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それでもOKという方は、よろしくお願いします。
JGJホテル。
ここではJGJ主催の新年会が行われていた。
そこに着物を着た1人の女子がいた。
すると、ちょうどそこを通りかかった樹と軽く当たってしまった。
「おっと、失礼。」
「あ、すいません。」
「おや・・・君はグリモアの生徒かい?」
「え・・・あ、そうです・・・」
「いや失礼。
何度かグリモアには行ったんだが、どうやら運が悪かったみたいだ。
早く君に会えなかったのが残念だよ。
だけどここで出会ったのは幸運でもある。
僕のパーティで君をエスコートすることができるんだからね。
さ、警備に取り掛かる前に、僕が会場を案内しよう。
こちらへどうぞ。」
「あ、はぁ・・・」
その女子は少し困っているようだった。
すると、その状況を見て笑っている誠がいた。
「ぷっ、くくっ・・・!
誰に言い寄ってんだよ、樹さんよ・・・!
なーにが運が悪かっただ!」
「なんだ、どういうことだ?」
樹は何故誠が笑っているのかわかっていなかった。
「まだ気づかないのかよ!
笑えるなぁ・・・」
誠は腹をかかえていた。
「なにを言ってるんだ?
誠くん。」
「こいつ、良介だぜ。
魔法使って女装して声色を変えた良介だよ!」
樹は少し固まった。
「良介君?」
樹はその女子の方を向いた。
「ええええっ!?」
樹は驚愕した。
女子の正体は良介だった。
その後、良介は風子と合流した。
「いやあ、まさか魔法を使っているとはいえ、樹さんを騙せるとは思わなかったな。」
「騙されなかったら失敗なんで、喜ぶとこじゃねーですか?」
「そうかもしれんが・・・ところで俺の本名呼んだらダメだろ。
違う呼び名ないのか?」
「今から考えます。」
風子は顎に手をやり、唸り始めた。
「花子はどうだ。」
良介は適当に言った。
「学園のウサギじゃねーですか。
却下です。」
再び風子は考え始めた。
が、少しして良介の方を見た。
「良介さん、考えてください。」
「お前なあ・・・」
良介は呆れた。
「可愛い名前でおねげーします。」
「はぁ・・・まったく・・・」
良介は考えようとすると、視線の先に偶然伊達巻があった。
良介は伊達巻を少し見た後、思いついた。
「マキでどうだ。」
「伊達巻の方を見て思いつきましたね。」
風子は呆れていた。
「仕方ねーだろ。
全然思いつかなかったんだから。」
「まぁ、悪くないですね。
では、それでおねげーします。」
良介と風子は警備に取り掛かった。
***
女装した良介と風子は周りを見渡していた。
「それにしても、見れば見るほど豪勢なパーティだな。
企業の社長に政治家も来てるな。
ここは大人しくしとくか。」
「なに言ってやがんですか。
玉の輿を探しに挨拶でも行きませんか?」
良介はため息をついた。
「なに言ってんだ。
風子らしくねえな。
どうせ俺と話させて楽しむつもりだろ?」
「ふふふ、ばれちゃーしかたありませんね。
では無理やりにでも連れていきましょーか。」
「俺で遊ぶなよ。
風紀委員長。」
「今日はJGJの警備体勢が、これでもかって敷かれてますから。
警備って名目とはいえ、やることはそうありませんよ。
することがないんですから、良介さんで遊ぶくらいしかないじゃないです?」
「お前頭いいんだから、偉いさんと話せるだろ?
話してこいよ。
まぁ、楽しみ方は人それぞれだけどな。」
「良介さん、ウチがアンタさんにちょっかい出すのは嫌ですか?」
「別の場所なら構わないけど、ここだと不純異性交遊として扱われるぞ。」
「いまアンタさんは女の子なんですが。」
「不純同性交遊もダメだって言ってたろ。」
「おっと、そうでしたね。」
良介はため息をつきながら風子の方を見た。
「風子、ストレス溜まってるな。」
「やっぱストレスなんですかね、これ。」
風子は良介の体をまじまじと見た。
「それにしても、良介さんすごいですね。
身長まで低く見せてしまうとは・・・美少女にしか見えませんわ。
ここまで幻惑の魔法を使いこなすなんて、お見事としか言えませんね。」
「そいつはどうも。
ところで、さすがにここでいつまでも立ち話するのもどうかと思うんだが。」
「確かにそーですね。
警備のクエストなのは間違いねーですから。
ちょっと適当に歩きましょーか。」
良介と風子は寄り添うように歩き始めた。
***
良介と風子は2人で歩いていた。
風子は周りを見渡した
「新年会・・・にしちゃーものものしいったらねーですね。
流石は、JGJ主催といったとこでしょーか。
あのお嬢さんからはそーぞーもできませんが、これでも日本一ですからね。
当然と言えば当然なんでしょーが、これだけの人間が来てるわけですし。
バーチャルパークでの一件もありましたしねー。」
「ま、お蔭でお・・・私たちが、外部を警戒する必要はなさそうね。
今日はゆっくり、新年会を楽しみましょうか。」
良介は女性口調で喋った。
「そういえば、あっちのテーブルにアップルバターケーキがありましたね。」
「食べたいの?」
「良介さんもどーです?
