何でも屋エリスでございます   作:魔帝

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俗に言う、、水着回ですやん。




第三章第五話

 

 

 季節は夏。夏である。

 夏といえば、海水浴、プール、キャンプ、等々様々なイベントがある。

 そして学生にはそのイベントの前にある試練が課される。

 それは期末テストである。夏休み前にある、成績に響くテストである。

 そのテストに、子供達はぶつかってしまっている。

 

 

 

 

 現在、八神家では蓮夜を始めとした子供達が勉強会を開いていた。

 

 

「分からん……分からんぞ……!」

 

「ケン、さっきからそればっかりじゃない」

 

「だって分かんねぇだよ! 何だよ尊敬語とか謙譲語とか形容詞助動詞その他諸々!」

 

「アンタ、からっきし勉強が駄目ね。特に国語系は」

 

「うぅ~、私もなの~」

 

 

 剣誠となのはは頭をうんうんと捻り、必死に答えを導き出そうとしたが、それは叶わなかった。

 

 

「駄目だ~! 剣誠さんはもう駄目なのです!」

 

「ケン、もし最低点取ったら武蔵先生に……」

 

「ヒィッ!? それ以上言わないでおくれ~!」

 

 

 剣誠は一度受けたことがあるのか、身体をガタガタと震わせはじめた。

 

 

「……馬鹿剣誠」

 

「んだとゴラァ!?」

 

 

 蓮夜の呟きをきっちりと拾った剣誠は睨みつけたが、蓮夜はふっと笑って手元の問題集を見せた。

 

 

「んなっ!? ま、満点!?」

 

「テメェとはここが違うんだよ、ここが」

 

 

 トントンと頭を指して不敵な笑みを浮かべる。

 蓮夜の学力は学校一だったりする。

 剣誠はドベ争いをしているとか。

 

 

「チクショウ……! 何でだよ……!」

 

「ふっ……」

 

 

――一方通行の能力を使うに当たって演算処理とかいるんだよ。

 

 

 蓮夜の転生時に貰った力に一方通行というものがある。

 ただ能力だけ貰っても意味が無く、演算処理能力が無ければ使えない。

 だから蓮夜は転生時に能力を使える頭脳も貰っているのだ。

 故に、頭の出来は他人とは比べ物にならない。

 

 

「ちくせう……不幸だ」

 

「……ほんっと、アンタって某不幸少年に似てるわよね。学校でもフラグ建ててるし」

 

「んなワケねぇだろ。俺みたいな不幸だけが取り柄みたいな男に興味持つ人がいるかよ……」

 

「……何よもう……ここにいるじゃない……」

 

「ん? どした、アリサ?」

 

「な、何でもないわよ! 馬鹿!」

 

「ばっ……!? はぁ~……」

 

 

 剣誠は女の子であるアリサに馬鹿と言われてテーブルに伏せる。

 その後ろには真っ暗な影が落ちていた。

 

 

「おうおう、頑張ってっか?」

 

 

 イヴァが盆の上にお茶を載せてやってきた。

 

 

「あ、お兄ちゃん。うん、何とかやれてるよ」

 

「そっか。いいかお前ら。このテストの成績で夏休みに遊びに行けるかどうかが掛かってるんだからな?」

 

「そんなプレッシャー与えないでくだせえ!」

 

 

 剣誠はこの世の終わりだといわんばかりに顔を真っ青にて頭を抱える。

 イヴァはハッハッハッと笑いながら剣誠の頭を乱暴に撫でてお茶を置いていく。

 

 

「剣誠、一ついいことを教えてやろう」

 

「何?」

 

 

 イヴァは剣誠だけに聞こえるようにしてあることを教えた。

 

 

「………ッ! そ、それは……! なっ、そうか!」

 

 

 すると剣誠は瞳にやる気の炎を宿し、問題集と向き合い始める。

 

 

「やってやる! 俺はやってやるぞ!」

 

 

 しかも魔力が溢れ出し、本当にやる気の炎が灯っているかのように見えた。

 

 

「お義父さん? 何教えたん?」

 

「ん? 内緒」

 

「それじゃあ、剣誠君にきこおーっと! なあなあ、何言われたん?」

 

「剣誠に聞いても無駄だって。ちゃんと黙っておくように―――」

 

「水着の義姉さん! 浴衣の義姉さん! タオルの義姉さん!!」

 

