ぴかちゅうのなく頃に再   作:せいばー

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雛「う、ん~ん…」

葵「あ、雛ちゃん起きた」

雛「あれ? 私………?」


雛は今までのことを葵から聞いた。


雛「あのバカ。何格好付けてるのよ」


だが、自分の実力が無かったのが原因だということも理解している。


雛(悔しいな。もっと強くなりたい)

葵「………………雛ちゃん、ちょっと失礼しま~す。それっ!」

雛「ちょ、やめ、何処触って。
  んっ、やぁ/// こら、葵ちゃん!」

葵「難しい顔してるんだもん
  (ぐぬぬ、結構大きいかも)」

雛「まったく、もぅ。 ありがと」


何処触ってるかは挿絵参照。

【挿絵表示】


雛(ちょっと、何描いてるのよ)

サービスカット。

ぶるぶるぶるぶる   雛(怒りに震える音
ぶるぶるぶるぶる  作者(それに脅える音


その時だ。
辺り一体が、恐ろしい寒さに覆われたのは。
”死”という戦慄を感じさせるほどに。

発生源はピカチュウとワタルがいる方からだ。
雛と葵は発生源に向かう。


駆け付けた二人が、そこで目にしたものは、
氷の牢獄に閉じ込められたピカチュウの姿だった…。


雛「な、ピカチュウ…」


永久氷壁の牢獄に、その声はもう届かないのか―


お月見山5

ピカチュウは、遠のく意識の中、過去の記憶を見ていた。

 

////////////////////////////////////////////////////

 

???「覚えておいてくれ。

  これから教えるのは、魔法の呪文だ。

 

  The flame is ruled

  The※※※※※※

  The※※※※※※

  The※※※※※※

  I am subdue for element

  My sky is endlessly wide」

 

 

お前は間違うなと言って、頭を撫でてくれた。

 

全部は聞き取れなかった魔法の呪文。

 

ここから先は思い出せない…

 

////////////////////////////////////////////////////

 

 

時間は遡ること数分。

 

フリーザーが雷を凌いだ後だった。

辺りの砂埃を利用してある”技”を発動していたのだ。

 

ー心眼ー

 

すなわち、こころの眼。

いかなる次の攻撃も必ず命中させる技。

主に攻撃してくるピカチュウに狙いを定め最凶の一撃を放った。

 

 

ぴ「こいつはッ!?」

 

 

ピカチュウが気付いたときには、もう何もかも手遅れだった。

 

 

ワタル

 「ピカチュウ、何かくるぞ!」

 

ぴ「すまねぇ、ワタル。一番最初にリタイアみたいだ…」

 

 

フリーザー最凶の一撃。

 

 

絶対零度

 

 

これは対象の体温を、生きているものの熱を一瞬で奪い取る。

 

故に一撃必殺。

 

この技は、本来であれば標的に当てることすら困難である。

だが、前述の心眼により、

確実に命中するように仕組まれた一撃となる。

 

ピカチュウは為す術なく絶対零度の直撃を受けるのだった。

 

 

****************************

 

 

雛「ちょ、なによ、これ…」

 

 

氷のオブジェの中に埋めこまれてしまったピカチュウがそこにいた。

死んだように眠るピカチュウはもはや神秘的にすら見えるのだった。

 

 

葵「そんな、嘘だよ……」

 

雛「……何寝てんのよ。

  早く起きていつもみたいに喋ってよ!」

 

 

葵はその場に崩れ、雛は駆け寄ってゆく。

 

 

ワタル

 「何をしている! 下がっていろ!」

 

 

体力回復、強力な攻撃と一撃必殺技。

隙のない生きた伝説は今だ健在しているのだ。

 

危険な状態は変わらない。

だが、雛はワタルの制止を振り切り進んで行く。

 

ピカチュウに駆け寄る雛に

フリーザーは次のターゲットと認識した。

 

目標に攻撃を仕掛けようと構えた。

が、その異様さに気付く。

 

氷のオブジェからあり得ない熱量が発生している事に。

500、

600、

700…

熱量は上がる一方だ。

フリーザーは本能的に天敵がそこにいる事を悟った。

攻撃対象を”それ”に変更する。

 

 

雛「と、溶けてるの?」

 

 

ピカチュウに近寄る雛はいち早く異変に気付いたのだった。

 

