東方白霊猫   作:メリィさん

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お待たせしました。

今回は少し短め……だと思ってたのにそうでもなかったという罠(ぇ
いつも通りの駄文で申し訳ないですが、頑張って最後まで読み切れるよう願います。
ではどうぞ。


其の五「近未来都市人里」

@龍華(リューゲ)

 

 

「……わぁお」

 

俺は今、歴史的に非常に価値のある光景を目の当たりにしているのではないだろうか?

 

でっかい鋼鉄製の門、備え付けられた監視カメラらしき半球状のもの。

微かに見える巨大な建造物は現代のものと比べると全く違った未来的な意匠ながら、それは俺の知る建造物と特徴が一致している。

 

結論から言おう。

ここは俺の知る時代風景に無い全く新しい光景だ。

しかも学者の記した成果を鼻で嗤って踏み躙る様な、そんな光景である。

 

でも信じられるか。

これ――

 

――たった一ヶ月しか経ってないんだぜ?

 

俺は炎刻の言葉が気になり、話題の人里に足を運んでいた。

だがこれほどのものを視界に入れる事になるとは思ってなかった。

 

門の傍らにあるのは網膜認識装置か?

下には指紋認証装置みたいなのも確認できる。

更に窪んだ柱には映像パネル、下にあるのは呼び出し用の操作パネルみたいなのがある。

スピーカーもある。会話が可能だと判断する。

 

なんだこの最先端技術を惜しげもなく投入した玄関は。

俺のいた世代でだって、こんなの超高級ホテルとかそんな所じゃないとお目に掛かれないぞ?

どんだけ進んでんだここは……

 

(どっか入れる場所無いか……)

 

しかしこの人里(仮)、何処かしこも見た事無い素材の外壁に覆われて隙間が無い。

開いてそうな扉も……これは全部周ってないから分からんが、見た所無さげだ。

上も、薄っすらだが半透明の何かが見える。

あれなのだろうか? やっぱバリアなのだろうか? パリーンと割れるのだろうか?

 

(隙が無い……!)

 

やばい。入れん。

あいつらはどうやってここに入ったというのだ。

抜け道か? どっかにそんな所があるのか?

 

だがそんな所何処にも無い。

もしかしてだが、あいつらが入った後に一夜で出来たのか?

だとしたらとんでもない技術力を擁している事になる。

一晩で里全体を覆う外壁だぞ? それもコレほどまでに手の込んだ代物だ。

配線関連、門の直径や方角や数、素材選定や外壁の高さなど諸々をこなせば余裕で一日は過ぎる。

これを一晩とか人間業じゃない。

下手をすれば入った瞬間に排除される可能性もあるが……

 

(だがそんな事よりまずは侵入だ)

 

俺はもう好奇心を抑えられない。

文明レベルは分かった。

だが個人的には人間の外見変化、流行、食生活なんかも知っておきたい。

これだけの近代化が進んでいるとなれば、人類の外見はより女性的に近付いていると思われる。

俺のいた世界でも、男女問わず文明が進むに連れて容姿は美しくなっている。

仮説に過ぎない上に確証も無いが、確かめずにはいられない。

 

食文化や流行なんてのもその世代の技術水準、生活水位の目安になる。

今の食文化はどうなのだろうか?

現代日本と変わらぬ食事? それとも無機質なブロック食品に変わっている?

テレビゲームや漫画、現代に普及していたスポーツはまだ現役か?

もしかしたら技術の向上で更に進化してるかもしれないし、逆にそういった文化が廃れて全く

新しい娯楽趣味が誕生してるかもしれない。

 

だが一つ懸念がある。

たった数ヶ月でここまで進歩したこの里で、それらが生まれたのか。

もしかしたらその発展の早さに人間が付いていけず、何も生まれないままに技術だけが一人歩き

してるかもしれない。

それだけではなく、このスピードならば法体勢すら整っていない無法地帯になっている可能性も

ある。

ここまでの発展で何も法が無いとなると人間はどうして良いのか分からなくなってしまう。

それに穴だらけなこの状態に乗じて犯罪行為を平気で行う奴らも出てくる。

あるとあるで息苦しい法律だが"一定の基準"というのは必要なものなのだ。

そうすればどのラインから法外なのか判断できるし、それを基準に犯罪として取り締まる事も

出来る。

 

