東方白霊猫   作:メリィさん

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だらだらと申し訳ない^^;
最近はなんか帰ってきたらいつの間にか寝てると言うキングクリムゾン状態に
なってますん。
今回は前後編。長くなったので二分割です。
とりあえず相変わらずな駄文ですが、ごゆるりとどうぞ。


其の二「鬼の山 前」

 

 

@Side猫

 

 

「これで良し……っと」

 

俺は鬼神の打撲傷に白い粘性の液体を塗り、その上に葉を巻き付けた。

ちなみに白い液体は自作の傷薬。決してナニから出るアレではない。

この傷薬は複数の薬草やら木の実やらを磨り潰して綺麗な水に溶かしたもの。

これ作るのに一年以上掛かったけど、それなりに良い物が出来たので満足している。

巻き付けた葉は包帯代わり。

とは言ってもその辺の葉っぱを拾ってきた様な代物ではなく、ちゃんとした薬草。

増強作用みたいなのがあるっぽいけど、詳しく研究した訳でもないので定かではない。

少なくとも毒草でない事は確かだ。

 

こういった事が分かったのも、あちこち歩き回って探して効能なんかを他生物に使って調べた

お陰だ。

歩き回ってる動物とか、偶に見掛ける人間とか。

自分を実験台にしないのかって? しませんよ!

 

「調合配分も間違えてないし、これで傷は元通りだろ!」

 

俺は体の治癒が始まった鬼神を見て満足気に頷く。

 

さて……なんでこうして治療してるかだが……

 

ホラ、天下の鬼神様がヤムチャってなんか余りにもあんまり過ぎない?

最強の一角なんだし、このまま放置しておいたら威厳とか色々な物が危険じゃないか。

それに元日本人としてはこういうのって放っておけないしね。

 

ま、つまりだ――

 

(俺が甘いだけ、と……)

 

自省しながら溜息。

まぁ……うん、正常な神経の持ち主なら放っておけないよね。

俺は自分を慰めながらも、先程の戦いで起こった事を思い返す。

 

実は先程の戦いだが、今思えば可笑しい事のオンパレードだった。

俺は普段生き残れる様に創意工夫こそしているが、不思議な力なぞ使った事も無い。

当然ながら使えるとは思ってなかったからだ。

普通の猫としか思ってなかったんだからそれは当然と言えるだろう。

まして猫がそんな力を使えるなんて思うだろうか?

少なくとも俺は思ってなかった。

元より自分の知る普通の猫より遥かに優れた能力を持っていたのだ。

それ以上の力なんて誰が思い付くだろうか。

 

しかし現実に俺は使えた。

謎パワーの放出に気弾(仮)の生成・射出、更には身体能力の部分強化に加えて

空中二段ジャンプである。

これらの技術は俺の知らないものばかりだ。

勿論練習なんざした事も無いし、そもそも思い付いたのが戦闘の真っ最中だ。

だというのに初めてにも拘らず全て本番一発でやって見せた。

一度として使った事が無いのに、だ。

 

「これはどういう事なんだ……?」

 

俺は倒れ込んだ樹木に飛び乗る。

これは鬼神が殴り倒してきた木の一つだが、倒れている為人が座るのに丁度良いくらいの

高さになっているのだ。

俺は座るのに適した位置を探すと、そこに腰を落ち着ける。

 

さて、考察の続きと行こう。

そもそもこれらの現象の元となっている謎の力は何なのか?

