時は遡り、リインがリンディの家に向かう前の話である。イヴァはとある世界、吹雪が酷く、周りが雪だらけの世界。その世界のある場所に、古びた大きな城が存在する。イヴァはその城の門の前に立っていた。
「………」
イヴァはゆっくりと城の扉を両手で開き、中へと入る。すると扉が勢い良く大きな音を立てて閉まり、イヴァは閉じ込められた。イヴァは溜息を吐いて頭を抱える。
「あ~、うん。これは厄介だ」
イヴァは辺りを警戒しながら中へと進んでいく。中に進んである部屋の前へと到着した。その扉を開けようとして……。
「っ!?」
扉に触れた手が弾け跳んだ。手首から先が無くなり、血が吹き出る。
「チッ……!」
イヴァは手を押さえて扉から離れようとしたが、扉が独りでに開き中へと何かに引き摺り込まれた。
「くそっ!」
悪態を吐くイヴァだが、その直後、イヴァの両脚が吹き飛ぶ。その後も両腕が吹き飛び、胴体がパックリと開き血が吹き出る。肺を失い息も出来ず、イヴァは床の上でもがき苦しむ。
「………」
その様子を、イヴァの頭の顔を覗き込む女性の姿があった。
「……おい」
「はっ!?」
女性の一声でイヴァは我に返る。するとイヴァはただ床に転げているだけで、血なんて一滴も出ていなかった。イヴァは立ち上がり、身体を解した。
「……チィーッス!」
「チィーッス」
「………」
「………」
「……ゴホン」
何とも言えない空気が流れ、イヴァは咳払いをしてから改めて挨拶をしなおした。
「久しぶりだな、ユフィ」
「ウム、久しぶりすぎて思わず幻術で殺しかけた」
先ほどの現象はすべて彼女がイヴァに見せた幻術であった。
彼女、ユーフェルナル・フォン・メネラテスは床に座り込んで大きな黒猫のようなぬいぐるみを抱いていた。彼女の容姿は長い黒髪に赤い瞳、出る所は出て引っ込むところは引っ込んでいる。身長はほんの少し小さめで、イヴァの胸辺りである。
「止めてくれよ、長いこと会わなかった罰で甘んじて受けたけど、正直言ってキツイ……」
「知らん。それよりどうだ?」
ユーフェルナル……ユフィはそう言って顔を横に向けたりして何かをイヴァに訴えていた。
「………ああ」
ポンっと手を叩いてイヴァは答えた。
「今回は黒髪に赤目か。何だ? 俺の母さんを意識したのか?」
「十点」
「へ?」
「ここはお前がボケをかまして私がお前を瀕死まで追い込むのだろう。それに真面目に答えるのならば一言ぐらい褒めるのが常識だろう」
「う……すまん」
前者の事についてはツッコミたいが、後者については確かにイヴァが悪い。イヴァは素直に謝り、改めてユフィの外見を見る。
「ん~……中々良いじゃないか。髪の手入れを欠かしてないようだな」
「当然だ。髪は女の命ともいうしな」
「と言いつつ、手入れをしてたのはお前じゃないだろ?」
「命じてたのは私だ。だから私がしているという事に変わりは無い」
「さいですか」
「ん」
ユフィがイヴァに向けて両腕を広げた。その行動の意味が分かったのか、イヴァは苦笑してユフィを抱っこした。抱っこというと少し子供っぽいのでここは一つ、横抱きと言おうか。ユフィを抱き上げてイヴァは彼女を部屋にある豪華なベッドの上に寝かせた。
「それで? 今日はどんな話をしてくれるんだ?」
「うんにゃ、今日は話をしに来たんじゃないんだ」
「では何をしに来た? はっ! まさか……こ、子作りか?」
「それはもう間に合ってる」
「……浮気者」
「浮気なんかしてねぇし。俺の女はリインだけだし」
「エスティは?」
「……契約上、仕方が無くだな……」
「満更でもないくせに」
