幻想天霊伝説〜都会の悟空が幻想入り〜   作:サウザンド・J

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この小説は、東方プロジェクトとドラゴンボールの2次創作です。

・2次創作
・浮か霊夢
・勝手な解釈
・卒業
・ネクサスを懐かしんでいる作者
等が含まれております。

遅いわボケェ!と思った方々、本当に申し訳ないです…。



第5章➖真の神➖
第29話「夏祭り!はしゃぐなはしゃぐな」


〜あらすじ〜

2体のセルやボージャック一味(1人不在)の襲撃を乗り越えた幻想少女達と孫悟天。

 

にとりの努力や魔理亜の証言により次々と謎が解明される中、ドクターは一向に動きを見せないまま7ヶ月が経過した。

 

しかし、レミリアが見た運命が真実であれば「全滅」はこの一年以内に起きる。半年は超えてしまったが大丈夫なのだろうか。

 

そんなことはさておき、夏祭りが始まるぞ!

 

幻想天霊伝説 第29話

 

[博麗神社]

 

天「う〜ん。」

 

霊「どうしたのよ、浮かない顔して。」

 

 

朝ごはんを食べながら呟いた。

 

 

天「チルノたち5人がさ、かなり上達したしもう俺が教えられることもなくなったから卒業ってことにしようかなって思ってるんだけど。」

 

霊「あら、いいじゃないの。」

 

天「なんか変なんだよ。2週間くらい前からルーミアとみすちーとリグルからサイヤパワーを感じなくなってるんだよね。」

 

「チルノは変わってないけど。」

 

霊「体内から消えたのかしら。」

 

天「それなら弱くなると思うんだ。だけど、それどころかサイヤパワーがあった頃より強くなってるんだよ。」

 

霊「何それ、そんなわけないわ。」

 

天「俺だってわかんないよ。」

 

霊「またにとりに訊いてみたら?些細なことでもにとりならわかっちゃうんじゃない?」

 

天「そうだね。5人の最後の修行が終わったら訊きに行くよ。」

 

霊「夕方までには必ず帰って来なさいよ。」

 

天「なんで?」

 

霊「今日は夏祭りなの。」

 

天「あぁ、だから浴衣を用意してたんだね。」

 

霊「ち、違うわ。その、見回りよ見回り!」

 

 

浴衣だと動きにくいのだが。

 

 

天「ふ〜ん。」

 

霊「なによその顔。」

 

天「霊夢も祭りとか好きなんだな〜って。」

 

霊「だーかーら、見回りって言ってるでしょ!」

 

天「それじゃ行ってくる。」

 

霊「あっ、こら待ちなさい!」

 

 

神社を出るとチルノと大妖精が待っていた。

 

 

チ「兄貴!今日も行こうよ。」

 

天「うん、ちょうどいいね。」

 

霊「もういいわ、行ってきなさい。」

 

大「なんか、お兄様と霊夢さんが前より仲良くなってる気がします。」

 

霊「なっ!そんなわけ」

 

天「そうなんだよね。喧嘩してから仲良くなったんだよ。」

 

霊「何言ってるのよ!」

 

 

慌てている。

 

 

チ「どういうこと?」

 

天「よし、行こうか。」

 

大「はい!」

 

バシュッ

 

霊「・・まったく…。」

 

 

 

•••

 

 

 

[守矢神社]

 

早「くーっ!いい朝ですね!」

 

諏「今日も暑いね。あんなに太陽が照ってるし。」

 

神「ああ。」

 

早「・・神奈子様。」

 

神「どうした早苗。」

 

早「神奈子様、あの宴会の次の日あたりから様子が変です。」

 

「何かあったんですか?」

 

神「なに、大したことじゃない。」

 

諏「もしかしてあの人間みたいな何かのこと?」

 

神「まあそうだ。」

 

諏「〈真の神〉とか言ってたね。」

 

早「?真の神ってなんですk」

 

神「ああ。もしそれが本当だとすると、私たちは何なのだろうと思ってな。あれからずっと頭から離れないんだ。」

 

早「ハァッ☆」

 

諏「あんまり考えても仕方ないんじゃない?」

 

「私たちは私たちでしょ?」

 

神「それもそうだな。」

 

早「(え?もしかして私たちは神様なんかじゃないってこと?)」

 

神「そういえば早苗。」

 

早「なんですか?」

 

神「お前、サイヤパワーが薄れてきてないか?」

 

早「そうですか?」

 

