何でも屋エリスでございます   作:魔帝

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この作品でのユニゾンデバイスの製造方法はオリジナルです。
無理があるかもしれませんが、コレでいきます。

はぁ~、ここまで来たか~。




第三章第八話

 

 

 

 クリスマス。

 それは、家族で祝う日。

 それは、男女がイチャイチャしまくる日。

 

 剣誠はこの日、デパートに来てイチャコラしてる男女を見て殺気を飛ばしたりしている。

 

 

「チッ、何でデパートまでイチャイチャの巣窟になってんだよ。俺へのあてつけか?」

 

「な~に言ってんのよ。こんな美少女、将来は美女になる事が保障されてる、この神楽お姉さんと来てるのよ。誇りなさいよ」

 

 

 神楽は腰をくねらせて腰の括れと形の良い大きな胸を強調する。

 

 

「………」

 

「………何か言いなさいよ」

 

「いや……うん、可愛いよ?」

 

「じゃあこっち見て言いなさいよ! それに何で疑問形!?」

 

「ぐふっ!?」

 

 

 剣誠の首をロックしてへし折ろうとした。

 今日、二人がデパートに来たのは今日の夕食の買い物と、クリスマスプレゼントを買いに来たのだ。

 

 

「ってか、聖祥の六大美女の一人とデートモドキしてんだから、もっと喜べ」

 

「よ、喜べるかよ……! こんな場面学校の奴らに見られたらやべぇんだよ……」

 

「そうよね~。罪よね~、私の美しさって」

 

「ファンクラブの皆さま! 貴方達の女神、神楽・(古見)・エラフィクスは完全に上から目線ですよ!?」

 

「良いのよ、そのキャラが受けてんだから」

 

「ええ!?」

 

 

 剣誠は学校の男子諸君の将来を心配してしまった。

 全員ドMか、剣誠は学校の風紀がそれはそれは大変心配だ。

 

 

「でもでも~、私の全てはお義父さんのものだし~」

 

「………」

 

「ん? 何よ?」

 

「……いや、何でもねぇよ」

 

「変なの」

 

 

 変なのはアンタです。

 

 

 

 

 イヴァは今日は一人でミッドチルダに来ていた。

 目的は今日のクリスマスの夕食にティアナを招待する為である。

 

 

「よし、準備できたか?」

 

「はい」

 

「んじゃあ、行くか」

 

「はい!」

 

 

 ティアナはウキウキとした表情でイヴァの手に掴まる。

 新しい家族に会える。そう考えるだけで胸の鼓動が高鳴る。

 

 

「んじゃ……次元転移、開始!」

 

 

 イヴァとティアナの足元に紫色の魔法陣が展開され、やがて二人の姿を消す。

 二人は八神家の前に姿を現した。

 ティアナは初めてやって来た地球に目をパチパチさせている。

 

 

「わー……」

 

「ここが俺の家だ。どうだ?」

 

「えっと……」

 

「ふっ、まあ、入れ」

 

 

 イヴァはドアを開いて先にティアナを入れる。

 するとクラッカーの音が響いて、飛び出たリボンがティアナの頭に垂れかかった。

 

 

『メリークリスマス!』

 

「へ……?」

 

「ククク……」

 

 

 ティアナは目を丸くして驚き、イヴァは悪戯が成功したような顔で笑っていた。

 

 

「ようこそ! ティアナちゃん!」

 

「むきゅっ!?」

 

 

 神楽がティアナに抱きついてその大きな胸に顔を埋もれさせた。

 

 

「可愛いぃ~!! ロリッ子ティアナちゃん可愛いぃ~!! お持ち帰りぃ~!!」

 

「いや、もう家に来てんじゃん」

 

「はっ! 私とした事が! 私はお義父さんと―――」

 

「ただいま、リイン」

 

「お帰りなさい、イヴァ」

 

 

 神楽はイヴァに抱きつこうとしたが、すでにイヴァは愛しのリインとイチャイチャしていた。

 

 

「………」

 

「……ま、頑張れ」

 

「うっさい!」

 

「ごほっ!?」

 

 

 神楽に沈められた剣誠であった。

 

 

「もう、何やってんの。初めまして。私、八神はやてって言います」

 

「あ、ティアナ・ランスターです」

 

「よろしくな、ティアナちゃん」

 

「はい……!」

 

 

 ティアナは頬を薄く紅く染めて頭を下げる。

 そんなティアナにはやては笑みを浮かべて頭を撫でてから中に案内した。

 

 

 

 

「それじゃ……」

 

『いただきまーす!』

 

 

 食卓には豪華な料理が並び、そのまわりを家族皆で囲む。

 笑顔が絶えず、終始笑い続け、美味しい料理を食べ、それぞれ楽しい会話をする。

 

