問題児たちが異世界から来るそうですよ?~全裸王(ユウシャ)異世界に起つ   作:固竜

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ニンフさん可愛い


~決心~

 

 

 「一刻程で戻ります!皆さんはゆっくりと箱庭ライフを御堪能ございませ!」

 

 そう言って跳び去って行ってしまった黒ウサギ。その姿はまるで弾丸の様であった。あっという間に残された者達の視界から消え去ってしまう。

 箱庭のウサギというのは随分と早く跳べるらしいと素直に感心するニンフだった。だが、それでも本気のアルファーには敵わないだろうと思ったが。

 

 ニンフ達は互いに自己紹介をした

 

 

 

 そして現在、ニンフたちはコミュニティのリーダーであるジン=ラッセルに連れられ箱庭の外門をくぐっていたのだった。

 

 ―――箱庭二一〇五三八〇外門・内壁

 

 ニンフ達四人と一匹はジンの案内の元、石造りの通路を通り箱庭の幕下に出た。その時ニンフ達に眩しいほどの光が降り注いだ。暗い所から急に明るい所に出るとよく起こる眩しい感覚がニンフ達を襲う。

 

 (なるほど、内側に入ると空が見えるようになっているのね)

 

 空が見える事に少し気分を良くしたニンフ。トモキと一緒にここでも空を飛びたいと思ったのは余談である。

 

「箱庭を覆う天幕は内側に入ると不可視になるんですよ。そもそもあの巨大な天幕は太陽の光を直接受けられない種族の為に設置されていますから」

 

 そう言うジンに飛鳥は青く広い空を見上げて皮肉そうに言った。

 

「それはなんとも気になる話ね。この都市には吸血鬼でも住んでいるのかしら?」

 

 吸血鬼という言葉がなんとなく気になったニンフは無意識にジンの言葉に耳を傾ける。

 

「え、居ますけど」

「・・・・・・。そう」

 

 飛鳥はジンの即答とも言える答えに複雑そうな顔をしている。

 ニンフは実物の吸血鬼を見た事はないが元マスターがマスターだった時に話だけは聞いた事がある。なんでも、人間の血を吸う事で仲間を増やすとか、吸血鬼はニンニクが嫌いだとか・・・。

 

(あの男が酔ってる時に楽しそうに言ってたような。ここの吸血鬼が同じモノかは分からないけど)

 

 元マスターについて思い出していたニンフは不覚にも廃棄処分という言葉を思い出し身体がブルっと震えた。

 

 「あら、ニンフさん大丈夫?顔が青いけれど」

 「え、あ!だ、大丈夫よ。この空を(トモキと)飛んでみたいなって思ってただけだから」

 「それは良い考えね!その綺麗な翼で空を飛べるなんて羨ましいわ」

 

 飛鳥はニンフの虹の様な綺麗な翼を見て言う。後ろを振り向き大丈夫と伝えるニンフは何となく翼をパタパタとさせる。いつの間にかニンフの中から恐怖が消えていた。智樹の事を考えたからかもしれない。

 

 「うん。そうだね」

 「あら、何か言った?」

 「・・・・・・別に」

 

 にゃーにゃーいう猫が耀の腕の中から抜け出す。

 突然、喋り出した耀に飛鳥は声をかけるが相手にされない。飛鳥はそれ以上追及しなかった。

 さて、ニンフは改めて前を見た。賑わう噴水広場とその近くの清潔感の漂う洒落た感じのカフェテラスが幾つも目に入った。

 

 

 黒ウサギに段取りを任せていたがその黒ウサギが居ないので好きな所を選んで欲しいと言うジン。

 

 ニンフ達は身近にあった“六本傷”の旗を掲げるカフェテラスに座った。

 

 「いらっしゃいませー。御注文はどうしますか?」

 

 店の奥から注文を取るために素早く猫耳少女が現れる。最初、コスプレかと思ったニンフだが黒ウサギのウサギ耳が本物だったので彼女もそうなのだろうと考えた。

 

「えーと、紅茶を三つと緑茶を一つ。あと軽食にコレとコレとコレと」

『ネコマンマを!』

「はいはーい。ティーセット四つにネコマンマですね」

 

