グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

108 / 117
※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
 閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第107話 安全でない街

魔法使いの村。

良介と誠、紗妃と葵がいた。

 

「良介さん、誠さん、お疲れ様でした!

わたくしたちの戦闘訓練につきあっていただいて、ありがとうございます!

つきましては香ノ葉さんのご希望で、お疲れ様会を予定しているのですが・・・」

 

「お疲れ様会?

ただの戦闘訓練なのにか?」

 

良介は首を傾げた。

すると、紗妃が葵を止めに入った。

 

「い、いけません!

片付けが済んだら、もう放課後です!

特に白藤さんの発案で良介さんを誘うなど・・・!」

 

紗妃の言葉に葵は首を傾げていた。

 

「あー・・・まぁ、香ノ葉はな。」

 

誠は何かを察したようで、苦笑していた。

 

「あ、いえ・・・彼女はその、時折、行きすぎるというか・・・とにかくお疲れ様会なら他の人がいるところでするようにと!」

 

「はぁ・・・では、ご一緒するのはどうでしょうか?」

 

「えっ!?」

 

紗妃は葵の発言に動揺していた。

 

「風紀委員の方がいるのであれば、何も問題はありませんから!

普段、あまりお話しもしませんし・・・これを機に、どうぞ!」

 

「まさか、そう来るとはな・・・」

 

誠は葵に呆れていた。

 

「あ・・・あ、ええと・・・」

 

紗妃が迷っていると、突然地響きがした。

 

「ん?」

 

「何だ?」

 

「い、今?」

 

「え?」

 

すると、地面が揺れ始めた。

 

「じ、地震っ!?」

 

紗妃は動揺していた。

 

「これは・・・!」

 

「おいおい、マジかよ・・・!」

 

良介と誠は何が起きようとしているのか、すぐに感づいた。

少し離れたところに心と結希がいた。

 

「霧の濃度が急激に増加・・・」

 

「これは・・・魔物じゃないわね。」

 

「はい、前回の計測パターンと同じ・・・霧の嵐です。」

 

「避けられない・・・!

卯衣に連絡を・・・!」

 

良介たちは光に包まれた。

少しして、良介は目を覚ました。

 

「痛ってー・・・どうなったんだ俺は・・・」

 

「さん・・・」

 

「ん?」

 

良介は誰かに呼ばれていることに気付いた。

 

「すけさん・・・り、良介さんっ!」

 

良介が起き上がると、心が立っていた。

 

「ああ、心か。」

 

「あ、あの・・・ここはいったい・・・」

 

「ここは・・・」

 

良介は周りを見渡した。

そこはどう見ても風飛市だった。

 

「きゃあっ!」

 

「ひぃっ!?」

 

心はすぐ近くにいた女性の悲鳴に驚いた。

 

「まずい、逃げろ・・・」

 

「なんで急に人が・・・」

 

その場から複数人の人が走り去っていった。

 

「なんだ、一体・・・」

 

「い、今の人たち・・・あれ・・・?」

 

「どうした?」

 

良介は心の視線の先を見ると、子供の心が立っていた。

 

「うわぁ・・・わたしによく似てる子ですね・・・」

 

「いや、どう見てもお前だと思うんだけど・・・」

 

良介は呆れていた。

 

   ***

 

過去の風飛市。

良介は心に現状を説明していた。

 

「え、ええっ!?

ここは過去の裏世界なんですかっ!?」

 

「馬鹿、大声出すな!」

 

「あ、はは、はいぃっ!

すみませんっ!

わ、わた、わたし、理解するのが遅くて・・・本当に申し訳ありません・・・」

 

「そういうのはいいから。

で、この子供だけど・・・」

 

良介と心は子供の心の方を見た。

 

「もしかしてこの子供は・・・わ、わた、わたし・・・!?」

 

「ま、そういうことだな。」

 

2人が話していると、子供の心が話しかけてきた。

 

「お姉ちゃんたち、さっきの人たちの知り合い?」

 

「さっきの人たち?」

 

「あのね、心に声をかけてきたお兄ちゃんたち。

パパたちはどこ、って聞かれて、連れて行ってくれるって言ってたの。」

 

良介と心は何も言わずにお互いを見た後、再び子供の心の方を向いた。

 

「いや、知らない人たちだよ。」

 

良介が話していると、紗妃がやってきた。

 

「あっ!

こ、こんな所に!

