何でも屋エリスでございます   作:魔帝

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A`sも終わりです。






第二章第十二話

 

 

 

 決戦の直後、はやてが倒れた。

 ただの疲労が原因であるため、命に別状は無い。

 ただ、夜天の書、リインフォースの歪みは致命的であった。

 防御プログラムは停止したが、その基礎構造はそのまま。

 何れ新たな防御プログラムを生成し、また暴走を始めてしまう。

 修復しようにも管制プログラムであるリインフォースから本来の状態である夜天の書の姿が無いのでどうしようもない。

 だから、リインフォースは悲しい決断を下した。それは、自らの破壊。

 

 

「……おっさん、早く帰って来いよ……。リインフォースが逝っちまうぞ……!」

 

 

 蓮夜は拳を握り締め、雪が積もる広場で、皆の目の前で行なわれている儀式を拳を握って見ていた。

 蓮夜はイヴァとリインフォース達の関係を知った。

 古代ベルカの時代に出会い、当時の主であったファンとヴォルケンリッター達とは家族になり、イヴァとリインフォースは互いに知らぬ内に愛し合っていた。

 想いを告げずにイヴァとファンは死に、リインフォース達はまた別の主の下へと、記憶を消されて渡った。

 そしてこの時代で再会し、想いを告げ、やっと闇の書という呪いから解放されかけているのに、今この場にイヴァがいない。

 

 

「早く……早く帰って来いよ……!」

 

 

 だが時は進み、儀式は終わりへと近付く。

 

 

「リインフォース!!!」

 

「っ……はやて」

 

 

 病院で眠っている筈のはやてが車椅子でやって来た。

 

 

「あかん! 止めて!」

 

 

 はやては儀式により展開されている魔法陣の近くまで近付いた。

 

 

「破壊なんかせんでええ! 私がちゃんと抑える! 大丈夫や! こんなんせんでええ!」

 

「……主はやて、良いのですよ」

 

「良いことない! 良いことなんか、なんもあらへん!」

 

「随分と長い時を生きてきましたが、私はあなたにもう一度綺麗な心と、そして綺麗な名前を与えてくれました。騎士達も貴女の傍に居ます。何も心配はありません」

 

「心配とかそんなん……」

 

「ですから、私は笑って逝けます」

 

「嘘や! そんなん絶対嘘や!」

 

 

 はやては涙を流しならが怒鳴った。

 

 

「ファンさん……イヴァシリアさんはどうすんねん! やっと、やっと逢えたんやないの!」

 

「……イヴァは……もう……」

 

 

 本当はリインフォースはイヴァに逢いたかった。

 抱きしめたかった。

 手を握りたかった。

 声を聞きたかった。

 けどイヴァはアルカンシェルで暴走した闇と消えた。

 もう逢えないと、リインフォースは誰にも見られずに泣いていたのだ。

 

 

「イヴァシリアさんは絶対帰ってくる! だってリインフォースの大切な人なんやから!」

 

「……もう良いのです。イヴァは世界を、貴女達を守りました。ですから、私も守らせて下さい」

 

「そやけどっ……やっと救われたんやないか!」

 

 

 限りなく長い時の中を、苦しみながら生きてきた彼女たちは、やっとこの時代で救われた。

 なのにリインフォースははやてを救うために永遠に消えようとしている。

 はやてはどうしてもそれが許せなかった。

 

 

「私の意志は、貴女の魔導と、騎士達の魂に残ります。私は何時も、貴女の傍に居ます」

 

「そんなんちゃう! そんなんちゃうやろ!」

 

「駄々っ子は、ご友人に嫌われます。聞き訳を、我が主」

 

「駄々っ子はリインフォースや―――あっ!」

 

 

 はやては車椅子を動かし、リインフォースに近付こうとしたが、石に躓いて車椅子から転げ落ちた。

 

 

「これから……これからやっと始まるんやで……? これから楽しく、幸せに暮らしていけるんやで!? なのに……!」

 

「大丈夫です。私はもう、世界で一番幸せな魔導書ですから」

 

 

 リインフォースは魔法陣の限界まで近付き、はやての頬に手を添えた。

 

 

「もう一度、優しい主に出逢い、愛する人ともう一度出逢えて、分かり合えた。これ以上に無い幸せです」

 

「リインフォース……」

 

 

 はやては願う。

 リインフォースと離れたくない。

 これからもっと、ずっと一緒にいて、皆で楽しく、幸せに、笑顔で暮らしたい。

 

 

―――誰でもええ……リインフォースを止めて……。神様……悪魔でもええ……! リインフォースを……私の家族を助けて!

