何でも屋エリスでございます   作:魔帝

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リンディが……リンディが壊れた……!



第三章第二話

 

 

 

「……んだ、これ?」

 

 

 イヴァはリンディの家に来ていた。

 あの執事という仕事を受けにやってきたのだ。

 だが家にやってきて中に入った瞬間、イヴァは鼻を押さえた。

 何故なら……。

 

 

「イ~~ヴァ~~! やっと来たぁ~~!」

 

「寄るな! 来るな! 触るな! 臭い! 酒臭い! お前朝っぱらから何やってんだ!?」

 

 

 リビングのいたるところに酒、酒、酒!

  空き缶や酒瓶がゴロゴロと転がっていた。

 

 

「やーねー! 昨日の夜からよ!」

 

「尚性質悪いわ!」

 

 

 イヴァはリンディが持っているお猪口を奪い取り、酒瓶をリンディから遠ざける。

 

 

「やーん! 何するのよー!?」

 

「クッサ!? お前本当に酒臭いな! 風呂入れ!」

 

「お水ぅ~~!」

 

 

 イヴァはコップに水を入れてリンディに渡しす。

 リンディは水を一口で飲み干し、プハーっと息をつく。

 

 

「さっさと風呂入って来い! 部屋片付けてやっから!」

 

「イヴァ~」

 

「何だぶふっ!?」

 

「い・れ・て?」

 

 

 リンディは白いカッターシャツに青いズボンといった格好だったのだが、何とリンディはカッターシャツのボタンを二つも三つも外し、妖美な笑みを浮かべてイヴァを見つめていた。

 

 

「己はアホか!! なに人夫を誘惑してんだ!?」

 

「ダ・メ?」

 

「お前相当酔いが回ってるだろ!? 思考が危ないぞ!? 黒歴史を作るつもりか!? さっさとシャワー浴びて醒ましてこい!」

 

 

 イヴァはリンディの背中を押して洗面所へと押し込む。

 

 

「……はぁ。何やってんだよ、あのバカは」

 

 

 イヴァは溜息を吐き、汚く散らかっている部屋を見て更に溜息を吐く。

 

 

「……裏技使うか」

 

 

 イヴァは踵で床を叩いて『ゼロ』を使用する。

 するとゴミの存在が全て消えた。

 

 

「……換気はしないとな」

 

 

 イヴァは窓を開けて空気の入れ替えをする。

 その後イヴァはリンディが風呂から上がってくる前に朝食を作ることにした。

 献立は無難にトーストとスクランブルエッグにサラダにホットコーヒー。

 

 

「ふ~、スッキリした」

 

「……服を着ろ、馬鹿者!」

 

 

 リンディはタオル一枚の姿で出てきた。

 しかも長く美しい髪もちゃんと拭いていないから濡れたままでポタポタと雫が床に落ちていた。

 

 

「だって、着替えが無かったもの」

 

「~~~っ」

 

 

 イヴァは眉間を押さえ、怒りで震える身体を抑えながらリンディの着替えを全部用意する。

 シャツもズボンも下着も。

 何故在り処を知っているのかは、この家の引越しを手伝ったのはイヴァだからだ。

 

 

「向こうでさっさと着替えて来い!」

 

「きゃん♪」

 

 

 イヴァは頭を抱えて本気で全力で混乱した。

 

 

――何なんだ一体!? 確かに何時ものリンディなら俺を弄繰り回すのは当然だがそれでもこんな真似はしなかった! 酒だってそうだ! リンディはそんなに酒に耐性があるわけでもない! なのに何であんなに飲んでんだ!? とうとう一人が寂しくて精神が狂ってしまったのか!? いやそうだ! 絶対そうだ! 嗚呼っ、何で俺はもっとリンディに構ってやらなかったんだ! ご近所同士仲良くしていけばよかったじゃないか! 俺の所為だ! 俺の所為でリンディは!」

 

「黙りなさい」

 

