彩霧広佐の視線 アクセル・ワールド   作:かいくんtheネクスト

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子どもと凛火とタキハルユリア

「や、さっきぶりだね。もうボクの声が聞きたくなるなんて、キミは寂しがり屋さんなんだから」

 

 凛火の声を聞いただけで、えも言えぬ安心感があった。こんな自分にも味方がいる、と思えたことで広佐はいくらか気が楽になった。

 

「凛火さん、今大丈夫? なんか、話したい気分なんだ」

「いーよ。シャワーはもう済ませたから」

 

 何を話そうか、と広佐は迷ったが、思い切って本題から入ることにした。

 

「凛火さんはさ、だれかを憎んだことはある? 殺してやりたいって思うくらいに」

 

 少しの間、凛火は無言だった。迂闊な発言だったか、と広佐は思った。

 だが、再び聞こえてきた凛火の声色は穏やかだった。

 

「殺したいほどかは言えないけど、ボクだって憎いと思ったことはあるよ。キミをブレイン・バーストに誘うときに言っただろ? 『ボクの復讐に手を貸してくれない?』って」

「あ――――」

「えっえっ、もしかして忘れてたの!?」

「――――ごめん」

「なんだよもー!」

 

 恥ずかしながら、広佐は今の今まで、凛火が彼をバーストリンカーにした理由を忘れていた。凛火がもっと暗い性格だったなら、広佐も彼女の目的を忘れることなどしなかっただろう。しかし、彼女はそんな心に闇を抱えた人間とは到底思えないほど、明るく活発だった。あのときも復讐という言葉には驚いたが、今考えるともっと信じられない。たとえ他のプレイヤーにひどいことをされても、それを恨むようには思えない。

 

「キミの目には、ボクはきっと普通のかわいい女の子に見えているんだろうね。だけど、ボクにだって心の底から憎んでいる相手はいるよ」

 

 そういえば、凛火はバーストリンカーになって日が浅いころに色々と悩んでいたと言っていた。広佐が知らないだけで、彼女も想像を絶するような体験をしてきたのかもしれない。

 

「キミになにがあったかはわからない。でも、思い悩んでモノを壊してしまった子どもに『モノを壊すな』と叱るほど、ボクは無神経じゃないつもりだ」

「凛火さん……」

 

 ああ、この人はどうして自分の気持ちをこんなにもわかってくれるんだ。和也はどれほど話してもちっとも広佐のことを理解しようとしないのに。

 

「今日、彩霧はボクに約束してくれたね。『誰よりも強くなる』って。ボクはそれが見たいと思った。どのバーストリンカーより強くなって、自分が最強なんだと胸を張って言える彩霧の姿を、ボクは見てみたいんだ」

 

 広佐は目を見開いた。そうだ、広佐は宣言したのだ。強くなると。凛火の隣に立てるように、もっと上へ行くと。

 

「だからその日が来るまで、どうかボクの傍にいてくれないかな?」

 

 ――1日に三度も泣くバカがいるか。

 自分は、感情の起伏が少ないタイプだと思っていた。ゲームやアニメのストーリーで感動することはあっても、涙を流したことは長いことない。

 だけど、本当はきっと、弱くて泣き虫な男だったのだ。しゃくり上げるのをこらえながら、広佐は思った。

 

「――強くっ――なるっ! ぜったい、ぜったい――強く、なるから――っ!」

 

 大声で言ったそれは完全に涙声で、もうとりつくろうこともできなかったが、今は泣いたっていいんだ、と広佐は自分に言い聞かせた。

 

「ありがとう。ボクの前でくらい、いっぱい泣いていいんだよ」

 

 広佐が泣き止むまで、凛火はコールを切らず、無言で嗚咽を聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 この朝の目覚めは、ちょっとないくらい爽やかだった。

