閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
それでもOKという方は、よろしくお願いします。
魔法使いの村。
良介と誠、紗妃と葵がいた。
「良介さん、誠さん、お疲れ様でした!
わたくしたちの戦闘訓練につきあっていただいて、ありがとうございます!
つきましては香ノ葉さんのご希望で、お疲れ様会を予定しているのですが・・・」
「お疲れ様会?
ただの戦闘訓練なのにか?」
良介は首を傾げた。
すると、紗妃が葵を止めに入った。
「い、いけません!
片付けが済んだら、もう放課後です!
特に白藤さんの発案で良介さんを誘うなど・・・!」
紗妃の言葉に葵は首を傾げていた。
「あー・・・まぁ、香ノ葉はな。」
誠は何かを察したようで、苦笑していた。
「あ、いえ・・・彼女はその、時折、行きすぎるというか・・・とにかくお疲れ様会なら他の人がいるところでするようにと!」
「はぁ・・・では、ご一緒するのはどうでしょうか?」
「えっ!?」
紗妃は葵の発言に動揺していた。
「風紀委員の方がいるのであれば、何も問題はありませんから!
普段、あまりお話しもしませんし・・・これを機に、どうぞ!」
「まさか、そう来るとはな・・・」
誠は葵に呆れていた。
「あ・・・あ、ええと・・・」
紗妃が迷っていると、突然地響きがした。
「ん?」
「何だ?」
「い、今?」
「え?」
すると、地面が揺れ始めた。
「じ、地震っ!?」
紗妃は動揺していた。
「これは・・・!」
「おいおい、マジかよ・・・!」
良介と誠は何が起きようとしているのか、すぐに感づいた。
少し離れたところに心と結希がいた。
「霧の濃度が急激に増加・・・」
「これは・・・魔物じゃないわね。」
「はい、前回の計測パターンと同じ・・・霧の嵐です。」
「避けられない・・・!
卯衣に連絡を・・・!」
良介たちは光に包まれた。
少しして、良介は目を覚ました。
「痛ってー・・・どうなったんだ俺は・・・」
「さん・・・」
「ん?」
良介は誰かに呼ばれていることに気付いた。
「すけさん・・・り、良介さんっ!」
良介が起き上がると、心が立っていた。
「ああ、心か。」
「あ、あの・・・ここはいったい・・・」
「ここは・・・」
良介は周りを見渡した。
そこはどう見ても風飛市だった。
「きゃあっ!」
「ひぃっ!?」
心はすぐ近くにいた女性の悲鳴に驚いた。
「まずい、逃げろ・・・」
「なんで急に人が・・・」
その場から複数人の人が走り去っていった。
「なんだ、一体・・・」
「い、今の人たち・・・あれ・・・?」
「どうした?」
良介は心の視線の先を見ると、子供の心が立っていた。
「うわぁ・・・わたしによく似てる子ですね・・・」
「いや、どう見てもお前だと思うんだけど・・・」
良介は呆れていた。
***
過去の風飛市。
良介は心に現状を説明していた。
「え、ええっ!?
ここは過去の裏世界なんですかっ!?」
「馬鹿、大声出すな!」
「あ、はは、はいぃっ!
すみませんっ!
わ、わた、わたし、理解するのが遅くて・・・本当に申し訳ありません・・・」
「そういうのはいいから。
で、この子供だけど・・・」
良介と心は子供の心の方を見た。
「もしかしてこの子供は・・・わ、わた、わたし・・・!?」
「ま、そういうことだな。」
2人が話していると、子供の心が話しかけてきた。
「お姉ちゃんたち、さっきの人たちの知り合い?」
「さっきの人たち?」
「あのね、心に声をかけてきたお兄ちゃんたち。
パパたちはどこ、って聞かれて、連れて行ってくれるって言ってたの。」
良介と心は何も言わずにお互いを見た後、再び子供の心の方を向いた。
「いや、知らない人たちだよ。」
良介が話していると、紗妃がやってきた。
「あっ!
こ、こんな所に!
何をしてるんですか!」
「お、紗妃か。」
良介は紗妃の方を向いた。
「先ほどのは霧の嵐ですよ!
