何でも屋エリスでございます   作:魔帝

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これで今月最後になるでしょう。





第二章第十話

 

 

 

 

 ファン―――イヴァとフェイトが吸収された直後、空から銀髪の男が現れた。

 

 

「な、何……?」

 

「やれやれ、最後まで邪魔な男でしたね……」

 

「誰!?」

 

「私ですか? 私は高貴なる悪魔ですよ。小さき魔導師。さて……」

 

 

 男は闇の書の防衛プログラムである銀髪の女性に振り向き、笑みを浮かべた。

 

 

「お前が……イヴァを……撃ったのか……?」

 

「はて? 何の事でしょう? 私は私のモノを穢す害虫を駆除しただけですが?」

 

 

 

 女性に向けて、イヴァシリアは白々しく笑みを浮かべる。

 それを見た瞬間、女性は怒りの形相でイヴァシリアを睨みつけ、殴りかかる。

 

 

「おっと」

 

 

 だがイヴァシリアはそれを難なく避けて女性の腕を掴んで締め上げた。

 

 

「そんなに私に触れたかったのですか? そんなに慌てなくても私から触れてあげますよ」

 

 

 男は右手を魔力で紅く染め上げ、女性の頭を掴もうとする。

 しかしその手は一瞬で現れた黒髪の女性に阻まれた。

 

 

「チッ……!」

 

 

 男は銀髪の女性から離れ、黒髪の女性から繰り出された紅い雷の刃を避ける。

 

 

「また邪魔をしますか……女ぁ……!」

 

「させません……彼の大切な家族に……手は出させません!」

 

 

 エスティナルは赤黒い雷を召喚し、男を睨みつける。

 対して男は余裕の笑みを浮かべて剣を構えた。

 

 

「女如きが私に楯突くなど……。それに、今聞き捨てならない事を言いましたね? 彼の、家族……? ふざけるなっ!!」

 

 

 紅い雷が男に落ち、魔人と化した。

 

 

『彼女は私のモノだ! 誰にも渡さない!』

 

「なのは! 今の内に海の方へ戦場を移して下さい! ここは私が!」

 

「は、はい!」

 

 

 なのはは突然の事にも関わらず、迅速に行動して銀髪の女性に砲撃と近接戦闘を仕掛ける。

 女性はイヴァシリアを睨みつけるが、なのはの攻撃により海の方へと離れていった。

 

 

『もうあまり時間が無いというのに……一瞬で終わらせる!』

 

「あら、(ゴミ)風情が私に近付かないで下さる?」

 

 

 斬りかかって来た男を難なくかわし、赤黒い雷を放つ。

 

 

『ぐおっ!?』

 

 

 雷が男の身体を包み込み、身体を焼いていく。

 

 

『この……!』

 

 

 男は大剣から斬撃を飛ばし、エスティナルは手を手刀にして雷の刃を飛ばす。

 二つの刃はぶつかり合い相殺する。

 

 

『ハァッ!』

 

「あうっ!?」

 

 

 悪魔がエスティナルに一瞬で近付き、首を鋼の籠手で掴み取った。

 

 

『死ね!』

 

「私に……触れないで下さい!」

 

 

 赤黒い雷がエスティナルの全身から発せられ、悪魔の手を消滅させる。

 そしてエスティナルは離れ、天に向かって手を翳す。

 

 

「私に触れたこと、彼の名を騙ったこと、そして彼の家族に手を出したこと……懺悔なさい!」

 

 

 雷雲が結界内の天を覆い尽くし、赤黒い雷が雲に溜まっていく。

 

 

『そんなもの、撃たせなければ!』

 

「ぞぉぉらあぁぁぁぁあああっ!!!」

 

『何!?』

 

 

 男は下から襲ってきた拳を剣で受け止め、簡単に身体ごと吹き飛ばされる。

 

 

「チィッ!」

 

 

 身体を弾けさせようとしていた蓮夜は成功しなかった事に舌打ちし、今だ流れている血を拭った。

 

 

「落ちなさい……!」

 

 

 世界が赤黒く染まり、雷の塊が悪魔に向かって落とされる。

 