……あぁー、話が逸れた。

つまり気になって仕方ないのだ。

自分の記憶にある現代とどれほどの違いがあるのか。

現代が将来的に発展する一つの可能性として見ておきたい。そう思った次第である。

 

だがしかしどうしたものか。

中に入ろうにも進入経路が見付からない。

 

どう入るべきかとウロウロしていると、門に近付く気配を感じたので素早く近くの草むらに

隠れる。

俺は猫だから妖怪や人間とガチバトルなんて出来ないのだ。

出来ることなら戦わずに何事も収めたい。

だって怖かったもの。鬼神とのバトル凄い怖かったもの。

今思い出せばあれほど命の危険に晒された事なんて無いんじゃないか?

トレーニング相手に他の妖怪と殺し合いしてたにはしてたが、あの戦いほど恐怖を感じなかった。

それでも命を奪う罪悪感とか奪われる恐怖というのは恐ろしかったが。

やはり先に大きな物事に対面すると、後の事が楽に思えるな。

あの時に比べたらどうってことないって感じで。

 

近付いてきた気配は人間だった。

軍服っぽい服装を着込み、銃で武装した人間。

形状が似通ってる事から恐らくアサルトライフルって所か?

彼らは巨大な荷馬車っぽい貨物車を中心に周囲を警戒して行軍していた。

 

「近くに生命反応あり」

「ちっさいな。どうせ鼠か鼬だろう?」

「妖力じゃないんだ、そんなの一々報告するな」

 

おおう。これって絶対俺の事言ってるよね?

携行式の複合レーダー?

サーモ、ソナー、さっき言ってた妖力。

これだけの機能をあの懐中時計に? 馬鹿げてるな。

 

だがしめた。

これなら案外簡単に進入できるかもしれない。

どんな小さな出来事でも報告だなんて俺でも知ってる事項だ。

それが出来てないなら練度は大したことない。

 

俺は力を行使して気配を消す。

俺のこの力だが、前も言った様に結構な汎用性がある。

これはその使い道の一つだ。

力に対して"姿や気配を隠し、痕跡を残さない"と働きかけて行使する。

そうすると何故か姿も気配も完全に消えるのだ。おまけに足跡まで付かない。

それも実力者に凄いバレ難い。

何故なら"自分の気配だけ"を消している為に周囲の気配まで不自然に消えず、背景と完全に同化してしまっているからである。漫画でよく見る隠行の達人的なアレに良く似た状態だ。

 

……でも出来た理由が"主に勝負を仕掛けてくる魔百合から逃げる為"というのが情けない

限りだが。

だってアイツ怖いもん。数日前から「勝負だ!」とか言いながら殴り掛かってくるんだもん。

 

とりあえずこれで人間には特殊な力が備わっていない限りは見付けられない。

俺は素早く貨物車の下に潜り込む。

どうやらエンジンみたいな動力で動いてるらしく、下にはそれを繋げるパイプみたいなのが

見えていた。

馬も無いと思ったらそういう事か。

というかコレ全然駆動音しないんだけどどんな技術だよ。

 

ちなみにどうでもいい話だが、馬と名を打っていはいるが現代の馬とは程遠い。

どちらかというと"早く走れる牛"って感じの外見をしている。

本当にこの時代の生態系は意味不明だ。

 

貨物車が止まり、軽い何かを叩く音が聞こえる。

そして続いて重々しい音を立てながら何かを引き摺る様な音が響いた。

恐らく門が開いているのだろう。

開き切った事を知らせる大きな音と共に貨物車が動き始める。

 

俺は怪しまれないように貨物車の速度に合わせて歩き、壁の境目が見えた所で素早く横へ逸れた。

案の定、門ギリギリの大きさだった貨物車の横には兵士は配置されておらず、すんなりと建物の

間へと逃げる事が出来た。

門番すらいないなんて随分と自分たちの技術に自信があるらしい。

結果こうして入られてるわけだが……いや、俺の場合は門番いても意味無いな。

 