 ぐっすりと眠れたことで、体中に力が満ちているのがわかる。まだ少し口の中はひりひりするものの、昨日の疲れは霧散してしまった。

 半身を起こし、勢いよくカーテンを開く。窓から差し込む日光も心なしか強さが増したように感じる。エアコンをかけていなければ暑さにやられていただろう。

 父親への恨みがなくなったわけではない。深く考えればじっとしていられないほどの怒りが湧いてくるに決まっている。だが、悪い感情にとらわれていても仕方がない。広佐はこれからのことを考えようと決めたのだ。

 軽い体に嬉しくなった広佐はベッドの上に乗り、胸の前で両手を握った。

「おし! 今日も一日がんばるずおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 調子に乗りすぎて、広佐はベッドから落ちた。

 

 

 

 

 

 

「あいててててて……」

 床にしこたま頭をぶつけたせいで、まだ少し平衡感覚が怪しい。頭をおさえながら教室に入る。入って真っ先に探すのは当然凛火の姿。教室の一番前にある広佐の席の隣、彼女の席を見る。いた。

 見つけた瞬間に、広佐の心が一段跳ねた。今日もいい日になる。そう思った矢先、凛火が誰かと話していることに気づく。男だ。しかも若い。広佐は腰が浮くような感覚をおぼえた。

 

「おはよう凛火さん」

 

 早足で近づき、凛火に話かける。無意識のうちに早口になっていた。

 

「あ、おはよう彩霧……」

 

 凛火はなぜか困った様子だった。

 ――この俺、邪魔なのか!?

 広佐は焦りまくった。

 

「先輩の友達ですか?」

 

 と、さっきまで凛火と話していた少年が口を開いた。すっきりとよく通る声だ。声変わりしかけの、高めのトーン。

 広佐は凛火を先輩と呼んだ、後輩らしき少年の顔をまじまじと見つめた。(おそらく)年下にも関わらず、身長は広佐よりわずかに高い。165cmといったところか。シュッとした鼻筋に不自然でない程度に流行を取り入れた髪型、そこに幼さの残る雰囲気が加わり、感じのいい少年という印象を受ける。偏見ありの広佐でも、礼儀正しそうだと思った。

 

「僕は滝春由利亜っていいます! 先輩にはいつもお世話になってます!」

「あ、ああ。こっ、ここここ、自分は彩霧広佐だ。凛火さんとはえーっと、親しい、友達だ」

 

 少年のにこやかな挨拶と比較すると、広佐の情けなさが際立つ。

 滝春ユリア、とりあえずその名前だけは心の奥深くに刻んでおく。というかなんだその女みたいな名前は。

 

「彩霧、あー、ちょっと困ったことになってさ……」

 

 ニコニコした滝春とは対照的に、凛火は困り顔だ。凛火さんに迷惑をかけるなんて、と広佐は思った。愛想よくしているが、実はとんでもない悪党に違いない。

 

「隠しててもいつかばれることだしいいかな……ユリアはボクの後輩で、そしてちょっと前にバーストリンカー《ゴールド・ナイトメア》になったんだって……」

「え、えぇっ!? こいつがゴールド・ナイトメア!?」

 

 びっくりして大きな声が出てしまう。近くのクラスメイトの耳にも入っただろうが、知らない人にはなにを言っているかわからないので問題はない、多分。

 ゴールド・ナイトメア。広佐が最初に目にしたデュエルアバターの名前である。凛火によれば青の王ブルー・ナイトの再来と呼ばれる大剣を背負った剣士で、まだバーストリンカーになってほんの一週間ほどであるにも関わらず同じレベル1はおろかレベル2相手にも圧倒的な勝率を誇る将来超有望なプレイヤーだ。事実、広佐が見ている前でナイトメアはレベル3のスパーク・トリガーを倒してのけた。

 その凄腕の新人が、今目の前にいるこの爽やかな少年だというのか。

 だが確かに、このよく通る涼しい声はあのとき聞いたゴールド・ナイトメアそのものだ。見かけによらず細い感じだとは思っていたが、中一だったとは。

 