俺が思い付く限りでは人の持つ霊力、妖が纏う妖力、神の纏う神力、武人の発する気。

……とまぁこんなもんだな。

 

先ず霊力は無い。

何故なら既に人間ですらない。

気は……武術なんてやってなかったから出せる訳がない。

 

妖力……これを鬼神は妖力だと言っていたが、正直コレだとは思えない。

妖力は恐怖の力と言っても過言ではない。

その妖怪そのものが何らかの恐怖によって生まれたものだからだ。

現に鬼神と相対した時なんて圧倒的な威圧感を感じて思わず竦み上がったくらいだ。

 

しかし――

 

(……やっぱあいつのとは違う)

 

自身の力であろう謎の気を、戦闘時と同じ様に立ち上らせる。

この力は何も感じない。

そこに確かな"力"は感じるのだが、なんというのだろう……存在感というか、迫力というか。

兎に角何かが決定的に足りないのだ。

色が無いのもそうだが、何か根本的な……

 

――ジャリッ

 

俺は考察を強制中段して音源へと意識を向ける。

しかしそこにいたのは招かれざる客ではなかった。

 

「…………」

 

起きたばかりなのか腕だけで体を起こし、此方に傾けて俺を見ていた鬼。

そこには何故か無言で呆ける鬼神の姿があった。

 

……なんで?

 

 

@Side炎刻

 

 

(ここは……)

 

俺は肌に何かを感じ取って目を覚ました。

果たして何故こんな所で寝て……あぁ。

 

(負けた、のか……)

 

そうだった……確か猫という妖怪と戦って負けたんだったな。

それも一撃として掠りもせずに完封されて……

 

(圧倒的だったな……)

 

俺はあの時の攻防に思いを馳せる。

思えば名乗った直後から決着まで一切の攻撃が当たっていなかった。

まるで雲でも掴みに行ってるかの様で、一度としてまともな手応えを感じたことは無い。

アレは確実に経験や技術が高い具合に仕上がっているからこそ出来る芸当なのだろう。

 

加えてあの姿。

あれは力を抑制する為の姿としか思えない。

獣の姿をした妖怪というのは恐怖を煽る様なおぞましい姿を取る事が多い。

しかし猫はあの様な気の抜けた迫力に欠ける姿を取っている。

あそこまで小さいとなると、やはり力を抑え込んでいるとしか考えられない。

 

恐らく一割、もしくはそれ以下の力しか発揮していないかもしれん。

 

後は戦闘時に見せたあの攻撃の数々。

アレは俺も見た事が無い。

突然早くなったり、妖力の塊を飛ばしてきたり、空中を蹴ったりもしたか?

あいつ固有の能力……だとすればまだまだ何か隠し持ってそうだ。

 

俺は腕の力で体を起こす。

そこでふと、近くに何らかの力が渦巻いている事に気付いた。

そういえば俺は何かを感じ取って目を覚ましたのだったな。

 

俺は自らの記憶を確認しながらもそちらへと顔を向ける。

 

(あれは……!!)

 

そこにいたのは先に戦った猫だった。

どうやら力の発生源はこの猫らしい。

 

発生源は分かった、だがアレは何なのだ?

確かにそこに猫はいる。

だがその猫から半透明の少女が見えるのだ。

 

白銀の長い髪にまるで作られたかの様に整った顔立ち、そして見たことの無い白い衣服。

アレは上着なのか?

腰布から伸びるスラリとした足は黒い布で覆われており、膝下まで覆う長い靴を履いている。

瞳は紅く、その目は何処か遠くでも眺めているかの様だ。

 

(……綺麗だな)

 

戦いばかりに固執していた俺が思わずそう考えてしまう程、目の前の少女は魅力に溢れていた。

神秘性と言うのだろうか?

彼女には引き寄せられる様な何かがあったのだ。

 

暫く見ていた俺。

しかし余りにも夢中になり過ぎて俺は迂闊にも物音を立ててしまう。

 

その瞬間少女はすぐに霧散して消えてしまった。

それこそまるで"幻"の様に……

 

「起きたか?」

 

残ったのは先程決闘した妖獣。

あれはあの妖獣の本来の姿なのだろうか?

しかしそうなると奴の喋り方に疑問を覚える。あれは男の口調で間違いない。

 

「おーい。まだ寝てんのかー?」

 

だとすればやはりあれは男なのだろうか?

しかし先程の幻も無関係だとは思えぬ。

 

「無視しやがるとは良い度胸だ……」

 

奴に取り憑いた何かか?