『………』

 

「…………さ、リインとイチャイチャしてくっか」

 

 

 イヴァは視線を逸らし一階に降りようとしたが、イヴァの目の前には義姉ちゃんことエスティナルがうふふと笑って立っていた。

 

 

「人を一体何に使っているのかしら?」

 

「……やる気アップ?」

 

「ヤる気アップ、ですか?」

 

「なんかニュアンス違う……!?」

 

「ええ、ええ。良いですわ、ヤりましょう」

 

「ちょっ、そのバチバチした手、止め! 止めなさい! やめっ――イヤァァァァァァァァァッ!!!!」

 

 

 ギィィ……バタンっと、部屋のドアが閉められ、ドアの向こうにイヴァがエスティに連れ去られていった。

 

 

「義姉さん! 義姉さん! NE・E・SAN!!」

 

「剣誠の……バカァァァアアッ!!」

 

「アリぶへぇ!?」

 

 

 アリサの鉄拳が剣誠の頭に炸裂し、勉強会が終わるまで意識を失っていた。

 

 

 

 

 何やこんやでテストは終了。

 そして見事に剣誠は赤点をギッリギリ免れた。

 

 本当にギリギリだった。

 どれ程かというと、それはこの一例を読んでもらえば分かる。

 リインが頬を赤らめて涙目で上目使いをし、優しく呟くように『抱いて……?』と言ってそれに耐えられるかどうかの瀬戸際に近い。

 イヴァなら先ず間違いなく、耐えられない。

 いや、全世界の極一部の男性を抜いて耐えれる者はいないはずだ。

 だがそれを剣誠はテストに置き換えているとはいえ、耐えてしまった。

 耐えてしまったのだ。

 

 

「うっせっ! 耐えて悪いか!」

 

「うわっ!? ちょ、もう! いきなり大声を上げないでよね!」

 

「……はれ? 夢、か……?」

 

 

 現在、エラフィクス家、八神家、テスタロッサ家、そしてリンディとなのは達は泊りがけの海に向かっておる。

 今回は高町家はなのはだけである。

 大型車をレンタルし、一台にイヴァとリインと子供達もう一台に残りが乗っている。

 

 

「アンタ、まさか興奮して眠れなかったんだじゃないでしょうね?」

 

「んなワケねーよ。ただちょっと準備に手間取ってたんだよ」

 

「そんなに手間取るの?」

 

 

 フェイトが首をかしげて尋ねる。それに剣誠は大きく頷いて答える。

 

 

「おうともよ! ちゃんと海で溺れた際にどうやったらいいかとか、遭難したらどうすればいいとか、怪我の応急処置とかその他諸々!」

 

 

 剣誠は持ち前の不幸スキルを危険視し、海での万が一の事に備えて色々と知識を詰め込んできたのだ。

 

 

「……ねぇ、剣誠」

 

「何だよ、神楽?」

 

「アンタ……魔法を使うって言う発想は無かったの?」

 

「………あ」

 

『はぁ〜……』

 

 

 初っ端からしでかしていり剣誠であった。

 

 

「クックック……。相変わらずお前はドジだな」

 

「義父さん、それは言わないで……」

 

「剣誠、ちゃんと生きて帰るのだぞ?」

 

「俺達って海水浴に行くんだよな!? 戦場じゃないよな!?」

 

『アンタにしたら戦場でしょ』

 

「ふ、不幸だああああっ!!」

 

 

 

 

 宿泊する旅館に到着。

 イヴァ達はそれぞれ部屋に荷物を置き、海水浴をする為に水着に着替える。

 部屋は全員が一つの部屋になるように大きな部屋にしている。

 そして水着に着替える為に部屋のど真中を襖で仕切っている。

 

 

「ぐっ……! 何とかしてお隣の理想郷を拝めないものか……!」

 

「剣誠、今だけはテメェに協力してやる!」

 

 

 剣誠と蓮夜は襖にどうにかして隙間を作ろうとしていた。

 何故、簡単に出来ないかというと、それはアルフが張った結界で襖に触れられないからである。

 

 

「くそっ! 俺が結界を壊せば良いのに、それをしたら向うにばれる……!」

 

「ああ……チッ、くそっ! 向うにはやてが居るってのによ! っつかテメェ、はやてを見たら殺すかんな」

 

