」
「ちょっと待ってください。最後のなんですか?」
「最後の? 別の世界か?」
「そうです。別の世界ってどういうことですか?」
「まあたとえば完全にオリジナルの世界だったりアニメや漫画の世界だったり……」
「漫画やアニメの世界に行けるのですか!?」
「いけるよ。十分ぐらい時間くれればすぐに作るから」
「じゃあ4つ目でお願いします!」
「わかった。世界は?」
昔からいたらいいなと思っていたことが実際に起きる。
わくわくが止まらない。あこがれていた世界に乗り込める。最高である。
だから迷いなく即答する。
「ポケモンで!」
「ポケモンだな。時代や手持ちの要求はあるか?」
そこで少し悩む。自分の思い通りに行くのは楽しいかもしれないが後でつまらなくなる。
だったら完全ランダムの方がいい。
「完全にランダムの方向で」
「わかった」
そういって神様の姿は見えなくなる。
しばらくボーっと時間をつぶしていたら神様が出てきた。
「準備できたぞ。今から飛ばすな」
「わかりました」
「ある程度育った後だから人間関係のメモを近くに置いておくな」
「ありがとうございます」
一言礼を言うともう目の前が真っ白な空間でなく、色が付いた世界だった。
▼
……? ここがポケモンの世界なのか?
周りを見た限りはふつうだ。
見慣れた自分の部屋ではないが、今ベッドに腰掛けているということはこっちでの俺の部屋なのだろう。
窓からはまぶしい光が入り込んできて部屋を明るくする。
机の上にメモが置いてあることに気が付く。
そういえば簡単な人間関係のメモとか言ってたな。
そう思いメモを手に取り読んでいく。
「…………はぁっ!?」
そこには驚くようなことが書いてあった。
地方などの情報もありここはシンオウ地方のカンナギタウンってことが分かった。
カントーに行きたかったが、シンオウは何だかんだとすきなため嬉しい誤算である。
だがその隣の文字に驚いた。
ゲーム16年前。
は? 何故16年前だし。
ぜひともヒカリと罰金ボーイの三人で銀河団をたおそうとおもったのに酷い仕打ちである。
そして下の人間関係。
両親:死去
友人:シロナ
……おかしい。
絶対におかしい文字が並べられている。
両親が死去はいったんおいておこう。
友人、シロナ。聞いたことがある。絶対に聞いたことがある。
シンオウ、カンナギタウン、シロナといったら出てくる人物が一人しかいない。
あのチャンピオン、シロナである。
いや、さすがに人違いであろう。うん、そうに違いない
そんな自問自答を繰り返しているとチャイムが鳴った。
「まさか……」
なんとなく訪ねてきた人物に目星を付ける。
メモを見る限り訪ねてきそうな人はシロナ(別人?)ぐらいである。
とりあえず玄関に向かい、尋ね人を迎える。
扉を開けたら、長い金髪に銀色の瞳、さらに黒を基調とした服をきた少女がいた。
……ああ、完全に本物だ……。
嬉しさ4割驚愕6割ぐらいの割合で唖然としていると、
「ホルー? おはよー」
と声をかけてきた。
「ああ……うん……おはよう……」
俺の思い描くポケモン物語とはだいぶかけ離れたことに絶望と、
___未来のチャンピオンの成長を見れることの希望が体内で渦巻いていた。
なんとなくいろいろな小説みていてシロナメインって結構少ないんだなと思い、勢いのみで書いちゃいました。
国語は大っ嫌いなので恐らく見るに堪えない作品だと思うので、批評はバンバン受け付けます。
それと主人公のスペック↓
【名前】ホルト
シロナからのニックネームは「ホル」
【見た目】銀髪、金色の瞳。背は平均少し下。イケメンてより童顔。
【手持ち】後々公開していく。
【ポケモンの知識】3値は知っている。あと努力値を下げる木の実の有能さも。