グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第105話 仮想の国の戦士たち

ある日の学園の男子寮。

良介は部屋のベッドで寝転びながら推理小説を読んでいた。

 

「ふむ・・・なるほど、こんな展開になるとは・・・」

 

独り言を言っていると、突然デバイスが鳴った。

 

「ん?

なんだ?」

 

良介は小説にしおりを挟んで閉じると、デバイスを取り出した。

 

「クエストか。

場所は・・・バーチャルパーク?」

 

その頃、誠は部屋で漫画を読んでいた。

 

「いや~、思ったより面白いなこの漫画。

続きが出たら買うか。」

 

すると、誠のデバイスが鳴った。

誠は漫画を本棚に直すと、デバイスを取り出した。

 

「なんだ・・・?

クエストか・・・ん?

バーチャルパーク?」

 

誠は首を傾げた。

少し経って、バーチャルパーク受付センター。

良介と誠が行くと、茉理と樹がいた。

 

「どうも、来ましたよ。」

 

良介が2人に話しかけた。

 

「ああ、来てくれたか。

しかし、まさかJGJの施設でこんなことが起きるとは・・・」

 

「何が起きたんですか?」

 

誠が尋ねた。

 

「ややこしいことになっちゃってねぇ。

体験型ゲームアトラクションが魔物に乗っ取られちゃったのよ。」

 

「魔物に乗っ取られたって・・・」

 

「ゲームプログラムが霧の魔物に侵食されたってことか。

それで、どうやって解決するんですか?」

 

良介は茉理に聞くと、茉理は悩み始めた。

 

「う~ん、そうねえ。

ありきたりだけど、やっぱり・・・ゲームの中に魔法使いが入ってクリアする・・・とか?」

 

「へ?

ゲームの中に・・・入る?」

 

良介と誠は啞然とした。

 

   ***

 

JGJバーチャルパーク。

良介、誠、純、自由の4人がいた。

良介はバーチャルパークのパンフレットを見ていた。

 

「バーチャルパークは体験型のゲームアトラクション。

元はJGJの拡張現実の研究所として建設されましたが、その技術を応用。

誰でも疑似体験のできる最先端の安全な娯楽として、皆さまへ提供を・・・」

 

「御託はどーでもいいっす!

早く早く!」

 

自由は3人を急かした。

 

「誠、パンフレットいるか?」

 

良介は誠にパンフレットを渡そうとした。

 

「良介先輩!

それどころじゃないでしょ!?

こんな光景を目の前にして、よくそんなに冷静でいられるっすねぇ!」

 

「わかってるよ・・・魔物に乗っ取られたんだ。

さっさと解決するぞ。」

 

「違う!

魔物に乗っ取られたから!

むしろ!

建物の中がまるっとゲームフィールドになってるんすよ!

こんなん、アレじゃないですか!

拡張現実というより・・・仮想現実!

すごくないっすか!?

ゲームの中に自分が入っちゃってるんすよ!?」

 

「う、うん。」

 

純は少し引きながら頷いた。

 

「ああ・・・ついにモニターの向こうへ行ける時が来たんすねぇ・・・」

 

「どっちかつーと、ごっこ遊びの方が近いんじゃないか?」

 

「気分の問題っす気分の!」

 

「お、おう・・・」

 

誠も少し引いていた。

すると、良介はため息をつきながら先に歩き始めた。

そこに望が追いかけてきた。

 

「良介、なんで先行くんだよ!

ボクが疲れやすいって知ってるだろ!」

 

「ああ、そういやそうだったな。

忘れてた。」

 

良介の返答に望はため息をついた。

自由は望の方を見た。

 

「およ?

ええと・・・確か登校拒否の。」

 

「誰が登校拒否児だって!

引きこもりだ、引きこもり!」

 

「似たようなもんじゃねえか・・・」

 

誠は呆れた。

 

「引きこもりの・・・ああ!

授業を免除されて、毎日部屋でゲーム三昧という噂の、楯野・・・望、氏!

 

「ふん。

体が弱いんだもん、仕方ないだろ」

 

「うらやましい・・・じゃなくて。

なんだってそんな身体の人がクエストに?」

 

「だって・・・宍戸が・・・あ、あなたにしか出来ないとか言ってきて・・・断ったらまた健診の時怒られ・・・おい、良介!」

 

望は先に行こうとしていた良介を呼び止めた。

 

「お前も無関係じゃないぞ!