悪意は全く感じられなかったから恐らく無害だとは思うが――

 

「教育っ!!」

「ぶほっ!?」

 

考えに耽っていると突然湿った塊を投げつけられる。

集中し過ぎてたせいか、全く反応できなかった。

しかしこの物体、何故かヌメヌメしている、気色悪い。

 

投げ付けた張本人を睨むと、そこには先程からいた妖獣が

 

「男のケフィア濡れとか誰得だよ……」

 

などと小声で抜かして落ち込んでいた。

けふぃあって何だ……?

 

まぁいいだろう。

そんな事より気になる事は幾つかある。

 

今気付いたが、傷の痛みが全く無い。

あれほどの攻撃だ、何かしらダメージが残っていても可笑しくは無い。

だというのにこの体から痛みは全く感じない。

寧ろ以前より調子が良いのはどういう事だ?

 

「痛みが無い……」

 

まさか痛覚が……

 

そう考え付いた先で猫が遮った。

 

「お前の傷ならちと酷かったから薬塗って治しといた。後悔はしてないが反省はしてる」

 

物凄くやり切った雰囲気を纏って口に出す猫。

何処かしら苛々するのは気にしない様にしておこう。

俺は各所に縛り付けてある草を解いていく。

そこで漸く気付く事になる。

 

「……どれくらい寝てた?」

「?まだ日が傾いてきた所だが、どうかしたか?」

 

俺があいつと戦ったのはまだ昼時だったはずだ。

しかし、草の下にあったであろう打撲傷は少しとて面影が無い。

まるで最初から無かったかの様だ。

それを見るに、奴は『短期間で傷を跡形も無く癒す事が出来る薬を作れる』という事になる。

そんな薬を作れる奴なんざ妖怪どころか人間にすらいやしない。

 

それにこいつ……自分を襲ってきたにも関わらずこの俺を治療した?

普通自分に害を及ぼす相手を態々治療するか?

俺ならしない。寧ろ後光の憂いを断つ為に止めを刺すだろう。

何故なら確実に起きてきたら攻撃されるからだ。

普通はそう考える。ならこいつは何の為に俺を助けたのだ?

俺を助ける利点などまるで無いだろうに……

 

「……おい」

「ん?何だ?」

「貴様……何故俺を治療した?」

 

小難しく考えるのをやめ、俺は真正直に聞く事にした。

そもそも頭脳労働は得意ではないのだ、下手に考えれば逆に分からなくなる。

そう考えれば無駄に頭を捻るのは無意味だ。

嘘でもある程度は見破れる。ならば愚直にでも聞くのが得策と言える。

 

猫は首を傾げながら間を空けると、自信無さ気に答えた。

 

「んー……助けたかったから?」

「何で疑問なんだ……」

「さぁな、俺にも分からん」

 

返ってきた言葉に思わず呆気に取られる。

彼の言い様からして理由が無いというのは明白だ。

……益々分からなくなった。

 

再び謎が増した猫に関して悩んでいると、今度は相手から質問される。

 

「じゃあ今度は俺から質問だ」

「何だ?」

「お前さんはまだ俺を追い掛けるのか?」

 

猫の言葉で俺は本来の理由を思い出す。

人里を襲いに行ったが、どうせただ癇癪を起こして八つ当たりに行っただけだ。

こうして強敵と()り合い、こうして負けたからには最早意味など無い。

 

「いや、追わん。そもそも大した理由が無かった」

「それは重畳、寝込みを襲われては敵わんのでな」

 

猫はクツクツと笑いながら尻尾を揺らした。

ま、確かにそこまで追われたら心底鬱陶しいだろう。

俺はやらんが。

猫は尻尾の動きを止めて木から飛び降りる。

 

「そんじゃもう一つ。何で俺を執拗に追い回した?去る者追わずと言うだろう?」

 

俺は彼の質問に言葉を詰まらせる。

彼を襲う事となったキッカケ、それを教えていいものかと迷ったのだ。

 

鬼とは力の象徴。

その大半が強力無比とも言える力を持っている。

当然彼ほどの実力者だ、鬼の在り方やその圧倒的な力は知っているだろう。

それどころか何度と無く戦った事があったかもしれない。

更に常に強き者を求めるその姿勢は、人間にすら闘争心を抱かせた。

 

そんな彼が、今の鬼の姿を知ったらどんな顔をするだろうか?