「確かに、はやてにはそれ程の魅力はある! だがしかし! 俺は義姉さんを始めとする年上美女が目的だ!」

 

「……それ、おふくろも入ってんのか?」

 

「………義父さんには黙っててくれ」

 

「お前、ここが何処か分かって―――」

 

 

 剣誠と蓮夜がいる場所、即ち襖で区切られた男衆側。

 つまりそこにイヴァとザフィーラもいるのだ。

 

 

「ほっおー……? 蓮夜、お前は俺の妻、即ちお前の義母の裸をその厭らしい眼で見るというのか? ん?」

 

「………」

 

 

 汗をダラッダラ流す剣誠の真後ろにはイヴァがもの凄く爽やかな笑顔で拳を固めていた。

 

 

「その『手袋』、今日一日外してやろうか?」

 

「っ!? そ、それだけはご勘弁を!!」

 

 

 剣誠は必死に右手を隠し、イヴァに手袋を取られまいとした。

 

 

「蓮夜……」

 

「っ、な、何だよ……?」

 

「はやてが知ったらどう思うだろうな……? 恋人がこんな破廉恥極まりない事をしているなんてな」

 

「ぐっ……! だ、だが! 俺だって男だ! 好きな女の全てに興味がある!」

 

「……ふっ、お前ら」

 

「「ゴクッ……」」

 

「ちょっくら地獄に行ってこいや」

 

 

 スッ! パタンッ!

 

 

『………へ?』

 

『…………』

 

 

 イヴァは手に『ゼロ』を纏わせて結界を消し去り、襖を開き、剣誠と蓮夜を向こう側に放り投げて襖を閉めた。ちゃんと独自の結界を張って開かないようにした。

 

 

『………ごちになりました!』

 

『きゃああああああああああああああっ!!!』

 

 

 襖の向こう側で剣誠と蓮夜の悲鳴が聞こえてきたが、イヴァは気にせず海水浴の準備を終わらせる。

 

 

「……イヴァ殿」

 

「ん?」

 

 

 人間形態のザフィーラが腕を組みながらイヴァにある問題を教えた。

 

 

「二人が向うに行けば、確かに地獄を見るのだろうが、リインフォースの身体を見てしまうのではないか?」

 

「見るなお前らぁぁ!!」

 

 

 イヴァは結界を解き、襖の向うへと突撃した。

 

 

『い、イヴァ!? 貴方まで何を!?』

 

『あらあら、うふふ……』

 

『イヴァ、覚悟は良いかしら?』

 

『イヴァ……貴方、私の娘の裸を見てただで済むと思っていないでしょうね?』

 

『ま、まままま待て! 俺はこの二人をだな!』

 

『……ニコッ』

 

 

 イヴァの悲鳴が旅館全域に響き渡ったのは言うまでも無い。

 

 

 

 

 晴れ渡る青空。

 青く光り輝く広い海。

 サラサラで触れれば熱い砂浜。

 そして、準備運動する男三人。

 

 

「いっちにーさんっし!」

 

『ごーろっくひっちはっち!』

 

「にーにっさんっし!」

 

『ごーろっくひっちはっち!』

 

 

 しかも全身に紅い紅葉を作って。

 女性陣達の手形である。

 ヒリヒリして痛そうである。

 

 

「良いかぁ! 者共! 我々の目的は!」

 

『我らが女神達をゴミ屑からお守りする事であります!』

 

「そうだ! 我々は女神達と楽しい時を過ごしながら護衛の任務を完遂する事だ!」

 

『サー・イエッサー!』

 

「そら見ろ貴様ら! あの美しき花々を!」

 

 

 イヴァは指差した。

 その方向にはいっそ神々しく光り輝く花々が咲いていた。

 美少女、美女が水着姿で浜辺を歩いていた。

 その光景が男達の眼を奪い取っていた。

 

 

「……息子達よ」

 

「あいさー……」

 

「ほいさー……」

 

「来て、良かったな……」

 

『サー・イエッサー……!』

 

 

 イヴァ達は泣いていた。

 目の前の感動の光景に。

 あの光り輝く笑顔、白く美しい白魚の様な肌、キュッとした括れ、細くスラリとした美脚、ぷるんとしたヒップ、そしてたわわに実った胸。

 

 

 まさに女神様。

 

 

「蓮夜く~ん! こっちおいで~!」

 

「……あ〜い」

 

 