 猫耳少女は注文を繰り返す。

 ちょっと注文が多かったような・・・?疑問に思うニンフと飛鳥とジンは不可解そうに首を傾げる。しかしそれ以上に驚いたのは春日部耀、信じられない物を見る様な眼で猫耳少女を問いださす。

 

「三毛猫の言葉、分かるの?」

「そりゃ分かりますよー私は猫族なんですから。お歳のわりに随分と綺麗な毛並みの旦那さんですし、ここはちょっぴりサービスさせてもらいますよー」

『ねーちゃんも可愛い猫耳に鉤尻尾やな。今度機会があったら甘噛みしに行くわ』

「やだもーお客さんったらお上手なんだから♪」

 

 猫耳少女は鉤尻尾を振り振り揺らしながら店内へと戻っていった。

 

「・・・・・・箱庭ってすごいね、三毛猫。私以外に三毛猫の言葉が分かる人がいたよ」

『来てよかったなお嬢』

「ちょ、ちょっと待って。貴女もしかして猫と会話ができるの?」

 

 飛鳥の質問に耀は頷く、ニンフはその後の会話を静かに聞く。どうやらあの耀という少女はいろいろな種族と会話ができる能力―――この世界ではギフトか―――があるらしい。

 会話の最中、飛鳥はペンギンに過剰に反応していたが好きなのだろうかと思うニンフだった。

 

「久遠さんは」

「飛鳥でいいわ、よろしくね春日部さん」

「う、うん。飛鳥はどんな力を持っているの?」

「私? 私の力は・・・・・・まあ、酷いものよ、だって」

 

「おんやぁ?誰かと思えば東区画の最底辺コミュ“名無しの権兵衛”のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」

 

 ピチピチのタキシードを着た大男が現れた。身長は2mを超えるんじゃないかというほど大きいその男は品の無い上品ぶった声でジンを呼ぶ。

 全く似合っていないタキシードを着た、まるで人間の真似をしているんじゃないかというその男は・・・・・・なんとジンの知った者だった。

 

「僕らのコミュニティは“ノーネーム”です。“フォレス・ガロ”のガルド=ガスパー」

 

 どうやらこの会話中に割り込んでくる空気の読めない残念系大男エセ紳士はガルド=ガスパーという名前らしい。スガタやトモキとは違ったベクトルの残念さをガルドから感じたニンフは少し椅子を動かし距離を取った。

 

「黙れ、この名無しめ。聞けば新しい人材を呼び寄せたらしいじゃないか。コミュニティの誇りである名と旗印を奪われてよくも未練がましくコミュニティを存続させるなど出来たものだ―――そう思わないかい、お嬢様方」

 

 ピチピチタキシードは4人が座るテーブルの空席に勢いよく腰を下ろした。飛鳥と耀はピチピチタキシードの失礼極まりない態度に冷ややかな態度で返していた。

 

 

(トモキ、早く帰ってこないかな)

 

 そんな中、トモキへの好感度が軽く天元突破しているニンフはピチピチタキシードよりも、今この場に居ないトモキの方が気になっていた。

 やはり自分もトモキ達に付いて行くべきだったかと思ったり、トモキが拾ったエロ本を処理しておくべきだったとか思ったりしていた。ニンフはジン達の話を聞きながらトモキを思うのだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 智樹がパンツロボと大活躍したいとか考えていた頃。

 

 ピチピチタキシードとの会話が一区切りついた。話しを要約すると、この箱庭の世界には魔王と呼ばれる特別な存在がいて、ジンや黒ウサギのコミュニティはその魔王の誰かに潰された・・・と言うことらしい。

 

「名も、旗印も、主力陣の全てを失い、残ったのは膨大な居住区画の土地だけ。もしもこの時に新たなコミュニティを結成していたなら、前コミュニティは有終の美を飾っていたんでしょうがね。今や名誉も誇りも失墜した名も無きコミュニティの一つでしかありません」

 

 

 ニンフは猫耳少女が運んできたケーキを食べながら今までの話を吟味する。

 