 

 

 

 

 

『その願い、叶えよう』

 

 

 

 

「え………?」

 

 

 はやての頭に声が響いた。

 聞いた事のある、あの声が。

 その直後、上空から黒い魔力剣が三本飛来し、展開されている魔法陣に突き刺さり、魔法陣を消した。

 

 

「……これは……」

 

「―――――イ―――ヴァ―――?」

 

「え……?」

 

 

 リインフォースは剣が飛来してきた空を見上げていた。

 その先には、白い空の向こうに、黒い点が見える。

 それはどんどん大きくなっていき、やがてそれが人だと分かった。

 

 

「————ぉぉぉぉぉおおおおおおっ!!」

 

 

 その人は広場に不時着し、積もった雪が吹き飛んだ。

 

 

「あぶっ!? 勢い強すぎた! やっぱ大気圏突入は調子乗りすぎたか!」

 

 

 その人物、イヴァシリアはマントと鎧に付着した雪を払ってコートの姿に戻る。

 

 

「うっす! 呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!」

 

「おっそいんじゃ! このボケが!」

 

「ごへっ!?」

 

 

 どこぞの大魔王様の台詞を言った途端、蓮夜の飛び蹴りが直撃し、イヴァは吹き飛んで雪の中に顔を突っ込んだ。

 

 

「ぶはっ! 何をする蓮夜!」

 

「ダァマレ!! 遅い上に何ふざけてんだ!」

 

「いや、神楽がこういった挨拶をしたことがあったから……」

 

「答えになってねぇんだよ!」

 

「まあまあ、蓮夜、落ち着きなさいな」

 

 

 蓮夜を何処からか現れたエスティナルが宥めた。

 イヴァは雪を払い、はやてとリインフォースに近付く。

 

 

「……イヴァシリアさん」

 

「イヴァで良いさ。はやて、お前の願い、この悪魔が叶えてやる」

 

「………」

 

 

 イヴァははやてを車椅子に座らせてリインフォースと向き合う。

 

 

「なーにしてんだ? リイン」

 

「イヴァ……生きて……」

 

「当たり前だろ。俺がそう簡単に死ぬか。勝手に殺すな」

 

「……イヴァ……本当に……イヴァなのですね……」

 

「ああ」

 

「どうして……今まで……」

 

「あ~……『ゼロ』でアルカンシェルを消したんだが、どうも久々の完全解放でな。やりすぎて強化魔法まで消しちまってよ。慌ててちょいと次元切り裂いて、別の次元世界に退避してたんだよ。んで、その次元世界でちょいと用が出来てな、時間が掛かっちまった」

 

 

 たははと笑うイヴァはどうかしていると思う。

 次元を切り裂いて別次元に行くとか、まずあり得ない。

 なのに、その場にいる全員はイヴァならやってしまうだろうと、妙に納得してしまった。

 

 

「んで、はやての願いが聞こえてな。ちょうど用も終わったし、転移(ジャンプ)してきた訳よ」

 

「貴方は……何処までも無茶苦茶ですね」

 

「まあ、それが俺だし。ってか、俺はちょーっとご立腹だな。こんなことして」

 

「……仕方が無い事なのです。私が消えないと、また暴走してしまう」

 

「……そっか」

 

 

 イヴァの反応はあっさりしたものだった。

 溜息を吐き、頬をかくだけだった。

 

 

「んじゃま、その前に俺の話しを聞いてくれ」

 

「……?」

 

 