 

「へぇー! ティアナちゃんも私と同じ戦いを教わってるんだ!」

 

「え、じゃあ、神楽さんもですか?」

 

「そうそう! そっかー! じゃあ、私は姉弟子ね!」

 

「姉……」

 

「これから神楽お姉ちゃんと呼びなさい! ってか私はもうお義姉ちゃんだし!」

 

「は、はあ……」

 

「ん〜! 可愛い!!」

 

「きゃう!?」

 

「こらこら、そんなに締め付けるな」

 

 

 イヴァは苦笑しながら神楽の首根っこを引っ張った。

 どうやら神楽はそうとうティアナの事を気に入ったようだ。

 だがティアナはそうでもなかった。

 いや、確かに神楽の事は好きである。

 だがそれ以上に、ティアナはある人物に興味を惹かれていた。

 

 

「ったく、加減を考えろよな。ほら、髪が乱れてんぞ」

 

「あ……」

 

 

 剣誠である。

 蓮夜のぶっきら棒な態度より、剣誠の素直に優しい性格と、その容姿にティアナは惹かれていた。

 ここに至るまでに剣誠の優しさの数々をティアナは目撃し、所謂一目惚れに近い感情を抱いたのだ。

 

 

「うっし、これでもう良いぞ」

 

「あ、ありがとう、ございます……」

 

「ん? 顔がちょっと紅いか……?」

 

「ひゃっ!?」

 

「フン……」

 

「うがっ!?」

 

 

 剣誠がティアナの額に自分の額をくっ付けようとした瞬間、蓮夜がベクトル操作を使用して指で弾いた。

 

 

「何しやがる!?」

 

「黙ってろバァカ。このナンパ」

 

「は、はぁ!?」

 

「あ、あの! だ、大丈夫ですか!?」

 

「え、あ、ああ! これくらいどうって事ないって!」

 

 

 ほら、と額を見せて大丈夫な事を確認させた。

 何せティアナの目が涙目だったからだ。

 

 

「この……泥棒猫ぉ!」

 

「へ? あべしっ!?」

 

 

 神楽が転移してイヴァの手から逃れ、剣誠の首筋に蹴りを喰らわせた。

 

 

 

 

 さて、とうとう今日のメインイベントの時間がやって来た。

 プレゼント交換も終え、残すは例の件。

 そう、『ユニゾンデバイス』の事である。

 

 

「さて、皆、準備は良いか?」

 

 

 イヴァとリインはこのクリスマスの日までにこのユニゾンデバイス、否、娘となる子供を作り始めていた。

 自分とリインの全てのデータを融合していき、何の問題も無く、健康体で、元気な子になるようにと、何度も何度も、二人で形作ってきた。

 そしてとうとう、やっとこの瞬間、子作りが終了し、産まれる。

 

 

「リイン、心の準備は?」

 

 

 ベッドで寝ているリインの周りにはディスプレイが投影されており、一つの画面には『決定』のボタンが表示されている。

 それを押せば全てが完了し、新たな命が誕生する。

 そう、イヴァシリアとリインフォースの子供が。

 

 

「出来ています」

 

「それじゃ……いくぞ」

 

 

 ボタンを、二人で押した。

 すると画面が次々と変わっていきそれと同時にイヴァとリインの身体から魔力が溢れ出てくる。

 

 

「っ……」

 

「………」

 

 

 少しだけ苦しい表情をするリインの手をイヴァは握った。

 魔力が溢れ出ているのは装置によって大量に吸われているからだ。

 その魔力が子供となる。

 魔力は二人から吸収されるのだが、リインが、子を産む痛さを知っておきたいと懇願し、イヴァは危険を承知の上でリインを魔力の出口とし、リインに大々的な負担をかけているのだ。

 魔力が吸収されているときは体力を消耗し、そして二人分の魔力を吐き出しているため、身体に負担をかけ、痛みこそは感じないが、それに等しい苦しみがあるのだ。

 

 

「ハァ、ハァ……ッ!」

 

「頑張れ、リイン」

 

 

 息切れを起こしてきたリインにイヴァは応援する。

 自身も汗や疲労が出てきている。

 テーブルの上に置かれているステージのような装置の上に徐々に徐々に二人の魔力が集まっていき、人型に形成していく。

 

 

「もう少しや、リイン!」

 

「お義母さん、頑張って!」

 

 

 子供達も手を組んで見守る。

 そして一時間後、人間の出産に比べれば短時間だが、ゴールに辿り着いた。

 装置の上には手の平サイズの小さな女の子。

 水色の髪の人形の様な小さな女の子が誕生した。

 

 

「リイン……やったぞ! 産まれた! 俺達の子が産まれた!」

 

「はい……!」

 

 