飲み込まれたということは、私たちは・・・うら・・・せかい・・・に・・・」
紗妃は子供の心を見て言葉を詰まらせた。
「あ・・・あの・・・」
「そ、そうですよね!
霧の嵐に飲み込まれたら帰れる保証はないって・・・聞いてたのに、すっかり忘れて子供時代の自分を見て・・・は、話しかけてしまうなんて・・・わたし、わたし、危機感がまるで足りなくて・・・」
「いじめちゃダメっ!」
「へっ?」
子供の心は紗妃に注意してきた。
「お姉ちゃんのこと、いじめないで!
泣かせる人、悪い人だよっ!」
「あ、い、いえ・・・私は、泣かせるつもりでは・・・ほ、ほら双美さん、泣かないでください。
誤解されてしまいます!」
「わた、わたしのせいで氷川さんがあらぬ誤解を・・・っ!?
あ、ああ・・・!
やっぱりわたしはダメなクズ女なんです・・・死んでお詫びを・・・」
「いじめちゃダメーっ!
謝って!」
「り、良介さんっ!
どうにかしてくださいっ!」
「まったく、ふうびキッズの時といい、どんだけ子供の扱いが苦手なんだよ・・・」
紗妃に助けを求められた良介は子供の心に誤解を解こうとした。
「はっけん!
はっけん!」
「何だ、今度は・・・」
良介と紗妃が振り向くと、子供の紗妃が立っていた。
「怪しい人たち!
ゆうかいはんねっ!
悪いことしちゃだめっ!
しんみょうにおなわにつきなしゃいっ!」
「はぁー、もー・・・次から次へと・・・」
良介は頭を抱えた。
***
子供の紗妃と子供の心が良介たちを見つめていた。
「2人とも疑惑の目でこちらを・・・」
「仕方ないだろ。
子供に声をかけるのは明らかに事案だからな。
それで、ここが前と同じ10年前だったら・・・」
「クリスマスの時期は、ちょうど例の事件が起きていますから。」
「れ、例の事件?」
良介は顎に手をやった。
「風飛市連続児童誘拐事件、か。」
「れんぞくじどうゆうかいじけん!?」
良介の言葉に心は驚いた。
「り、良介さん!
子供の私のことはなにも言わないでください!
あと、委員長にも言わないでくださいっ・・・自警団まがいのことをしていたと知られたら・・・」
「わかった、風子には言わないでおくから。」
「え、えっと・・・それで、良介さん・・・わた、わたしたち、どうすれば・・・」
「過去の学園生が何らかの事件に巻き込まれた・・・それが今回も、てことは・・・誘拐事件に?」
「え?
わ、わたしたちが誘拐事件に巻き込まれるんですか・・・?」
心は良介に聞いた。
「そうと決まったわけじゃないが・・・念のため、親の所に帰した方がいいだろう。」
「幸い、私の家は風飛市内です。
双美さんはどうですか?」
「え、ええとですね・・・あの・・・わ、わたしは隣県の祖母の家に・・・りょ、両親は亡くなっていますから・・・」
紗妃は暗い表情になった。
「すみません・・・事情を知らず・・・」
「い、いえ、大丈夫です。
それに・・・た、確かに危ないですから・・・あ、あの・・・」
心は子供の紗妃と子供の心に話しかけた。
「こ、ここは危ないから、お姉ちゃんたちと一緒に帰らない?」
「馬鹿野郎!
その言い方は・・・!」
「ふぇ?」
良介は心を注意しようとしたが遅かった。
「や、やっぱり・・・」
「ゆうかいはん・・・?」
「え?
え?
えええ?」
心は困惑していた。
***
子供の紗妃が良介たちを指差した。
「やっぱり!
この人たちがゆうかいはん!
子供をゆうかいするなんて、わたしが許しゃないっ!」
「あ、あ・・・あうぅ・・・」
心は酷く落ち込んでいた。
すると、子供の心が子供の紗妃を止めた。
「まって、紗妃ちゃん。」
「どうしたの?」
「お姉ちゃん・・・なんだか、えっと・・・心に似てるから・・・それだけじゃなくて、ちょっとお話、聞いたほうがいいかなって・・・」
紗妃は少し引いた。
「そういえば・・・そっちのゆうかいはんも、わたしに・・・」
「に、似てるわけありません!
