ピカチュウはボールに入ると窮屈だというので
自分で歩かせることにしたようだ。
雛「い、いよいよジム戦ね」
ぴ「どした?声裏返ってるぜ」
雛「なんでもないわよ。
(初ジム戦なのよ、緊張するクールになれ、藍川雛乃) 」
ぴ「………。なぁ、博物館行かねぇか?」
雛「え?」
ぴ「恐竜の化石とか男のロマンだぜ。
ジュウレンジャー面白かったしな」
雛「私は女。
今の子にはキョウリュウジャーの方が分かりやすいわよ。
ってか、あんた何歳だ?」
ぴ「とにかく行こうぜ」
屈託のない笑顔でピカチュウはそう言った。
雛「別に私は行きたくないけど、あんたがそこまで言うなら」
ぴ「よし、決まりだな」
ピカチュウはそう言うと雛の前を歩き出した。
雛(まったく、ポケモンのくせに気ぃつかちゃって)
雛は微笑むと、ピカチュウの後に続く。
1人と1匹は科学博物館に向かった。
【挿絵表示】
鈍(ニビ)1
ニビシティの北西にある科学博物館だ。
入場料は大人100円、子供50円と大変リーズナブルである。
館内は2階立てになっており
1階では、古代ポケモンの化石
2階では、宇宙博覧会が開催されているので
人類が初めて月に到達した時に使用したスペースシャトル
【コロンビア号】や、 月面から持ち帰ったとされる
月の石がそれぞれ展示されている。
ちなみに2階は、予約制で他の催し物も申請すれば
開催することが可能だ。
雛とピカチュウは1階の古代ポケモンの化石を見て回る。
ぴ「かっこいいぜ!今にも動きだしそうだな」
雛「子供みたいにはしゃいじゃって、まったく」
ぴ「上の奴かなり強そうだよな」
ピカチュウは天井に吊されている化石を見上げた。
生前は、その翼で大空を駆け巡っていたのだろう。
恐竜のプテラノドン(翼竜)に似たその化石には
プテラという名前が付けられている。(1階のパネルに名前が表記されている)
雛「ちょっと怖いくらいね。
私は、このぐるぐる巻きの貝が気になるわ」
入口から右手に展示してあるアンモナイトに似たその化石は
オムナイト、隣がその進化形のオムスターというらしい。
ぴ「そいつは水タイプっぽいよな
横のでかいカマキリみたいなのは何だ?」
雛「えっと、カブトプスだって」
オムナイトたちの横には、カブトガニに似た化石が
並んで展示されている。
名前は、カブトとその進化形カブトプスというそうだ。
一通り1階を見学し終えると、ピカチュウと雛は2階へ移動。
スペースシャトルや、月の石を一通り見て回る。
最後に売店でスペースシャトルのキーホルダーと月の石饅頭を購入した。
見学を終えて帰ろうとしたその時だった。
ジリリリリリリリリ!!!!
博物館内に警報が鳴り響く。
雛「な、何!?」
見学に来てたおっちゃん
「何者かが1階の化石いじって復元しちまったらしい。
お嬢ちゃん達も早く逃げな!」
館内は、軽いパニック状態となっていた。
非常口や出口には人が殺到している。
しかし、懸命な職員、警備員たちによる誘導で幸い怪我人はまだいない様子だ。
人々が逃げて行く中、ピカチュウは仁王立ちしている。
ぴ「やってくれるじゃねぇか。 俺の至福の時間を。
俺は今、猛烈に熱血してる!」
雛「ネタが古い! こんな時につっこませないでよ。
もう、逃げるわよ!」
けたたましい鳴き声と共に現代に蘇った
オムスター、カブトプス、プテラが
雛とピカチュウの前に現れた。
雛「きゃ」
ぴ「ふん、まとめて相手してやるぜ」
博物館には3匹の古代ポケモンとピカチュウ、雛だけになっていた。
ぴ「どいつもこいつも殺気立ってやがるな」
雛「ちょっと、早く逃げないと」
ぴ「こいつら逃してくれそうもないぜ。 俺が全部ぶっとばす」
雛「相手3匹なのよ、大丈夫なの?」
ぴ「俺を誰だと思っていやがる!(グラサン、マント装備」
雛「グ○ン団の頭か、あんたは」
会話を裂くようにプテラの彷徨が博物館に響き渡る。
その彷徨はまるで、超音波のようだ。
雛「頭、痛ッ」
ぴ「うっせぇな、この!」
ピカチュウの電撃で空中にいるプテラはバランスを崩し超音波が止む。
が、すかさずオムスターの圧縮された水圧が放たれる。
ぴ「くッ(こいつら、連携してるのか?)」
ピカチュウは、自身のスピードを高速移動で上げ、すんでのところで回避。
雛「ピカチュウ、後ろ!」
後ろに回り込んだカブトプスの鎌が無慈悲に振り下ろされた。