ぴかちゅうのなく頃に再   作:せいばー

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「あ~もぅ。どうしたらいいのかな?
 雛ちゃんにココア送ってみよう」


ココアと言うのは、スマホアプリである。
心ぴょんぴょんしそうな名前なのは気にしない。
この世界のカ○オトークやラ○ン。
つまり、無料通話アプリだ。


「あ、返ってきた。

 ”ピカチュウはご褒美で釣るのよ。
 萌え系だとなお良し▽・w・▽”

 顔文字よく分かんないけど……
 っと、萌え?」


一方、ピカチュウはというとー


「俺は、レンレンを推すぜ!」

「私は、榊原様だな。
 ハマーン様、万歳」

「くぎゅ一択だろ!」


ロケット団の二人と議論を繰り広げている。
話はどこまでも平行線だ。


「むむむ、レンレンってどこかで聞いたような?
 香蓮ちゃんがそんな呼び方されて………
 はっ、これだ!」


葵は何か思いつくや否や、
ピカチュウを回収(車椅子)すると、ロケット団と距離を離した。

そして、おもむろにピカチュウにスマホを見せる。


「葵どうした?
 …………な、なん…だと!?」



縹(ハナダ)3

「レンレンとお友……むごご!?」

 

「実は、香蓮ちゃんとクラスメートなんだ。

 話を進めてくれたら、電話させてあげようかな?」

「………っしゃあぁぁぁ!!

 やぁ~てやるぜ!」

 

 

ピカチュウに見せたのは、三嶋香蓮とのツーショット。

 

三嶋香蓮ことレンレンは、声優である。

現役女子中学生ながら、声優業をこなしている。

アニメ主題歌なども担当し、コンサートも単独で行うほど。

歌のときのクールな感じと、

普段の舌っ足らずな喋りのギャップが魅力なのだとか。

 

ピカチュウは、ロケット団に向き直る。

 

 

「さて、縹の民家での窃盗事件の犯人はお前らか?」

 

「ご名答だ。電気ネズミ」

(なんだ?雰囲気が変わった?)

 

「我らの正体を知られたからには、

 生きて帰す訳にはいかないな」

 

「はっ、テンプレみてーなこと言いやがって。

 俺は生きて帰るんだ!

 レンレンが俺を待ってる」

 

「やったよ、雛ちゃん」

(そして、ごめんね。香蓮ちゃん)

 

友人を出汁に使ってしまい少し後ろめたい葵であった。

かくして、ようやく本題に移る。

 

****************************

 

「っお~~し。

 この感じ、この感じ。懐かしいで~」

 

 

自分の身体が動くか確認するように

肩を回しながらマサキが言った。

 

雛の協力のおかげで、

なんとかマサキは人の体に戻ることができたようだ。

 

入れ替わってしまったコラッタも無事みたいだ。

今はぐっすり眠っている。

 

 

「ほんま、おおきに。助かったわ」

 

「べ、別に感謝されるほどのことじゃないわ」

 

「そや、お礼といっちゃなんやけど」

 

 

マサキはそう言うと、

奥の部屋からモンスターボールを持ってきた。

 

 

「今回のお礼や」

 

「いいわよ、そんなの 」

 

「義理と人情は大切にせなあかん。わいの気持ちや」

 

 

そう言われては仕方ない。

雛はマサキからモンスターボールを受け取る。

 

 

「ちょい、出してみ」

 

「ええ。それっ」

 

 

雛は言われた通り貰ったボールからポケモンを出してみた。

ボールから現れたのは………

 

****************************

 

 

「この子は?」

 

 

モンスターボールから出てきたのは、

小さなウサギに似たポケモンだった。

首の回りにモコモコした毛があり、尻尾もふっくらしている。

 

 

「こいつはな、イーブイゆーんや」

 

「イーブイ」

 

「せや、こいつは特殊なやつでな。

 なんと進化の可能性を8つも持っとる」

 

「そんなに!?」

 

「炎、水、雷、エスパー、

 悪、氷、草、フェアリーの8つやな。

 こいつはその中でも特殊で、内2つは標準装備や」

 

「それって、どういう?」

 

「まあ、ちょいと訳ありでな。

 ある条件を満たすとタイプが変わってまうんや

 基本は、この状態なんやけどな……」

 

「えぇ。…ポケモンにも色々あるのね」

(ん? それって、ピカチュウと似てる……ような…?)

 

 

フリーザー戦のピカチュウの変化が頭をよぎる。

あの時、タイプか変わっていたように見えた。

イーブイと何か関係があるのだろうか。

 

 

「そうやな…。

 あと、ちょいと人間嫌いなんや。こいつ。

 でも、ま。ちゃんとしてやれば、バトルでの切札になるはずや」

 

 

そう言うわりに、マサキにはなついてるようだ。

イーブイはマサキに首の下を撫でられ気持ち良さそうだ。

 

 

「ありがとう、大事に育てるわ」

 

「そうや、雛はポケモン修行中やったな。

 せっかくや、手ぇ貸すで」

 

 

マサキは雛の手持ちを思い出し、あることを思いついた。




「頭数揃ってるからダブルバトルといこうぜ」

「望むところだ」

「と言わせて貰おう」

「抱きしめたいな、……っとまた脱線するところだった」

「よく出来ました」

なでなで
葵はピカチュウを撫でた。

ピカチュウは、勝ち誇った顔でロケット団に目をやる。


「あいつッ!
  八○月 (キラ) みたいな顔しやがって!
 羨ましいな、こんちくしょーが!」

「くッ、こんなにピカチュウになりたいと思ったことはない」


本気で羨ましがる変態紳士が約2名。
こんなのが本当に悪の組織の一員なのか心配である。


「そろそろ始めようぜ、ハクリュー」

「キレイハナ、お願い」

「ゆくぞ、マルマイン」

「出番だ、ゴースト」


日が暮れゆく中、ようやくバトルが始まるのであった。
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