 イヴァは胸に手を当てて何度か深呼吸をし始めた。

 

 

「ああ、もの凄く緊張するな……」

 

「イヴァ? 何を……」

 

 

 イヴァはリインフォースの前で肩膝をつき、顔を少しだけ赤くして口を開いた。

 

 

「リインフォース……俺は見ての通りお気楽で、面倒くさがりだ。おまけに子供も三人いるし、もう一人増える予定だ。だけど、お前を愛する気持ちは誰にも負けない」

 

「い、イヴァ!? いきなり何を……!?」

 

「今度こそ、俺はお前をどんな事からも守って見せる。勿論、皆だって。だから、その……」

 

 

 イヴァはポケットから一つの箱を取り出して、リインフォースの前に差し出して開けた。

 

 

「俺の……俺の一生の女になってくれ!」

 

「っ……!」

 

『……!』

 

 

 差し出したそれは指輪だった。

 蒼い宝石が填められた綺麗な指輪だ。

 

 

「こ、これ…は……」

 

「渡った次元世界が偶然にも鉱山の世界でさ……。そこの住人と交渉して作らせてもらった」

 

「イヴァが……これを……?」

 

「ああ……」

 

 

 リインフォースは手で口を覆い涙を流した。

 

 

「イヴァ……」

 

「……必ず幸せにしてやる。だから、結婚しよう」

 

「………無理です。私は……消えなければ……!」

 

「そんなもんはどうでも良い! 俺はお前の声が聞きたい! お前の心の声が聞きたいんだ!」

 

「っ……!」

 

 

 リインフォースはもう顔を涙でクシャクシャにし、一生懸命答えようとした。

 

 

「で、ですがっ! 破壊しないとっ……私が消えないとまたっ……!」

 

「リインフォース! もう正直に言いや! 本当はどうしたいんや!?」

 

 

 はやても涙を流しながら訴える。

 周りの皆もリインフォースの心の声を待っていた。

 

 

「リイン……俺と一緒に居てくれ!」

 

「――――イヴァ!」

 

 

 リインフォースは己の本心に従い、イヴァに抱きついた。

 

 

「リイン……!」

 

「居たい! 一緒に居たいです! 貴方と一緒に居たい! 叶うものなら、私は貴方を愛し続けていたい!」

 

「っ……叶うさ。俺が、叶えさせてやる……!」

 

 

 イヴァはリインフォースの唇に自分の唇を落とした。

 するとイヴァとリインフォースを中心に紫色の魔法陣が展開され、そこから紫色の粒子が溢れ出した。

 

 

「………こ、れは……!?」

 

 

 リインフォースは自分の身体に起きた事に驚き、イヴァの眼を見た。

 

 

「俺からの婚約プレゼントだ……」

 

「……イヴァっ!!」

 

「うおっ!?」

 

 

 リインフォースはイヴァを勢い良く抱きしめ、その勢いを殺しきれなかったイヴァは後ろに倒れた。

 

 

「イヴァ……愛しています!」

 

「……ああ、俺もだ……リイン」

 

 

 二人はそのまま抱き合い、互いの温もりを確かめ合った。

 

 

 何万、何億年もの年月を経て、二人の男女は結ばれた。

 それまでの道のりはとても永く、険しく、過酷な道だった。

 だが二人はそれを乗り越え、やっと想いを実らせた。

 

 やっと……。

 

 

 

 

 リインフォースの身に何が起こったのか。

 それはイヴァの『ゼロ』によるものである。

 イヴァは『ゼロ』で夜天の書の防御プログラムの歪んだ基礎構造と再生機能を消し去った。 それによりもう二度と防御プログラムの生成は起こらない。 

 

 ただ一つだけ。

 代償が存在した。

 それはイヴァの右腕だった。

 イヴァの能力は決して万能ではない。

 しかしエスティナルを通す事でそれを万能に近い状態にしている。

 

 ここでイヴァの能力『ゼロ』について少々説明しよう。

 