 普段眉間に皺を寄せて不機嫌そうな表情をしている蓮夜が、もうデレッデレの表情ではやての方へと歩いていった。

 

 

「待てやコラァ! 何一人で行こうとしてんだ!」

 

「離せやゴラァ! 俺は向うに行くんだよ! あの理想郷になぁ!」

 

 

 剣誠は手袋を外して蓮夜を全身全霊で止めた。

 蓮夜は必死に恋人の下へ行こうと剣誠を振り払おうとする。

 

 

「行かせねぇぞ! 何テメェだけ幸せになろうとしてやがる!」

 

「黙れ! 俺は行くんだよ! テメェは不幸のどん底でくたばってろ!」

 

「離すかってんだ! 義父さんも手を貸して―――」

 

「い、イヴァ、どうですか? す、少し派手過ぎでしょうか?」

 

「いや、似合ってるよ。綺麗だ」

 

「も、もう……」

 

 

 その時剣誠は理解した。

 負け組みは自分だけだと。

 

 父の女性関係は大変だ。

 妻であるリインを始め、契約の他に色々と関係を持つエスティ、親友の妻であり友人であるリンディ、同じく友人であるプレシア、家族であり修行仲間であるシグナム、料理の生徒であるシャマル、イヴァに一目惚れして変態的な行動を取るアイラ先生、そして剣誠がイヴァから聞いた話だと、過去に、イヴァシリアが『悪魔』となったばかりの頃に、それなりに深い関係となっと女性までいるらしい。

 

 つまり、エラフィクス家の男子で女の気配がしないのは剣誠だけなのである。

 まあ、気が付いていないだけなのだが。

 

 

「うっ、うぅ……!」

 

 

 剣誠は色々と打ちのめされて涙を流し始めた。

 もう、それは見ている人が辛くなりそうなほどに。

 

 

「ちょっ、アンタ何泣いてんのよ!?」

 

 

 と、そこへ赤いビキニを着たアリサがやって来た。

 剣誠は顔を上げアリサの姿を眼に捉えた。

 その瞬間、別の意味で泣き出した。

 

 

「ちょっ、ええ~!?」

 

「ヒッグッ……! な、何て優しいんだぁ……! こんな負け組みの俺に声をかけてくれるなんて……!」

 

「な、何言ってんのよ!?」

 

「アリサ様ぁ~!」

 

「拝むなっ!!」

 

「べぶしっ!?」

 

 

 しかし最後には蹴られてしまう剣誠であった。

 

 

 

 

「ん~、眼福眼福」

 

 

 イヴァはパラソルの下で黒と赤のアロハシャツと黒の海パンを着て座っていた。

 視線は主にリインを捉えていた。

 

 

「……ホント、俺は幸せ者だな」

 

 

 イヴァは皆が遊んでいる光景を眺め、その場に寝転がった。

 

 

「と、義父さん……」

 

「……大丈夫か、剣誠?」

 

 

 剣誠がボロボロの状態でイヴァの下へとやって来た。

 

 

「た、助けてぇ……」

 

「はいはい。ほれ、そこに座れ」

 

「あい……」

 

 

 剣誠はイヴァの前に座り込み、イヴァは剣誠に向けて手を翳した。

 

 

「ったく、海に来たのに何でそんなに傷だらけなんだよ」

 

 

 剣誠の身体は岩で切ったのか傷だらけで顔面には見事に真っ赤な紅葉が出来上がり、更にはたんこぶまで出来ていた。

 

 

「この状態じゃ……魔法も満足に使えない……」

 

「体力も消耗しちゃって……ホント、ご愁傷様」

 

 

 『ゼロ』で剣誠の怪我をけしていき、やがて全部消えた。

 

 

「ありがとう、義父さん。……そういや、何で義父さんは海に入らねぇんだ? それにずっとシャツ着てるし」

 

「ん? 俺はこうして皆を見てる方が良いんだよ」

 

「そうなのか? まあ、義姉さんのアレとか凄いし……」

 

「お前……本当にエスティが好きなんだな」

 

「す、好きってか……まあ、俺の理想のタイプだし……。けど、恋とかじゃないんだよな」

 

 

 イヴァは正直言って剣誠の将来を心配していた。

 蓮夜と違って特定の女性は居ない。

 そして剣誠はその持ち前の優しさと腕っ節の強さと度胸で周りの女性を無意識の内に惚れさせている。

 