「………敢えて否定はしないでおく」
「やっぱり浮気者だ」
「だって否定したらアイツ怒るもん」
「私は怒らないとでも言うのか? 私の処女を奪ったくせに」
「………昔の話だ」
「数百年前まではずっとヤってたのに……」
「もう止めてくれ! 止めて下さい! 許して下さい!」
イヴァは土下座した。それはもうすんばらしい程に綺麗な土下座を。一家の大黒柱の威厳、いや、男の威厳、伝説の悪魔の威厳は全く、微塵も無い。イヴァの土下座を見て少しは鬱憤が晴れたのか、ユフィは溜息を吐いて話を促した。
「で? 本当に何をしに来たんだ?」
「ああ……。今すぐここから逃げるぞ」
「は?」
「俺が教会と管理局との間で盟約を交わしているのは知っているだろう?」
「ああ。私とお前の家族や友人に危害を加えないのを条件に裏の仕事をするんだったな。それが?」
「今回の仕事がお前だ」
イヴァはユフィを指した。それだけでユフィは仕事の内容を理解できた。自分は第一級危険生物として管理局に認識されている。そしてイヴァは裏の仕事で様々なモノを『始末』してきた。つまり、今回の仕事はユーフェルナルの始末、ということだ。直接そう依頼されたわけではないが、遠まわしにユフィの抹殺命令が下されているのだった。つまり、管理局は家族を人質にして盟約である条件の一つを潰しにかかってきているのだ。いや、それよりも厄介な事が。
「盟約が破られたのか?」
「いや違う。もう用済みになったから俺達を一緒に始末するつもりだろう」
「私とお前を一度に?」
「向こうもそこまで馬鹿じゃない。何かあるんだろう。少なくとも、効果的な何かが」
「……分かった。ミラ! ネロ! ガルド!」
ユフィは三人の名前を呼ぶと、ベッドの横に三人の人影が現れた。
一人は長髪でクリーム色の毛の女騎士。白銀の騎士甲冑を身に纏い、腰には蒼い鞘に収まった剣がぶら下がっている。
二人目は白髪の髪をかきあげて白い騎士甲冑を身に纏い、刃が少しだけ大きい赤黒い槍を持った若い男。
三人目は赤い髪をオールバックにし、赤い胴着を纏っている、体格がデカイ大男。
「どうやらこの城に馬鹿者共が土足で踏み込んでくる。私はイヴァと共に此処を出る。殿は任せた」
『………』
三人は黙って頷くと姿を消した。恐らく戦闘の準備に取り掛かったのだろう。
「……やっぱり、アレを見ると良い気がしないな」
「知らん。お前がずっと此処に居ればアイツらを“作ったりはしなかった”」
「今の俺には妻も息子も娘も妹も居るんだ。ずっと此処には居れない」
「……何であんな女なんか選んだんだ。ただの道具のくせに」
「ユーフェルナル。今のは聞かなかった事にしてやる。二度とリインフォースを道具だとか言うな」
イヴァは怒気を込めてユフィを睨む。ユフィは顔を逸らし、ぬいぐるみに顔を鎮める。
「私はあの女が嫌いだ。私からお前を盗った」
「違う。俺がお前から離れたんだ。リインは関係ない」
「……何とでも言え。どっちにしろ、お前の隣に居る時点で嫌いだ」
イヴァは溜息を吐きながらユフィを背負った。ユフィはある理由で下半身が動かない。ある事をすれば動くようになるのだが、そのある事というのは中々出来るようなものではない。イヴァはユフィがしっかりと自身に掴まるのを確認すると、部屋の窓から外へ飛んでいった。
「……チッ、もう包囲してやがる」
城の外は管理局の魔導師で包囲されており、結界もちょうど張られてしまっていた。
イヴァはこのまま空を飛んでいても全方位から集中砲火を喰らうと判断し、ならば敢えて敵陣のど真中に着地することで砲火を避けることにした。着地すると、一斉に魔導師達がイヴァとユフィを取り囲み、デバイスを向けた。