 『ゼロ』。

 それは森羅万象を消し去る能力。

 だがその力は人の身には大き過ぎる力である。

 であるから、『ゼロ』の力は使用した対象だけではなく、使用した自身に影響を及ぼしてしまう。

 つまり、自身も消してしまう。

 イヴァはそれを防ぐ為にエスティナルと契約をしている。

 だがイヴァがリインフォースを救ったとき、その契約は一時的に切れていたのだ。

 

 何故か。

 原因はあの術式の完全解放にあった。

 あの状態はイヴァの本来の姿である。

 今までのあの状態は『人間』の状態である。

 あの姿はイヴァが蘇った時の『悪魔』の状態である。

 『悪魔』の状態であれば『ゼロ』の力は完璧に扱える。

 だが『人間』の状態であるならば、エスティナルを通さない限り自身の存在までも抹消してしまう。

 そして『悪魔』から『人間』に戻ったとき、一時的にエスティナルとの繋がりは消えてしまう。

 それを承知でイヴァは『ゼロ』を使用した。

 もし、消した防衛プログラムの力がもっと大きければ、右腕だけではすまなかっただろう。

 防衛プログラムが健全な状態ならば、イヴァの存在そのものを代償にしなければならなかったであろう。

 

 長くなったが、要約するとこうだ。

 イヴァは自身の右腕を代償にリインフォースを救った。

 そしてこれからの幸せを掴み取ったのだ。

 

 

 

 

「貴方っていう人は……何て危険な事を……」

 

 

 アースラの艦長室で、イヴァはリンディに説教を喰らっていた。

 

 

「良いじゃん。終わりよければ全て良し」

 

「黙りなさい。貴方、下手したら居なくなってたのよ?」

 

「居なくならねぇよ。やっと手に入れれたんだから」

 

 

 イヴァの顔は幸せに満ちていた。

 リンディはその表情にもはや怒るのも馬鹿らしくなった。

 

 

「伝説の悪魔イヴァシリア・ムトス・エラフィクス。無と孤独を司る悪魔。文献ではあんなに立派だったのに………現実って残酷だわ」

 

「おいコラ。どういう意味だ?」

 

「大体、何で黙ってたの?」

 

「言ったら信じたか?」

 

「そんな訳ないじゃない」

 

「だろ?」

 

 

 イヴァは鼻で笑い、“右手”で湯呑みを掴んでお茶を飲んだ。

 

 

「それにしても、よく三日で馴染んだわね」

 

「ん? ま、それが俺だし」

 

「意味が分からないわよ」

 

 

 リンディはイヴァの無茶苦茶さに呆れて何も言えなくなった。

 

 

「持つべきものは友ってのは本当だよな。一日で完璧なデバイスを作って俺にくっ付けたんだからな」

 

 

 イヴァの右腕は二の腕から下は、イヴァのとある友人が作った義手型のデバイスである。

 電気信号と魔力で動き、感覚まで伝わるトンデモなものである。

 

 

「そもそも、貴方に私とプレシア女史以外に友達が居たなんて吃驚だわ」

 

「おーおー何とでも言え。結婚式には呼んでやらんから」

 

「あら、もうはやてさんから招待されちゃってるわ」

 

「………はやて」

 

 

 イヴァは手の早いはやてに頭を抱え、溜息を吐いた。

 

 

「……なあ、リンディ」

 

「何かしら?」

 

「……ありがとな。俺を誘ってくれて」

 

「………」

 

「お前がアースラに呼ばなけりゃ、俺はこうして幸せを掴む事は無かった。ありがとう」

 

 

 イヴァはリンディに頭を下げて感謝した。

 リンディはそんなイヴァの姿を見て一言。

 

 

「………キモイわ」

 

「ひでぇ!?」

 

「止めて、鳥肌が立つわ。今すぐ消えなさい。ってか消えなさい」

 

「何だよ、折角人が素直に感謝してやってんのによ! もういい! 帰ってリインとイチャイチャしてやる!」

 

 

 イヴァはリンディに舌を出してから部屋を出て行った。

 

 

「………何よ、もぉ……!」

 

 

 リンディは一人になった瞬間顔を赤くして両手で頬を押さえた。

 