(ジンや黒ウサギのコミュニティに入ったとして無事に帰れる可能性は・・・)

 

 実はニンフ、まだ誰にも言っていないが空美町に4人で帰るつもりである。皆が居るあの場所へ必ず帰るのだと考えている。そのためには何をしなければならないか、考えるまでも無い、情報を集めるのだ。

 呼び出す事が出来るなら返す事もまた出来る筈だ、その方法を見つけて必ずあの町へ帰る。

 

(黒ウサギにその事を言ったら阻止される気がする・・・)

 

 同士が欲しい黒ウサギのコミュニティに帰りたいなんて言ったら阻止されるだろう。少なくとも私ならばそうする・・・そう考えるニンフ。なので、情報を集めるとしたらトモキとデルタ以外で行う事になる。

 

「彼は出来もしない夢を掲げて過去の栄華に縋る恥知らずな亡霊でしかないのですよ」

 

 それなのに崖っぷちなコミュニティに入って自分達がボロボロにされるのはダメだ。

 

「もっと言えばですね。彼はコミュニティのリーダーとは名ばかりでほとんどリーダーとして活動はしていません。コミュニティの再建を掲げてはいますが、その実態は黒ウサギにコミュニティを支えてもらうだけの寄生虫」

 

 リーダーは頼りない子供、まともに機能するメンバーは黒ウサギのみ。そんなコミュニティでは帰る方法が見つかるのだろうか。まともに情報を得られる気もしない。

だが・・・。

 

「私は本当に黒ウサギが不憫でなりません。ウサギと言えば―――」

 

(この事をトモキが知ればどうするんだろう)

 

 誰に対しても優しい智樹はおそらく、しょうがねえなとか言って自分の身の危険を顧みずに助けるだろう。危険だと言われても鎖を切ってくれたあの時のように・・・。

 

「事情は分かったわ。それでガルドさんは、どうして私達にそんな話を丁寧に話してくれるのかしら?」

 

 情報を集めるにはどうすればいいのか・・・

 

「単刀直入に言います。もしよろしければ黒ウサギ共々、私のコミュニティに来ませんか?」

「私はジンのコミュニティにはいるわ」

「は?」

 

 ニンフは即答する、その顔には何も迷いはなかった。情報を集められないなら、集められるまで大きくすればいいのだ。アルファーやデルタが、そして何よりトモキが居るのだからそれくらいは出来る筈だ、そう結論付けたニンフだった。

 

 

 

 世界の果て付近、トリトニスの大滝。

 蛇神と別れ、世界の果てを見た帰り道。

 

「あの、智樹さんにも言っておかないといけない事が」

「イカロス達の力が必要なんだろ?」

「・・・っ!智樹さんも気付いていたんですか!?私達のコミュニティが崖っぷちだって」

「え?そうなの?」

「え?あれ?」

 

 今一つ噛み合わない黒ウサギと智樹の会話、智樹の後ろには大量のキノコを持ったアストレア。

 

「な、なんで智樹さんはそう思ったのですか?」

「えっと、なんていうか・・・さっきのお前さ、必死に見えたんだよ」

 

 そう言って、頭をかく智樹。黒ウサギは驚いた。

 

「申し訳ありません。それとありがとうございます」

「でもさ、あいつ等にあんまり戦ってくれとか言わないでくれよ。あいつ等にはやっぱ平和に暮らして欲しいんだ。だからさ」

 

(私は騙していたのに非難したりしない。この人は優しい人なんですね。・・・黒ウサギは申し訳ない気持ちでいっぱいなのですよ)

 

 黒ウサギはイカロスとアストレアを見る。そして言うのだった。

 

「同士の命は必ずこの黒ウサギが守ります。なので安心して欲しいです」

 

 

 

 その言葉を受けた智樹は3等身だった。

 

 

 

 




テスト前だけど頑張った。相変わらず残念な文章力ですネ。

 智樹の車窓から今回は、ニンフさんのおっぱい盛りお好み焼きを食べ…何言ってるんだろう?オイラは

テストがあるので頑張ってきます
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