「ひょっとして、彩霧さんもバーストリンカーなんですか?」

 

 凛火に正体をカミングアウトされたことを気に留める様子もなく、ユリアは首をかしげて聞いてきた。

 ここでナメられてはいけない、そう思った広佐は左手をポケットに突っ込み、右手で前髪をかき上げ、めいっぱいキザな感じの笑みを浮かべてクールにふるまう。

 

「フッ、バレてしまっては仕方ない。そうだ、この俺は《白き閃光》の異名を持つ天才ゲームプレイヤー《グレイ・レコード》。聞いたことくらいはあるだろ?」

「……すいません、寡聞なもので……」

「なかった!」

 

 広佐はずっこけた。注目の新人の前で見栄を張ったが失敗てしまった。

 

「ユリア、綾霧はブレインバーストを昨日始めたばかりなんだ。知らなくてもしょうがないよ」

 

 そう、学年では広佐が上だが、バーストリンカーとしてはこちらが一週間だけだが後輩なのである。ユリアのことを新人扱いして、昔ネットで使っていたハンドルネームを勝手に名乗っている場合ではない。

 

「ユリアも活躍してるみたいだけど、綾霧だってすごいんだよ。最初の対戦でいきなり勝っちゃうし、レベル5の相手とも戦ったんだから。さすがボクの《子》だよー」

 

 凛火にまるで自分のことのように自慢されると照れくさい気持ちになる。スパイラルには辛勝だったし、ホーン相手には足止めもできなかったわけだが。

 ユリアは一瞬めんくらった顔をしていたが、すぐに目を輝かせて身を乗り出してきた。

 

「すごい! 綾霧さん、本当に天才ゲームプレイヤーなんですね! 僕もうかうかしてられないな、もっと頑張らないとですね!」

 

 目を輝かせてユリアが言った。キラキラした瞳で見られると毒気を抜かれそうになる。広佐は尻がむずがゆくなる。

 

「ええっと、あぁ、まぁ、そうだな、お互いがんばろう」

 

 良い返しが思いつかなかったので適当に無難なことを言ってごまかす。人付き合いの不慣れさがモロに出た形だ。

 

「それで先輩、さっきの話なんですけど、僕の頼みを受けてはくれませんか」

 

 話題を変えてユリアが言うと、凛火がまた難しい顔になった。広佐が教室に来る前に話していたことの続きだろう。とても気になるので耳を傾ける。

 

「さっきも言ったけど、ボクはそんなに人に教えるのが得意じゃないんだ……。ボクは綾霧を見るのに精いっぱいだから、ユリアはもっと他の、それこそ自分の《親》とかに鍛えてもらった方が上達すると思うんだよね……」

 

 意外だった。凛火が自分のことを教えるのが苦手と評価しているとは。クリスタル・ユートピアの性質も含めてのことだろうか。

 クリスタル・ユートピアは透明化の能力が(おそらく)常に発動しているため、アバターの姿で指導をすることは難しい。姿を見せるには、ダミーアバターのままでいるしかないのだから、教えるのに支障をきたすのも不思議ではない。

 

「鍛える? つまりお前――滝春は凛火さんに稽古をつけてもらいたいってことか――――あーっ! 思い出した! おとといなんか言ってた!」

 

 広佐の脳裏にあのときの光景がよみがえる。そう、バトルに勝利したナイトメアは彼を称える凛火の声に反応した。あれはきっと、あの声でユリアが凛火のことに気づいたということなのだろう。そして言ったのだ、『クリスタル・ユートピアさん、僕を弟子にしてください』と。

 その瞬間はあれを不自然に感じ、凛火のクリスタル・ユートピアとしての評判を聞いて尊敬していたんだろうくらいに納得していたが、凛火とナイトメアユリアが先輩と後輩の関係であり、ユリアがバーストリンカーになる前から二人が知り合いだったことがわかれば納得がいく。