宍戸からボクを頼まれてるんだからな。」

 

「ああ、そうだったな。」

 

自由は不思議そうに良介を見た。

 

「え?

え?

頼まれてるってなんすか先輩?」

 

「ああ、それは・・・」

 

良介が自由に言おうとすると、望は思い出した。

 

「そうだ。

宍戸から頼まれたこと、一応伝えとく。

霧と人工物の例として、今回は特殊なんだってさ。

で、人間の技術に霧が寄ってきた。

これがいったいどういうことなのか。

調査しろ、だってさ。」

 

「やれやれ、面倒な・・・」

 

「ちなみに取り残された一般人の救助が最優先だからな。」

 

「それは、アレっすか。

誤爆で得点が減る・・・」

 

「ゲームじゃないんだから。」

 

「そう、これはゲームだけどゲームじゃないんだ。

細心の注意を払って・・・」

 

すると、自由が先に行ってしまった。

 

「あ、おい・・・!」

 

良介が呼び止めようとしたが、そのまま行ってしまった。

出入り口だと思われる場所に自由は入っていった。

すると、自由の服が変化した。

 

「うっひょおおおぉぉ!

やば、服変わったああああ」」

 

「おい!

勝手に先行くなって・・・」

 

望もすぐに追いかけた。

 

「あ、待ってよ!

あたしも・・・」

 

純も追いかけた。

 

「あああっ!

な、なんだこれーっ!?

 

望たちの服装も変わっていた。

 

「制服が変わってる・・・」

 

「マジでゲームじゃないすか!

リアルからの解放じゃないすかっ!

よっしゃあ、行きましょ先輩!

暴れますよーっ!」

 

「やれやれ、元気だな。」

 

良介が出入り口を通ると格好が変わった。

 

「お、勇者みたいな格好になったな。」

 

続いて、誠が通った。

 

「な、なんじゃこりゃー!?」

 

「ま、誠・・・なんだ・・・その、ト〇ネコみたいな格好は・・・」

 

誠は商人のような見た目になった。

良介はその姿を見て笑いをこらえていた。

 

   ***

 

望は突然変わった服装に困惑していた。

 

「こ、これ、大丈夫だよな?

制服がおかしくなったわけじゃないよな?」

 

「さぁ・・・今のところ、見た目以外に変わったようなことはないけど。」

 

自由はデバイスを触っていた。

 

「ふむふむ・・・なるほど、さっぱりわからんっす!

茉理ちゃんに聞いてみたっすが、えっと、ミストファイバーの性質がどうの。

ゲームの中に入るっていう自分らのイメージが強烈に影響を与えたこうの。

ここまで急激に変化するのは初めて見たけど大丈夫だとかなんとか。」

 

「本当に大丈夫なのか?」

 

良介はため息をついた。

 

「しかしその鎧、ダサいっすね。

騎士様っすか?」

 

「な、な、なんだよ!

そっちこそ防御の薄そうな服じゃないか!」

 

「いやぁ、意外と固いっすよ?

動きが鈍くなるほうが微妙じゃないすか?

あ、でも売ったら高そう・・・鎧売りさばいて回避型に転向するとか、どうです?」

 

「やだよ!

前衛がワンパン即死とかカッコ悪いだろ!」

 

「あたしは結構気に入ってるなぁ。

元の戦闘服と似てるもん。

てか、制服が変わってこうなったんだから、そんなに違わなくない?

戦闘服って要するに、本人がモチベあがる格好だって聞いたことあるよ。」

 

「ふーん。

ボクは危険がないなら、なんでもいいや。

それよりお前達って、ゲームが好きって話だけど。

このクエスト、どう攻略するか考えてんの?」

 

「うーん・・・あたしは格ゲーは好きなんだけど、今回は勝手が違うからなあ。

とりあえず情報を集めないとなんとも言えないや。」

 

「はいはーい、このゲームレベルの概念があるっすよ。

どこまで影響するかわかりませんが、元のゲームを再現しようとしてるなら・・・セオリー通り魔物をバンバン倒してレベル上げとけばいいんじゃないすか?」

 

「むやみに戦闘したって、討伐数が魔物のレベルに比例したらどうすんだよ。」

 

「ああ、ありますねえ、そういうゲームも。

攻略本あればなぁ。」

 

「ここは最短ルートで行くべきだ。

ムダな体力は使いたくないし。」

 

「えー?

せっかく仮想世界に来て、大暴れしなくてどーすんですか?

