次回は姫神!ではなく過去へんです。
それではお楽しみを
「私には魔力が無いから魔術は使えないんだよ」
(なんてインデックスは言ってたが、やれやれ聞くのを忘れてたな)
考えを一時中止し、彼はインデックスの様子を見る。
眼の中には血のように紅い魔方陣が浮かび、表情は氷のごとく冷たい。
「教えてくれるか?インデックス」
目の前の少女は何も答えない。それでも彼は言葉を止めない。
「なんで超能力者でもない貴様に魔力が無い」
その理由は目の前にある。イギリス清教のセキュリティだったのだ。彼女の使うことができる魔力は全て、この『首輪』に使われていたのだ。
十万三千冊の魔道書を全て使い放たれる魔術は確かに『最強』だろう。ソレはもう『魔神』の域だ。
「―――『書庫』内の十万三千冊により、防壁を破壊した魔術の術式を解析。――失敗。該当する魔術は発見できず。侵入者に最も効果的と思われる特定魔術を組み上げます」
瞬間インデックスの前の空間が――割れた。
「―――侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功。『聖ジョージの聖域』を発動。侵入者を破壊します」
上条は自身が愛用する凶器―七ツ夜を探す。発見し、七ツ夜(とてつもない衝撃を受けたにもかかわらず傷一つない)を取ろうと得物の元へ走り出した瞬間、上条の背中に悪寒が走る。彼は咄嗟にインデックスを見る。
魔方陣が宙に浮かび、空間に走る亀裂が今――割れた。
「クソ、がぁ!」
反射的に右手を亀裂に伸ばす。その瞬間亀裂から光の柱が上条に迫る。
『幻想殺し』が魔術を打ち消す。しかし、光の柱は一つ一つの粒で構成されており、完全には打ち消すことができない。
「どうした!何があった上条当麻」
「いったい何が……コレは『聖ジョージの聖域』!なぜインデックスが魔術を使っているのですか!?」
二人の魔術師が音を聞き、部屋に入ってくる。
「コレを一旦止めてくれ、この状態じゃ動けない」
「Salvare000」
神裂が魔法名を名乗り、彼女の『七閃』がインデックスの下の畳を切り裂く。
ソレによりインデックスの放つ魔術は上にそれる。
その隙に上条は七ツ夜を拾う。
「早くあの子を助けろ、超能力者!」
インデックスは体勢を元に戻し魔術を放つ。
しかしステイルの『魔女狩りの王』が『聖ジョーシの聖域』を食い止める。
「言われなくてもやってやる!」
――閃走・水月――
上条はゼロから百まで加速する。と、同時に上から羽が降ってくる。
「気をつけてください上条当麻!その羽は一枚一枚が『ドラゴン』の一撃と同意です」
その言葉を聴いた上条は進む道の邪魔をする羽を一枚一枚、『点』を突いて殺していく。
『魔女狩りの王』が『自動書記』により逆算され、消される。だがソレと同時に上条はインデックスまでたどり着く。
(神サマとやら、世界がお前が作ったシステムの通りに動いているんなら)
上条は眼を限界まで見開き、世界に対し宣言する。
(まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!)
見開いた眼は『自動書記』の『死』を明確に映す。見えた点を七ツ夜で穿ち、そのままインデックスの体を抱え、羽が降らない場所まで駆ける。
――閃走・水月――
最高速まで一気に加速し、ステイルと神裂に続き部屋を出る。
と、そこで何かに気付いたように部屋を振り返り、敵に最後の言葉を放つ。
「理解したか『自動書記』。それがモノを殺すってことだ」
シニカルに笑い彼は眼鏡をかけて外に出た。
――――
結局、インデックスは一時上条が預かることになった。ステイルが言うには
「あの女狐、ブッ殺シテヤル」
などと危ない笑顔で言っていた。
「こっちなんだよ、とうま!」
だが、そんなこと今は関係ない。日常はまだ、続いていく。