ぴかちゅうのなく頃に再   作:せいばー

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「なにッ!?」


背後からもう一人の黒服の男が本当に近づいてきていたのだ。
ピカチュウの電撃を黒服の男はかろうじて避ける。


「ぴか中のレベル 5(ファイブ)を舐めんじゃないわよ!」

「? ピカチュウのレベル5はあんまり強くないよ?」

「むぅ。確かに聞こえが悪いな 」


とある学園都市のネタなのだが、
雛の不在により流れてしまったようだ。


電撃を避けた黒服の男は、
前髪が右側だけ長く、右眼が隠れている。
身長は180cm近く、細身でモデルのような体型だ。

黒服の男はピカチュウと距離をとり、
通信をしていたもう一人と合流する。

通信をしていた黒服の男は、
長髪(いわゆるロン毛)で帽子を被っている。
こちらも同じくらいの背格好だろうか。
スタイルが良い。

服装は、二人とも上下黒で統一されている。
胸のあたりには何かのイニシャルであろうか、
”R”と 赤文字のロゴが入っている。

黒服の男たちは通信機器を手早く畳むと、
ピカチュウと葵に向き直った。


縹(ハナダ)2

「で、何者だ? お前ら」

 

 

ピカチュウは黒服の男たちに問いかける。

 

 

「何者だ? と聞かれたら」

 

「答えて…って、エリートと下っぱどっちやる?」

 

「うむ、知名度的に下っぱの方か」

 

「なんか最近は四字熟語を挟むのがトレンドらしいぞ」

 

「初耳だ。奴らも苦労してるようだな」

 

 

黒服の男たちが、何やら話込み始めてしまった。

 

そして、いつの間にかピカチュウの目の前に

ニャースの着ぐるみが用意されていた。

 

 

「なぁ、葵。

 よく分からんが、参加した方がいいのか?」

 

 

葵は、ニャースの着ぐるみを

装備しようとしていたピカチュウを制止した。

 

 

「それは色々と問題だから、ね?」

(これは雛ちゃんいないとダメなやつ、かな………)

 

****************************

 

「誰かが私を見ている?」

 

「ん、誰かおるん?」

 

「ああ。気にしないで、気のせいよ」

(ネタだったんだけど、華麗にスルーされたわ)

 

 

雛は関西弁のコラッタから事情を聞いた。

 

彼の名前は、マサキ。

ポケモンの預かりシステムや、

パソコン通信システムなどの管理責任者らしい。

 

通信システムの調整中にトラブルを起こしてしまい、

今の状態になってしまったようだ。

 

身体を元に戻すため、協力者を探していたところ

雛を見つけということだ。

 

今は彼の身体を元に戻すため、マサキの家に向かっている。

 

 

「あの、ちょっと聞きたいんだけど」

 

「なんや?」

 

「そのトラブル以外でポケモンが

 人の言葉を喋れるようになることってあるの?」

 

「う~む、都市伝説レベルやな。

 こういうトラブルなんかで

 こないなってしまうんはあるかもしれへんけど……」

 

「そう、なんだ」

(…あいつは歩く都市伝説…あるいは…)

 

「まぁ、専門外やから深くは知らんけどな。

 お、着いたで」

 

 

そうこうしている内にマサキの家に到着した。

 

****************************

 

「で、あれがあなたって訳ね…」

 

「せや、麻酔うってあるんで眠っとる。中身はコラッタや」

 

 

マサキの部屋は昼だというのに薄暗い。

パソコン機器や配線がいたるところに配備されていた。

 

奥には人が入れるくらいの大きさのカプセルが2つ並んでいた。

これが通信システムのようだ。

その脇に天然パーマの青年、マサキが床で眠っている。

 

 

 

「それにしても、私がこうなったら絶望するわ 」

 

「最初誰もおらん岬の小屋さかい、絶望したで。

 こんなんはもうこりごりやな。

 雛がいてくれて、ホンマ助かったで」

 

「べ、別にあんたのために

 あの場所にいた訳じゃないんだから」

(あいつなら某先生よろしく、絶望した!!とか言いそうよね…)

 

****************************

「ツンデレ成分、くる!」

「えっ、何? どしたの?」

(その格好かわいい(*゚д゚*))

 

ピカチュウがお月見山の方を見上げながら尻尾を立てた。

某機動新世紀のマイクロウェーブ受信の再現なのだろうが、

葵には応用編はまだ早かったようだ。

 

 

「へへっ、ツンデレ成分を受信しちまったぜ」

「なに!?ひたぎ様か?」

 

「いや、ルイズ、シャナ、手乗りタイガーだろ」

「ダメだ。この人達、早くなんとかしないと…」

 

 

葵はこの状況に頭を抱えていた。

なぜか黒服の男たちもノリノリで参加してくるのだ。

 

どうやら、ピカチュウと黒服の男たちは

同じ穴の (むじな)ということらしい。

 

ちなみに、ロン毛の方は釘宮病のようだ。

不治の病である。

 

 

「改めて自己紹介といくか」

「我々は、泣く子も騙る悪の組織!!」

 

「優美なる悪の華、ロケット団だあぁぁぁー!!!」

 

なぜか二人共ジョジョ立ちでポーズを決めている。

 

【挿絵表示】

 

 

「くうぅ、その紹介に痺れる、憧れるぅ」

 

「もぅ。痺れもしないし、憧れもしないでよ 」

 

 

葵はきっとノイローゼってこんな感じなんだろうな、と思った。

 




「っつーか、お笑い芸人にいなかったっけ?
 お前ら?」


「違うッ!絶対に違う!」

「俺が、俺達が、ロケット団だ!!!」


どこから取り出したのか
二人ともビームサーベル型の傘(ガンダムカフェで購入)
を右手に持ち、右斜め前にサーベルを構えポーズをとっている。


「なかなかやるようじゃねーか、ロケットなんたらってのは」

「大丈夫?
 声がクレ○ンしんちゃんのお父さんみたいだよ?
 あと、ロケット団ね」


カオスすぎる状況の中、日が傾き始めていた。
頑張れ、葵。
これを突破できるのは君しかいない。
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