ぴかちゅうのなく頃に再   作:せいばー

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カツカツカツ……

廊下を歩く音が聞こえる。何処かの施設だろうか。
音の正体は端正な顔の青年だった。


「なんだ、報告か?」

「はい。例の事件現場で”あれ”を見た者がいるようです」


秘書らしき女が答える。
青年は一瞬立ち止まると、踵を返した。


「そうか。ご苦労。現場付近に向かうとしよう」

「午後の会議はどうなさいますか?」

「キャンセルだ!!!」



お月見山
お月見山1


ぴ「月は出ているか?」

 

雛「お月見山だからってマイクロウェーブは来ないから」

 

 

古代ポケモン事件から数週間後、ピカチュウは回復した。

今は、次のジムがあるハナダを目指して、お月見山に来ていた。

 

(ハナダ)に行くには、このお月見山と呼ばれる山を越えなければならない。

山とはいえ洞窟が通っているので、そこを通り抜ければ(ハナダ)に行けるのだ。

 

 

ぴ「この洞窟薄暗いよな」

 

雛「フラッシュ使えばいいじゃない」

 

ぴ「おっ、そうだな。じゃあ、 トミタケフラッシュ!

 

雛「そんな時報の人みたいなことしてると惨劇おこるわよ」

 

ぴ「まかせろ。ヤンデレも守備範囲だ」

 

「あんたって人はー!!」

 

ぴ「うぉ、種死ネタで返された。

  たが、雛のパイロットスーツ姿は萌えるぜ」

 

雛「褒めたって何もでないんだから///」

 

 

他愛もない(?)会話をしながら、多少明るくなった洞窟を進んでゆく―。

 

 

****************************

 

 

暗い洞窟を小柄な少女が駆け抜けて行く。

少女の背後には無数のコウモリポケモンが。

 

少女もキツネポケモンで応戦するが、いかんせん数が違いすぎる。

 

 

「なんて数なの、まったく」

 

 

小柄な少女は顔に似合わない口調で悪態をつくが、

コウモリポケモンの超音波で掻き消される。

 

 

(ろこたんも限界近いかな…。)

 

「きゃん」

 

 

周りが暗いせいで石に足をとられてしまった。

その隙に少女はコウモリポケモンに囲まれてしまう。

 

 

「ああ、もぅ。こいつ出すとヤバイんだけどな」

 

 

少女がカバンからHとイニシャルが刻まれているモンスターボール

を取り出そうとした時、雷撃が走る。

 

 

 

電撃の元はピカチュウとツインテールの少女だった。

 

コウモリポケモンの群れに放たれた電撃が2、3匹に命中し、

戦闘不能となった。

 

コウモリポケモンたちは一斉にピカチュウの方に注意を向ける。

 

 

ぴ「なんだ? 凌辱プレイがお好みみたいだな。ズバット共」

 

雛「ちょっと、小さい子もみてるかもしれないのに。

  あなた、大丈夫?」

 

少女「え、あ。大丈夫みたい」

 

 

ピカチュウは、ズバットの群れに向き直る。

ズバットの数は先ほど倒したものを除いても10数匹。

だが、飛行タイプに相性のいいピカチュウが勝てない相手ではない。

 

 

「争いなんてくだらねぇぜ。俺の歌を聴けー!!」

 

 

四次元空間からでも取り出しているのか、

ピカチュウはマイクとスタンドを握りしめ、電撃を放ち始める。

 

 

雛「なぜに超時空要塞」

 

少女「ぴかっとルンも光っちゃう?」

 

****************************

 

ズバットを一掃したピカチュウ一向。

行き先が同じなので、少女と同行することにした。

 

雛「怪我はない? えっと」

 

少女「 水樹葵 (ミズキアオイ)っていいます。

   助けてくれて、ありがとう」

 

雛「どういたしまして。

  私は、藍川雛乃。こっちは…」

 

ぴ「PDC(ピカチュウ大好きクラブ)電気タイプ担当。ぴぴぴ ことピカチュウです♪」

 

雛「どこのアイドルの自己紹介よ。

  後半、略称ないからって無理矢理だし」

 

葵「…………? あの、このピカチュウなんで話せるの?」

 

雛「私もよく分からないのよ。きっと突然変異じゃないかしら」

 