一緒に行きましょー、せっかくのご馳走ですし。」
「いいの?
私たちがうろちょろしてて。」
「うろちょろしてた方が目立たないんです。
こーゆーとこはね。」
「そう・・・ところで、名前。」
「あ、すみませんでした。
マキさん。」
2人は料理のあるテーブルに向かった。
風子は早速ケーキを食べていた。
「はむっ・・・あ、おいし。
このケーキ結構いけますよー。
良介さんも1口どーです?
はい、あーん。」
風子は自分のフォークに刺したケーキを良介に近づけた。
「いやいや、さすがにそれはちょっと・・・」
「はしゃいでる女の子達、くらいにしか見えませんって。
それにウチらなんか、あの人らに比べたら雑魚ですよ、雑魚。」
「どこの人たちのことを言ってるの?」
「ほら、あそこのテーブル付近。」
風子は向こうのテーブルを指差した。
「あそこの人達、ニュースで見たことあるな。
財界実力者に政治家・・・軍の幹部、大手銀行の頭取ね。」
「いやー、この国を背負って立つ大物が頭を揃えてるよーですね。」
「まぁ、驚くことじゃないわね。
JGJインダストリー主催の新年会・・・いるのが当たり前ね。
それより、その人たちが挨拶している人。」
良介はため息をついた。
「神宮寺 初音。
神宮寺家のご令嬢だから、当然なんでしょーが・・・」
「ええ、こうやって見ると、本当にお嬢様ね。
態度は相変わらずだけど。」
風子はフォークに刺したケーキを良介の顔に差し出して来たので、良介はそのケーキを一口で食べた。
「さて、良介さん?
今度はあっちのテーブルに行ってみましょ。」
「そんなにうろついて大丈夫なの?」
「だいじょーぶですって。
別に悪い事するわけじゃないんですから。
パーティーではしゃいでる女子2人にしか見えませんって。」
「それならいいけど・・・」
良介と風子は次のテーブルに向かおうとしたが、風子は急に立ち止まった。
「どうしたの?」
「そう言えば・・・アンタさん、事前に練習とかしました?」
「なんの?」
「いえ、なんだかみょーにらしい言葉遣いや仕草だなと思いまして。」
風子は良介をまじまじと見つめた。
***
2人は次のテーブルへと向かっていた。
「せっかくだから、もーちょっと訓練しましょーか。
女の子らしい食べ方や、歩き方をきちんと覚えておきましょ。
あとでなんの役に立つかわかりませんしね。
ウチが手取り足取り、教えて差し上げます。」
「マジかー・・・」
良介は嫌そうな顔をした。
少しして、良介は風子から指導されていた。
「そうそう、パフェの食べかたも自然でいいですよ。
うまいですねー。
もういっそ、アンタさんそのままでいた方がいいんじゃねーです?」
「何ぃ?」
良介は風子を軽く睨んだ。
「ふふふ、冗談ですって、あんまり怒らねーでください。」
風子は自分の料理を食べると良介の方を向いた。
「ところで、ここに来て思いついたんですが、JGJに武器の生産を依頼してみる気、ありません?」
「ん、なんでまた?」
「いや、少し前に良介さんの武器、剣を見た時、大分傷んで見えたんで。
そろそろ、新しいやつに変えた方がいいんじゃねーかと思いまして。」
「そんなに傷んでた?」
「ええ、特に刀身部分。
結構刃こぼれやヒビらしき部分が見えたんで。」
「一応、毎回クエストの度に手入れしてるけどな。」
「素人が手入れするより、プロの人に頼んだ方がよくねーですか?」
「金掛かるのよねー。」
「もしかしたら学園一の金持ちかもしれねー人がそんなこといいますか・・・」
風子は呆れた顔をしていた。
「とりあえず、もしものことがあったらと思うと不安がありますからねー。
途中でへし折れでもしたら、危なっかしいでしょ。」
「その時は素手で戦うつもりだけど・・・」
「それよりも、剣使ってる時の方が強いじゃねーですか。
だから、依頼したらどーですって話です。
けっこー質のいい武器、作ってくれるはずですよ?