「へぶっ!?」

 

 

 イヴァは飛んできた拳に顔面を捉えられ沈められた。

 

 

「別に狂ってなんかいません。ただちょっと仕事で嫌な事があっただけよ」

 

「そ、そうすっか……」

 

「はい、これ」

 

「ん?」

 

 

 起き上がったイヴァにリンディはある物を渡した。

 それは黒い服で、コートのような感じの執事服であった。

 

 

「……これは?」

 

「見れば分かるでしょう? 貴方はこの仕事を請けている最中はこの執事服を着てもらいます」

 

「俺はコスプレイヤーではないぞ?」

 

「仕事服よ。何? 文句あるのかしら? 良いわよ? 着なくても。その分報酬が減って一家の大黒柱としての威厳が無くなるから」

 

「ぐっ……! お前俺が一番気にしている事を……!」

 

「さあ? どうするの?」

 

「く、くそぉ……! それでも、それでも俺はぁ……!」

 

 

 結局着ましたとさ。

 ビシッと着こなして髪もワックスでワイルドにかきあげて乙女の心を射抜く執事へと変身した。

 

 

「くそっ……俺は……俺は……!」

 

「似合ってるじゃない。馬子にも衣装って、こういう事ね」

 

「ぜってー違う!」

 

 

 そう言いながらイヴァは食器を片付けていく。

 その動きは迅速で且つ丁寧だった。

 何でも屋ならば何でもこなすのが当然。

 それをイヴァは実現している。

 

 

「で? 今日の予定は?」

 

「ん~、そうね……取り合えず、お昼までには部屋の掃除をお願いね。お昼を食べた後はお買い物よ」

 

「ヘイヘイ……」

 

 

 バシンッ!

 

 

「お願いね?」

 

「……畏まりました、奥様」

 

 

 哀れ。

 

 

 

 

 昼食を済ませ、イヴァとリンディは大型のショッピングモールへと来ている。

 ここはどんな物でも揃っており、更には遊び場まである、ちょっとした有名な場所である。

 

 そこにリンディは白いシャツに青いジャケットに黒いズボンで、どう見ても二十代にしか見えない姿で来ていた。

 

 

「えっと、何か足らないものがあったかしら?」

 

「……トイレットペーパーにティッシュ、洗剤、シャンプー、リンス、その他諸々。後は今晩の夕食による」

 

「偉いわね~。よく出来ました」

 

「俺は子供か……!」

 

 

 イヴァは拳を握り必死に殴りかかるのを我慢していた。

 

 

「でも荷物になりそうね。それは後回しにしましょ」

 

「は?」

 

「ふふん……付き合いなさい」

 

「え、ちょっ!?」

 

 

 リンディはイヴァの腕を取り、手始めにブティックにやって来た。

 

 

「さあ、今日は買うわよ!」

 

「その金は何処から出るんでしょうか?」

 

「あら、レディに払わせる気?」

 

「レディって……ぷっ」

 

「ふんっ!!」

 

「ごえっ!?」

 

 

 リンディはイヴァの腹に拳を叩き込み、イヴァの首根っこを持って引き摺って中に入っていった。

 

 

「イヴァ~、これはどうかしら?」

 

「ああ、良いんじゃない?」

 

「これは~?」

 

「うんうん、似合ってる似合ってる」

 

「こ・れ・は・ど・う?」

 

「歳考えろよな……」

 

「………」

 

「っ待て待て待て! こんな所で魔法を使うな!」

 

 

 イヴァは試着室の前で試着して出てくるリンディの姿を見て適当に感想を述べていた。

 だが出てくるリンディははっきり言って自分の歳に合っていない服ばかりを着ている。

 だがしかし、リンディの見た目は二十代後半で美女、少なくとも、イヴァにはそう見えている。

 だからリンディはどんな服でも着こなし、強ちイヴァの感想は本音でもある。

 だが、だからと言ってセーラー服は無いと思う。

 絶対に無いと思う。

 

