ぴかちゅうのなく頃に再   作:せいばー

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私は、夢を見ているのだろうか。
あの人の声が聞こえる。

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「よぉ。今日も来たか」

「うん、お兄ちゃん。
 雛はね、今日も元気さんなんだよ」

「そりゃよかった。
 将来は禁書目録なシスターコスしてくれ」

「? よく分からないけど分かったよ。
 ビリビリちゃんは?」

「多分、外で昼寝してんな」

「起こしちゃかわいそうかな。
 じゃあ、お兄ちゃん遊ぼ?」

「こっちも一段落したし。
 よ~し、遊ぶとしますか。
 で、今日は何して遊ぶんだ?」

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あの頃は分からなかったけど、
私はきっとあの人のことが好きだったんだ…



縹(ハナダ)
縹(ハナダ)1


「夢…」

 

 

あの夢のせいか、知らない内に涙が滲んでいた。

 

 

「久しぶりに見たな。あの夢。

 よしっ、今日も頑張っていくわよ!」

 

 

雛は気合いを入れ、ボールからポケモンを出した。

メンバーは、フシギダネ、サンド、先日捕まえたケーシィだ。

 

ここは縹(ハナダ)。

 

縹とは藍色の一種で、

水の町と呼ばれるこの町の名前の由来でもある。

 

雛は一人、縹の岬にあたる北東の森で修行をしている。

目標は一人で縹のジムリーダー・カスミに勝つことだ。

 

そうこうしてる内に草むらの茂みから音がした。

 

野生のコラッタだ。

 

 

「来たわね。

 フシギダネ、先制攻撃よ。はっぱ…」

 

「わっ、ちょ、ちょい待ち!」

 

 

辺りの時が止まったように静まりかえる。

 

 

「……………あ、あれ、空耳かしら?」

 

「ふぅ、危ないとこやった~」

 

「むぅ。私疲れてる?

 でも、同じような電気ネズミを知ってる身としては ……」

 

 

これをデジャヴと呼ぶのだろう。

雛は頭を抱えつつ人語を喋るコラッタに声をかけた。

 

 

****************************

 

 

「ふははは、私はここだ!」

 

「ちょ、何!? いきなり」

 

「ダメだぜ。ああ、全然ダメだ。

 そこは、忍者汚いとかつっこむ所!」

 

「う~ん、そういうのは雛ちゃんいないとねぇ」

 

「甘い。甘いぞ、葵!

 今からガンダムの勉強だ!」

 

 

ここは、縹の街の中。

季節は秋に差し掛かり、紅葉も綺麗である。

 

今日はポケモンセンターからピカチュウの外出許可をもらって

散歩しているところだ。

 

ピカチュウは足の凍傷が酷く、移動は車椅子。

葵に押してもらっているので移動は思ったより楽らしい。

 

ピカチュウは葵にガンダムの講釈をしつつ街中を進んでゆく。

 

民家が立ち並ぶ道にでた。

人だかりができている。何かあったようだ。

 

 

「何かあったんですか?」

 

 

葵が人だかりにいた おばさんに声をかけた。

 

 

「物騒ねえ、泥棒らしいわよ」

 

「まったく災難だな。

 ヤミカラスにキールって名前つけないと」

 

「? ヤミカラスはこの辺りにはいないかな」

 

(どこの王ドロボウよ!)

 

 

何処からともなく雛の声が聞こえたような気がした。

 

 

****************************

 

 

「強いられているんだ!!」

 

「ええと………。なんだったかな………

 あ、イワークさん!」

 

「正解!

 因みに、タケシの手持ちの岩蛇と名前が同じだ。

 ここ、テストに出るからな」

 

「はぁ~い(何のテストかな(^-^;)」

 

 

事件現場を後にして、

ピカチュウと葵は散歩の続きをしていた。

 

今は街の南の森を歩いてる。

 

最近は、気温のほうも夏に比べ日に日に和らいできている。

森もすっかり衣替えと言ったところか。

 

ピカチュウの車椅子を押す葵の歩みも軽い。

 

 

ザー、ザー…

 

 

「ねぇ、なんか聞こえない?」

 

「ああ、なんだこの音? ノイズ音みたいだな」

 

 

一人と一匹は音のするほうへ近づいていく。




『ザー、ああ、ザー、手に入れた』


ノイズ音の正体は、黒い服の男だった。

誰も通らないであろう森の奥の道で、機器を広げている。
ノイズ音はその機器から多少漏れているもののようだ。

葵とピカチュウは、隠れてその様子を伺っているところである。


「明らかに怪しいな」

「………」

「葵?」

「えっ、あ、ごめん。 確かに怪しいね」


会話の内容から察するに、
何かを入手したことを誰かに報告しているらしい。


『ザー、民間だったが、
 ザー、派手にやっちまったぜ』


「ん? あいつ、もしかして泥棒の犯人か」

「…かもしれないね」

「ここで迂濶に動くと、後ろから黒ずくめの男が」

「そんなコ○ンみたいなこと…」

「こんな風に、なッ!」


葵の言葉を遮り、いきなりピカチュウが放電した。
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