神「ああ。あの異質なパワーをこの頃感じなくなってきている。」

 

早「そ、そんなー!ずっと修行してきたのに〜。」

 

諏「早苗…。」

 

 

泣きそうになっている。

 

 

神「なのにお前の実力はサイヤパワーが薄れるほど上がっている。」

 

「これがどういうことかわかるか?」

 

早「ま、まさか!」

 

神「私たちと一つになった時もサイヤパワーが薄れた。」

 

「つまりそういうことだ。」

 

早「!! そうだとしたら大発見じゃないですか!」

 

神「そうだ。河童の所へ行くといい、喜ぶぞ。」

 

早「はい!」

 

 

何かがわかりそうな予感!

 

 

 

•••

 

 

 

[紅魔館]

 

昼下がり。

 

 

フ「あ〜〜、暑いわ。」

 

 

とても少女とは思えないような声を出した。

 

 

レイ「とんでもない暑さですね…アイスでも出しましょうか?」

 

フ「やったぁ!いつものプリンアイスお願いねー。」

 

 

あいにくプリンアイスは先にお姉様が食べた。

 

 

レイ「すみません妹様、プリンアイスは先程お嬢様が…。」

 

フ「・・いいわ、ならば戦争よ。」

 

ゴゴゴ

 

レイ「あっ…これ死んだな。」

 

 

フランは部屋を後にした。

 

 

美「レイ、交代だよ。」

 

 

残念なことに、今日のレイは暑い午後の担当だ。

 

 

レイ「わかりました。美鈴さんお疲れ様です。」

 

 

門に着いた時、館内から爆音が聞こえたが問題ないだろう。

 

 

 

•••

 

 

 

[湖付近]

 

この日も無事、修行を終えた。そして、

 

 

天「みんなお疲れ!今日はちょっと発表があるよ。」

 

チ「え!なになに!?」

 

天「チルノとフランちゃんとこいしちゃん以外は今日で卒業だよ。今までよく頑張ったね。」

 

リ「そ、卒業?」

 

ミ「卒業かぁ。」

 

ル「終わったのかー?」

 

チ「ええ!あたいは?」

 

大「どうしてですか?」

 

天「4人とも十分強くなったし、俺からはもう教えられることがないからね。」

 

「チルノはまだできそうだからだね。」

 

チ「最強だからね!」

 

天「自分からサイヤパワーが消えてるのは知ってるかな?」

 

チ「ほんとだ!大ちゃんからサイヤパワーが消えてる!」

 

 

大ちゃんは元々ない。

 

 

大「チルノちゃん…。」

 

リ「確かにこの頃は感じないな。」

 

ル「気づかなかったのだ。」

 

ミ「消えてきたと思った時は焦ったけど、いいことなの?」

 

天「うん。よくわかんないけどサイヤパワーがあった時より強くなってるよ。」

 

リ「確かにルーミアは前より牙が鋭くなったな。」

 

ミ「そういうリグルは前より夜での視力が上がったね。」

 

ル「みすちーはお店での動きが早くなったのだ。」

 

大「お兄様、私は…。」

 

天「サイヤパワーは妖精には扱えないんじゃないかな。」

 

「チルノだけは特別でさ。大ちゃんも強くなったよ。」

 

大「よかったぁ。」

 

天「だからさ、俺から勲章を授けたいと思うんだ。」

 

 

悟天がポケットから取り出したのは、「天」の文字が入った星型のバッジだ。

 

事前ににとりに頼んでおいたのだ。

 

 

天「えーっと…」

 

大「む、胸に付けてほしいです!」

 

ル「じゃあ私もそうするのだ。」

 

天「うん、わかった。」

 

「大ちゃん、君はサイヤパワーがないのによく付いてきたね。」

 

「卒業おめでとう!」

 

パチッ

 

大「あ、ありがとうございます!」

 

 

大妖精の顔は真っ赤だ。その理由を悟天は察していたが、平常心を装った。

 

 

天「次はルーミアだね。」

 

ル「はいなのだ。」

 

天「君は俺が主食を制限したのによく耐えたね。」

 

「それでいて修行にはしっかり来ていたから尚更よかったよ。」

 

ル「卒業したら沢山食べてもいいのだ?」

 

天「なるべく控えてほしいな…。」

 

「卒業おめでとう!」

 

パチッ

 

ル「ありがとうなのだ!」

 

 

天「次はみすちー。」

 

ミ「はい!」

 

