面白い物見せたるで」
なんだか楽しそうなマサキ。
事前にポケセンのパソコンで連絡してや、
と付け加えていた。
事前に連絡するのは大事なことで、
大人になってもこれさえ出来ていれば
大抵なんとかなるのだ(体験談)
脱線したが話を戻そう。
時刻は昼過ぎ。
帰るには早いので、トレーニングに戻る事にした。
トレーニング場所に戻った雛は
挨拶も兼ねてイーブイをボールから出した。
「出てきて、イーブイ」
イーブイはボールから出ると周囲を見渡す。
知らない場所だと分かると、不安そうな表情をしている。
「ああ、ごめんね。
これがないとダメなんだっけ」
マサキから預かったスカーフを鞄から出して
イーブイの左前脚に巻いてあげた。
このスカーフはイーブイを保護したときに
くわえていたそうだ。
これを着けていると落ち着くらしい。
巻いてあげたスカーフの匂いを嗅いで
少し表情が和らいだように見える。
「これからは私があなたのトレーナーになるの。
よろしくね」
イーブイの頭を撫でようとしたが、
後ろに飛び退いて雛の手を避けてしまう。
「仲良くなるには時間が掛かりそうね。
あ、それなら。
皆、新しい仲間にご挨拶!」
フシギダネ、サンド、ケーシィをボールから出す。
戸惑うイーブイにフシギダネが歩み寄った。
フシギダネは協調性が高くお姉さんみたいな存在。
フシギダネはイーブイの前で伏せてみせた。
イーブイより頭を低くして攻撃の意思が無いことを
アピールしているようだ。
イーブイも警戒を解きフシギダネと同じように、その場に伏せる。
お互いに”よろしくね”と挨拶しているみたいだ。
サンドは丸くなるとイーブイの前をコロコロと転がる。
サンドを眼で追うイーブイ。
好奇心に負け、丸くなったサンドを追い始めた。
サンドは面倒見の良い次女タイプ。
何度かイーブイの飛びかかりを避ける。
サンドはスピードを少し緩めた。
イーブイはそれを見逃さず、サンドに飛びついた。
だが、イーブイの目の前からサンドが突然消えてしまう。
周囲を確認すると、
ケーシィが丸くなったサンドを小脇に抱えていた。
まるで取ってみろと言っているようだ。
ケーシィは悪戯好きな三男といったところ。
サンドが憤慨したように鳴いているのは気のせいだろうか。
フシギダネがイーブイに声をかけ、ケーシィに向かって走ってゆく。
イーブイもフシギダネの後に続いた。
「人間は苦手でも同じポケモンなら、ね」
最近トレーニング続きだったのもあり、
午後はポケモンたちを遊ばせることにした。
イーブイも輪の中に入れたようで一安心だ。
雛はポケモンたちが遊んでる間に
おやつの用意をすることにした。
ポケモンたちの栄養管理もトレーナーの勤めである。
程なくして、おやつの時間となった。
「みんな~。おやつにしましょう!」
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シートを広げると、おやつタイム。
ポケモンたちが好きなおやつを食べ始めた。
始めはイーブイは警戒し、匂いを嗅いでいた。
サンドが横で食べるのを見て、おそるおそる口をつける。
どうやら口に合ったようで、イーブイも食べ始めてくれた。
ケーシィが隙を見てイーブイのおやつを横取りした。
怒ったイーブイと何やらやりとりをしている。
先程のサンド争奪戦の決着を付けようとしてるらしい。
決着前におやつとなってしまったからだ。
ケーシィがテレポートで逃げ回るが、
イーブイも電光石火で応戦。
何度かテレポートでかわされたイーブイ。
ケーシィが同じ場所を移動してるのを看破すると、
予測地点目掛けて体当たり。
慌てて避けたケーシィがおやつから手を放す。
そこに電光石火を重ね、イーブイはおやつを取り返した。
得意気なイーブイに、ケーシィもお手上げというジェスチャー。
「みんな、ありがと。
私もポケモンだったら………なんてね」
雛の気持ちを察したのか
フシギダネが脇に寄ってきて隣に座った。
「まったく。
あなたには頭が上がらないわ」
雛は苦笑いをしながら、フシギダネの頭を撫でた。
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このところ、日が暮れるのが早くなっている。
夏ならまだ明るかった時間帯だが、もう薄暗い。
「さて、今日はこの辺で引き上げ……」
その時だった―
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓ッ!!?!
