緑谷出久が悪堕ちした話   作:知ったか豆腐

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あとがき+アフター

 昨年12月に投稿を始め、約半年と一か月。

 長いようであっという間でした。

 投稿した最初は、原作主人公を悪堕ちさせるという暴挙に低評価の嵐かと内心ビクビクしていたのですが、意外にも皆さんから高評価をもらってびっくりしていました。

 むしろ、「もっとやれ!」的な応援を貰って背中を押してもらえた感じです。

 

 まぁ、そもそもこの懸念は杞憂としか言いようがなかったみたいですが。

 リアルの知人曰く、「こんな分かりやすいタイトルをつけておいて何言ってるの?」だそうで。

 言われてみればごもっとも。悪堕ちが嫌いな人はタイトルの時点で察するよなぁ、と気が付きました。

 そんな経緯もあって、終わってみれば初期プロットはどこに行ったのやら。皆さんの感想・ご意見が結構影響していたりします。

 

 最初のUSJ編。

 最初なので書きたい部分ははっきりしていて、個人的には気に入っています。

 まだオールマイトへの気持ちを捨てきれない出久くんと、後継者候補がヴィランにいるというオールマイトの苦悩をかけたのは良かったです。

 

 体育祭編。

 ほかの人がやっていないことをやってみたいと、思い切って体育祭をぶっ壊してみました。

 ヒロアカの二次創作も増えてきましたが、体育祭をぶっ壊したのはこの作品くらいじゃなかろうか?

 まぁ、騎馬戦だとかトーナメントだとか主人公が関われないならいっそのこと……という気持ちもありました。

 

 保須市編。

 思い切って先代インゲニウムを殺してみたりしましたが、正直いまいちな手ごたえでした。

 いろんな要素を入れようとして、うまくまとめられなかった感じです。自分の実力不足を実感したところです。

 実際、ここを更新しているときはお気に入りがガクッと減ったりしてました。

 

 ショッピングモール編。

 主人公悪堕ちのため、期末試験?なにそれおいしいの? 状態だったため、ショッピングモールでの話になりました。

 自分としてはここの話が一番よく出来たシーンだと思ってます。

 お茶子の「デク」呼びによって、完全に悪の道に堕ちるシチュエーションはずっとやりたいシーンの一つでした。

 ヒロインは主人公に影響を与えてこそだと思っているので、お茶子さんには申し訳ないですが最後の一押しをしてもらいました。

 このシーンを書けただけでも満足できたところがあります。

 そして、この話を書いてから感想に愉悦部が出現するように……

 

 合宿編。

 この話は爆豪との決別を意識して書きました。

 あれだけこだわっていた爆豪と決着をつけたら、あとはオールマイトだけ。

 言い方は悪いですが、爆豪は咬ませ犬になってもらった感じです。

 爆豪アンチの人には物足りなかったかもしれないですが、相手にされない屈辱を爆豪には味わってもらいました。

 

 最終章。

 オールマイトを殺害するエンドは決まっていました。

 途中で思いついたのが、“個性を奪う個性”を骸無が得るという点です。

 無個性で虐げられてきた主人公が最後に他人の個性を奪う能力を得るのは、皮肉も効いているし、話の展開としても面白いと思って取り入れました。

 オリジナルの個性の名前は、出久くんの目の色と、シェイクスピアのオセロ―のセリフから。

 嫉妬の怪物というのもマッチしてましたからね。決してパルパルは言いませんが(笑)

 

 

 全体を通して、よくかけたと思うのは出久の心理的な部分と話のテンポですね。

 逆に駄目だったのは、テンポ重視しすぎて描写を結構飛ばしたせいで物足りない部分ができたところでしょうか。

 あとは、戦闘描写はいまだにうまく描写できた気がしません。

 これからも精進といったところですね。

 

 一応、これでバッドエンドルートは完結ですが、別ルートを書いていく予定です。

 これからもよろしくお願いいたします。

 

 

 

 ~オマケ バッドエンドアフター~

 

 血の匂いが辺りに満ちている。

 

「逃げろ! 奴だ!!」

「くそ! なんであいつがここに」

「泣き言はいいから、足を動かせ!」

 

 傷を負いながらも必死に逃走を図るレジスタンスたち。

 

「逃げられると思っているの?」

 

 追いかけるのは“恐怖の象徴”、骸無。

 

「駄目だ。このままじゃ全滅だ。俺が足止めをする。()()を仲間に必ず届けろ!」

「お前だけじゃ無理だ! オレも残る!」

「行け! 振り返るな!!」

 

 一人が仲間に促され、唇を噛んで走り抜ける。

 いま、彼の手の中には“最後の希望”が残されているのだから。

 

 

         =========

 

 オールマイトが死んでから早くも10年。

 無個性の少年、赤谷海雲(あかたにみくも)には生きにくい世の中だ。

 

 ヒーロー制度が無くなって、個性はより管理され抑圧されるような世の中になった。

 そのくせ、個性を使えることは一種の特権的な扱いで、良い個性はまだ優遇されている。

 むしろ、無個性は10年前よりもひどい扱いだ。

 

 10年前に刑罰の一つとして“個性の剥奪”が認められて以来、“無個性”は犯罪者の証のような扱いだ。

 海雲は生まれながらの無個性だが、差別に苦しんできた。

 

「クソッ、あいつら。自分たちだって個性の使用が禁止されてるくせに……!」

 

 理不尽な世の中に憤る海雲。

 そんな彼は今日、運命と出会う。

 

 

「おい、そこの少年。救けてくれ」

「えっ、ええっ!?」

 

 路地裏の薄暗い物陰から血まみれの人物が声をかけてくる。

 戸惑いながらも放っておけなくて話を聞く。

 それは海雲にとって、後悔するもので。

 それでいて、新たな道を示すものだった。

 

「頼む! これをレジスタンスに、仲間に届けてくれ!」

「な、なんですかこれは!? 一体なんなんです!?」

 

 わけもわからず叫ぶ海雲に、レジスタンスの男は叫ぶように言う。

 

「それは“最後の希望”。オールマイトが残してくれた、対抗手段の場所を示す大事なものなんだ! それをあいつらに渡すわけにはいかないんだ!!」

 

 海雲はそれを……手に取った。

 

 これは、新たなヒーローが生まれるまでの物語だ。




と、アフター書いてみたものの続きません。
続きを書くとしても部分部分をダイジェストで書く感じですかね。
要望があれば、ですが。

基本は別ルート優先なのでそこはご了承を。

それでは、ありがとうございました。

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