相変わらずの短文、駄文で申し訳ありません。
楽しんでいただけたら、幸いです。
放課後、二人の女子生徒が合唱部と書かれた大きな荷物を運んでいた。
「ふぅ・・ふぅ・・重い・・・重いぃぃぃぃい・・・」
「ほらスズメがんばれ!もう少しで音楽室だから。」
二人で汗をかき、息を切らしながら運んでゆく。
周りの生徒も、それぞれの部活動場所へと移動していた。
そんな中、肩を落として下駄箱へと向かう青年がいた。
「あっ高嶺君!帰るの?またね!」
荷物をほっぽり、清麿に挨拶する。
それに対し清麿は、こちらに顔を向け。
「おう、また明日な。」
と言い、去って行く。
「・・・・・なんか高嶺君元気ないな。
どこか上の空で、今日一日ボーッとしてた。」
心配そうな表情で、清麿の背中を眺めるスズメ。
その背中はどこか寂しそうに見えた。
ところで、荷物をほっぽったと言うことはもう片方が支えているということで。
「スズメェ・・・あんた・・いい度胸してんじゃない・・・・」
「わあぁぁ!ごめんマリコちゃん!許してぇ!!」
二人で持っていた荷物をとっさの体重移動で支えきった彼女は、ある意味人間離れしているのではなかろうか。
(昨日の戦いで、ガッシュが自分の正体に気づいた。)
一人家路を行く清麿は、昨日の顛末を思い出す。
レイコムとの戦いの後、ガッシュは清麿に迫ってきたのだ。
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「ガッシュ・・・帰るぞ・・・
傷の具合はどうだ、歩けるか?」
「・・・・・清麿、あの子供は、口から氷を吐いていたな。」
予想が出来た質問だった。
この後どんな事を聞かれようとも、真摯に応えようと
そう決意した。
「そうだな。」
「・・・私がいつも持っていた、赤い本に似た青い本も持っていたな。」
「・・・・そうだな。」
「銀行強盗の時、私は、清麿がなんとかしていたのかと、思ったのだ。
不思議な技とか、機械とかで、雷を、落としていたのかと。
だが、違うのだな。
私の口からは、雷が出るのだな。」
「ああ・・・そうだ・・・」
そこまでは良かったのだ。
雷が出るくらい何だと、自分はお前の友なんだと、言ってやれたのだ。
それは紛れもない本心だし、言葉だけにするつもりもなかった。
「・・・ガッシュ」
「私も消えてしまうのか?」
だから、この言葉には、返せなかった。
涙を流し、その顔に恐怖を刻みつけて。
自分のマントを握り締め、反応できない清麿をおいて一人で帰っていった。
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あれからガッシュとは話せていない。
その日の夕飯は食べずに寝てしまったし、今朝は起こしても返事もなかった。
悶々と考えながら、公園にさしかかる。
時計塔付近で子供達の歓声。
そのてっぺんでは、黒マントを身に付けた子供が立っている。
「・・・ガッシュ?」
「・・・・・」
真剣な顔で虚空を睨む。
辺りの歓声が止み、厳かな雰囲気の中、ガッシュが両手を挙げ絶叫する。
「うおぉぉぉぉぉおおお!!!」
「何をする気だ?」
まさか自殺かと考え、清麿の瞳に波紋が広がる。
焦りからか、無意識にアンサートーカーを発動したのだ。
導き出された答えは。
「いでよぉ!電撃ぃぃ!!!」
という、単なる子供のお茶目だった。
何も起こらないことを理解した後、するすると時計塔を降りて。
何も出ないじゃないか、ウソつき、とヤジを飛ばしてくる子供達と言い争っている。
「よーしわかった!ならば、今度はあのすべり台を・・・」
「コラァ!!」
チョップだこのやろうと、ガッシュの頭を叩く。
ぽつぽつと雨が降り始めた。
「清・・・麿・・・?」
「何をやってる!!危ないだろうが!!!」
「ヌ!大丈夫だ!これでも安全に配慮している。
それにさっきから、どうやっても出ぬのだ。
私はどうやって・・・」
「そんなことはどうだっていい!俺が言ってんのはお前自身のことだ!!」
そう、雷の件はどうだっていい。
危険なことには危険だが、それは清麿が呪文を唱えなければ良いのだ。
だが、ガッシュは魔物と言っても高いところから落ちれば怪我をするし、
最悪死んでしまうかもしれない。
それを心配しての言葉だったが。
「・・・ではないか」
「あ?」
「それこそどうでも良いではないか!!!」
「なん・・・!」
「どうせ私は消えてしまうのだろう!?
なら、何をしようと私の勝手だ!!」
「てめっ・・!」
「どっか行け清麿!!お前の顔など見とう無いわ!!!」
頭に血が上った。
自分を思ってくれている人のことを考えないその態度に。
清麿にも余裕がなかった。
昨日の出来事が衝撃的すぎた。
「ああそうかよ!なら勝手にしやがれ!!!
心配して損したよ!!」
気が付けばそんな言葉を口にしていた。
雨が強くなる。
ヤジを飛ばしていた子供達は皆帰って行く。
「!」
一人取り残されたガッシュに、一匹の犬が近づいてきた。
「フフフ・・・お前、ご主人はどうした?どこかへ行ってしまったのか?」
すり寄ってくる犬を撫でながら、独りで。
「お前は、一人か?」
静かに、泣く。
「私も、独りだ」
"わたしはきえたくない"
自らの濡れた体を、きつく抱いて。
近くにいた犬が心配そうに身を寄せてきた。
「あーくそッ、言い過ぎたかな。」
自室に戻った清麿は、雨に打たれて帰る内にいくらか冷静になっていた。
外の状況はまるでバケツをひっくり返したような雨だ。
やはり、傘を持って迎えに行こうかと立ち上がったとき。
ピンポーン
家のチャイムが鳴る。
何だってこんな時に、下らないセールスかなんかだったら怒鳴ってやろうと
扉を開けて。
目に飛び込んできたのは、黒い魔本。
「この本を見せればだいたいの事情は分かるかしら。でも、安心なさい。」
あるいは殺気と呼ぶような、どす黒い気を放ちながら彼女は。
「私たちは話し合いに来たの、争う気はないわ。」
なんてことをのたまう。
話し合いとは名ばかりの、脅迫をするつもりかと疑いを持つ。
「上がるぞ、かまわんな」
隣にいた少年が問いかけてくる。
断っても押し入ってくるだろう。
「あぁ・・・」
(ブラゴにシェリー・・・)
後のライバルとの最初の会合だった。
強く降る雨の中、泣きながら高嶺家へと帰るガッシュ。
傍らには先ほど友達になった犬もいた。
この犬とは、清麿の部屋を乗っ取ろうと約束した中だ。
「よし!行くぞ!!」
勇んで乗り込もうと、玄関を開ければ。
見知らぬ履き物が二足あった。
「ん?誰か来ているのか?」
「なるほど・・・赤い本の子は記憶を無くしているのね。」
これで納得いったわとシェリーは腕を組み、しかし、相変わらず此方をにらみつけてくる。
「それで、このことを聞いたあんたはどうするんだ。」
「そうね、記憶を無くしたのならこのことに関して、何も知らないのよね」
無論、清麿は知っている。
ガッシュが魔物の子で、自身が魔界の王を決める戦いに巻き込まれていると言うことを。
しかし、清麿は知っていても、知らなかった人物はいる。
「簡単に言うなら魔物・・・」
その
「あの子は、人間界に放たれた、魔物の子供
清麿の部屋の前で聞いていた。
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