天「君は自分の店を経営しながら、それでも修行にはなんとか行こうとしてたね。しかもかめはめ波を最初に習得したのは驚いたよ。」

 

「卒業おめでとう!」

 

パチッ

 

ミ「兄さんありがとう!」

 

 

天「最後はリグルだね。」

 

リ「はい!」

 

天「君のキックには俺も驚いたよ。修行でさらに磨いたリグルのキックは俺もお手本にしないとなぁって思ったよ。」

 

「卒業おめでとう!」

 

パチッ

 

リ「やった!ありがとう!」

 

 

こうして、5人は解散した。

 

 

大「また5人とお兄様とで集まれたらいいなぁ。」

 

チ「できるんじゃないの?」

 

大「なんだかね、嫌な予感がするの。」

 

チ「?」

 

 

天「こいしちゃん、そろそろ離れてくれないかな?」

 

こ「え〜、気持ちいいのに〜。」

 

 

先程のやり取りの間、こいしは能力で身を隠し悟天の背中に抱きついていたのだ。

 

 

こ「私まで卒業させられたら泣いちゃうところだったよ。」

 

天「こいしちゃんはまだまだ強くなれるからね。」

 

こ「わーい!」

 

天「チルノやフランちゃんと仲良くしてほしいなぁ。」

 

こ「え〜。」

 

天「チームワークは大事だからね。いいね?」

 

こ「・・は〜い。」

 

 

 

•••••

 

 

 

[博麗神社]

 

夕暮れになり、人里で夏祭りが始まった。人妖問わずはしゃいでいる。

 

博麗神社では、

 

 

天「霊夢ー、まだ?」

 

霊「急かさないでよバカ。」

 

 

支度をしていた。

 

 

霊「できたわ。」

 

天「ふう、やっと、か…。」

 

 

花柄の紅い浴衣姿の霊夢を見て、思わず絶句した。

 

 

霊「何よ、じーっと見て。こっちまで恥ずかしくなるじゃない。」

 

天「綺麗だなぁって思ってね。」

 

霊「な、何言ってんのよバカ!」

 

 

照れんなって。

 

 

霊「い、行くわよ!」

 

天「うん。」

 

 

一応この2人は警備という名目で祭りに参加する。

 

悟天はいつもの服装だからまだいいが、霊夢は遊びに行く気満々である。

 

 

 

•••

 

 

 

[人里]

 

ミ「いらっしゃいませ〜。」

 

村人A「女将さん、焼酎の水割りくれい!」

 

ミ「まいどあり〜。」

 

団子屋「お団子いかがですか〜?」

 

村人B「3本頼んます!」

 

団子屋「かしこまり〜。」

 

 

チ「うわぁ、できたての焼きそばって美味しいねぇ…。」

 

大「溶けてるよチルノちゃん!」

 

ミ「串焼き美味しいのだ。」

 

リ「スーパーボールすくいやろっと。」

 

チ「なにそれ?」

 

大「去年もあったよチルノちゃん…。」

 

「ていうか復活早い!」

 

 

さ「私が来て大丈夫かしら…。」

 

空「大丈夫ですよさとり様。」

 

燐「そうですよ、楽しんじゃいましょう!」

 

さ「そ、そうね。」

 

空「わあ、何あれー?」

 

さ「ちょ、勝手に離れたら」

 

燐「わーい、猫じゃらしだー!」

 

さ「不安しかないわ。」

 

 

神「いいか、私たちが守矢神社の神であることはバレてはならないぞ。」

 

諏「ガッテンだよ。」

 

 

普通の人間に化けている。

 

 

早「私は見回りしますね。」

 

神「何言ってるんだ早苗。お前も祭りを楽しむんだ。」

 

早「霊夢さんは見回りしてるらしいですから私もしな」

 

諏「御託はいいからさあ行くよ。」

 

早「ハァッ☆」

 

 

幽「祭りに参加するなんて久しぶりね。」

 

妖「そうですね。何度も言いますけど、バレたら駄目ですよ。」

 

「幽々子様がいるなんて知ったら人里は大騒ぎですから。」

 

幽「大丈夫よ。」

 

妖「心配です…。ゴクアに留守番させて大丈夫なんですか?」

 

幽「心配ご無用よ。もうあの子は悪いことはしないだろうし、万が一のため幽霊に見張りを任せたから。」

 

妖「幽々子様にしては準備がいいですね。」

 