「一先ず進入成功、だな……」

 

ともかく一段落だ。

中に入れた事だし、後はたっぷり見物させて貰うとしようか。

幸い、隔壁の中にある建築物は現代のものと立ち並び方が似ている。

建物の合間を縫っていけば問題はあるまい。

さて、何があるかな……

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○

 

 

俺は現代では見られない様な建築物の合間を歩いていく。

その最中で見られる景色、これがまた面白い。

 

先ず建物がおかしい。

同じくらいの大きさをした半球状の建物を中心にYの字で建てられた上階。

重力法則なんざ無視した物凄い建造物だ。

他にも現代では滅多に見られない面白造形の建物が沢山あった。

 

加えて今のファッションは結構奇抜だ。

何故か左右上下非対称な色合いの服装が多い。

正直統一性が無さ過ぎて現代じゃ考えられない未知の感性を感じてしまう。

大抵流行のファッションなんてのは時に乗った有名なアイドルやモデルなんかがしている格好だったり、人望の厚いお偉いさんがしている格好の真似だったりする事が多い。

そう考えればその辺が関係してそうだと納得できる。

 

ただ食生活は普通らしい。

露店やら軽食店などを覗いてみたが、現代でも見かけそうなパン食や米を使った食事が多かった。

ただ面白いのが和洋で分けられた食事でなく、どちらでもないどちらの特色も持った料理だった。

流石に食べてはいないがな。

 

それらの中でも一際目立つのが技術力。

妙に小さい車両が多い。

これは恐らくこの狭い里の中で運用するに当たって、大きな車両では邪魔だからだろう。

そして輸送車両も小さい。あれは明らかに乗る場所が無い。

殆どを輸送スペースに使ってるのか、フロント部分が狭過ぎるのだ。

もしかすると無人制御だったりするのだろうか?

そういえば入る時に見かけた貨物車も人が乗ってなかった。

だとすればやっぱりある程度は無人制御で動くと仮定できる。絶対に乗れないしな。

無人機が大量に出回り、尚且つ一般的に運用されているとなればその技術水位の高さが窺える。

 

だがそれ非常に気になったことが一つ。

 

「な ん で ! イケメンしかいないんだッ!?」

 

そう、イケメンとか美女しかいない。

太った野朗とか、出っ歯な女性とか見掛けない。

何れも美しい容姿だったり、可愛らしい容姿だったり、もしくはワイルド系だったりと何かと

イケメンタイプの人間しかいない。

これはアレか、人間であった頃の俺への当て付けかなんかか?

最早ノーマルタイプですらない俺への自慢か!?

 

クソッ!

あんな美人ばかりなら絶対ナンパしてたのに……何故俺は猫なのか。

 

「やめだやめだ。気にしてると嫉妬で狂いそうになる」

 

特に手ぇ組んで歩いてるリア充とかな。

俺の中に生まれし暗黒の力が目覚めてしまいそうだ。

主に爆ぜろ的な意味で。

 

俺は気にしない様にしながら舗装された道を歩く。

道中、何かしら視線を感じたが敵意も悪寒も感じないから大丈夫だろう。

多分「変わったのが歩いてるー」的なノリだと思われる。

人間変わったもの見るとついつい傍観したくなるもんだし。

 

しばし歩いていると、超感覚レーダー「キャットイヤー」に声が流れ込んできた。

ちなみそんなもの持ってない。ただ単に猫の耳が意外に集音声が高かったから言ってみただけだ。

その先に行ってみるとなんとも許せん光景が広がっていた。

 

「は、離してッ!」

「うるせぇ! てめぇの発明のせいで俺たちが路頭に迷ってんだよ。ちったぁ俺たちに報いろよ」

「まだ幼いが、可愛いな……じゅるり」

「こいつぁ鳴かせがいがありそうだ……」

「身代金を頂くまで可愛がってやればいい話だろ。今は我慢しろい」

 

なんと、十歳程度であろう少女を男が複数人で囲み

あろう事か犯そうとか抜かしてるではないか。

これは紳士としてめちゃ許せんよなぁ……

 

という事で俺は変態の欲望を打ち砕くべく行動を開始した。

悪漢討滅すべし。

 

先ずは先手必勝という事で猫フラッシュ!