ピカチュウは電気タイプ。

こんなことはあり得ない。

 

雛の想像を絶する光景がそこに展開されていた。

 

 

****************************

 

 

ぴ「 The flame is ruled

  I am subdue for element

  My sky is endlessly wide…」

 

 

薄れゆく意識の中、魔法の呪文を口にした。

途切れた部分は飛ばしておいた。

 

意識が消えかけたが、自身の身体の熱が上がるのを感じた。

 

かろうじて意識を保つ。

 

身体の底が熱い。

 

今やその熱は、意識まで焼きただれるような熱さとなっている。

身体の構成組織まで書き換えられていく感覚にとらわれた。

 

熱い。

 

ただ熱い。

 

ふと、頭の中に文字が浮かんだ。

 

ブレストバーン

オーバーヒート

フレイムドライブ

マグマストーム

 

自分が扱えるはずもない力。

 

今の自分なら扱えるかもしれない。

 

理由は分からない。

 

思考はできない。

 

今は、自分を繋ぎ止めるだけで精一杯だから。

 

コード:フレイムドライブ

 

次の瞬間、自身の身体から異常な熱が発生していたー

 

 

****************************

 

フリーザーが氷のオブジェに吹雪を降らせた。

 

次の瞬間、声にならないピカチュウのなき声が辺りに響く。

 

氷のオブジェから火柱が渦のように立ち上り

フリーザーの吹雪を焼き払う。

 

 

雛「……ピカチュウ…?」

 

ぴ「俺は…、俺はッ…!?」

 

 

ピカチュウは、フリーザーの氷を完全に溶かしていた。

 

毛色は黄色からオレンジに変色している。

目が見えていないようだ。

 

 

ぴ「はぁ、はぁ。…雛。いるのか?」

 

雛「いるよ。ここに」

 

ぴ「葵を連れてすぐにここから離れろ。

  この力、制御できそうにない…」

 

 

余程のことなのだろうことは容易に想像できる。

 

先程のフリーザーの氷を溶かした炎。

電気タイプのピカチュウには本来扱うことは不可能なはずだ。

 

 

雛「……分かった。

  でも、必ず帰ってきなさいよね。

  言いたいこと山ほどあるんだから」

 

ぴ「へ、へへ…。 任せとけ。

  こういう時の主役は強いもんさ」

 

 

強がりを言うピカチュウは明らかに危険な状態だ。

 

 

ぴ「げふっ、はぁ…。

  さて、最後の部活を始めるとするか?」

 

 

終焉は近い…。

日は暮れ、辺りには月明かりが差し込むのであった―。

 

 

****************************

 

 

ワタル

 「遺伝子操作されているのか…? まさか奴らが…」

 

ぴ「ワタル、お前もここから離れた方がいい。 雛と葵を頼む」

 

ワタル

 「……やむを得まい。 こいつを預けておく」

 

 

ワタルはハクリューの入ったボールをピカチュウに投げて渡した。

 

 

ぴ「むぅ。悪ぃ」

 

ワタル

 「勘違いをするな。

  真実を知るための鍵に死なれてしまっては困るだけだ」

 

 

ワタルもその場を離れるのであった。

後に残ったのは、炎を纏うピカチュウと氷の女王のみ。

 

この戦いはきっとピカチュウのなく頃に終わるのだろう。

 

 

……そう、ぴかちゅうのなく頃に……

 

 

【挿絵表示】

 

 




その後、ピカチュウは帰ってきた。

正しくは、ワタルのハクリューが連れて帰ってきたのだけど。

ピカチュウは意識がなく、フリーザーも戦闘不能状態。

数日後、ピカチュウは意識を取り戻した。

酷い凍傷と火傷を負い、全治1ヶ月。

ピカチュウはフリーザーとの戦いを覚えていなかった。

あの力は一体何だったのか結局分からない。

私は力がないことを悔んだ。

これが始めての挫折かもしれない。

何もしなくても、災厄は向こうからやってくる。

それは運命とでも言うのか。

力のない者はやはり何もできないし、何一つ護れないんだ。

そんな災厄を吹き飛ばせるほどの力が私は欲しい。

だから、私は強くなる。

まだ私の空は狭いのだから。

最後にどうか、あの戦闘で何が起こったのか教えてください。

それだけが私の望みです。

お月見山編 完
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