何をしてるんですか!」

 

「お、紗妃か。」

 

良介は紗妃の方を向いた。

 

「先ほどのは霧の嵐ですよ!

飲み込まれたということは、私たちは・・・うら・・・せかい・・・に・・・」

 

紗妃は子供の心を見て言葉を詰まらせた。

 

「あ・・・あの・・・」

 

「そ、そうですよね!

霧の嵐に飲み込まれたら帰れる保証はないって・・・聞いてたのに、すっかり忘れて子供時代の自分を見て・・・は、話しかけてしまうなんて・・・わたし、わたし、危機感がまるで足りなくて・・・」

 

「いじめちゃダメっ!」

 

「へっ?」

 

子供の心は紗妃に注意してきた。

 

「お姉ちゃんのこと、いじめないで!

泣かせる人、悪い人だよっ!」

 

「あ、い、いえ・・・私は、泣かせるつもりでは・・・ほ、ほら双美さん、泣かないでください。

誤解されてしまいます!」

 

「わた、わたしのせいで氷川さんがあらぬ誤解を・・・っ!?

あ、ああ・・・!

やっぱりわたしはダメなクズ女なんです・・・死んでお詫びを・・・」

 

「いじめちゃダメーっ!

謝って!」

 

「り、良介さんっ!

どうにかしてくださいっ!」

 

「まったく、ふうびキッズの時といい、どんだけ子供の扱いが苦手なんだよ・・・」

 

紗妃に助けを求められた良介は子供の心に誤解を解こうとした。

 

「はっけん!

はっけん!」

 

「何だ、今度は・・・」

 

良介と紗妃が振り向くと、子供の紗妃が立っていた。

 

「怪しい人たち!

ゆうかいはんねっ!

悪いことしちゃだめっ!

しんみょうにおなわにつきなしゃいっ!」

 

「はぁー、もー・・・次から次へと・・・」

 

良介は頭を抱えた。

 

   ***

 

子供の紗妃と子供の心が良介たちを見つめていた。

 

「2人とも疑惑の目でこちらを・・・」

 

「仕方ないだろ。

子供に声をかけるのは明らかに事案だからな。

それで、ここが前と同じ10年前だったら・・・」

 

「クリスマスの時期は、ちょうど例の事件が起きていますから。」

 

「れ、例の事件?」

 

良介は顎に手をやった。

 

「風飛市連続児童誘拐事件、か。」

 

「れんぞくじどうゆうかいじけん!?」

 

良介の言葉に心は驚いた。

 

「り、良介さん!

子供の私のことはなにも言わないでください!

あと、委員長にも言わないでくださいっ・・・自警団まがいのことをしていたと知られたら・・・」

 

「わかった、風子には言わないでおくから。」

 

「え、えっと・・・それで、良介さん・・・わた、わたしたち、どうすれば・・・」

 

「過去の学園生が何らかの事件に巻き込まれた・・・それが今回も、てことは・・・誘拐事件に?」

 

「え?

わ、わたしたちが誘拐事件に巻き込まれるんですか・・・?」

 

心は良介に聞いた。

 

「そうと決まったわけじゃないが・・・念のため、親の所に帰した方がいいだろう。」

 

「幸い、私の家は風飛市内です。

双美さんはどうですか?」

 

「え、ええとですね・・・あの・・・わ、わたしは隣県の祖母の家に・・・りょ、両親は亡くなっていますから・・・」

 

紗妃は暗い表情になった。

 

「すみません・・・事情を知らず・・・」

 

「い、いえ、大丈夫です。

それに・・・た、確かに危ないですから・・・あ、あの・・・」

 

心は子供の紗妃と子供の心に話しかけた。

 

「こ、ここは危ないから、お姉ちゃんたちと一緒に帰らない?」

 

「馬鹿野郎!

その言い方は・・・!」

 

「ふぇ?」

 

良介は心を注意しようとしたが遅かった。

 

「や、やっぱり・・・」

 

「ゆうかいはん・・・?」

 

「え?

え?

えええ?」

 

心は困惑していた。

 

   ***

 

子供の紗妃が良介たちを指差した。

 

「やっぱり!

この人たちがゆうかいはん!

子供をゆうかいするなんて、わたしが許しゃないっ!」

 

「あ、あ・・・あうぅ・・・」

 

心は酷く落ち込んでいた。

すると、子供の心が子供の紗妃を止めた。

 

「まって、紗妃ちゃん。」

 

「どうしたの?」

 

「お姉ちゃん・・・なんだか、えっと・・・心に似てるから・・・それだけじゃなくて、ちょっとお話、聞いたほうがいいかなって・・・」

 

紗妃は少し引いた。

 

「そういえば・・・そっちのゆうかいはんも、わたしに・・・」

 

「に、似てるわけありません!