 

「本当にもう……どうでも良いみたいね?」

 

「あ、これどっかの恋愛小説で出てきた場面に似てる」

 

「あら? それは夫を亡くした女性と今の結婚生活に疲れ果てている男性の物語かしら?」

 

「俺は疲れ果ててねぇ! 寧ろ朝昼晩元気一杯だ! 不満もねぇ! リイン万歳! リイン最高! 変な妄想抱くな!」

 

「周りの眼が痛いわ」

 

 

 試着室の前で執事服を着た男が自分の妻を大声で必死にワッショイする男……可哀想。

 というか一度これはフェイト相手に同じ台詞を言われたはずである。

 

 

「ってかこんな所誰か知り合いに見られたら絶対誤解を生む……」

 

「……貴方達……何をやっているの……?」

 

「………って言ったらそうなるフラグだった……」

 

 

 イヴァの後ろに紫が混じった黒髪の女性が現れた。

 その人物はイヴァの友人であり、その人にとってイヴァは恩人でもある人物。

 

 

「頼む、誤解をしないでくれ……プレシア」

 

 

 プレシア・テスタロッサ。

 フェイト・テスタロッサの実母であり、過去に重いモノを持つ美女である。

 

 

「分かってるわよ」

 

「そうか……」

 

「浮気なんでしょう?」

 

「分かってない!?」

 

「冗談よ。大方、リンディに振り回されているのでしょう? 大変ね」

 

「プレシア……」

 

 

 イヴァは眼に涙を浮かべて目の前に居る女神様に感謝した。

 自身の苦悩を理解してくれている事に嬉しさで涙が溢れてくる。

 

 

「ちょっと、なに泣いてるのよ?」

 

「ぐすっ、プレシアぁ……俺、リインとアイツとアイツに会ってなければお前に惚れてた……ぐすっ」

 

「ちょっ、何言ってるのよ!?」

 

「………」

 

「痛い、痛いです奥様ぁ! 腕はそっちに曲がりませんからぁ!」

 

 

 プレシアは恥ずかしさから真っ赤に、イヴァは痛さから真っ赤に、リンディは何故だかしらないが怒りで赤くなってイヴァの腕をへし折ろうとしていた。

 

 

「ところでプレシア? どうしてここへ?」

 

「え? ああ……服を買いに来たに決まってるでしょう」

 

「そうよねー。お一人で?」

 

「……それが、何?」

 

 

 リンディは頬に手を当てて笑い、プレシアは若干眉を吊り上げた。

 

 

「いえ、何でも? 私はイヴァと『二人きり』でお買いものをするから」

 

「ぐお!?」

 

 

 リンディはイヴァの腕をグッと引いて腕を絡ませた。

 イヴァは突然の事に何が起こったのか理解できず、リンディとプレシアの顔を交互に見ている。

 

 

「っ、だから、どうしたの? 別に私が何をしようと勝手じゃない」

 

「ええ、そうね。それじゃあね」

 

「ええ、勝手にするわ」

 

「ふへ!?」

 

「あ……」

 

 

 プレシアはあろう事かリンディからイヴァを奪い取り、腕を絡めた。

 

 

「何するのかしら?」

 

「何よ? 私は昔からの友人と一緒に買い物をするのよ」

 

「私だって昔からの、学生時代の頃からの友人よ」

 

「私は一緒に住んでたわ。アリシアと三人でよく遊んでいたわ」

 

「なら私だってクライドやレティ達と一緒に遊んだり訓練したりしてたわよ」

 

「……あ~、昔もこんな事があった気がする……」

 

 

 イヴァは両側から腕を引っ張られる痛みという現実から逃げ、遥か昔を思い出している。

 リンディとプレシアは一見美しい笑みを浮かべてはいるがその実、裏側は恐ろしい笑顔なのだろう。

 

 

「「………」」

 

「……あのさ」

 

「「何かしら?」」

 

「ひっ!?」

 

 