 

『ぐおおぉぉぉぉぉおおおっ!!!』

 

 

 雷が悪魔を呑みこみ、悪魔の叫び声が響く。

 

 

「なんつー攻撃だよ……えげつねー……っ」

 

 

 蓮夜は無理して動かした身体が限界に達し、飛行魔法が維持できなくなり落ちてしまった。

 だが落ちていく途中で神楽が現れ、蓮夜と共に剣誠がいる地上に転移した。

 

 

「な……テメェら……!」

 

 

 蓮夜はすぐに彼女達が転生者だと分かった。

 敵意をむき出しにし、神楽達を睨みつける。

 蓮夜の敵意に神楽はビクつき震えだすが、剣誠が蓮夜の敵意にも負けない程睨みつけ、神楽を庇うようにして前に出る。

 

 

「………何が目的だ?」

 

 

 連夜はそう尋ね、紅蓮を下ろす。

 剣誠は敵意をむき出しのまま答えた。

 

 

「義父さんを助ける……!」

 

「とうさん……? まさか……おっさんの事か?」

 

「テメェは何が目的だ?」

 

 

 蓮夜はそれにすぐに答えられなかった。

 今までならなのはやフェイト、はやてといった物語の重要メンバーを己がモノにしようとしていたが、今では何がしたいのか分からない。

 イヴァに弟子入りしたのもルシファルを負かしたいと思ってのこと。

 

 自分は今何がしたい。

 蓮夜は自分の心に訴えかけた。

 そして出た。

 

 

「……はやてを……助け出してやりてぇ……」

 

「……それは、テメェが転生者だからか?」

 

「……違う。この世界は俺達転生者の所為で変わっていっている。はやてだってちゃんと助かるか分からねぇ……。それに……おっさんだって取り込まれちまった……。助け出さなきゃなんねぇだろうが……!」

 

「………」

 

 

 剣誠は蓮夜の本気の眼を見て一先ず敵意を引っ込めた。

 それから蓮夜に近付き、左手を翳して治癒魔法をかけた。

 

 

「……回復系の能力か?」

 

「魔法全般……。アンタは? 見ためからして……一方通行か?」

 

「……そうだ。見た目は勝手にこうなったんだよ」

 

 

 蓮夜は傷が治った身体を起こし、紅蓮を連結させて両刃の剣にした。

 

 

「これからどうすんだよ?」

 

「取り敢えず……あのナルシスト野郎をぶっ飛ばす!」

 

 

 上空では少しボロボロになりながらも大剣をエスティナルに向けている悪魔を睨みつける。

 

 

「うわ……義姉さんの雷喰らってあんだけかよ……」

 

「魔剣士スパーダかよ……胴体を両断するか頭を斬りおとすかしねぇと終わらねぇぞ……」

 

「出来んのかよ?」

 

「あの野郎、認めたくねぇが相当出来やがる……気付かれずに近付ければなぁ……」

 

「……神楽」

 

 

 剣誠は後ろに隠れている神楽に視線を移す。

 神楽は最初よりは落ち着いてはいるが、やはり蓮夜に対して恐れている感じだ。

 

 

「……んだよ?」

 

「……俺達は他の転生者に家族を殺されてんだよ」

 

「………」

 

「その時に俺も神楽も死に掛けて、義父さんと義姉さんに助けられたんだよ。そんで神楽は相手の敵意とか憎悪とか、そういったもんに敏感なんだ」

 

 

 剣誠は拳を握りながら忌々しそうに口にした。

 蓮夜自身、自分も転生者を何人も殺したりしている。

 現にルシファルもプレシア側に居た転生者も殺している。

 だから何も感じないと思っていた。

 だが実際、他の誰かの被害にあった転生者に出会うと、どうも罪悪感というものが出てきた。

 彼らに被害を加えた訳でもないのに、加えたように思ってしまった。

 

 

「………ケッ、俺も甘ぇ奴って事かよ……」

 

「何だって?」

 

「何でもねぇよ。んで? そこの女が何かしてくれんのかよ?」

 

「あ、ああ……神楽、頼めるか?」

 