ぴ「俺をテラフォーマー扱いするのはヤメルンダ!」

 

 

道中ズバットや、岩石ポケモン”イシツブテ”等に出くわすが、

ピカチュウ、雛のフシギダネ、葵のキレイハナで

交互に追い返しながら洞窟内を進んでいく。

 

残り半分と書かれている案内板が見えてきた。

どうやら洞窟の半ばにさしかかったようだ。

 

 

雛「………そんな訳で、今は各地のジム巡りしてるの。

  葵ちゃんもハナダジムに?」

 

葵「あぁ、あたしは、ちょっと家庭の事情といいますか。

  ……………要するに家出中なの」

 

雛「(あちゃー、地雷踏んだかな)

  家の人心配してるんじゃない?」

 

葵「家は放任主義だから………」

 

ぴ「なんだ。だったら俺たちと一緒に行こうぜ」

 

 

それまで聞いてるだけだったピカチュウは、あっけらかんと言った。

 

 

ぴ「雛もいいだろ?」

 

雛「え、別に構わないけど。

  って、あ、葵ちゃん!?」

 

 

葵の頬には涙がつたっていた。

 

 

葵「あれ? ごめんね。

  今まで気を張ってたのが抜けちゃったのかも」

 

雛「葵ちゃん……」

 

 

雛はそっと葵を抱き寄せた。

静かに雛の腕の中で泣いている。

 

 

ぴ「どれ、ここは雛に任せるか」

 

 

ピカチュウは洞窟の先の道を確認するため、その場を後にした。

 

****************************

 

……数分後

 

 

 

「ピカチュウ? どこにいるの?」

 

ぴ「あいよ~」

 

どこまで行っていたのか、ピカチュウは尻尾を振りながら戻ってきた。

葵も大分落ち着いたようだ。

 

 

葵「ごめんね。取り乱しちゃって。

  素直に手を伸ばしてくれるのが嬉しかったのと、

  今まで気を張ってたのが抜けちゃったのが

  ごちゃ混ぜになっちゃったみたいで……

  でも、もう大丈夫」

 

ぴ「気にするな、俺は気にしていない。

  一緒に来いとは言ったが、決めるのは葵、お前だ。

  家に戻るも、一緒に行くも、自由。

  それは自分で決めろ」

 

雛(ちょこちょこseedネタ挟むわね。

  いや、私もだけども)

 

葵「……………戻っても何も変わらないもの。

  ……あたしも一緒に行ってもいいかな?」

 

ぴ「気が済むまでいればいい。

  んじゃ、よろしく頼むぜ! 妹キャラ担当」

 

葵「不束者(ふつつかもの)ですが、よろしくお願いします!

  お兄ちゃん」

 

ぴ「くッ。今のは効果抜群だったぜ。

  ギャラドスが10万ボルト喰らったみたいにな。

  魔法科高校の優等生みたいに、お兄様とか、

  北条家妹みたいに、にーにーでもいいぞ」

 

雛「あんたは何やってんのよ……

  葵ちゃんも嫁入りじゃないんだから(苦笑)

  あと、普通にピカチュウって呼んでやってね。

  改めてよろしく」

 

 

雛が手を差し出した。

その手を葵も取り握手を交わす。

ピカチュウも手を伸ばすが、

届かないので、二人はそのまましゃがんであげた。

握手した手にピカチュウも小さい手を重ねる。

 

 

葵を仲間に加え、一向は洞窟の出口を目指して歩き出した。

 

【挿絵表示】

 




洞窟のかなり奥まで進んできたようだ。
出口の案内板がでている。


ぴ「むぅ」

雛「どうしたのよ?」

ぴ「いや、ツンデレ、妹系娘ときたら、次はヤンデレだと思うんだが…」

葵「お嬢様とか、お姉さん系とかかもね」

雛「それなんてギャルゲー? それに、そんな都合良くいかないわよ 」


出口に到着した。
ピカチュウが出口から一歩でた瞬間だった。

天候ががらりと変わる。
先ほどまで晴れていた空が、雷鳴と吹雪という異常な気象になった。


「見つけたぞ」


端正な顔つきの青年が、ドラゴンのようなポケモン2匹を連れ現れた。


「って、ええ!? 嘘でしょ。 四天王のワタル?」

ぴ「ちっ、死亡フラグか…」
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