 イヴァは二人の恐ろしい覇気により怯み、情けない声を上げるが、頑張って声を出した。

 

 

「そ、そんなに誰かと買い物したいんなら、俺達で行けばいいんじゃ、ない、ので、すか?」

 

「「………チッ」」

 

「ええ~……」

 

 

 そんなこんなで始まる、三人でのお買い物。

 服選びから靴選び、アクセサリーに化粧品、そして当初の目的の品もやっとこさ買えて、イヴァはもう燃え尽きかけていた。

 もう思い出すだけで疲れてしまう、キャッキャウフフなんて物はない。

 あるのは二人からの怖い視線。

 イヴァは頑張った。

 愛するリインフォースの為に、家族の為に頑張った。

 

 

「だからご褒美ぐらいくれても良いと俺は思う」

 

「だからこうしてカフェで一休みしてるじゃない」

 

「そのお金は何処から?」

 

「貴方に決まってるでしょう」

 

「……鬼」

 

「悪魔に言われたくないわ」

 

 

 三人はショッピングモールの中にあるカフェで一休みをしていた。

 勿論イヴァのお金でだ。

 

 

――これ、報酬貰ってもプラマイゼロになりそうだ……寧ろマイ。

 

 

「それにしても、何時の間にかこんなに買ってしまったわね」

 

 

 プレシアがイヴァの後ろにある袋の山を見上げる。

 今思うとよくイヴァは一人で持てたものだ。

 唯人では到底持てない量である。

 

 

「どうやって持って帰るんだよ?」

 

「………」

 

「リンディ、そんな威圧的な眼で睨むな」

 

「ニコッ」

 

「笑うな。余計に怖い。分かった、分かったから。車もって来たら良いんだろ」

 

 

 そう言うとイヴァは一瞬にして消えた。

 どうやら家に車を取りに行ったようだ。

 残された二人は黙って頼んだコーヒーを飲む。

 

 

「……ところでプレシア?」

 

「何かしら?」

 

「貴女、正直な所イヴァの事どう思ってるの?」

 

「ぶほっ!」

 

 

 リンディの突然な問いにプレシアは口に付けていたコーヒーを噴き出した。

 

 

「き、急に何?」

 

「いえ、ちょっと気になったものだから」

 

「………大切な友人よ。彼は私が研究でアリシアを一人にさせないために何時も一緒に居てくれて、疲れた私にも色々と気を使ってくれていたわ。あの時だって私を助けてくれたし、フェイトと向き合わせてくれた」

 

「そう……。ねぇ、イヴァとはどんな出会いだったの?」

 

「……突然よ。突然アリシアの前に現れたの。今思えば、アリシアの一人は嫌だという思いが、悪魔であるイヴァに届いて叶えられたのね」

 

「そうだったの……」

 

「……貴女は?」

 

「ん?」

 

 

 今度はプレシアがリンディに尋ねた。

 リンディはちょっと困った様な表情をして口を開いた。

 

 

「私は学院に居た時にね、死んだ夫と一緒に居るのを見かけたの。でね……」

 

 

 リンディは少し頬を染めて恥ずかしそうに言った。

 

 

「私、その時にイヴァに一目惚れしちゃったのよ。初恋ね」

 

「……はい?」

 

「それからね、夫とイヴァから交友を持ちかけてきて、それからもう一人の友人も交えてずっと一緒に居たのよ」

 

「……そう」

 

「まあ、色々あって私はイヴァじゃなくてクライドと結ばれたんだけど。イヴァったら私とクライドをくっ付ける為に色々と根回ししてたのよ」

 

 

 この時プレシアは理解した。イヴァが何故リンディの夫と一緒にいたのか。

 それはクライドがリンディとそういった関係になりたいから、イヴァという悪魔に協力して貰っていたのだと。

 悪魔と言うと聞こえは悪いが、チャームやそういったものではなく、純粋に応援していたのだろう。

 本当にお人好しな悪魔だと、プレシアは苦笑する。

 