 

「ぐぁッ!?」

「なんだコレ!?」

「眩しい! やめろぉ!!」

「えッ? な、なにッ?」

 

フフフ、苦しかろう。

しかも光量調節できる!

 

続けて弾幕を形成し、相手にぶつける。

勿論、普段使ってる弾幕では人間が死んでしまうので威力は調節してある。

それも吹っ飛ばしやすい様に当たったら破裂するようにしたから――

 

「うげッ!」

「ぎゃッ!?」

「ブハッ!」

 

相手はこの様に飛んでいってしまうワケだ。

無様に転げていった変態どもは路上にまで飛んでいった。

調節といっても手加減する事も無いから多分気絶してるだろう。

 

俺は光を放ちながら少女の方へと向く。

少女はこっちを見ながら目をぱちくりさせている。可愛い。

 

しかしこの少女にも自衛手段があればこんな事も無かっただろう。

防犯ブザーとか無いのか。普通は親が持たせるだろ。

こんなとこなら表まで簡単に聞こえるのに。

 

後はスタンガンとか催涙スプレーとか。

女の子に扱える武器といえば古臭く考えるなら短剣とか後は……

 

「弓を使えばいいじゃないか」

 

でも携行性に欠けるのがなんともな。

女の力でも使える……あ、この里って銃とかあるじゃん。

だったら拳銃でもいいだろう。

ライフルとかの大型火器しかないなんて無いよね?

 

その辺はもういいか。

気にするだけ無駄だしな。

そろそろ騒がしくなってきたし、サイレンっぽい音が鳴ってるからバレてはマズイ。

退散退散っと……

 

俺は再び力に隠密性を付与してこの場から立ち去るのだった。

まだ俺の見物は終わらないのだ!

 

 

@少女

 

 

突然だけど私は天才と呼ばれています。

三つの頃には既に言葉を喋り、五つになる頃には青少年が勉強に使う様な本を読んでました。

そして九つの頃に好奇心のままに新しい物を沢山作って。

 

――いつの間にか神童、天才少女などと呼ばれてました。

 

私の本来の名前は呼んで貰えず、親にさえ思兼神、思兼神と呼ばれてました。

今では思兼神が本当の名前なんじゃないかと思い始めたくらいです。

 

でも私は嫌だった。

この名前が私の両親がくれた唯一の物だから。

私が天才と呼ばれる様になってから崇めるように私を見るようになり、私が発明して稼いだお金で

遊ぶようになった両親がくれた唯一の物。

 

自分を失くしたくない。

いや、正確にはまだ両親が両親であった頃の大切な記憶が失われるのが怖かった。

 

だから私は今日、自分の意思で家を出た。

 

私が最後に家を出たのは六年前。

その頃とは大きく変わった町並みに私は感激に思わず息を漏らしました。

 

やっぱり研究室と違って空気が美味しく、開放感があります。

久し振りに感動しつつも、追っ手が来ないように監視カメラなどに注意して家から離れます。

 

私は手持ちの財布で遊びに遊びました。

暫く遊んでなかったからか、柄にも無くはしゃいでいたのかもしれません。

 

背後を付け回してる男たちに気付く事ができませんでした。

ほんの一瞬。

ほんの一瞬だけ人目が付かないところに入った時を狙われました。

 

路地裏に引き込まれ、地面に投げられました。

 

「っつう……!」

 

私は直ぐに懐から拳銃を取り出し、発砲しました。

護衛の人が万が一にと渡してくれた、私でも扱える小さな拳銃です。

射撃に慣れない私には急所を狙うなんて出来ませんでしたが、弾は綺麗に相手の胸に当たり

ました。

 

しかし男は呻き声を少し上げただけ。

直ぐに私を取り押さえ、拳銃を手の届かない所に投げてしまいました。

 

「じっとしてろよ」

「防弾アーマー付けといて良かったぜ」

「へへっ、お前の所為だからな。お前が俺たちの職を奪ったんだ」

「たんまりとお前の家に請求してやるぜ」

 