森全体に猛り狂った獣ような鳴き声が響き渡る。
「何の声?」
森がざわついている。
先ほどの獣のような彷徨のせいだろう。
「皆、気をつけて!」
ポケモンたちに警戒を呼びかける。
周囲は木々が生い茂っていて、
彷徨の主が何処からくるか分からない。
周り全てに気を配る必要がある。
背後に何かの気配がした。
雛はすかさず身構えた。
ポケモンたちも迎撃体制に入る。
背後にいた何かも飛び出してきた。
影は2つ。
「フシギダネ、つるのむち!」
「ヒトデマン、バブル光線!」
「「ッ!?…攻撃中止!」」
双方、一瞬の判断だったがポケモンの攻撃命令を中断。
先ほどの彷徨は人間のものではないのは明らかであるからだ。
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「あなた!
そこで何してるの?」
「! あの、トレーニングの帰りで……」
現れたのは、自分と同じくらい(少し年上?)の少女だった。
ランニングでもしていたのだろうか、
スパッツにパーカーを羽織っている。
もう一つの影はヒトデマン。 彼女のポケモンのようだ。
焦っていると、他人に厳しくしてしまう。
自分の悪い癖が出てしまった、とパーカーの少女は
ばつが悪そうに続けた。
「ああ、悪かったわ。
こういう時は私から名乗るものよね。
私はカスミ。
別に目があったからバトルしましょう、
なんてことないから安心して。
あなたは?」
(何処かの世界を全否定みたいな気もしないでもないけど )
「私は、藍川雛乃…………
って、ジムリーダーの!?」
「ええ、一応ハナダジムのリーダーよ」
サラッと正体を明かすハナダジム、ジムリーダー。
おてんば人魚の異名でカントー地方で
人気(特に男性)のあるハナダジムのジムリーダーである。
現在、雛の目標としている人物その人だ。
「トレーニングの帰り、か。
でも、ちょっとタイミング悪かったわね」
「……さっきの”鳴き声”のこと?」
「話が早いみたいね。
とりあえず状況を説明するわ」
カスミは雛に現在状況の説明を始めた。
「たつき、俺は信じてたぞー!!」
「どうしたの、ピカチュウ?
っていうか、誰?」
「けもフレの監督だ」
「あ、それなら分かるよ。
サーバルちゃんでしょ?
すごーい」
「YES、I Love Friends!」
「なにそれ(笑)」
いつものピカチュウであるが、
一応ロケット団員たちとのバトルの最中だ。
ピカチュウと葵の会話を聞き、
ロケット団員たちも攻撃の手を止める。
「やっぱり、
あのピカチュウただ者じゃねぇ。
11話はヒヤヒヤものだった」
「ですね。
煽りを入れての12話は見事でした。
二期も確定しましたし、楽しみですよ。
では、そろそろ再開しましょう!」
ピカチュウと葵にも聞こえるように
バトルを再開を宣言する団員。
多分、彼らなりの美学があるのだろう。
戦況は五分五分。
ロケット団員達は、 スピードのマルマイン&ゴースト。
ピカチュウと葵は、 バランスのハクリュー&キレイハナ。
ロケット団員も中々のもので、コンビネーションも良好。
ただ、ピカチュウは腑に落ちない。
なぜかマルマインの方が攻撃を受ける機会が多いことに。
「………何かあるのか?」
「ん、どうしたの?」
「あいつら、体力調整が下手だよなって」
「言われてみれば、そうかも」
ダブルバトルで重要なことは
体力の歩調を相方と合わせる、体力調整。
片方が倒れてしまうと、ほぼ負けが確定するからだ。
ときには、相方の攻撃を自分が受けたり、
防御技で相方を守ることも戦術の一つになる。
しかし、ロケット団員たちはマルマインに
攻撃を受けさせているように見えるのだ。
「なんだ?
ビビっちまったか?」
「ならば、こちらから仕掛けるまで!
マルマイン、スパークです!」