 イヴァは伝説の悪魔と云われるだけあってそこまで疲れてはいないが、リインは魔力の消耗が激しく、どっと疲労感に襲われていた。

 

 

「ようやった! ようやったでリイン! お義母さん!」

 

「蓮夜……泣くなよっ、ずずっ……!」

 

「バッカっ、泣いて、ねぇっ……ぐすっ……!」

 

「お義父さ~ん! お義母さ~ん! よ゛がっだー! あ゛ー!」

 

「師匠……おめでとうです!」

 

 

 子供達は感動と喜びで泣き。

 

 

「よく頑張りましたわ……」

 

「生命の誕生は、やはり素晴らしいものだな」

 

「そうねっ……! 良かったわね、ヴィータ。これで貴女もお姉ちゃんよ」

 

「お、おう……ぐす」

 

「……今日は本当に目出度い日だ」

 

 

 大人たちは静かに感動し喜んだ。

 

 

「リイン、女の子だ! 容姿もお前にそっくりだぞ!」

 

「私達の……子供」

 

「ああ! あ、名前だ! 名前を授けないと!」

 

 

 産まれた子供をそっと優しく手に乗せ、ベッドに横たわるリインの腕の中に寝かす。

 

 

「名前は……ああ、やっぱりこれしかない」

 

 

 イヴァは何処からか取り出した墨と筆で半紙に名前を書き始めた。

 

 

「出来た!」

 

 

 イヴァは出来上がった半紙を皆に見えるようにして、決めた名前を発表した。

 

 

「この子の名前は……『ミルティリア』。古代ベルカの言葉で、『愛溢る天使』」

 

「『イヴァシリア』の……『無と孤独の悪魔』の対、ですわね」

 

「ああ。昔、俺の母さんが女の子が産まれたら名付けようとしてたんだよ」

 

「ミルティリア……私とイヴァの子……」

 

 

 リインはミルティリアを愛おしく撫でて、ゆっくりと眠りについた。

 

 

「……よく頑張ったな、リイン」

 

 

 リインを優しく撫でてイヴァはリインとミルティリアの二人だけにする。

 その後、イヴァは事後処理を他の皆と一緒にする事にした。

 

 

「さて、面倒くさい作業をしますか」

 

「ししょう……」

 

「ん、ああ……神楽、ティアナを寝かしつけてやってくれ」

 

「はいはーい! 行こうティアナちゃん!」

 

「はい……」

 

 

 睡魔と戦っているティアナを神楽に任せ、端末を開いてキーボードを叩いていく。

 

 

「それにしても、よく考え付いたよな。ユニゾンデバイスの製造方法」

 

「まぁな。俺だってやれば出来るんだぜ?」

 

「ケッ、なら学校の成績を何とかしやがれ」

 

「うっせ。テメェは魔法の勉強を少しでもしろ。お前、何時も戦い方が力任せなんだよ」

 

「はいはい、喧嘩はそこまでや。先ずは本局に出産の報告と、戸籍の登録とデバイスの登録や」

 

 

 ミルティリアはイヴァとリインの子供、と言っても世間一般的にはユニゾンデバイスである。

 しかしユニゾンデバイスとは古代ベルカの代物であり、今の時代にとってとても稀少で確認できる限りリインフォースとミルティリアしかいない。

 そこで本局ではユニゾンデバイスを道具か人で扱うかを検討し、結果的に人権を持つが、何処かしらで道具の扱いをされてしまう事がある。

 

 

「俺の娘をデバイス登録だぁ……? ハハ、管理局は面白い冗談を言う」

 

「イヴァ、そう思うならその刀をしまいなさいな」

 

「こればっかりは仕方がないで。上もデバイスとして許可を下したんやし……」

 

「……一度でも俺の妻と娘を道具扱いにしてみろ。管理局なんか世界ごと消してやる」

 

「せめて管理局だけにしろよ」

 

「いや、そう扱いする人だけにしようぜ?」

 

「何言うとるん? 消すんやなくて、生かさず殺さずやろ?」

 

『………』

 

「それは楽しそうですわね〜」

 

 

 イヴァは思った。あれ? はやて、エスティの影響を受けてない? と。

 それを思ったのはイヴァだけではなく、その場にいた全員であり、シグナム達は主の今後が心配になり、蓮夜は将来尻に敷かれるかもと心配し、剣誠は将来小間使いにされるかもと心配した。

 

 

「ま、子供を作らせて貰ったんだ。それだけは感謝してやろう」

 

 

 指を動かして届けに色々と打ち込んでいく。

 

 

「ユニゾンデバイス。デバイス正式名所『リインフォース・ツヴァイ』。本名『ミルティリア・イリ・エラフィクス』、と……」

 

 

 悪魔にまた一人、家族が出来ましたとさ。

 

 

 

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