男の数は四人くらい。

私には先ず倒せない数です。

それどころか抵抗手段である拳銃が無いので状況は絶望的でした。

 

私は抵抗するものの、手を押さえられ身動ぎ程度しか出来ません。

すると一人が突然言い出しました。

 

「コイツ……よく見るとすんげぇ可愛いな」

 

思わずゾクッとしました。

その凄く嫌な感覚に従って私は思いっきり暴れました。

でも男の力は強く、私を離してくれません。

 

「は、離してッ!」

 

私は声を上げます。

しかし男たちに口を押さえられ、怒鳴られてしまいます。

 

「うるせぇ! てめぇの発明のせいで俺たちが路頭に迷ってんだよ。ちったぁ俺たちに報いろよ」

「まだ幼いが、可愛いな……じゅるり」

「こいつぁ鳴かせがいがありそうだ……」

「身代金を頂くまで可愛がってやればいい話だろ。今は我慢しろい」

 

私は人生で初めて"怖い"と思いました。

私はこれからこの男たちに何をされるのだろうと、恐怖でいっぱいになりました。

 

私の衣服が破られたのが分かります。

でも私は直視できない。いや、したくなくて目を瞑りました。

 

その時でした。

 

「ぐぁッ!?」

「なんだコレ!?」

「眩しい! やめろぉ!!」

「えッ? な、なにッ?」

 

私は突然苦しみ出した男の声に、思わず困惑しました。

そして瞼を開いた途端に分かりました。

 

男たちは何処からか発しているこの"光"に苦しんでるのだと。

そして次の瞬間には男たちは外へと放り出されていました。

 

(一体なんだというの……?)

 

私は光源に目を向ける。

それは本来なら目を反射的に瞑ってしまう光量でしたが、不思議と眩しく感じませんでした。

それに苦しむどころか、私は何か温かさの様なものさえ感じます。

光の中心には小さな影。

四足の獣みたいな姿が影になって見えました。

 

暫く見てるとその獣が言いました。

 

『弓を使え――』

 

よく聞こえませんでしたが、それだけは確かに聞き取れました。

そして先程までが嘘かのように、その光は消え去ってしまいました。

 

呆然とした状態から立ち直った私は、ある物が落ちているのが見えました。

 

「えっ、コレって……」

 

それはとても大きな弓でした。

私は弓を手に取り眺めていました。

 

不思議と手に馴染み、重さも感じません。

まるで私と共にあるのが当然だとでも言う様に、その弓は私にぴったりでした。

 

私は思いました。

もしかしたら、今のは……私を助けてくれたのは神様なんじゃないかと。

 

一年ほど前に呼んだ文献に載っていました。

昔この里に技術革新が起きていなかった頃。

里に現れた強大な力を持った鬼を追い払ってくれた神様がいた事を。

 

その神様は小さな四足の獣の姿をしていて、人の言葉を喋るそうです。

それも助けてもらったのは鬼の時だけではなく、それ以前もその後も助けてもらっていたそうで、

自分の事を「ネコ」と呼んでいたから、里から「お猫様」と呼ばれて祭られているみたいです。

時が経った今では祠に祭られており、「白霊猫(はくれいびょう)」という名前で崇拝者も多いとか。

私の両親も崇拝者だったみたいです。

昔に「大切な娘であるお前を、白霊猫様が授けて下さったんだよ」と祠に参拝に行った事があるから確実でしょう。

 

白霊猫と呼ばれる神様が私に弓を授けてくれた。

私はその意味を深く噛み締め、これからの事を決意する。

 

(私はもう、振り回されない。周りが振り回そうとしてくるなら、逆に振り回してやろう)

 

見ていて下さい。

私は……もう負けません。

 

これが後に「月の頭脳」と呼ばれる女性の誕生の瞬間だった。

 

 




今更ながら急展開過ぎたかな、と思いました。
まだまだ未熟ですね。
展開のコントロールってもっと上手くならないと駄目かもです。

次回からはストックも無いので少し遅れます。
いや、今まで遅れてただろとか言われたら言い返せませんけど;:
それではまた次回。

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