今の鬼は信じられないほど弱くなっている。

弱きを嬲り、酒を飲んで引篭もり、強者相手には背を向けて逃げ出す始末。

そんな無様な現状を知ったらどう思うだろう?

 

惰弱と罵るか?

それとも鬼に対しての興味を失うか?

 

それらを想像すると言うのを躊躇われた。

彼が誇り高き強者であるが故に。

 

だが同時に思う。

話すべきなんじゃないか、と。

 

希望的な観測に過ぎないが、彼なら何とかしてくれるんじゃないだろうかと思うのだ。

あの変わった妖力を持った変わった妖怪。

あくまで勘に過ぎないが、それでも彼なら鬼を、弱りきった鬼を何とかしてくれる気がしたのだ。

……他人任せで我ながら情けないと思うがな。

 

俺は散々悩んだ末に、猫に話す事にした。

 

「……話そう。俺の種族が関係している事柄だ、余り他言してくれるなよ?」

「重そうな話だな……まぁ俺と話す奴なんざそうそういないさ」

 

含みのある言い方だが、猫からも確認を取れたので話を始める。

 

「鬼は元々人間の理不尽な力に対する恐怖で生まれた……と言っても知ってるのは最初に誕生した鬼だけで最近の若い鬼は全く知らん事柄だがな」

「ふーん、意外だな。妖怪というのは先ず己の本質に気付くのが先だと思ったが……」

「そうだな。だが最近の鬼はそれを理解していない。それどころか強者を求める姿勢や力への渇望、鬼の本質である闘争本能すら忘れてしまっている。最早俺にも手に負えなくなっていた」

「ほぅ」

 

俺の話を聞きながら相槌を打つ。

他のものから見れば適当に相槌打っている様に見える。

しかしそれは彼の出した質問によって払拭される事だろう。

 

「要するに種族的に弱体化したという事か。そしてお前はそれを全盛期の頃に戻そうと奮闘したが

上手く行かず、なんかイラッときて八つ当たりしてたと」

 

俺の話そうとしていた事をあっさり纏めてしまう。

それだけではなく、俺が人里に来ていた目的まで当てられてしまった。

……中々に恥ずかしい限りだ。

 

「で、あわよくば俺に何とかして欲しいって顔だな」

「――っ!?」

 

俺は彼の言葉に思わず目を剥いた。

どうやら俺の小さな願望まで彼には筒抜けだったらしい。

流石はと言ったところか、戦闘中に考察して的中させるだけはある。

 

「それじゃ訊くが、お前はどうやって更正しようとしていた?」

 

その問いに俺は自らが行ってきた事を振り返りながら話した。

 

「集落に襲撃を掛けて闘争本能を直接刺激してやろうとした。鬼の本質は闘争、戦の場でこそ彼らを

目覚めさせるのに都合が良いと思ったのだ……結果は散々だったがな」

「そりゃ当然だ」

 

俺はすぐに反論されて少し腹が立った。

鬼だからこそ、この解決策が最良だと感じたのだ。

それを根っから否定されるとなると俺も思うところがある。

 

「……何故だ?」

「説明してやるから殺気立つな。お前の方法は確かに"昔の鬼"なら効果的なんだろう。だが

"闘争本能を忘れた鬼"に対しては逆効果だ。刺激方法なら他にもあるさ」

「どんな方法だ? 有用でなければ意味がないぞ?」

「それはご最も、でもそれはお前にも言える。幾つか思い浮かぶが、真っ先に試すべきなのは好敵手を見付けさせる事だな」

「好敵手?」

 

思わず首を傾げる。

何故更正させる手段が好敵手を作る事なのか全く理解できん。

直接的な方が鬼には合ってると思うのだが……

 