 

「もう、バカバカバカ……! あの頃の事思い出したちゃったじゃない!」

 

 

 その後、リンディは熱が収まるまで昔の、夫が生きている頃の事を思い出していた。

 

 

 

 

 

 月日は流れ、皆は成長していった。

 蓮夜はあの時イヴァに申しだされたこと、養子の件を受けた。

 イヴァは喜び、蓮夜を迎え入れた。

 なのはの両親にイヴァは蓮夜を息子にしたいことを誠心誠意伝え、一晩の話し合いの末、蓮夜がイヴァの息子になることを許した。

 黒島蓮夜から蓮夜・K・エラフィクスとなり、イヴァ達と暮らすことになった。

 そしてイヴァとリインフォースは……。

 

 

「イヴァ、朝ですよ。起きてください」

 

「ん~……」

 

「早くしないと神楽が来ますよ?」

 

「はい起きた! だから腹の上に現れるな!」

 

「おはようございます、イヴァ」

 

「…………おはよう」

 

 

 二人は結婚し、八神家で過ごしていた。

 蓮夜、神楽、剣誠も一緒に住んでいる。

 イヴァはこの八神家でも父親的な存在であり、はやてからも父と呼ばれている。

 

 

「あ、おはよう! お義父さん!」

 

「おはよ〜、義父さん」

 

「親父、寝癖すっごいぞ」

 

「おはよう、お義父さん」

 

「ああ、おはよう」

 

 

 イヴァはテーブルに座り、皆に挨拶を返す。

 

 

「昨日は随分と張り切ったようですわね」

 

「なっ!? エスティ! 何を言ってるんですか!?」

 

「良いですわね~。毎日毎日シテもらえて。私なんか、月一回しか……」

 

 

 エスティナルも共に住んでいる。

 ただ、イヴァとの関係上、リインフォースとは本妻と愛人のような立場になってしまっている。

 イヴァにはそういった感情は少なからず無いのだが、本当にもう、ただの仕事仲間なのか分からない。

 ただ、イヴァは契約あるなしにエスティナルを手放す気は無いのは確かである。

 

 

「エスティ……リインを苛めるなよ。リインは初心なんだしさ……」

 

「あら、私とはただの遊びだったんですね……! 酷いわ! あんなに、あんなに求め合った仲ですのに!」

 

「お義父さん、あかんで。責任はちゃんととらな」

 

「はやて、お前この状態を楽しんでるだろ」

 

「まっさかー」

 

「………」

 

 

 どうやらイヴァの女難は何時まで経っても続くようだ。

 

 

「けっ、女誑し」

 

「……はやて、蓮夜とは最近どうなんだ?」

 

「んなっ!?」

 

「んー、まあぶっきら棒にもちゃんと相手してくれるなー」

 

『へ~……』

 

 

 イヴァ、神楽、剣誠はニヤニヤした顔で蓮夜を見た。

 蓮夜ははやてとそういった関係になっている。

 だから、はやてはイヴァの養女にはなっていないのだ。

 

 

「っ~~~~~!!」

 

「はははっ! 照れてやんの!」

 

「ウッセェんだよ! このマヌケ!」

 

「痛っ!? 何すんだこの野朗!」

 

「黙れ不幸野朗!」

 

「何だとツンデレ!」

 

『やんのかコラァ!?』

 

 

 蓮夜と剣誠はこういった仲である。

 何時も喧嘩ばかりしてはやてと神楽に止められるのだ。

 

 

「朝から元気なこった……」

 

「そうですね……」

 

 

 ジリリリリリッ!

 

 

「ん?」

 

 

 イヴァの携帯電話が鳴り出した。

 それは仕事用の電話だった。

 

 

「こんな朝早くから何だよ……」

 

 

 イヴァはぶつくさ言いながらも電話に出た。

 

 

「はいはい、何でも屋エリスでございます」

 

 

 悪魔は家族という大切なモノを再び取り戻す事ができた。

 次こそは決して手放さない事だろう。

 

 

 

 

 

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