「イヴァシリア、討伐対象を何処へ連れて行くつもりだ?」
「………」
「答え―――」
それ以上男は言葉を紡げなかった。何故ならイヴァが男の首を斬り落としたからだ。
「なっ……!? 何をしている!? 盟約を破るつもりか!?」
「先に破ったのは貴様らだ」
イヴァは魔力剣を全方位に展開し射出する。剣は魔導師に次々と命中していき、綺麗な雪景色を真っ赤に染めていく。そしてイヴァは前方に蹴りを放ち、『ゼロ』を斬撃として飛ばす。黒い刃は魔導師達を呑み込んでいき、触れた箇所を消していった。
「なあ?」
「何だ?」
背負われているユフィがイヴァにある事を尋ねた。
「態々降りなくても、お前の『ゼロ』ならこんな奴らの攻撃なんて消しながら飛べるのではないか?」
「何言ってんだ。それじゃあ、俺のこの怒りは何処にぶつければ良い?」
「……どんどん薙ぎ払え」
「サー」
イヴァはユフィを背負いながら、敵を消して前進していく。ある程度前進すると、後方から魔導師たちの叫び声が聞こえてきた。後ろを向くと、ミラとネロとガルドが戦闘に参加していた。ミラは剣で敵を両断し、ネロは槍で敵を貫き、ガルドは敵を握り潰していた。
「………」
「……アイツらと戦いたいのか? 昔みたいに」
「あんな人形とアイツらを一緒にするな」
「確かに……喋りもしない、笑いもしない、怒りもしない、何も口にもしない。人形だが、肉体は本物だ」
「中身はアイツらじゃない。……そろそろ飛ぶぞ」
イヴァは周りに衝撃を撒き散らしながら上昇した。衝撃は周りにいた魔導師達を薙ぎ払う。
「出来るだけ遠く離れる。しっかり掴まってろ」
そう言い、イヴァは結界を『ゼロ』で消して出た。それから吹雪の中へと姿を消していった。
★
巡行艦アースラ。その艦橋の艦長席にはやては座っていた。その顔は何時ものように明るい表情ではなく、何時に無く真剣で、不安で満ち溢れていた。
「……チッ、剣誠にも神楽にも繋がらねぇ。まさか一家全員狙われてんじゃねぇだろうな」
「……かもしれん。お義父さんはとんでもなく強いんや。人質として捕まえとるかも」
「そんな……お兄ちゃん……」
「フェイトちゃん……あ、ユーノ君からだ!」
なのはにユーノからの通信が入った。なのははすぐに繋ぎ、全員に聞こえるようにした。
『なのは、イヴァさんが何処にいるのか分かったよ』
「何処だ?」
『ユーフェルナル・フォン・メネラテス……この名前で検索したら一件だけヒットしたよ。古代ベルカに現れた最悪最凶の化け物。地球でいう吸血鬼や真祖。本当の姿は誰にも知られず、常に自身の力を振るっていた。そんなモノがいるとされている世界……『アイセシア』』
「アイセシア? 聞いた事ない名前やな」
『当然だよ。こんなモノが巣くう世界を、公には出来ないからね』
「そのユーフェルナルってのは、どんな化け物なんだ?」
『色々と伝説があるんだけど、共通しているものが四つ。強力な幻術と、片腕の一振りで大地を抉る力』
「……マジか?」
『マジだよ。もう一つは魂をも手に取り、もう一つは不老不死、と言われている』
もはや神だ。蓮夜達はそう思わざるを得なかった。一振りで勝敗が決すると言っても過言では無いかもしれなくなる相手なのだから。それが父であるイヴァの幼馴染とか、もう驚きを通り越して呆れに入っている。
「でも、そんなに強いんなら別に盟約をしてまでも守る必要は無いよね? と言う事は……」
「うん、フェイトちゃんの言うとおり、今はそれ程力が無いって事やね」