「そうさ好敵手。自分より強い相手が現れて、しかも見下されたら腹立つだろう?」

「ふむ、同じ種族でほぼ同格ならそれもそうだな」

「そうすれば自ずとそいつに負けない様に強くなろうとする。そこに生まれるのもまた闘争心なのさ」

 

しかしそれでは俺とやってる事が変わらないと思うが……

 

「お前がしたのは蹂躙だ。それでは抵抗しようという気力さえ失われる」

「そうか、そういう考えもあるのか……」

 

あえて力量を抵抗させ、適うかも知れないという願望を残して闘争心を煽らせる。

確かにそれならば努力すれば勝てる様になるかもしれんし、絶対的に勝てないという状況よりは

遥かにやりがいがある。

 

まさかこんな方法があろうとは……

 

こいつは本当に何者なんだ?

会ったばかり、そして相談を受けたばかりに関わらず直ぐに答えを導き出す聡明さに加え、

皆に鬼神と恐れられる俺を手加減して尚圧倒するその力量。

とてもただの妖怪とは思えない。

新参、ではないな。

だとすれば古参、それも相当な古株である可能性があるな。

それも俺たち「鬼」という存在が生まれるより遥かに昔……

 

「そんじゃ、悩みは解決したな? 俺はこの辺で失礼させてもらう」

 

すると猫がそれだけ言って去ろうと背を向ける。

俺はその瞬間、何故か呼び止めなければならないと感じた。

 

「待てッ!!」

 

猫は立ち止まる。

つい反射的に止めてしまったが、理由は分からない。

だからこそ、二の句を紡ぐのに時間が掛かってしまう。

 

「なんだ、そのだな……」

 

どう言おうか?

ただ"そんな予感がしたから"では相手もまた歩き出してしまう。

ならばちゃんとした理由が要る。

 

「……どうした? 用が無いなら俺は行くぞ?」

 

彼は不機嫌そうに目を細めながら再び去ろうとする。

すると自然と、俺の口から言葉が漏れ出た。

 

「……証明する」

「ん?」

 

俺の中を占めるのは驚きだった。

 

「貴様に鬼が再び元の形へと戻る様。それを見ていて欲しい」

 

俺の口から出たのは他者に対する頼み。

それは相手が信頼できるからこそ出来る頼み事だった。

普段、孤高の存在を気取って他者を頼ろうとしない俺が、奴に対して見届ける事を託したのだ。

 

猫は怪訝しげな表情で此方を見る。

いきなり襲い掛かってきた存在に、いきなりこんな事を頼まれても困るのは当たり前。

無茶な頼み事だと理解はしている。

正直、何故俺もこんな事を頼んだのか分からないのだから……

 

それからどれ程の時間が経っただろうか?

いや、これはその場にある無言の重圧が、体感時間を引き延ばしているだけだろう。

本当はそんなに時間が経ってないのかもしれない。

だが、今の俺には確かに何十時間も睨み合っているかの様に感じている。

 

そして突如、猫が溜息を吐いた。

呆れられたか?

 

しかし俺はその瞬間、彼の懐の広さに脱帽する。

 

「……分かった、見届けるだけだぞ?」

 

俺は歓喜した。

勿論、それを表に出すような愚かな真似はしない。

だが内心では言い様の無い喜びが、体中で沸き起こっていた。

 

彼に立会人として、鬼が変わる瞬間を見て貰える。

自分を超える者にそれを見て貰えるというそれは鬼として誉れと言えよう。

 

「……感謝する。付いてきてくれ」

 

俺はこの喜びを噛み締め、自らの糧として身に染み込ませながらも彼を案内するのだった。

そう……堕落した鬼の集落、"鬼の山"へと――

 

 

 

 




ちなみに服装を分かり易く説明すると
白いロングコートに白いスカート、黒いワイシャツと黒ニーソに膝下までの皮製ロングブーツ。
ってな感じです。
分かり難かったらスミマセン。




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