 

「はい、先輩とは学内ネットを通じて知り合って、それから色々相談に乗っていただいてたんです。一昨日ブレインバーストで先輩の声を耳にした時はびっくりしました! しかも新参者の僕ですら聞いたことのある有名プレイヤー《クリスタル・ユートピア》だったなんて!」

 

 おとといのことか出会いのことか、どちらを思い出しているのか知らないが、ユリアはうっとりとした顔で言った。凛火との出会いはユリアにとって劇的なことだったのだろうか。

 

「先輩は教えるのが不得意って言いますけど、僕はそうは思いません。僕は是非、先輩の下で自分を高めたいんです! お願いします、僕を先輩の弟子にしてください!」

「うー、困ったなー……」

 

 強い勢いで迫るユリアに、広佐は少しムッとした。

 

「おい滝春、凛火さんに迷惑をかけるようなことはよせ」

 

 ユリアをたしなめる口調は、広佐が自分でも予想してないキツめの言い方で、言ってしまってから広佐はちょっと後悔する。慣れていない。他人に注意をするということに。

 

「あ……すみません、つい取り乱してしまいました……」

 

 我に返ったユリアが申し訳なさそうに謝罪する。そこでタイミングよく、授業開始のチャイムが鳴った。

 

「じゃあ僕は行きます」

 

 そう言って、失礼しました、と軽く礼をして、ユリアは広佐と凛火に背を向けた。そして立ち去ろうとして数歩進んで、また止まる。

 

「でもまだ諦めませんから」

 

 言い残して、ユリアは教室から出ていった。

 チャイムに合わせて、話し声で騒がしかった教室に、椅子を動かす音が混ざり、いっそう騒音のボリュームが上がる。広佐と凛火もいったんユリアのことは置いて、自分の席につく。

 ニューロリンカーが始業時間を知らせるように、学校がシステムを構築すれば、前時代的なスピーカーが鳴らすチャイムの音は必要ない。広佐もそう思ったことがある。だがほとんどの中学で相変わらずスピーカーが残っているのは、ことこれに関してカッコいい最新システムがコストの無駄だからに他ならない。

 それになんとなく、ニューロリンカーのアラーム音よりもチャイムの方が気が引き締まる。自分は今学校にいるのだ、という気分になる。他の生徒も同じ気持ちかはまだ聞いたことないけれど、広佐はこの古ぼけた鐘の音を気に入っていた。

 

「なぁ、凛火さん」

「んー?」

「あの滝春ってやつと、どうやって知り合ったんだ?」

 

 先生が来るまでまだ少しあると考え、凛火に質問してみる。彼女はうーん、とニューロリンカーを撫でながら視線を上にさまよわせ、思案している。そんなにがんばって思い出さなければいけない程度の思い出なのだろうか。

 

「えっとね、ボクが学内ネットでスカッシュをやってたときに声をかけられたんだよね。ほらあのテニスの壁打ちみたいなやつ」

「あれやる人いたんだ」

 

 学校のネットワークが届く範囲でフルダイブを行うことによって入ることのできる学内ローカルネット。そこではグローバルネットよりもできることが大きく制限されているが、代わりにサッカーやバスケなど、現実のスポーツを無料で楽しむことができる場所だ。フルダイブ方式の学内ネットを導入する場合、本来学校を建築する際に確保しなければならないグラウンドの面積を少なくできるという法律が存在するため、新しい学校ほど導入されている傾向がある。

 ちなみにここ、穂積中学校は設立されてからだいぶ経つので、それとは無関係にネットが充実している。

 広佐のような人間にとってバスケやサッカーは憎むべきスポーツであり、ゲーマーの領域であるネットの中を我が物顔で占拠し、スポーツに励む男女には少なからず思うところがある。なので、広佐は学内ネットにダイブしたことがあまりない。