そうすれば、少なくとも、アンタさんが死んでしまう可能性がけっこー下がります。」
「学園は文句言わないかな?」
「アンタさんが欲しいって言えば、文句は言わねーでしょ。」
「けど、何か落とし穴がないか確認しないとな・・・ところでやけに風子乗り気ね。」
「そりゃ乗り気にもなります。
前線でのアンタさんの力は、そりゃとてつもなく重要な案件ですから。
その柔肌に傷がつかないようにしたいでしょ?」
「柔肌って・・・」
良介はため息をついた。
***
良介は1人で歩いていると、風子が駆け寄ってきた。
「あ、良介さん。
どこに行ってたんです?」
「ナンパされてた。」
良介はの話を聞いて風子はため息をついた。
「挨拶するくらいならいーんですが、あまり話し込むとバレますから・・・知らねー人と話したりは、控えてくだせー。
地味ーに、地味ーに。
何度も言いますが、ここはJGJ、つまり神宮寺家です。
テロリストに狙われている神宮寺家です。
それこそ、誰がどこから見ているのやら・・・もしも、こんな場所で・・・目立ってアンタさんだとバレたりしたら、大変なことになります。
言ってる意味は、わかりますよね?」
「わかってるって。
大丈夫だから。」
風子は良介を不安そうに見ていた。
「ちょっと心配ですね。
良介さん、あんまりウチから離れないよーに。」
「そう言われてもなぁ・・・大丈夫だろ。」
良介は周りを見渡した。
「キョロキョロしない。
ウチと一緒に小さくまとまってましょ。
こうやって、学生として自然に人に紛れて歩きまわっていれば。
声をかけられたりすることもねーでしょう。
はい、演出演出。」
風子は良介と手を繋いだ。
「いや、これはまずくないか?」
「女同士でしょ。
手を繋ごうが腕を組もうがおかしくねーですよ?」
「それならいいけど・・・」
2人は歩き始めた。
「おぉ・・・アンタさん、さっきから言ってますがホントーにうまいですね。
今の歩き方、完璧ですよ。
驚きです。
一部の生徒よりずっと女らしーとゆーか・・・一部が誰かはお察しですが・・・とはいえ、気を抜いたらだめです。
このまま続けましょ。
なにがあるかわかりません。
勿論、テロリストも心配ですが・・・ナンパにも、注意しないとですね。」
「きついなぁ・・・ていうか、大丈夫かな?」
良介は不安そうにしていた。
「だいじょーぶです。
ウチがずっと一緒にいますから。」
「うーん・・・なら、いいか。」
2人は寄り添うように歩き始めた。
***
女装した良介は一人で歩いていると着物を着た春乃に遭遇した。
春乃は着物を着た秋穂の方を見ていた。
「あぁ・・・秋穂・・・秋穂可愛いよ・・・お人形さんみたい・・・部屋に飾っておきたいわ・・・」
「(相変わらずだなぁ・・・)」
良介は呆れていた。
すると、春乃は良介のいる方向を向いた。
「良介の気配がしたけど・・・いないな。
もしかして隠れて秋穂に・・・?
あたしから隠れる理由なんて・・・やっぱり秋穂に近づくつもりか・・・」
「(あいつの中の俺のイメージはどうなってるんだ・・・)」
春乃は女装した良介に気付いた。
「ん?
アンタ・・・さっきもいたわね。
ちょうどいい。
良介を見つけたらすぐ連絡して。
どうして姿を隠すのか、真意をはっきりさせてやるわ。」
「え、ええ、わかったわ・・・
(どうやら俺が女装していることには気づいてないみたいだな。)」
そこに料理を持った花梨がやってきた。
「りょ・・・マキ!
料理持ってきたすけ。」
「里中・・・あんた、良介の居場所、知らない?」
「え?
いんや、知らねぇな。」
「何度も聞いても仕方ないわね。
これだけ探してもいないなら、本当にいないのかも・・・意識しすぎたかもしれない。
少し頭を冷やしてくるわ。」
春乃はその場を離れた。
「後のこと考えたら、春乃には言っといた方がいいんじゃないの?
嘘ついてるって知ったら・・・」
良介は花梨が持ってきた料理を食べながら言った。
「もう遅いと思うべ。
ここまで来たんだば、最後までごまかさねぇとなぁ。」
「しかし・・・変わりましたねぇ。
前だったらもっとしつこく確認してきたものですが。」
風子は良介の持っている小皿の料理を横から取って食べながら言った。
「風子、それこっちの・・・」
「知ってます。」
良介は呆れて何も言えなかった。
***
良介と風子は2人で料理を食べながらパーティーに参加している人たちを見ていた。
「ほーっ。
そうそうたる面々ですねー。
JGJは軍産複合体ですから、政府や軍部のお偉いさんも来てますよ。」
「確かにな。
あれが野薔薇 源一郎。
姫の父親か。
あっちは冷泉か。
風評を気にしてるって話だったが、今はそうじゃないみたいだな。」
2人が話していると着物を着た真理佳がやってきた。
「おや、円野じゃねーですか。
アンタさんも警備ですか。」
「ハイ!