私とあなたは別人です!

別人!」

 

「そんなにあわてて・・・やっぱり怪しい・・・」

 

「頭の固さと疑り深さ、紗妃はこんな子供だったんだな。」

 

良介は引き笑いをしていた。

 

「双美さん、あなたの方が話しやすそうです。

お願いします。」

 

「あ、苗字言ったら・・・」

 

良介は紗妃を止めようとしたが遅かった。

 

「双美・・・同じ苗字・・・?」

 

子供の心が反応した。

 

「あ、ち、違うんです!

私は確かにフタミですが、双美ではなくてですね!

え、ええと・・・二つの海と書いて・・・す、すみません・・・土下座しますぅ・・・!」

 

「はぁ・・・またややこしくなりそうな・・・」

 

良介はため息をついた。

 

「はなしがすすまないから、つうほうする。」

 

「と、それは非常に困るな・・・身分が証明できないのに、通報されたら・・・仕方ないか。」

 

良介は子供の2人に話しかけた。

 

「心ちゃんに紗妃ちゃんだったな。

俺たちは魔法使いなんだ。」

 

「ま、魔法使い、ですか?」

 

「ああ、グリモアに通っている学園生だ。

今日はクエストを請けて・・・連続児童誘拐事件のさらなる犯行を防ぐために、パトロールをしているんだ。」

 

「せ、せーふくちがうよっ!」

 

子供の紗妃に指摘されたが、良介にはわかっていたことだった。

 

「もちろん、魔法使いだと知られたらダメだからな。

それらしい格好していると、逆に騙しやすくなるんだ。」

 

子供の紗妃は良介をじっと見た。

 

「ほ、ほんと?」

 

「ああ。

証拠に・・・ほら、魔法だ。」

 

良介は右手から小さく電撃を出した。

 

「うわっ!

す、すごい・・・まほうつかい!」

 

「我ながら、よく攫われなかったものですね・・・」

 

紗妃は後ろで呆れていた。

 

   ***

 

良介は子供の心に質問した。

 

「そういえば、さっき若い男に声をかけられてなかったか?」

 

「うん、えっと・・・心を送ってくれるって。」

 

良介は顎に手をやった。

 

「服は俺たちのようなやつか?」

 

「ううん。

全然違うよ。

もっと、えっと・・・ふつうの。」

 

「わ、わたしも見た!

きっとあの人たちが・・・!」

 

良介は子供の紗妃の話を聞いて少し唸った。

 

「ううん・・・俺たちが霧の嵐で移動したのは、この事件を止めるためか?」

 

良介が考え込んでいると、突然デバイスが鳴った。

 

「ん?」

 

「で、デバイス・・・裏世界でも通じるんですか・・・?」

 

紗妃が驚いているのを余所に、良介はデバイスを取り出した。

 

「もしもし・・・卯衣か?

あぁ、あぁ・・・何?

わかった、すぐに探す。」

 

良介はデバイスを直すと、心と紗妃の方を向いた。

 

「心、紗妃。

結希と葵と誠も来ているらしい。」

 

「ええっ!?

そ、そうなんですか?

わたしが・・・巻き込んで・・・?」

 

「関係ねぇよ。

それより、早く見つけるぞ。」

 

良介は過去の心と紗妃に話しかけた。

 

「なぁ、俺やこの2人と同じ服装をした奴ら見なかったか?」

 

2人は良介たちを少し見ると、良介に話しかけた。

 

「あっ!

わたし見た!

見たよ!」

 

「心も見たよ。

えっと、通りの向こうの・・・」

 

「きょろきょろしながらあるいてた!」

 

良介たちは顔を見合わせた。

 

「そ、それは・・・」

 

「ええ、冷泉さんですね。

確か裏世界も初めてだったはず・・・?」

 

「なにも知らないのは、子供以上に危険だな。

その場所に案内してくれないか?

友達なんだ。」

 

「いいよ!

お兄ちゃんたち魔法使いだから、いいよ!」

 

子供の紗妃は笑顔で答えてくれた。

 

「私は、魔法使いに憧れていましたから・・・」

 

「なるほど、だからこんなに協力してくれるんだな。」

 

良介たちは子供の紗妃に案内してもらうことにした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。