幽「妖夢〜、お仕置きしようかしら?」

 

妖「す、すみません!」

 

鈴「あ、妖夢!」

 

妖「鈴仙!」

 

 

当小説では触れてこなかったが、立場が同じであることもありこの2人は友人関係にある。

 

 

鈴「来てたんだね!半分お仕事っぽいけど。」

 

 

幽々子を見て言った。

 

 

幽「あら、私は1人で平気よ。2人で回りなさいな。」

 

妖「え?いいんですか?」

 

幽「こんな時くらいいいわよ。行ってらっしゃい。」

 

妖「ありがとうございます!」

 

鈴「私からもありがとうございます!」

 

妖「鈴仙、お仕事は?」

 

鈴「お師匠様から休暇をいただいたの。今日くらい遊んできなさいってさ。」

 

妖「よかったね。それじゃあ行こうか。」

 

 

魔「霊夢が見当たらないのぜ。」

 

亜「ママ!綿飴買ってほしいっす!」

 

魔「魔理亜!人前でその呼び方はやめてほしいのぜ!」

 

亜「なんで?」

 

魔「ご、誤解されるだろ。まだ私は19歳なのぜ。」

 

亜「でも本当に私のママっすよ。」

 

魔「そうじゃなくて!」

 

女A「ええ、あんなに若いのにあんな大きな子供いるの?」

 

女B「信じらんない。」

 

ザワザワ

 

亜「あの人たち何言ってるんすか?」

 

魔「言わんこっちゃないのぜ!」

 

「み、みんなー、私はそういうヤバいやつじゃないのぜー!」

 

 

霊「さ、見回り始めるわよ!」

 

天「早速右手にりんご飴持ってるけど…。しかも俺のお金。」

 

霊「栄養補給よ。終わるまでするから当然よね。」

 

天「わかった。」

 

 

 

•••••

 

 

 

それから特に異常もなく、20時を過ぎた。

 

 

レミ「レイ、あのプリンメーカーってやつ絶対に取りなさいよ!」

 

フ「もしダメなら壊そうかな〜。」

 

レイ「が、頑張ります!」

 

 

射的である。姉妹喧嘩の末、家でいつでも作れる装置を手に入れることを条件にし和解したのだ。

 

要するにレイはとばっちりだ。

 

 

パンッ!

 

射的屋「おっしーな。」

 

レイ「くそっ!もう一回!」

 

咲「・・・。」

 

 

レイの背後では、グングニルとレーヴァテインが用意されている。外すわけにはいかない。

 

 

射的屋「あと一発ですぞ!」

 

レイ「た、頼む!当たってくれ〜!」

 

パンッ!・・ボトッ

 

レミ「やったわ!」

 

フ「わぁい!」

 

 

何やら違和感があるが、見事に倒れた!

 

 

射的屋「やるじゃねえかい。ほれ、景品ですぞ!」

 

レイ「(あれ?外れた気がしたけど…まぁいいか!)」

 

咲「くすっ」

 

レイ「…もしかして咲夜さんが?」

 

咲「見えなかったのね。」

 

レイ「射的に夢中で気づかなかったです。助かりました…。」

 

 

実はというと、レイは能力を使っていないと普通の人間なので止まった時の世界は見えないのだ。

 

今は、だが。

 

 

フ「ん?2人とも何か言った?」

 

レイ「いえ、何でもないです!」

 

咲「さっ妹様、次はヨーヨーすくいでも行きましょう。」

 

フ「変なの〜。」

 

レミ「どうしたの?2人ともそんなに汗かいて。」

 

レイ「た、多分厚着で来てしまったからだと思います!」

 

咲「いや〜、本日は暑いですから〜。」

 

 

いや〜っておい。

 

 

レミ「ふふ、まるで夫婦ね。」

 

レイ「そ、そうですか?」

 

咲「そ、そんなわけ…。」

 

レミ「そんな仲良し夫婦には後でお仕置きよ。」

 

咲「な、何のことでしょうか?」

 

レミ「他所で能力を使うのは禁止のはずよ。」

 

レイ「ゲッ、バレてる…。」

 

咲「な、何なりと。」

 

 

チャンチャン。

 

 

 

諏「お好み焼き美味しいね!」

 

神「おいおい食べすぎだぞ。少しは控えたらどうだ。」

 

早「そう言う神奈子様は既に3つ食べてるじゃないですか。」

 

神「お前もフランクフルト2本食べてるじゃないか。その前はいちご飴2つ食べてるしな。」

 