仕様の許す限りは、暴虐の限りを尽くすべきっすよ!」

 

「お前、絶対ゲームで迷惑行為とかするタイプだろ・・・」

 

「楽しまなければリアルから脱した意味がないっす。

で、良介先輩はどうします?

PKとかしてみます?

や、仕様上できるか試すだけですから。」

 

「え?

いや、それは・・・」

 

いきなり話を振られた良介は、返答に困った。

 

「絶対やめろよ!

試すのもダメ!

絶対、戦闘回避しつつ早解きが正解!

なあ、良介はボクと同意見だよな?

ゲーム仲間だもんな?」

 

「あー、まあ・・・」

 

「あれあれ?

先輩、チキンプレイっすか?

宝箱回収しないタイプっすか?」

 

すると、誠が話しかけた。

 

「おーい、一応クエストだから、揉めるのは・・・」

 

「そもそもタイムアタック嫌うのはプレイヤースキルのないヤツだろ!」

 

すると、純が望の方を見た。

 

「ちょっと待った。

今の言葉、聞き捨てならないんだけど。」

 

「え?」

 

「ハ、ハハ・・・鳴海先輩どしたんすか・・・顔がマジっすよ・・・?」

 

誠はその状況を見て固まった。

 

「俺・・・どうしたらいいの?」

 

良介は頭を掻いていた。

 

「とりあえず、放っておいて先に行くと面倒なことになりそうだから、収まるまで待つか。」

 

良介と誠は少し待つことにした。

 

   ***

 

良介たちはバーチャルパークに取り残された人を救助していた。

 

「おし、救助完了ー。

あとは先輩に魔力わけてもらってください。」

 

「たく・・・魔物に襲われてる奴がいると思ったら・・・」

 

良介はため息をついた。

救助されたのは盗賊の格好をした初音だった。

 

「あははー。

いやあ、ちょうどいいとこに来てくれて助かったぜ。」

 

「神宮寺のお嬢さん放置したらうちの主人がうるせーっすからね・・・」

 

「ん?

なんか言った?」

 

「なーんにも。

初音氏、盗賊のカッコ似合ってますよ。

てか、いつ忍び込んだんです。

クエストの許可取ったんですか?」

 

「いいのいいの。

アタシは偶然施設で遊んでたお客さんだから。」

 

「どうせ面白がって来たんだろ。」

 

良介は呆れていた。

 

「せっかくだし、いつもできないことしたいじゃん。

人んち勝手に入ったり、タンスの中漁ったりさ!」

 

「それで隙間に足取られて、じたばたしてたら世話ねえな。」

 

すると、向こうから望の声が聞こえてきた。

 

「ああもう、許せない!

テクスチャ抜けとか許せない~っ!」

 

望が戻ってきた。

 

「あの岩も!

あそこの崖も欠けてる!

デバッグしてないのか!」

 

「様子はどうだ?」

 

「城とか武器屋みたいなのが見えた・・・けど、全部ハリボテみたいだった。

これが製品版だったら大炎上だぞ!

今年のクソゲー大賞間違いなしだ!」

 

「まぁ、敵もなんか雑だったしな。」

 

良介も頷いた。

 

「い、一応JGJの名誉のために言っとくけどさ。

元のゲームはこんなにひどくはないからな。

魔物に侵食されたからだぞ。」

 

「知ってる。

宍戸が言ってた。

霧の魔物の外見は、全て出来損ないなんだって。

だから魔物に侵食されたここもゲームの出来損ないに変容してるんだ。

さっきの話の霧と人工物にも、前例がないわけじゃなくて・・・」

 

「あ、あれじゃねえか?

汐浜の人形館。」

 

誠が先に言った。

 

「なんだ、知ってんの?」

 

「ああ、俺もその場にいたからな。

建物自体に霧の魔物が憑りついて、それを律の歌で吹き飛ばしたんだ。」

 

「歌ぁ?

ふーん・・・うるさかったのかな。」

 

「あー・・・うるさかったな。」

 

「アンタ達・・・ひどい言いようね・・・」

 

純は誠と初音の言葉を聞いて呆れていた。

 

「歌で霧を払う・・・?

宍戸め・・・ボクしかできないって、どういうことだよ。

ボクは歌なんか歌えないぞ・・・しかも人前だと?

そ、そんな恥ずかしいこと、できるわけないだろ!」

 

「(バーチャルパークの霧を払うには望の力が必須なのか?)」

 

良介は独り言を言っている望を見ていた。

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