「……うん」

 

 

 神楽は震える声で頷き、一歩前に出る。

 

 

「神楽がお前をアイツの真後ろに転移させっから、やっちまえ」

 

「転移ね……チャンスは一度ってか? イイねぇ……やってやろうじゃねぇか!」

 

 

 蓮夜は紅蓮に魔力を込め、刀身に渦巻かせる。

 

 

「っ……」

 

 

 途端、蓮夜は胸を押さえた。

 いくら傷が治ったとはいえ、あの技の反動まで治されたわけではない。

 リンカーコアにも少なからずダメージはいっているし、体力も著しく消耗している。

 本当にもう、一度きりのチャンスかもしれない。

 

 

「……まさか、術式か?」

 

「あん? 何で知ってんだよ?」

 

「義父さんの技だし、俺達も使えるしな」

 

「……あっそ。んじゃま、頼むわ」

 

「………」

 

 

 神楽は恐る恐るといった感じで蓮夜の肩に触れた。

 すると蓮夜は悪魔の真後ろに一瞬で転移した。

 

 

「―――!」

 

 

 蓮夜は声を出さずに紅蓮を悪魔の首に向かって振り―――。

 

 

『むっ!?』

 

 

 ―――抜く前に悪魔は刃をかわし、蓮夜から離れた。

 

 

「チィッ!」

 

『君は……ルシファルは負けたのか……!』

 

 

 悪魔は後ろから放たれた赤黒い雷を避け、斬撃をエスティナルに向けて放つ。

 エスティナルは斬撃を避け、両手に赤黒い雷の刃を召喚した。

 

 

「テメェ……はやてに何をする気だ!?」

 

『ただの小娘に用は無い! 用があるのは彼女! リインフォースだけだ! 八神はやてなど、どうでも良い!』

 

「どうでも、良いだと……?」

 

『もう邪魔をするな! 私には時間が無いのだ!』

 

「でしたら、さっさと私達を倒していけば良いでしょう? まあ、(ゴミ)如きにそんな力は無いでしょうけどね」

 

『……よかろう』

 

 

 悪魔は魔剣スパーダを正面に構え、翼を広げた。

 

 

『私に本気を出させた事を後悔するのだな。―――我は無、我は虚、我は魔、この一太刀にて、我に仇名す者を全て滅する!』

 

 

 悪魔から夥しい紅い魔力が溢れ出し、この空間を震えさせる。

 

 

『我が名はイヴァシリア! 最古の魔なり!!』

 

 

 魔力が爆発し、蓮夜とエスティナルを吹き飛ばし、体勢を崩させる。

 

 

『全ての悪よ……』

 

「がっ……!?」

 

 

 悪魔は蓮夜の首を掴み、エスティナルの方へと放り投げた。

 

 

「蓮夜―――きゃっ!?」

 

『全ての害よ……』

 

 

 現れたエスティナルの頭を掴み、向かってくる蓮夜の方へと投げた。

 

 

「がふっ―――!」

 

「うぐっ―――!」

 

 

 二人はぶつかり合い、肺の中の空気を全て吐き出した。

 

 

『全て滅せよ……』

 

 

 閃光のように駆け抜け、二人を斬る。

 すぐさま引き返しまた閃光の如く斬る。

 

 

『我の前から……』

 

 

 斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って。

 紅い斬撃の嵐が二人を襲い、やがて斬撃の嵐だけが残り、悪魔は離れたところでスパーダに魔力を込めていた。

 

 

『全て―――消えうせろ!!』

 

 

 突き出された魔剣から紅い魔力の収束砲が放たれ、斬撃の嵐に呑まれている二人を斬撃ごと呑み込んだ。

 

 

『……終わったか』

 

 

 悪魔は魔人化を解き、再び防衛プログラムを探す。

 左手を紅くして海上を探すが、それを炎の斬撃が邪魔をした。

 

 

「……まさか」

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

 蓮夜が紅蓮を振り払った状態で上空に留まっていた。

 

 

「クソが……! 反射を押し切るとか、ナメてんじゃねぇぞゴラァ!」

 