 しかも剣誠は鈍感。

 周りからの好意に気が付かない。

 何時か後ろから刺されるのではないかとイヴァは心配している。

 

 

「剣誠」

 

「何?」

 

「何時か、何時かで良い。俺がお前達の側にいる間に孫の顔を見せてくれよ」

 

「……義父さん?」

 

「……けど、お前のその不幸っぷりは継がせるなよ」

 

「ひでぇ!?」

 

「はっはっは! ほれ、遊んでこい。青春というものは短いもんだ」

 

 

 イヴァは剣誠の背中を叩いて皆が遊んでいる所に向かわせた。

 その背中をイヴァは真っ直ぐ見つめていた。

 

 

「――――」

 

 

 何かを呟いてイヴァは再びリイン達の方へと視線を戻した。

 

 と、そこでイヴァは眼と鼻の先に現れた赤い瞳に一瞬だけ意識を奪われた。

 

 

「……リイン?」

 

「はい、どうしました?」

 

「どうしましたって……お前こそどうした?」

 

 

 リインはイヴァが剣誠が行った方向、つまり反対方向を向いている間にイヴァに近付き、イヴァが視線を戻した時に鼻がくっ付くぐらいに顔を近づけていた。

 リインはイヴァの隣に腰をかけて肩を寄せた。

 因みにリインの格好はイヴァと合わせた黒のビキニである。ただ、ちょいっと面積が小さいが。

 

 

「最近、何処か疲れている感じがしますが……」

 

「ん~、別に何でもないが……ただ……」

 

「ただ?」

 

「今晩の為に体力を温存しているだけ」

 

「今晩……?」

 

「布団の中での」

 

「っ!?!?」

 

 

 リインは何のことか分かったのか顔どころか身体全身を真っ赤にして、自分の身体を抱くようにして縮こまった。

 

 

「よせやい。そんな可愛い反応すると今ここでヤっちまいそうだ」

 

「そっ、そう良いながらこっちに手をワキワキ動かしながら来ないでくださいっ!」

 

「はっはっは! 嫌よ嫌よも好きのうち~ってな」

 

「はい、そこまで」

 

「ごふっ!?」

 

 

 イヴァがリインに触れようとした瞬間、イヴァの腹にエスティの拳が炸裂し、イヴァはリインの膝の上で気絶した。

 

 

「駄目ですわよ。今日は頑張ってもらうんですから。こんな所でつまみ食いしては駄目ですわ」

 

「……エスティ」

 

「あら? 何ですか、その邪魔をされたような顔は? 嫌がってたじゃないですか」

 

「そ、それは……くっ!」

 

「あら、イヴァの言ってた通り実は……」

 

「う、うわああああ! い、言うなぁ!!」

 

 

 リインは顔を羞恥心と怒りで真っ赤に染め、エスティに向かって黒い魔力弾を放ったが、エスティは指先でちょいと弾いて消した。

 

 

「あらあら、可愛いですわね。食べちゃいたい」

 

「ひゃん!?」

 

 

 エスティはリインの背後に周り胸を優しく掴んだ。

 

 

「イヴァが起きるまで……いただきましょうか?」

 

「や、やめろ――んんっ!」

 

「うふふ、良い声で鳴いてくださいな」

 

「ん、う~ん……」

 

「っ!? お、起きないでくださいぃぃっ!!!」

 

「ぐあほっ!?」

 

 

 イヴァが眼を覚まそうとした瞬間、リインの拳が再びイヴァの腹に炸裂し、また意識を失った。

 

 

「くぅ~……! 私だってお義父さんとぉ!!」

 

「ちょっ! 神楽! それは駄目だって!」

 

「チッ、ペットの分際で……」

 

「り、リンディさん? 何でそんなに黒いの?」

 

「……イヴァ、私の娘の前で何て事を……!」

 

「プレシアさん!? 顔が恐ろしや!」

 

「うわぁー……!」

 

「すずかさん!? 何でそんなに眼をキラキラさせてるんですか!?」

 

 

 イヴァ達の光景を見ている美女と美少女達を剣誠は必死に止めたりツッコンだりして大変だった。

 

 

「ええな~。私らもそろそろ階段登ろか?」

 

「んなっ!? ま、まだはえよ!」

 

 

 何はともあれ、平穏な日々が続いていくのであった。

 

 

   続く!

 

 

 

 

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