「ユーノ、これから何が起こるのか分からねぇ。テメェはそこでありとあらゆる情報、どんなに小さな事でもいい。調べてこっちに報告してくれ」
『了解。蓮夜からのお願いとなると、これは天変地異が起きても可笑しくないからね』
「……昔の事は忘れろ」
蓮夜は少し自分に腹が立ったのか通信を乱暴に切ってムスッとなった。昔の蓮夜をしっている三人は苦笑して次元世界『アイセシア』に向けてアースラを発進させた。
★
ここは次元戦闘艦『ダモクレス』。これはただ戦闘を目的とした艦であり、全長六百メートルという巨体を持つ、黒い戦艦。そのブリーフィングルームに、リンディを始めオーガス、ヤシャ、ミュリオン、黒い衣を纏った男、そして手錠を付けられたリインフォースがいた。
「理解いただけましたか?」
「ふざけるな……! 私達が人質だと……!?」
「ええ。彼を扱うためのね」
「イヴァは約束を必ず守る男だ! 盟約とやらも絶対に破らん! お前達が破ったのだろう!」
「さあ? 私は上からの命令で動いているだけですので、そこは何とも」
「じゃが確かに、あの男は一度口にしたことは実行しておる。案外、我らの側が破っておるのかもな」
大男、オーガスが腕を組んで言う。オーガスは白く長い髪で上半身を裸にして下半身は白い袴を穿いており、体中には赤いラインが走っている。そして後ろ腰には長い大太刀が金色の鞘に収められてぶら下がっている。
「この報告は間違いないのですか? 信憑性は?」
「私に調べる権限は無いの。ただ言われた事を行なうだけ」
「……そうですか」
質問したのは黒い髪で黒い胴着を着て、金色の鼻から上を隠す仮面を付けている男、ヤシャである。
「別にどうでも良いじゃねぇか! これであの男を殺せるんだぜ? こんな楽しい事はねぇよ!」
「ミュリオン! 不謹慎だぞ!」
ミュリオン。金色の髪にイヴァやリインの様な綺麗な赤ではなく、狂気に染まったような恐ろしい紅い瞳、黒と金を基調とした着物を着た男。
「あ? 不謹慎もクソもあるか。俺は楽しみで仕方がねぇんだ。何時も俺も見下してるあの顔を絶望に染め上げる時がよぉ! どうやって染めようか……! ユーフェルナルっつー化けモンを目の前で殺すか? それとも奴の家族を殺すか? それとも……」
ミュリオンはリインの顔を掴んで自身の顔に近づけた。
「こいつを目の前で犯すか?」
「………」
「オイオイ、何マジになってんだよ、ユーリ」
ミュリオンの後ろに黒い衣を着て顔を隠している男、ユーリがミュリオンの首筋に刀を当てていた。ミュリオンはリインから手を離して自分の椅子に座った。
「っつかよ、あんな野朗に家族がいたって事に驚いてんだよ。なーんで、あんな奴にこんな女がくっ付くんだよ。あんなゴミ野朗が―――」
ミュリオンの言葉はそれ以上続かなかった。何故ならリインが手錠を破壊してミュリオンを殴り飛ばしていたからだ。
リインは夜天の書であり、その戦闘能力は計り知れない。防衛プログラムも、現在はイヴァによって闇を消されて完全な状態で働いている。気絶させられたのは首筋を打たれた時に何かリインにも聞くような特別な気絶用の魔法を直接体内に打ち込まれたからであろう。つまり、手錠などには意味は無く、その気になればこのダモクレスを一撃の元に葬れる。ただそれをしないのは、家族が捕まっているから下手に動けないのである。
「それ以上私の夫を侮辱してみろ……貴様は死ぬ事になるぞ」
「チィッ……! このアマがァ!」
「……!」
ミュリオンがリインに向かって手を伸ばした瞬間、ユーリが刀を振るい蒼い斬撃を飛ばしてミュリオンの手を弾いた。
「チッ……!」