「反射……? ああ、君の能力はもしかして一方通行かい? なるほど、首を掴んだ時一度手が弾かれね」

 

「ケッ、剣は斬るまではいかなかったようだなぁ……!」

 

「そうみたいだね。けど……」

 

「……っ!?」

 

 

 蓮夜はいきなり走った全身の痛みに悶え、後ろにいたエスティナルに抱えられた。

 

 

「内部にはダメージが通ってるようだよ?」

 

「チクショウ……がふっ!」

 

「蓮夜!」

 

 

 蓮夜は血を吐き、意識が朦朧としていた。

 

 

「どうやら貴女達を殺すには少々時間をかけなければいかないようだ。ならば……」

 

 

 男は魔法陣を展開し、エスティナルに十重のバインド、蓮夜には五重の結界を張った。

 

 

「そこで大人しくしていなさい。後でまたお相手してあげますから」

 

 

 そういい、男は海上の方へと飛んでいった。

 

 

「くっ……このままでは彼に顔向け出来ませんわ……!」

 

 

 エスティナルは全身から赤黒い雷を放出し、バインドを消してゆく。

 

 

「蓮夜、しっかりなさい。この程度で彼の弟子が務まりますか」

 

「……わかって……ら……!」

 

 

 蓮夜も結界を破壊していく。

 だがダメージが大きすぎるのか、破壊する力が弱弱しかった。

 

 

 

 

 なのはは銀髪の女性と壮絶な戦いをしている。

 自身の身体はボロボロに傷つき、相手はほぼ無傷。

 しかしほぼ互角に戦っていた。その戦いに、水を差す者が現れた。

 

 

「おやおや、流石小さき魔導師。頑張ってますね」

 

「誰!?」

 

「お前……!」

 

 

 なのはは後ろに現れた銀髪の男を振り返った。

 

 

――ここにいるって事は……蓮夜君は!? エスティナルさんは!?

 

 

「ああ、彼らなら今頃……ふっ」

 

 

 男はなのはが考えている事が分かったのは全て言わず笑った。

 

 

「そ、そんな……きゃあっ!?」

 

「君もそこで大人しくしていなさい」

 

 

 男はなのはを蹴り飛ばし、バインドで拘束した。

 

 

「やっと……やっと手に入れれる……! 私が愛して止まない人を!」

 

 

 男は左手を紅く染め、女性へと迫った。

 

 

「これで、私の―――」

 

「させるかアアアアアあああああああああああああああああああっ!!!!!」

 

 

 男の前に、血を吐いた蓮夜が飛んできた。

 

 

「ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

 

 蓮夜は連結させた紅蓮を投擲した。

 

 

「そんなもの!」

 

 

 男はそれをかわし、蓮夜を通り過ぎようとした。

 

 

「こっから先は一方通行だってんだよおおおおおおおおおっ!!」

 

「ぐぅっ!?」

 

 

 蓮夜の腕が男の顔を捉え、ラリアットを喰らわせた。

 男は後ろに少しだけ吹き飛ばされたものの、頭が飛ぶ事は無かった。

 

 

「この―――小僧ぉ!」

 

 

 男は蓮夜の顔面を殴った。

 

 

「っっっ!!!」

 

 

 だが蓮夜はその場に踏み止まり、左手のアッパーを喰らわせた。

 

 

「ぶっ飛べぇぇぇぇえええええっ!!!」

 

 

 ベクトル操作で男を吹き飛ばし、男は大きく上に飛ばされた。

 

 

「なのはぁぁぁああああっ!!」

 

「うん!」

 

「なに……!?」

 

 

 なのはは男に狙いを定め砲撃体勢へと入っていた。

 

 

「馬鹿な! そう簡単に……っ!?」

 

「動かないでくださいな」

 

 

 何十というバインドが男を縛り上げ、動けなくした。

 

 

「貴様……! くそ! 何故こうも私のバインドや結界が!」

 

「あら、簡単な事ですわ。私の雷で消し飛ばしただけですわ。なのはのは蓮夜が投げた私の雷が込められた紅蓮によってバインドを消しただけですわ」

 

「何……!?」

 