 

「……で?」

 

「ん?」

 

「今はどうなの?」

 

 

 リンディは初恋の相手がイヴァだと言った。ならクライドが居ない今、リンディはどう思っているのだろうか。

 

 

「そうね……好きよ」

 

「……」

 

「けど、今はもう友人としてしか好きになれない。本当はもう……」

 

「……何?」

 

 

 リンディは何か呟いたようだが、プレシアには聞こえなかった。

 

 

「……いえ、何でも無いわ。私が愛している人は死んだ夫だけよ」

 

「そう……」

 

「おーい、車持ってきたぞー!」

 

 

 イヴァが帰って来た。二人はコーヒーを呑みほし、イヴァに荷物を持たせて車で送らせた。

 

 

 

 

 夜。

 イヴァは再び頭を抱えていた。

 何故ならば今イヴァの目の前で赤くなっている人が居るからだ。

 別にそういった方面で赤くなっている訳ではない。酒に酔っているからだ。

 

 

「イ~ヴァ~、こっちに来て一緒に飲みましょうよ〜」

 

「断る……。ってか何時の間に一瓶空けてんだよ……」

 

 

 ソファーに寝そべって飲んでいるリンディをよそに、イヴァは夕食の後片付けを終わらせようとしていた。

 

 

「むぅ~、いいじゃな~い!」

 

「おわっ!?」

 

 

 イヴァは後ろから抱き付いてきたリンディに驚き、食器を洗っていた手を止めた。

 

 

「離れろ! 酒臭い!」

 

「そんな事言って~。本当はこうやって密着してこの柔らか~い胸を堪能したいんでしょう?」

 

「んなもん、家に帰ればリインとエスティので味わえる!」

 

「でもでも~、私の方が良いわよ~? 何たって私は……未・亡・人!」

 

「剣誠なら喜ぶだろうさ! だが俺はどうだっていい!」

 

「いやん!」

 

 

 イヴァはリンディの腕を取り、デコピンで遠くのソファーにリンディを飛ばした。

 

 

「や、優しくね……?」

 

「お前は誰だ!? リンディじゃないだろう!?」

 

 

 あまりにもの豹変の仕方にイヴァはもう何が何だか分からず、頭を抱える。

 

 

「ねぇ~、こっちに来て~」

 

「いや―――」

 

「来い」

 

「アイサー!」

 

 

 リンディの恐ろしい睨みと声によりイヴァは一瞬でリンディの隣に座った。

 

 

「そうそう、偉い偉い」

 

 

――リイン、俺は……俺は頑張ってるよな? こんな屈辱的な事を味わってるんだから、一発ぐらい殴り飛ばしても良いよな?

 

「ねぇ、イヴァ……」

 

「……くっ付くな」

 

「―――今は幸せ?」

 

「……は?」

 

「今度はお花見でもしましょ……まだ……咲いて……る……から………」

 

 

 リンディはイヴァにもたれ掛ったまま眠ってしまった。

 

 

「……本当に、どうしたんだよ」

 

 

 イヴァはリンディをベッドに寝かす為に抱き上げた。

 するとリンディの手から何かのデータメモリーが落ちた。

 

 

「……何だ?」

 

 

 イヴァはリンディを抱えたままそれを拾い、一先ずリンディを寝室へと運んで寝かせた。

 それからイヴァはデータメモリーを見詰め、迷いなくそれを開いた。

 

 

「……これは………」

 

 

 イヴァはその内容を隅から隅まで眼を通し、そして読み終わるとデータを閉じ、寝ているリンディに眼をやった。

 

 

「そうか……だからか……ったく、お前って奴は」

 

 

 イヴァはリンディが寝ているベッドに腰掛け、優しく微笑んだ。

 

 

「だから嫌いになれないんだよ、リンディ」

 

 

 チョンっとリンディの額を突き、イヴァは家へと帰っていった。

 

 

 

 

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