 スカッシュのような一人用のスポーツは、現実では知らないが学内ネットに限定して言えば、かなり不人気な部類に入ると思われる。学内ネットをよく使う、人間関係の良好な人々は集団でやる競技に流れ、広佐のような日陰者は休み時間寝るかマンガでも読むかしてすごしているからだ。事実、広佐がアクセスした限りにおいて、パズルゲームをやる人はいてもスカッシュに打ち込む生徒は見たことがない。

 

「普段は友達とダイブしてバスケとかやってるんだけど、ときどき一人でなにかしたくなるんだよね。スカッシュって反射神経も鍛えられるみたいだし」

「反射神経が欲しい系の人はメジャーなスポーツやるわな」

「それで、ボクがスカッシュをしていたら、後ろに男の子が立ってたんだよね。それで『一体何をすればそこまでできるようになるんですか』って聞いてきたんだ」

 

 凛火はバーストリンカーの中でも腕の立つプレイヤーだ。反応速度もきっと人間離れしているに違いない。そんな彼女ならとんでもないスコアを出せてもおかしくはない。

 

「なんて答えたんだ?」

 

 すると凛火は気まずそうに目をそらした。

 

「――めんどくさかったから『天才だから』って言っちゃった」

「コミュニケーション!!」

 

 広佐はずっこけた。

 いやまあコミュニケーション能力に難のある広佐が言えた義理ではないが、ここはもうちょっと親しみのある感じの返しがあったと思う。

 

「で、そっから仲良くなったってわけね」

「うん、年のわりに礼儀正しい子でびっくりしたよー。それにまさかバーストリンカーになっちゃうなんてね。あの子なら適性はあると思ってたけど」

 

 ユリアは運動神経良かったからねー、と凛火は笑った。見た目的に頭も良さそうだ。なんでもよくできて人当りもいい、広佐とは真逆の人種である。

 

「滝春がブレインバーストをインストールできるってわかってたのか? ならなんであいつにゲームを渡さなかったんだ?」

 

 広佐が問うと、凛火は驚いたように口を半開きにした。なにか変なことを言ったのか、と広佐は冷や汗をかいた。

 

「だって、ボクが持ってたブレインバーストのコピー権はあと一回しかなかったんだよ? ユリアに渡しちゃったら、誰が綾霧をバーストリンカーにしてあげるの?」

「なっ――――」

 

 広佐は顔を赤くした。凛火はユリアより、広佐を優先したのだ。その理由は――。

 ありえない、と思いつつも、広佐は淡い期待を抱かずにはいられなかった。

 照れ隠しに早口で凛火に反論する。

 

「で、で、でもさ、それなら凛火さんが滝春にゲームをインストールして、滝春がこの俺にインストールすれば、よかったんじゃないのか?」

「まー理論上はね。でも、たった一回しかないコピー権をボクの指示する相手に使えだなんて、ボクは言えないな。しかもユリアからすれば顔も知らない綾霧に」

「あー、確かにこの俺がユリアの立場だったら嫌だろうな」

 

 教室の扉がゆっくりと開かれ、年配の教師が教室に入ってくる。教室中に充満していたざわめきがそのボリュームを減らす。これからホームルームが始まる。凛火との話もここまでだ。最後になにか言おうと、広佐は口を開いた。

 

「ユリア、いいやつだったな」

「ん? んん、そだね」

「凛火さんにとって、この俺って?」

 

 勢いに任せて言ってしまったことを広佐は後悔した。むちゃくちゃだ。意味が分からない。

 ユリアがいいやつだというのは、本音だった。だが、ユリアが凛火のそばにいると、なんだか心がざわざわして落ち着かなかった。

 凛火は少し考えてから、広佐の目をまっすぐ見ながら柔らかく微笑んだ。

 

「ボクの初めてのゲーム友達」

 

 ホームルームが終わるまで、広佐の顔の火照りは元に戻らなかった。

 

 

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