「止めなさい。いくら『十三騎士団』の貴方でも、夜天の書を相手に一人では傷一つ付けられないわ」
「ハァ!? この俺が負けるとでも―――」
「煩い奴だ」
ヤシャがミュリオンの首を掴んで床に叩きつけて気絶させた。
「こやつを部屋に放り込んできます」
「お願い」
ヤシャはミュリオンを担いで消えた。
「……リインフォース・エラフィクス。先ほどの行動は此方に非があったので見逃しますが、今後、勝手な行動はしないように。もし破れば、貴女の家族がどうなるか、分かっていますね?」
「くっ……!」
「ユーリ、連れて行って」
ユーリはリインを連行してブリーフィングルームを出て行った。
「リンディ、何故あんな男の乗船許可を出した? 喧しいだけで使いモンにはならんだろう」
オーガスがリンディにそう聞いた。リンディは頭を抱えながら答えた。
「仕方が無いのよ。上からの命令だから」
「姿すら見せん奴の言う事など無視すればよかろう。まあ、今回はあの男と戦えるから聞くが……」
オーガスはイヴァと戦えるという事に歓喜していた。拳をならしすぐにでも戦えるようにしている。
「果たして生きて帰れるかしら?」
「フッハッハッハッハ! 戦いきって死ぬのならそれでよし!」
「……そう」
★
「はぁ…はぁ……!」
吹雪が吹く世界『アイセシア』。イヴァが戦った場所からかなり離れた場所。そこに一人の少女を背負った少年がいた。
「クソ……義父さんは何処だよ……!」
「うっ……!」
「っ、“神楽”!?」
少年……剣誠が背負っている神楽が呻き声を上げて剣誠にしがみ付く力を強めた。
「怖い……助けて……誰か……嫌ぁ……!」
「大丈夫だ! 俺が助けてやるから! 俺が側にいてやるから!」
剣誠は魔法で地面に深い大穴を開けてそこに入り、魔法でバリアーを張って簡易型の天井を作った。剣誠は独自で作り出した収納魔法を使用して寝袋を取り出し、そこに神楽を寝かせた。
「チクショウ……! 義父さんも義母さんも……何で連絡が取れないんだよ……!」
剣誠は一人で買い物でに出かけていた。帰宅すると、家に不穏な気配が漂っている事に気が付き、窓から家の中を覗き込んだ。すると中ではヴィータ達が知らない誰かに気絶されて拘束されていたのだ。
すぐさま剣誠は魔法を発動してソイツらに攻撃を仕掛けたが、家族を盾にされてまともに攻撃できなかった。更に敵も強敵で、あっという間に追い詰められた。その時に意識を取り戻した神楽が転移を使用し、剣誠の前に出て敵の攻撃から庇った。そしてまた気を失う前に剣誠と一緒にプレシアの家に転移した。
剣誠は家族を守れなかった事に、逆に守られた事に憤りを感じ、プレシアに神楽を預けてイヴァを探しに行こうとした。だが神楽が朦朧とした意識の中、剣誠を離さずに自分も連れて行けと言ったので、プレシアに事の内容を伝えて神楽を治療してからこの世界にやって来た。
剣誠は過去に、魔法についてイヴァに教わっている時、幻術を得意とする知人がこの世界にいると聞かされ、何かあった時にはこの世界を尋ねろと言われていたのであった。
「神楽を守らなくちゃ……。確か、ユーフェルナルさんだっけ。先ずはその人に助けを求めよう」
だが悲しい事に、剣誠の望みは薄い。ユーフェルナルはイヴァと共に管理局から逃げ回っている。この世界にまだいるのかどうか怪しい。
「もし無理なら……」
剣誠は自身の拳を見つめて口にする。
「この俺が全部……消してやる」
色んな人の非情な部分が見えてくる。
イヴァは守るためならば簡単に人を殺め、リンディは冷酷に知人を追い詰めていく。
果たしてどうなる事やら。