それでは存分にお楽しみください
『魔術師』ステイル=マグネスを撃破した上条はナイフをしまい呟く。
「さて、インデックスの様子はどうなっているかな」
シニカルな笑みを浮かべてインデックスの元へ歩く。彼女は危険な状況だった。彼は彼女を背負い、とりあえず学生寮を出る。路地裏に入るとインデックスの頬を叩く。
「さて、これからどうするかな」
そう、問題はそこなのだ。彼女を匿うのならば最悪『死』の可能性も出てくるだろう。だが、
「このままほっておくわけにもいくまい。」
そうほっておけば彼女は確実に死ぬだろう。仮にもこの身は『殺人鬼』どの程度の傷で人が死ぬかなど簡単にわかる。
「べつ、に大丈、夫だよ?内、臓が傷つい、てるわけじゃないから、傷さえふさがればなんとか…」
だが、彼に回復魔術は使えない。ならば手段は一つ
「おい、インデックス魔術使えるか?できるなら手順を教えろ。その傷を治療するぞ」
そう彼に手段がないなら、違う場所から持ってこればいい。インデックスの頭の中にある十万三千冊を使えば容易いだろう。だが、
「君、には無、理かも」
傷の所為で上手く言葉を出せないが、インデックスは答える。そう彼にこの魔術は使えない。
「どうしてだ?オレの右手ならon/offが可能だから問題ないが」
「違うんんだよ。そういう意味じゃなくて」
そう、なぜなら……
「そもそもとして超能力者ってゆうのがダメなんだよ。『魔術』ってゆうのは、君たちエスパーみたいに『才能ある人間』が使うものじゃなくて『才能の無い人間』が異能を使うためのものなんだよ」
超能力者には魔術が使えないのだから。
「君たち『超能力者』と私たち『魔術師』はつかっている魔術の回路が違うの」
ゆえに上条当麻は『魔術』が使えない。彼がいくらLevel0で、異能が使えなくても、彼の『直死の魔眼』はその回路を使って発動しているのだから。
だが、彼もそのままでは終わらない
「超能力者じゃない人間なら誰でもいいんだな?」
「?うん。この、程度なら、中学生で、もできると思、うけど」
上条はインデックスを背負い走りだす。そうソレだけが聞きたかった。魔術の才能がいらないのならば問題ない。
彼の頭の中には小柄な担当教諭が浮かんでいた。
―キングクリムゾン!小萌先生の家までのやり取りは全て消し飛ぶ!―
全力疾走して、担当教諭の住所の場所まで来た上条が見たものは!
いかにもな外見のアパートだった。
「……」
言葉を失う上条。だがここで止まっていたらインデックスの命が危ないため、眼鏡をかけて担当教諭の部屋のチャイムを鳴らした。
「はいはーい。新聞はお断りですよ~」
などと、成人女性でも高い声で返事をしたのが、自身のクラスの担任。月詠小萌だ。
「あら?上条ちゃんどうしたんですかこんな時間に」
「いえ、少し先生に用事がありまして、中入りますよ、答えは聞きません」
小萌を押しのけて進んでいく上条。
「だめですよ~///教師の部屋に無理やり入るなんて」
「背中に背負ってるもの見てからいってください」
その言葉を聞いて、上条の背を見る小萌。
「キャー血まみれの女の子が、どういうことですか上条ちゃん!」
「えーっとですね、この子は知り合いで、学園都市に今日着たばかりでして。案内の約束をしていた俺が迎えに行くと、スキルアウトにこの子が囲まれて、背中を切られたんですよ。で、スキルアウトから逃げ回ってたんですけど、状態が危なかったので、ここにつれてきました。」
インデックスを寝かせながら真っ赤な嘘を本当のことのように話す上条。
「さて、この子宗教やってるんで、頼み事とかなるべく聞いてあげてください。俺少し用事があるんで」
「どこ行くんですか上条ちゃん」
少し怒った様子の小萌に引き止められる。インデックスをおいていくことに怒っているのだろう。だが上条にもここに留まれない理由がある。
「いえ、コレをやった奴等がここにきたらやばいのから、相手してきます」
それだけ言い残し、上条は出て行った。困惑する小萌の姿をスルーして、
「生命力の低下に伴いヨハネのペンを起動します」
機械的な口調で、抑揚の無いインデックスの声が部屋に響いた。
――――
一方の上条は路地裏に来ていた。そう彼は尾行されていたのだ。それを撒いたのだが、そのままでは見つかる可能性があったのでわざわざ自分からあいに来たのである。
「あの子はどうなっていますか」
女の声が路地裏に響き渡る。ソレを聞いて上条は嗤う。
「なに、今治療中だよ。そんなことより、だ」
彼の右手にはナイフ『七ツ夜』が握られ、顔には何もかかっておらず、目は蒼くなっていた。
「殺し合おうじゃないか魔術師」
その言葉と同時に上条は駆け出した。暗闇の中に居たのは、二メートル以上ある刀を持った、片足が切られたジーパンと、腹だした格好の美女だった。
上条が駆ける。そして彼女が自身の刀に手をかけると同時、七つの斬撃が、上条の左右前方から迫る。ソレを上条は、七ツ夜で切り裂いた。そして突然彼は足を止める。そこは彼女の間合いの一歩前。後一歩進めば刀が自身を真っ二つにするだろう位置。そして彼女が口を開く。
「七閃を初見で見破り、ステイルの『魔女狩りの王』をその、ただのナイフで制す」
そう、先ほどの斬撃、魔術ではなく、ワイヤーが七本同時に襲ってきたのだ。ソレを上条は、すべて切っただけ。現に先ほどの場所にはワイヤーが落ちている。
「そんなことは素人にはできないでしょう。えぇ問わせていただきます。貴方はいったい何者なんですか」
それを聞いて上条は嗤う。
「人に名前を聞く時は自分からって聞かなかったのか?まぁいいオレの名は上条当麻。ただのしがない殺人鬼だ」
そして彼は彼女に問う。
「吾オレ無意識かどうかは不明だが、言葉と一緒に殺気が飛んでくる。いきなりのことに彼女は少し怯むがすぐに答える。
「神裂火織です。ですが、できればもう一つの名は名乗らせないでください」
「もう一つの名?あぁ魔法名とやらか。別に名乗ってくれて構わんぞ?やることは変わらん」
上条の笑みが深くなる。ソレを見た神裂は、
「いえ、コレは忠告ですよ上条当麻。次に合うときまでにあの子――インデックスと縁を切ってください」
「ほう切らなければどうなる」
上条が不敵に嗤いながら問う。ソレを神裂は一瞥した後、背を向け去っていった。
「そのときは――名乗ることになるかもしれません。私の魔法名を」
とゆう言葉を残して。上条は神裂が居た場所に背を向け小萌のアパートまで歩を進める。
「まったく何が「何者ですか」だ。それはこちらのセリフだ。油断していたら一週間は動けなかったかもしれん。だが、まぁいい」
彼は七ツ夜をポケットにしまい、眼鏡をかける。
「俺はインデックスを守り抜くだけだからな」
そこまで行って彼は空を見る。嗚呼今日は――
「こんなにも、月が――綺麗だ」
聖人と死神は邂逅した。次に待つのは争いか、和解か。
月が不気味に輝いていた
どうだったでしょうか?少しはレベルが上がっていると嬉しいのですが。
ご感想お待ちしております