早「まあいいじゃないですか。」

 

 

ニコニコしている。

 

 

神「あんまり食べると太るぞ。」

 

早「ふ、ふと…。」

 

 

女性は大変ですね。

 

 

 

•••••

 

 

 

21時過ぎ。

 

[人里中心]

 

 

司会者「さあ始まりました!幻想郷大食い選手権決勝戦!!」

 

「東、ゆゆさん!」

 

 

人間に化けた時の名前だ。

 

 

妖「頑張ってくださーい!」

 

幽「任せなさいな。」

 

司「西、孫悟天さん!」

 

霊「ぜぇったいに勝ちなさいよ!賞品は私のものよ!」

 

天「さっき幽々子さんに負けたじゃん。」

 

霊「悟天のものは私のものよ。」

 

天「あ、うん。」

 

チ「兄貴ってあんなに大食いだったんだ。」

 

ミ「兄さん、いつも私の屋台の時我慢してくれてたんだ…。」

 

司「それではー」

 

「始め!!」

 

 

 

•••

 

 

 

妹「へへ、今年も賑やかだな。」

 

 

妹紅は、町外れの小さな崖から人里を眺めていた。

 

 

妹「あの女たらし、今年も楽しそうにやってんな。それなら私は参加しなくても十分だ。」

 

 

独り言を呟いていると、何かを見つけた。

 

 

妹「ん?大食い選手権の方へ歩いてるあのロボットみたいなの、なんだ?にとりが作ったものか?」

 

 

それは尻尾が生えた、全身ピカピカの人型ロボット。

 

にとりが用意したとすれば演出が足りない、妹紅はそう感じた。

 

 

妹「おい、これは誰かに言った方が…」

 

ザザッ!

 

 

背後から草が揺れる音が聞こえた!

 

 

妹「誰だ!」

 

ビッ!!

 

 

 

•••

 

 

 

慧「今年も大賑わいだな。妹紅も来れば良かったのに。」

 

 

慧音はひとり、人里を歩いていた。祭りを楽しむ生徒を見ることが楽しいらしい。

 

 

慧「?なんだ、あれ。」

 

 

何かがこちらに歩いてくる。尻尾が生えた全身ピカピカの人型ロボットだ。

 

 

慧「ちょっと、君はいったい」

 

 

立ち止まりもせず歩き続けた。

 

 

慧「おい、人の話を…。」

 

 

まったく御構い無しだ。

 

そのまま人里の中心まで歩いていった。

 

 

慧「・・なんだったんだ?」

 

 

 

•••

 

 

 

亜「焼きそば美味しいっすね!」

 

魔「な!ここの焼きそばは毎年美味いのぜ!」

 

 

魔理沙と魔理亜は大食い選手権を見ていなかった。

 

魔理亜は参加したかったそうだが、魔理沙が付き合えと言って連れて行ったため参加できなかった。

 

 

魔「ん?なんだぜあれ。」

 

亜「なんほほほっふは?(何のことっすか?)」

 

 

魔理亜は焼きそばに夢中で見てない。

 

魔理沙が見たものは、全身ピカピカの人型ロボットだ。こちらへ近づいてくる。

 

 

魔「こっちに歩いてくるのぜ。」

 

「私は視力悪いからな…。何かわかんないのぜ。」

 

 

と、次の瞬間!スピードを上げ急接近してきた!

 

 

魔「わっ!なんだ!?」

 

亜「ママ!伏せるっす!」

 

亜;「マスターキャノン」

 

亜「ほぉあちゃあっ!」

 

?「グオッ!」

 

 

そのロボットは跡形もなく消えた。

 

 

魔「助かったぜ魔理亜!」

 

亜「お安い御用っす!」

 

「それと思い出したっす。こいつらが来るのは今日ってこと。」

 

魔「え!じゃあ他にもいるのか?」

 

亜「そういうことっす。急ぐっすよ!」

 

魔「腕がなるぜ!」

 

 

 

•••

 

 

 

その魔の手は、紅魔御一行にも迫っていた。

 

 

咲「お嬢様、大食い選手権を見ていかなくてよろしいのですか?」

 

レミ「いいわよ。結果は知っているもの。」

 

レイ「誰が勝つかわかるんですか?」

 

レミ「能力で見たの。」

 

レイ「なるほど。勝ったのは誰なんですか?」

 

レミ「ふふ、それはね」

 

ビッ!!

