背後からもう一人の黒服の男が本当に近づいてきていたのだ。
ピカチュウの電撃を黒服の男はかろうじて避ける。
「ぴか中のレベル
「? ピカチュウのレベル5はあんまり強くないよ?」
「むぅ。確かに聞こえが悪いな 」
とある学園都市のネタなのだが、
雛の不在により流れてしまったようだ。
電撃を避けた黒服の男は、
前髪が右側だけ長く、右眼が隠れている。
身長は180cm近く、細身でモデルのような体型だ。
黒服の男はピカチュウと距離をとり、
通信をしていたもう一人と合流する。
通信をしていた黒服の男は、
長髪(いわゆるロン毛)で帽子を被っている。
こちらも同じくらいの背格好だろうか。
スタイルが良い。
服装は、二人とも上下黒で統一されている。
胸のあたりには何かのイニシャルであろうか、
”R”と 赤文字のロゴが入っている。
黒服の男たちは通信機器を手早く畳むと、
ピカチュウと葵に向き直った。
「で、何者だ? お前ら」
ピカチュウは黒服の男たちに問いかける。
「何者だ? と聞かれたら」
「答えて…って、エリートと下っぱどっちやる?」
「うむ、知名度的に下っぱの方か」
「なんか最近は四字熟語を挟むのがトレンドらしいぞ」
「初耳だ。奴らも苦労してるようだな」
黒服の男たちが、何やら話込み始めてしまった。
そして、いつの間にかピカチュウの目の前に
ニャースの着ぐるみが用意されていた。
「なぁ、葵。
よく分からんが、参加した方がいいのか?」
葵は、ニャースの着ぐるみを
装備しようとしていたピカチュウを制止した。
「それは色々と問題だから、ね?」
(これは雛ちゃんいないとダメなやつ、かな………)
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「誰かが私を見ている?」
「ん、誰かおるん?」
「ああ。気にしないで、気のせいよ」
(ネタだったんだけど、華麗にスルーされたわ)
雛は関西弁のコラッタから事情を聞いた。
彼の名前は、マサキ。
ポケモンの預かりシステムや、
パソコン通信システムなどの管理責任者らしい。
通信システムの調整中にトラブルを起こしてしまい、
今の状態になってしまったようだ。
身体を元に戻すため、協力者を探していたところ
雛を見つけということだ。
今は彼の身体を元に戻すため、マサキの家に向かっている。
「あの、ちょっと聞きたいんだけど」
「なんや?」
「そのトラブル以外でポケモンが
人の言葉を喋れるようになることってあるの?」
「う~む、都市伝説レベルやな。
こういうトラブルなんかで
こないなってしまうんはあるかもしれへんけど……」
「そう、なんだ」
(…あいつは歩く都市伝説…あるいは…)
「まぁ、専門外やから深くは知らんけどな。
お、着いたで」
そうこうしている内にマサキの家に到着した。
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「で、あれがあなたって訳ね…」
「せや、麻酔うってあるんで眠っとる。中身はコラッタや」
マサキの部屋は昼だというのに薄暗い。
パソコン機器や配線がいたるところに配備されていた。
奥には人が入れるくらいの大きさのカプセルが2つ並んでいた。
これが通信システムのようだ。
その脇に天然パーマの青年、マサキが床で眠っている。
「それにしても、私がこうなったら絶望するわ 」
「最初誰もおらん岬の小屋さかい、絶望したで。
こんなんはもうこりごりやな。
雛がいてくれて、ホンマ助かったで」
「べ、別にあんたのために
あの場所にいた訳じゃないんだから」
(あいつなら某先生よろしく、絶望した!!とか言いそうよね…)
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「ツンデレ成分、くる!」
「えっ、何? どしたの?」
(その格好かわいい(*゚д゚*))
ピカチュウがお月見山の方を見上げながら尻尾を立てた。
某機動新世紀のマイクロウェーブ受信の再現なのだろうが、
葵には応用編はまだ早かったようだ。
「へへっ、ツンデレ成分を受信しちまったぜ」
「なに!?ひたぎ様か?」
「いや、ルイズ、シャナ、手乗りタイガーだろ」
「ダメだ。この人達、早くなんとかしないと…」
葵はこの状況に頭を抱えていた。
なぜか黒服の男たちもノリノリで参加してくるのだ。
どうやら、ピカチュウと黒服の男たちは
同じ穴の
ちなみに、ロン毛の方は釘宮病のようだ。
不治の病である。
「改めて自己紹介といくか」
「我々は、泣く子も騙る悪の組織!!」
「優美なる悪の華、ロケット団だあぁぁぁー!!!」
なぜか二人共ジョジョ立ちでポーズを決めている。
「くうぅ、その紹介に痺れる、憧れるぅ」
「もぅ。痺れもしないし、憧れもしないでよ 」
葵はきっとノイローゼってこんな感じなんだろうな、と思った。
「っつーか、お笑い芸人にいなかったっけ?
お前ら?」
「違うッ!絶対に違う!」
「俺が、俺達が、ロケット団だ!!!」
どこから取り出したのか
二人ともビームサーベル型の傘(ガンダムカフェで購入)
を右手に持ち、右斜め前にサーベルを構えポーズをとっている。
「なかなかやるようじゃねーか、ロケットなんたらってのは」
「大丈夫?
声がクレ○ンしんちゃんのお父さんみたいだよ?
あと、ロケット団ね」
カオスすぎる状況の中、日が傾き始めていた。
頑張れ、葵。
これを突破できるのは君しかいない。