 

 蓮夜が投擲した紅蓮は男を狙ったわけではなく、後ろにいたなのはを拘束しているバインドを狙ったのだ。

 その証拠に紅蓮はなのはの周りで待機している。

 

 

「私は少々訳ありの女でして。あの程度のバインドは大したことはありませんわ」

 

「スターライト――――」

 

「く、この―――」

 

「ブレイカーーーーーーーー!!」

 

 

 なのはの放った砲撃が男を呑み込み、男の言葉は掻き消された。

 

 

「はぁ―――はぁ―――はぁ―――!」

 

「蓮夜君!」

 

 

 蓮夜はもう限界をとうに超えていた。

 血を吐き、殴られた場所からも出血し、体力ももう無い。

 

 

「まだだ! まだはやてが残ってんだろ!」

 

「っ……」

 

「俺を気にしてんじゃねぇ! いつものように話を聞かせてやれ!」

 

「……うん!」

 

 

 なのはは女性にデバイスであるレイジングハートを向けた。

 

 

『………させるか』

 

「っ……しぶとい奴だ……!」

 

 

 爆煙の中から紅い魔力を駄々漏れにしている男が出てきた。

 多少ダメージを与えれたようで、紫のコートはボロボロだ。

 

 

「まだだ……まだ終われん」

 

 

 男は空気を震えさせ、魔剣スパーダを振った。

 すると海が割れ、大地が震えた。

 

 

「そろそろ自我が目覚める……もう猶予は無いのだ!」

 

「っ……はやて!」

 

 

 蓮夜は銀髪の女性へと視線を移した。

 女性はギチギチと腕を動かそうとしていた。

 

 

――動いていない……もしかしてはやてが……!

 

 

「はやて! お前なのか!?」

 

『その声……蓮夜君!?』

 

「はやてちゃん!?」

 

「チッ、目覚めてしまったか。仕方が無い。無益な“殺傷”は好まないが……」

 

「―――っ!」

 

 

 蓮夜は反射的に動く。

 はやてを後ろに男と対峙した。

 

 

「テメェ……はやてを殺す気か!?」

 

「最初から言っているだろう。彼女以外どうでも良い。彼女さえ手に入れば何もいらんのだ!」

 

「ざけてんじゃねぇぞア゛ア゛!!」

 

 

 蓮夜は紅蓮を手元に呼び出し、炎を纏わす。

 

 

『なのはちゃん! 今そっちに出てるのは防衛プログラムだけやから、何とか止めてくれる!? その子がおったら私は何も出来ひんねん!』

 

「え……?」

 

「ユーノ!! 説明してやれ!! 俺はこっちをぉ!」

 

 

 蓮夜は男に迫り、紅蓮を振るう。

 だが男に紅蓮は触れれず、溢れ出る魔力だけで止められた。

 

 

「邪魔なんだよ……!」

 

「……けっ、化けの皮が剥がれてんぜ?」

 

「消えろぉ!!」

 

 

 魔力波が蓮夜を襲い、蓮夜は後ろへ大きく吹き飛ばされた。

 

 

「ブレイク―――」

 

「っ、させるものかぁぁぁぁああ!!」

 

「シューーートッ!!!」

 

 

 なのははピンクの砲撃を防衛プログラムに放ち、男はさせまいと砲撃へと駆けた。

 そして―――。

 

 

「邪魔だぁぁぁああッ!!」

 

 

 砲撃は魔剣で斬られ、防衛プログラムに当たる事は無かった。

 

 

「そんなっ!?」

 

「これで―――」

 

 

 男は目の前にいる防衛プログラムに向けて紅く染めた左手を突き出した。

 

 

「彼女は私のモノだぁぁぁあああああああっ!!」

 

 

 だがしかし―――。

 

 突き出された手が防衛プログラムに触れる事は無かった。

 防衛プログラムの前に現れた『悪魔』にその手を止められた。

 

 

「なっ……!?」

 

「……貴様……俺の家族に何をしようとした……?」

 

 

 真の悪魔が、家族を守る為に降臨した。

 その眼に、怒りを宿して。

 

 

 

 

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