 

レミ「いっ!!」

 

咲夜「!」

 

 

突如飛んできたビームがレミリアの目に当たった!

 

 

レイ「お嬢様!!」

 

フ「な、なに!?」

 

 

振り返ると、レイが知っている人物がいた。

 

 

レイ「メタルクウラ…⁉︎」

 

 

どこに潜んでいたのか、もう3体のメタルクウラが飛び出し襲いかかってきた!

 

 

咲「レイ!構えなさい!」

 

レイ「はい!」

 

フ「きゅっ!」

 

ドカーンッ!!

 

咲「はぁっ!」

 

咲;「マジックスターソード」

 

ザクッ!!

 

レイ「くたばれ!」

 

ボウッ!!

 

レイ;「爆力魔閃」

 

ドカーンッ!!

 

レミ「よくも、私の顔に傷をつけたわねぇ!」

 

レミ;「ヴァンパイアクロウ」

 

ザクザクザクッ!!

 

 

フラン、レイは完全に消しとばし、咲夜は確実にチップを切り裂き、レミリアは運でチップを破壊した。

 

 

咲「妹様、大丈夫ですか?」

 

フ「へーきへーき。」

 

レイ「お嬢様、顔の怪我は…」

 

レミ「あー、ムカつく!」

 

 

顔を攻撃されたことがよほど気に入らなかったらしい。

 

 

レイ「しかし、こんな急に襲ってくるとは…」

 

フ「せっかくのお祭りなのに。」

 

咲「レイ、さっきあれの名前を言ったわね。何か知らないかしら?」

 

レイ「ヤツはビックゲテスターという機械惑星が生んだ、量産型アンドロイドです。」

 

「悟天さんやセル達と同じ世界の住人でもあります。」

 

咲「なるほど。じゃあまた、魔理亜ちゃんが言ってた科学者の刺客の可能性が高いわね。」

 

レイ「今回の敵は一筋縄ではいきそうにありませんね…」

 

レミ「レイ!あの抹茶かき氷買いなさい!」

 

 

聞けよ。

 

 

レイ「は、はい!ただ今!」

 

フ「お姉様ってば子どもなんだから。」

 

レミ「お黙り。」

 

フ「それにしてもあっけなかったわぁ。」

 

咲「そう、ですね。」

 

 

御一行は家路に着いた。

 

 

 

•••

 

 

 

天「う、うぐ…。」

 

幽「げっぷ。」

 

司「おーっと!両者手が止まったーっ!」

 

天「(大食い対決でここまで追い詰められたのは、初めてだっ)」

 

幽「(楽しいわ。霊夢で楽しみは終わりと思ったけれど、こんなにすごい人が居たなんて…!)」

 

「(私と互角なんて…、楽しすぎるわ!)」

 

 

2人とも一言も喋らない。

 

 

霊「ちょっと!なに手を止めてんのよ!」

 

天「むぐっ」

 

妖「ラストスパートですよ!」

 

幽「う゛ぅ゛ん゛!」

 

司「残り1分です!」

 

大「2人とも苦しそう…。」

 

チ「兄貴が負けるわけないよ!」

 

リ「ある意味あんちゃんが追い詰められてるの初めて見た。」

 

ミ「頑張って!」

 

ル「勝つのだー。」

 

大「復活してる。」

 

ル「消化できたのだ。」

 

 

実はルーミアも大食い選手権に出場していた。

 

1回戦で霊夢と対決し、敗北したのだ。

 

 

ミ「ん?」

 

チ「どうしたの?」

 

ミ「今遠くで音がしたような。」

 

 

一瞬だった。

 

 

ゴトッ!!

 

 

屋根の瓦を蹴る音が聞こえ、見上げると6体のメタルクウラが襲いかかってきた!

 

 

村人達「なんだあれは!」

 

天「!!」

 

幽「!!」

 

 

悟天と幽々子は満腹なので瞬時に動けない。

 

 

大「皆さん!逃げてください!」

 

チ「行くよみんな!」

 

ル&リ&ミ「うん!!」

 

 

予想だにしなかった奇襲。

 

悟天が腹パンパンの状態で、この窮地を脱出できるのだろうか?

 

 

第30話へ、続く!!




というわけで、第29話でした!

今回から、新章がスタートします。

1ヶ月以上ぶりの更新で御座います。

必ず、完結だけはするので温かく見守ってくださると嬉しい限りです。


ここまでのご愛読、有難う御座いました!!

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