神宮寺さんに誘われた越水センパイに誘われた霧塚センパイに誘われた与那嶺センパイに誘われてきました。」
「ずいぶん回りくどいリレーね。」
良介は呆れていた。
真理佳は女装している良介の方を向いた。
「あ、そっちの人はどなたですか?
初めまして、かな?
もしかして最近転校してきた子?
ボク、円野 真理佳っていいます!
よろしくお願いします!」
「う、うん・・・」
良介はやり辛そうにしていた。
「やっぱり気づきませんねー。」
「え?」
真理佳は風子の方を向いた。
「こちら、良介さんですよ。」
「え?」
真理佳はキョトンとした顔で良介の方を向いた。
「ほら、良介さん。
アンタさんだとわかるようにしてください。」
「わかったよ・・・」
良介は声色を変える魔法を一時的に解いた。
「ほら、これでわかるか。」
良介はいつも通りの声、いつも通りの口調で喋った。
「ええっ!?
せ、センパイですか!?」
「そうだ。
あと、あまり大声で叫ぶな。」
「このまま黙って、アンタさんの良介さんの評価を聞いてもよかったんですが・・・さすがにそれは可哀想かと思いまして。」
「そ、そそそんなこと考えてたんですか!
風紀委員長なのに!」
「本音の付き合いって素晴らしいものだと思いませんか?」
「あのー。
ちょっとセンパイ、触ってみて良いですか?」
「ええ、良いわよ。」
良介は再び声色を変える魔法をかけると答えた。
「セ、センパイ・・・僕と同じくらいになっちゃいましたね・・・うわぁ、なんかふにふにしてる。」
真理佳は良介の腕や手を触った。
「優しく扱ってあげてくださいよ。
女の子なんですから。」
風子は楽しそうに笑っていた。
***
良介と風子は樹のところにやってきた。
「どうも、樹さん。」
良介はわざと可愛らしく喋った。
「い、いやーハハハ、楽しんでるかい。」
樹はぎこちなく返事した。
「別に口説いたっていーんですよ。
ホラ、とってもかわいーでしょ。
むしろアンタさんがお墨付きを与えてくれると楽なんですよ。」
「い、いじめないでくれよ。
勘弁してくれ。」
すると、風子は向こうに行ってしまった。
樹は良介の方を向いた。
「ふぅ・・・そ、そう言えば君の話はよく聞いているが・・・初音と沙那ちゃんがいろいろと世話になっているようだな。
礼を言うよ。
初音は見ての通りのやんちゃだし、兄妹の中じゃ一番悪ガキだ。
しかし魔法使いになってからは、一気に人生を諦めちまった。
沙那ちゃんは沙那ちゃんで、初音の世話するほかに何も俺達に望まない。
神宮寺で魔法使いになるってのがそこまでだとは思わなかったよ。
ま、アイツら本来の性格もあるかもしれないけどな。」
「別に礼を言われる必要はないと思いますがね・・・」
「フム。
どうだ、りょ・・・マキちゃ・・・マキちゃん。
ちょっとそっちで話さないか。
初音がよく君の話をする。
兄として、知っておかないとな。」
「無理して偽名で呼ばなくていいと思うんですが・・・」
2人が話をしようとすると、智花がやってきた。
「あっ!
いけませんよ、神宮寺さん!」
「ん?
ああ、智花ちゃんか。」
「学園生をナンパしないように注意してって言われてるんですから!」
「え・・・?
だ、誰に?」
「どうせ沙那でしょ。」
良介が呆れ気味に言った。
「え、ええ、そうです。
月宮さん、初音ちゃんの側にいなきゃいけないからって。」
「沙那ちゃんも心配性だなぁ。
もしかして俺が女の子と仲良くしてるのに嫉妬?」
良介と智花は黙って樹を見た。
「悪い冗談だった。
許してくれ。」
「あ、いえ、もし月宮さんがそうだったらどんな感じかなって思って・・・あっ。
だ、だから女の子を誘っちゃだめなんですよ?」
「うーむ。
じゃあ俺の誤解を解くために、ひとつ教えてあげよう。
誰にも喋っちゃいけないぞ。
実は彼女・・・」
樹は良介の肩に手を置いた。
「あ、今度は肩に手を回して・・・!」
「いや、彼は良介君なんだ。」
「もー!
冗談ではぐらかすって聞いてましたけど・・・そんなことあるわけじゃないですか。
ねぇ?」
すると、良介は声色を変える魔法を解いた。
「実は事実なんだよ、これが。」
良介がいつもの声で喋ると智花は固まった。
「ひょえええっ!?」
正体が良介だと知った智花は驚愕した。