私とあなたは別人です!
別人!」
「そんなにあわてて・・・やっぱり怪しい・・・」
「頭の固さと疑り深さ、紗妃はこんな子供だったんだな。」
良介は引き笑いをしていた。
「双美さん、あなたの方が話しやすそうです。
お願いします。」
「あ、苗字言ったら・・・」
良介は紗妃を止めようとしたが遅かった。
「双美・・・同じ苗字・・・?」
子供の心が反応した。
「あ、ち、違うんです!
私は確かにフタミですが、双美ではなくてですね!
え、ええと・・・二つの海と書いて・・・す、すみません・・・土下座しますぅ・・・!」
「はぁ・・・またややこしくなりそうな・・・」
良介はため息をついた。
「はなしがすすまないから、つうほうする。」
「と、それは非常に困るな・・・身分が証明できないのに、通報されたら・・・仕方ないか。」
良介は子供の2人に話しかけた。
「心ちゃんに紗妃ちゃんだったな。
俺たちは魔法使いなんだ。」
「ま、魔法使い、ですか?」
「ああ、グリモアに通っている学園生だ。
今日はクエストを請けて・・・連続児童誘拐事件のさらなる犯行を防ぐために、パトロールをしているんだ。」
「せ、せーふくちがうよっ!」
子供の紗妃に指摘されたが、良介にはわかっていたことだった。
「もちろん、魔法使いだと知られたらダメだからな。
それらしい格好していると、逆に騙しやすくなるんだ。」
子供の紗妃は良介をじっと見た。
「ほ、ほんと?」
「ああ。
証拠に・・・ほら、魔法だ。」
良介は右手から小さく電撃を出した。
「うわっ!
す、すごい・・・まほうつかい!」
「我ながら、よく攫われなかったものですね・・・」
紗妃は後ろで呆れていた。
***
良介は子供の心に質問した。
「そういえば、さっき若い男に声をかけられてなかったか?」
「うん、えっと・・・心を送ってくれるって。」
良介は顎に手をやった。
「服は俺たちのようなやつか?」
「ううん。
全然違うよ。
もっと、えっと・・・ふつうの。」
「わ、わたしも見た!
きっとあの人たちが・・・!」
良介は子供の紗妃の話を聞いて少し唸った。
「ううん・・・俺たちが霧の嵐で移動したのは、この事件を止めるためか?」
良介が考え込んでいると、突然デバイスが鳴った。
「ん?」
「で、デバイス・・・裏世界でも通じるんですか・・・?」
紗妃が驚いているのを余所に、良介はデバイスを取り出した。
「もしもし・・・卯衣か?
あぁ、あぁ・・・何?
わかった、すぐに探す。」
良介はデバイスを直すと、心と紗妃の方を向いた。
「心、紗妃。
結希と葵と誠も来ているらしい。」
「ええっ!?
そ、そうなんですか?
わたしが・・・巻き込んで・・・?」
「関係ねぇよ。
それより、早く見つけるぞ。」
良介は過去の心と紗妃に話しかけた。
「なぁ、俺やこの2人と同じ服装をした奴ら見なかったか?」
2人は良介たちを少し見ると、良介に話しかけた。
「あっ!
わたし見た!
見たよ!」
「心も見たよ。
えっと、通りの向こうの・・・」
「きょろきょろしながらあるいてた!」
良介たちは顔を見合わせた。
「そ、それは・・・」
「ええ、冷泉さんですね。
確か裏世界も初めてだったはず・・・?」
「なにも知らないのは、子供以上に危険だな。
その場所に案内してくれないか?
友達なんだ。」
「いいよ!
お兄ちゃんたち魔法使いだから、いいよ!」
子供の紗妃は笑顔で答えてくれた。
「私は、魔法使いに憧れていましたから・・・」
「なるほど、だからこんなに協力してくれるんだな。」
良介たちは子供の紗妃に案内してもらうことにした。